4月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:8521ページ
ナイス数:386ナイス


絶叫城殺人事件 (新潮文庫)絶叫城殺人事件 (新潮文庫)
火村先生とアリスの二人の距離感が好きです。6つの殺人事件ですが、どれもやり場のない悲しみや切なさを感じます。同じ事件で同じトリックだとしても火村先生とアリスのやりとりがあるからこそ読者に見えてくる景色が変わる気がします。どっぷり夜の世界に浸かりました。黒鳥亭と月宮殿の悲しい余韻の残る話も好みですが、今回心に刺さったのが表題作です。ラストがとても苦いです。
読了日:04月30日 著者:有栖川 有栖
凍りのくじら (講談社文庫)凍りのくじら (講談社文庫)
理帆子の一部が自分自身の好きではない部分と重なり、それをぐいぐいとつつかれているようで最初はとても読みにくかったです。それに加えて若尾の痛さ。これも目を背けたくなるほど読むのが辛くて。なのになぜか次々とページをめくり、気づいた時にはどっぷり世界に浸かっていました。ところどころに現れる人物や表現の違和感には気づいていたので少し不思議な部分は私にはすんなり受け入れられました。成長した結果が見えるプロローグとエピローグの部分がとても好きです。初辻村作品でしたが、リンクも楽しみですし、他の作品も読もうと思います。
読了日:04月28日 著者:辻村 深月
苦役列車苦役列車
純文学独特の読みにくさはこの本に関してはありませんでしたが、最初から最後まで独特の色と臭いに圧倒されまくって自分が荒んできそうでした。実際のところ読み終わっても何を読んだのかよくわからなかったです。私小説というものに自分がついていけていないだけなのかもしれません。怖いもの見たさのように西村さんの他の本も読んでみたいと思いますが、みんなこんな感じでしょうか?テレビで拝見する彼は結構好きなんですけど。高評価が出来なくてなんだか悔しいです。
読了日:04月26日 著者:西村 賢太
夜にはずっと深い夜を (幻冬舎文庫)夜にはずっと深い夜を (幻冬舎文庫)
テレビでの飛び抜けた個性は計算されたもので実はものすごく頭のいい方なんじゃないかしら、とは思っていたのですが、まずカバー折り返しの紹介文にあった趣味と特技に圧倒されました。それだけハードルを上げて読み始めたのに中身は期待以上。完全にのめり込んで一気読み。気を付けていないと通り過ぎそうな微妙なリンクや落としどころにしっかりはまり、最後まで読み終わってから思わず最初のページに戻って…また一周してしまいました。次作も是非読んでみたいです。
読了日:04月26日 著者:鳥居 みゆき
卒業 (講談社文庫)卒業 (講談社文庫)
大学生の加賀さんはちゃんと中身も大学生ですがやっぱり加賀さんですね。密室が出てきますが密室よりもグループ内の人間関係や友情に打ちのめされました。いつまでも仲良し学生グループのままではいられない。卒業して将来を見据えて自分で歩いていくために、いつの間にか狂ってしまった歯車。少しずつ重なり合っていった謎が答えを見せるとき、トリックが解かれたり伏線が回収される爽快感よりもそんな選択をしてしまった彼らの先を思ってしまい、とにかく重くて哀しかったです。
読了日:04月25日 著者:東野 圭吾
笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)
物語の中盤までは、消失のトリックは簡単だし、そうなると犯人もあの人しかいないじゃない、もしかして期待外れ?とか思いながら読んでいたのですが死んでいたはずの生きている人の話題が出てくるあたりから、事情が変わってきて…ラストの一行は読者にも向けているのでしょうね。私はラストの場面が現代のどこか別の場所の出来事、と定義して題名と会話から誰なのか決めて納得することにします。
読了日:04月23日 著者:森 博嗣
大密室大密室
ハードカバーでの出版が1999年ですからずいぶん前のアンソロになるのですが錚々たる顔ぶれですね。ストーリーも楽しみましたが全員が書いてくださっているエッセイも面白かったです。火村さん目当てで読み始めたのですが有栖川さん以外の作家さんもみなさんすごいです。北森鴻さん蓮城那智シリーズは初読みでしたがストーリーもキャラもとっても好きでした。シリーズを是非読んでみたいと思います。いちばんの好みは法月さんの「使用中」かな。中身の濃いアンソロでした。
読了日:04月22日 著者:有栖川 有栖,恩田 陸,北森 鴻,倉知 淳,西澤 保彦
冷たい密室と博士たち (講談社文庫)冷たい密室と博士たち (講談社文庫)
前作と違ってトリックに驚かされることはなく、動機もあれに関するものだろう、と想像していたのですが過去の事件や人物関係が明らかになったときそれが悲しすぎて犯人に同情しそうになりました。今思うと過去の遺体があのタイミングで発見されることになったのも運命なのかとてもつらいです。最新の建物のセキュリティやロック、PCのシステムの穴などの部分はとても楽しく読みました。どうしても衝撃の大きかった前作と比べてしまい、それを思うと普通の本格ミステリと言う気がしてしまうのが残念でしたが次も楽しみに読みたいと思います。
