7月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:6582ページ
ナイス数:407ナイス


一の悲劇 (ノン・ポシェット)一の悲劇 (ノン・ポシェット)
再読ですが全く覚えていませんでした。前作の事件ののち他者の視線に晒されなければいけなかった探偵、という位置づけの本作だったと思いますが、綸太郎視点が出てこないことで事件関係者たちの家族の物語としてかなり違った雰囲気の本格を楽しめました。視点が違っても読者を振り回すように二転三転する推理は健在で、なおかつ綺麗に謎が解けたあとも子供が犠牲になったこともあって苦いものが残るところは同じです。2冊続けて家族の物語ですが、3部作と言われる次はどのような展開をみせるのかハラハラしながら次へ進みます。
読了日:07月30日 著者:法月 綸太郎
第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)
本の紹介というよりも本の内容に絡めてご自身の経験をエッセイにしたもので、実は大変な努力家の彼自身が垣間見られて楽しかったです。読んでいない本は是非読んでみて、またこの本を再読してみたいですね。イロモネアでのずば抜けたセンスやキングオブコントで見せられた素晴らしいストーリー性などはきっと彼が本を読むことで培ってきたものだと思っていましたので、最後の中村氏との対談は本当に膝を打つような思いでした。又吉さんが頼んで対談してもらっているようなのに中村氏がピースについて詳しいのにも驚いてしまいました。
読了日:07月28日 著者:又吉 直樹
ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)
一巻では栞子さんにあまり魅力を感じなかったのですが、今回は彼女自身に光が当たったことでかなり彼女自身が気になる存在になってきました。二人の距離はちゃんと少しずつ近づいていますね。読んでいて楽しいなと思うのが、ひとつひとつの話はそれぞれで完結しているのに一冊がちゃんとつながっているところです。さらに今回は知らなかったいろいろな薀蓄がとても楽しめました。でも何より驚いたのがあとがきにあった「ようやく本編というところ」という言葉だったりします。まだまだこれからなんですね。
読了日:07月25日 著者:三上 延
マレー鉄道の謎 (講談社文庫)マレー鉄道の謎 (講談社文庫)
再読。(聞き取り不能)と相手が何を言ったかに関して原文で繰り返すことは「できんわ。覚えてない」と火村に答えるアリスに思わず可愛いと思いながらも大いに共感していました。密室のトリックはそれほど突飛ではないのですが、後半ひとつの鍵を拾ってあっという間に収集していく火村の謎解きはしっかり楽しめました。犯人に全く共感できず、さらに最後は苦いのです。それでもアリスと火村の優しい関係が好きで(今回はそれに大龍を加えた三人ですが)またきっと再読してしまうでしょう。
読了日:07月25日 著者:有栖川 有栖
紙の月紙の月
坂道に躓くきっかけはどこにでも転がっているもので、誰にでもそんなきっかけはあるのでしょう。一気に坂を転がり落ちた彼女は、もしこの時違う道を選んでいたら、と最後にいろんな分岐点を思い出すのですが、私はどれかが違っていても最終的には同じだったのではないかと思うのです。そりゃもちろん、誰だってやってみたいですよね。ここからここまでください、とか。でも誰もがそれはしないし、自分のものと他人のものはわかっています。むしろ印象深かったのは万引きしてしまった子供の母親。なんだかこっちの方が怖かったです。
読了日:07月20日 著者:角田 光代
マークスの山 (ハヤカワ・ミステリワールド)マークスの山 (ハヤカワ・ミステリワールド)
文庫版既読です。大幅改稿が行われる前のこちらとの違いが気になって記憶が新しいうちに、と読み比べてみました。もちろん大筋は同じなのですがこちらの方がマークスの病気や心の変化や葛藤がかなり追いやすく、わかりやすくなっていると思います。逆に警察内部の人間関係などは文庫版の方が詳しく、それぞれの人物の書き分けが頭に入ってきやすい説明になっていると感じました。警察内部に焦点を当てた合田のシリーズとして読むには文庫版の方、マークス側に焦点を当てて読みたければこちらという感じでしょうか。今回は一気に読んでしまいました。
読了日:07月19日 著者:高村 薫
頼子のために (講談社文庫)頼子のために (講談社文庫)
中身に触れてます---十数年ぶりの再読。大筋すら忘れていたのに、一言一句忘れていない言葉がありました。「その窓を開けておいてもらえませんか。私には重すぎるようなので。」見ていた景色が変わってしまう衝撃とそれぞれの愛情の重さゆえ間違ってしまった方向。当時の私はこの語が忘れられないほど綸太郎が頼みを聞いたことにショックを受けたのでしょう。でも今回再読してノックアウトされたのはそれより後です。静かな彼女から受けた衝撃は大きかった。真相解明までの二転三転の変化はもちろん再読でも楽しめました。タイトルが秀逸です。
読了日:07月18日 著者:法月 綸太郎
塔の断章 (講談社文庫)塔の断章 (講談社文庫)
時系列が前後し、断片なので起きたことを把握するのが大変でした。読み終わってもなるほど、今回はこんなトリックだったのね、と言う感想しか持てませんでした。文庫になったとき追加された著者の解説に関しては、読んで納得するというよりなんだか著者に関して痛々しい思いがしてしまいました。裏叙述トリックなんて全く気付きませんでした。天童氏のシリーズとしては彼がずっと出ていたという点で楽しめました。時系列としてあの作品よりあと、というのがあの作品のその後がわかったようで嬉しいです。しかしシリーズ22作中の16番目って…。
読了日:07月17日 著者:乾 くるみ
オーダーメイド殺人クラブオーダーメイド殺人クラブ
この物語の登場人物は、どの子もみんな過去の私。当時中二病と言う言葉がなくても、私はりっぱに中二病でした。人間関係が一番難しかったのはこの頃で、毎日毎日が大変で逃げ出したくて。多かれ少なかれ誰でもそんな時期を通って大人になっていくんですよね。でもどうしても当時の自分と重ねてしまい、読んでいて少しも楽しくなく、我慢を重ねて読みました。これだけの話をひっくり返し素晴らしい読後感に持って行ってしまえるのはさすがだと思いますが、気持ちとしては辛い話はもっと短く、できればこの後の成長した彼らをもっと読みたかったです。
読了日:07月17日 著者:辻村 深月
名探偵の掟 (講談社文庫)名探偵の掟 (講談社文庫)
題名そのものでした。すごくわかるし、楽しく笑って読みましたが、掟通りの探偵物語には掟通りだからこその魅力があると思うのであまり突っ込まれるとちょっと悲しい気もします。内容はそれとして、こういうものも書ける東野さんはすごいと思います。このあと犯人当てを読者に課した例のシリーズを書いたことを思うと余計に。天下一探偵の出てくる二作目がこれとはかなり趣を異にしているようなので是非読んでみたいと思います。
読了日:07月16日 著者:東野 圭吾
日本人の知らない日本語3  祝! 卒業編日本人の知らない日本語3 祝! 卒業編
またしても勉強になりました。横書きの読点はカンマだったのにびっくりし、ヶの由来に衝撃を受け。感動したのがおどり字は「おなじ」と打てば変換されること。知り合いの名前の中の文字「ゞ」これで打てる!相変わらず楽しませてもらいましたが、大好きなジャックさんがすでに卒業されてしまっているのかあまり出てこなかったのが残念でした。ちょっと勢いが落ちたかな、と思っていたら上手く卒業と言うことでまとめて次回はヨーロッパ編とのこと、日本語に詳しい外国人との話も楽しみです。
読了日:07月14日 著者:蛇蔵,海野凪子
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
ラノベ特有なのか物足りない部分はありますがすっと読み終えました。絶版のまま手に入りにくい本を読んでみたいと思ったことはありますが、いわゆる「古書」には興味がなかったので新鮮な部分もたくさんありました。また各話の中心になっている本は読んでみたくもなりました。ただ私には、この主人公の本を読めない設定とそれに至る経緯が辛すぎです。そしてちょっと栞子さんには感情移入しにくいのです。安楽椅子探偵ものとしては軽く楽しめましたので二人が変わっていくのを期待して続きを読みたいと思います。
読了日:07月13日 著者:三上 延
出世花 (ハルキ文庫 た 19-6 時代小説文庫)出世花 (ハルキ文庫 た 19-6 時代小説文庫)
湯灌という儀式は決して美しいことではなく、まして高田さんの描写は時に生々しいのにもかかわらず、場面を読んで伝わってくるものが静謐さであるところに驚かされます。彼女はどうしてこんなにも凛としていられるのか。幼いころからの彼女に圧倒されながら読みました。小さいですがまるで検視官が謎を解くようなミステリ仕立てとなっている部分はミステリ好きとしては嬉しいです。湯灌師である以上、各話の登場人物の誰かがその話の最後には…と想像できてしまうのが少し辛いですね。続きを書かれる予定があるそうで、是非読んでみたいと思います。
読了日:07月13日 著者:高田 郁
儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)