読了日:04月19日 著者:森 博嗣
すベてがFになる (講談社文庫)すベてがFになる (講談社文庫)
研究所が最先端なんだか古いんだか…と不思議な感覚でした。発表年を考えるとこれだけ専門的なことをこんなに誰にでもわかるような形に説明されているのに感動します。最初の謎々のような会話文でガッチリ心をつかまれ、一気に読んでしまいました。トリックありきで話ができている感じで登場人物にまだあまり愛着が持てないのですが、数学的に説明される会話文が読んでいてとても楽しく、シリーズが10冊もあるのがとても嬉しくなりました。続きを楽しみに読んで行きたいと思います。
読了日:04月18日 著者:森 博嗣
匣の中の失楽 (講談社ノベルス)匣の中の失楽 (講談社ノベルス)
三大奇書よりは読みやすいと聞いてこれから手を出したものの、全くのお手上げです。あれ?なぜ…と思って、あーそういうことか、あれ?これも?いや違うこの文章自体が?と何度か戻るもどっちがどっちか見極められず結局諦めてとにかくラストまで。ラストまで行ってもわからない。いやさかさまはそれもあり?…少なくとも再読が必要です。どうやら双葉文庫版には表のようなものがあり、再読の助けになるようですね。幸い図書館にあるので借りてみようと思います。
読了日:04月17日 著者:竹本 健治
爆笑!英語コミックエッセイ  日本人のちょっとヘンな英語爆笑!英語コミックエッセイ 日本人のちょっとヘンな英語
現在の中学の教科書は My name is ~ ではなく I'm ~ で自己紹介を教わるなど、時代の流れに多少はついていっている気もしています。化石英語を習ってきた私たち世代で多少英語に自信がある方には自分の英語を見直す機会にはなるかもしれませんが、正直何度も読みなおして楽しみたいと思えるものではないし「日本人の~」の人気に便乗しただけという感想しか持てませんでした。残念です。
読了日:04月16日 著者:デイビッドセイン
容疑者Xの献身 (文春文庫)容疑者Xの献身 (文春文庫)
理系なので数学者というものは多少わかっているとつもりでいますが、被害者にも加害者にもそして隠蔽を画策した石神にもそれほど思い入れできないまま読み進めていました。ガリレオシリーズだからとんでもない数学的トリックが?と気づいたときはすでに物語の後半。そしてトリックが明らかになった時の衝撃は今までで一番だったような気さえします。ラスト近くの三人の出会いの回想でこれだけのことをやってのけた男の人物像がようやく浮かんできました。二人こそが彼の生きる意味だったのでしょう。評価が高いのもうなずけます。
読了日:04月16日 著者:東野 圭吾
人質の朗読会人質の朗読会
それぞれの話がただ一つずつの短編として存在したならばそれはこれほどまでに心を打ったりはしないのでしょう。一人一人がすでに亡くなってしまっていること。そしてそれぞれの話の最後に朗読者の職業や年齢、バスツアーに参加した経緯の記述があることでさらに話が奥深い考えさせられるものになってきます。ものすごく重いかと思いましたがそういうこともありませんでした。短編集のような作りになっているので読もうと思えば一気に読める本なのだと思いますが、一つ一つ朗読者に思いを馳せながらじっくりかみしめて読みたい本でした。
読了日:04月15日 著者:小川 洋子
花と流れ星 (GENTOSHA NOVELS)花と流れ星 (GENTOSHA NOVELS)
真備シリーズの短編集。流れ星の作り方、花と氷は特に心に残りました。美しいけれど悲しかった。日常の小さな出来事の裏にある想い。今回は北見視点が多かったのが印象的です。まだ真備も北見も心の平穏を取り戻すところまではいけないのですね。シリーズが続いて、優しい彼らが落ち着くところまで見届けられたらいいなと思います。
読了日:04月14日 著者:道尾 秀介
終末のフール (集英社文庫)終末のフール (集英社文庫)
「自分が数年後までしか生きられない」は考えたことがあります。しかし「地球上の全員が数年後までしか生きられない」ということは想像もしたことがありません。8年後に、と宣言されて5年過ぎた残り3年という微妙な時間がこの世界を作っているのはわかりますが…登場人物誰もが間違っていない気がするだけに、しんどいです。私なら、とかなり長いこと考えましたが、その場になってみないとわからない、と言うのが正直なところです。運命も死も簡単に受け入れる気がしますが残りの時間を家族と安寧に過ごすために必死にはなるでしょうね。
読了日:04月13日 著者:伊坂 幸太郎
びっくり館の殺人 (講談社文庫)びっくり館の殺人 (講談社文庫)
初出のミステリーランドは「かつて子どもだったあなたと少年少女のため」ということですが、やはり館シリーズの一冊として読みたい私のようなものには物足りなさは否めません。文庫版解説にあるように少年少女がミステリーの入り口の一冊として読むにはいいかと思いました。ミステリー好きがたくさん育ってくれると嬉しいですね。少年少女が読むものにしては挿絵がやたら怖かったです。三章の扉絵とか…イマドキの少年少女はこういうのは怖くないのかしら?