ブラックですね~。それぞれのラスト一行は秀逸。どんでん返しではないけれど、ふっと足元を掬われた感じで一瞬息を止めてしまうほどの心もとなさというか居たたまれなさというか。お気に入りは「北の館の罪人」「玉野五十鈴の誉れ」。衝撃が去った後もじわじわといろいろ考えさせられてしまいました。最終話は前の四話とは違った意味で地に足がつかない読後感です。わたしは――のあとは読者にお任せですか?そして厨娘の選んだ一番贅沢な部分がアレとは!グロテスクですが意味があるんでしょうか。バベルの会の後継者も気になります。
読了日:07月12日 著者:米澤 穂信
鍵のかかった部屋 (角川文庫)鍵のかかった部屋 (角川文庫)
シリーズではありますが、長編であるガラスのハンマーと続編の2冊では緊張感が違いますし、キャラもだんだん変わってきています。密室劇場の勢いとキャラの変化にはびっくりするほどです。視点が変わるのも新鮮です。基本どれも、がっつり密室トリックを解くものでとても楽しめました。ずいぶん雰囲気は変わって、使えないトリックを青砥が出すという形に変わってきてもいくつもの仮説を捨てて本当のトリックを暴くという方針はそのままなのが好感が持てます。まあそうは言っても、私はやはり緊張感のある一作目の硝子のハンマーが好きです。
読了日:07月10日 著者:貴志 祐介
狐火の家 (角川文庫)狐火の家 (角川文庫)
表題作の人間模様の描き方、すごく切ないけれど好きです。ラストの余韻も。黒い牙は生理的にキツかったです。でもこれはホラーを書く貴志さんらしいのかな。実際あの状態を糸で縫うとか出来上がったものはそれで大丈夫なのかとかとても疑問にはなりますが。ラストの犬のみぞ知る、は軽いけれどラストの一文で解決するところがすごく気持ちよかった!ドラマを何話か見ましたがテイストを変えているのに上手く料理していたと思いました。でも本好きとしては原作を先に読んだ方がよかったかな。
読了日:07月09日 著者:貴志 祐介
腕貫探偵 (実業之日本社文庫)腕貫探偵 (実業之日本社文庫)
安楽椅子探偵ならぬパイプ椅子探偵ですね。お役所仕事に徹する名前すらない探偵という設定が面白いです。探偵に名前がない代わりに登場人物が難読な名前ばかり。最初は何度か戻っていましたが読みを確認するために流れを中断されるのが惜しくなり、途中からは我流の読みで一気に行ってしまいました。ですが、登場人物が微妙にリンクしているのも楽しいですし、探偵ではなく相談者が自分で解答を見つけだし、それが必ずしも爽やかではないところもこの作者らしくていい感じです。続編も楽しみです。
読了日:07月06日 著者:西澤 保彦
感染遊戯感染遊戯
外伝的な短編集なのかなと思って読み始めましたが、意外にもガンテツを中心にすべてが一本に繋がりました。省庁に関してのこの展開はなかなか読みごたえがありましたが、ストロベリーナイトやソウルケイジを思うと引きずり込まれるような緊張感はありませんでした。私はむしろシンメトリーで気になっていた倉田元刑事の「過ぎた正義」以前のことと、その後のことが心に残りました。過ぎた正義であれだけのことをしてそれでそんな結果で…姫川のつかんだものがまたいたたまれないです。むしろ彼のその後が気になります。
読了日:07月05日 著者:誉田哲也
トラップ・ハウストラップ・ハウス
ほんの数週間前に読んだばかりの岡嶋二人の「そして扉が閉ざされた」がやはりすぐに頭に浮かびました。こちらの方がパニック色が強いでしょうか。次々に襲い掛かってくるトラップには無理があると思えるものもありました。(特にアレは私なら最初に開ける。)手紙によって推理が展開されていくのは楽しみましたが、さすがにどちらがどちらだったかの前提が逆だったとは思わずびっくりしました。あっさりで突っ込みどころも多いですがこれはこれで楽しかったです。読み終わって表紙を見たら…痛い!
読了日:07月03日 著者:石持浅海
銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)
とにかく物語の中の人々が生きているので感情移入せずには読めません。商人や職人としての信用や信念に惚れ込むのはもちろんですが、当時の火事がどれだけ恐ろしかったか、理不尽だったか。未曾有の災害の後だからこそ感じるものもあります。松吉の強さ。梅吉の優しさ。そしてここぞというときに現れる銀二貫。どれだけの災難が降ってきても乗り越えられないものはないと思わせる彼らと、そんな彼らだからこそ集まってくる周りのみんなの優しさと強さには言葉もありません。和助と善次郎の関係もいいですね。ラストの会話にさらに泣かされました。
読了日:07月01日 著者:高田 郁

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