読了日:04月12日 著者:綾辻 行人
幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))
白夜行と比べると、雅也の視点があるので美冬の冷酷さが伝わってきます。今回は女性の方が完全に男を使っている感じですね。雅也が可哀想で、美冬が早く捕まって欲しいと思って読んでいました。ラストは衝撃でした。殺すために持って行ったんじゃなく…ということですよね。銃に手がかかった時一緒にいた人物が違ったために、美冬の行く末が気になることになりました。本当にこの作家さんは凄いですね。結局最終的に同一人物であったとははっきりさせていないし、いつかこの先を読ませてもらえるのを信じて待ちたいと思います。
読了日:04月11日 著者:東野 圭吾
亜愛一郎の逃亡 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)亜愛一郎の逃亡 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
それぞれのストーリーが探偵とその周辺の人たちではなくて、事件の傍にいる人の目線で語られていたのがラストになって納得です。頻繁に出てきた三角形の顔の洋装の老婦人をはじめ、あっという間にシリーズ通じての伏線を拾い集めてしまったのにはいよいよおしまい、という思いがして残念に思いながら読んでいました。飛行機に乗っている人たちの肩書が変わっている人もいたりして全て比べてみたくなりました。ショートストーリーとしてもそれぞれをもちろん堪能しました。今回は特に名前の言葉遊びも楽しかったです。
読了日:04月11日 著者:泡坂 妻夫
硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)
大変読み応えのある本でした。伏線だと思って心にとめておいたものが残らずハズレだったり、推理があっちへ行ったりこっちへ行ったりとんでもないものもあったりしてすっかり惑わされましたが得体のしれない探偵にすっかり取り込まれ夢中で読みました。ど真ん中で突然倒叙ものになった時は吃驚しましたがあれだけの犯罪をやってのけるにはそれなりに通ってきた道が必要だったのも納得し、倒叙形式にしたことに脱帽しました。題名も秀逸です。シリーズの続きを読むのがとても楽しみです。
読了日:04月10日 著者:貴志 祐介
小夜しぐれ (みをつくし料理帖)小夜しぐれ (みをつくし料理帖)
澪はそろそろいくつかの選択肢から選ばなければならないところに来ているようですね。そんなに大事に感じていなかった指の怪我がこの後どのように影響してくるのかとても気になるところです。澪を守ってくれていた周りの優しい人たちそれぞれにも大きな転機が来ているのを感じます。澪はまた精神的にも強くなったのではないでしょうか。美緒の決心は美しかったと思います。こうなってくると気になるのは源斉先生。やっぱり澪…なのかなあ。小松原さまの優しい日常が紹介されたことで逆に暗雲を感じてしまったのは私だけでしょうか。
読了日:04月06日 著者:高田 郁
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)
苦手なカタカナ名前なうえにネイサンの部分が辛く、最初は読むのが大変でしたが後半は一気に物語の世界に入り込み、一気読みでした。最初のグロテスクな描写とは裏腹に伏線が随所に散りばめられていて、特徴のあるキャラ達にすっかり惚れ込み振り回されているうちにきちんと正統派ミステリとしてたくさんの伏線を回収して納得できるどんでん返しとラストに持って行かれて感動しました。先生と弟子との愛情や盲目の判事と姪の助手との関係、さらにふわっとした耽美感も素敵でした。でもラストがちょっと哀しくて後味もよかったとは言えないかな。
読了日:04月05日 著者:皆川 博子
キングを探せ (特別書き下ろし)キングを探せ (特別書き下ろし)
法月探偵の話は久々に読みました。交換殺人自体がゲームのようなもので誰が誰で何番目で、というところにトリックがあるのだろうな、と思ってカードのシャッフルから思い出しながら楽しく読みました。残念なのが4人の人物像が全てが終わってからつかめてくる感じで思い入れが全くできなかったこと。トリックの関係でこの点は仕方がないのでこの本では割り切って父子のやり取りと謎解きを楽しむのが一番かと思いました。
読了日:04月02日 著者:法月 綸太郎
夏と花火と私の死体 (集英社文庫)夏と花火と私の死体 (集英社文庫)
乙一作品初読みです。ホラー独特の怖さよりも罪を犯した人たちが罪を罪と思っていないことが怖かったです。誘拐事件とどのように繋がっていくのかと思っていましたがラストがこうとは…二編目の優子はホラーというよりきちんとしたミステリだと思いました。全てが明るみになってみるとラストの1ページが妙に怖くて悲しかったです。創作時の年齢を聞いてびっくり。すごい人ですね。淡々とした独特の雰囲気にはまりそうです。
読了日:04月01日 著者:乙一

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