2012年11月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:7059ページ
ナイス数:716ナイス


花の下にて春死なむ (講談社文庫)花の下にて春死なむ (講談社文庫)感想
安楽椅子探偵ものですが、ビアバーを舞台にしているので雰囲気が素敵です。最初はちょっと入りにくい感じがしましたが、表に出ている謎の陰にあるものを見抜いたりするマスターにいつの間にかぐぐっとつかまれてしまい、一話一話を堪能しながら一冊を読み切りました。バーを訪れるお客様たちのゆるいリンクだけではなく、少しずつ紹介されていく常連さんたちで話は繋がり、そして最終話では…。決して優しい話ばかりではないし、苦いものが残ったり実際はどうだったのかわからないのですがそれでもとても上品で大人な雰囲気がとても好みでした。
読了日:11月27日 著者:北森 鴻
悪夢の観覧車 (幻冬舎文庫)悪夢の観覧車 (幻冬舎文庫)感想
最初はユーモアミステリを読んでいるつもりだったので、思いがけなく大二郎の背景が悲しいものだったのでびっくりしました。彼は本当に強い。最後には思わず泣きそうになっちゃいました。その上での、この畳み掛けるテンポの良さ、読み手の惹きつけ方、目を離させないスピード感のある展開と、さすが劇作家と思える作者の手腕には驚かされます。現実ではありえなくても十分楽しませてもらいました。全てを補って納得させてしまったエピローグもよかったです。
読了日:11月26日 著者:木下 半太
変身 (新潮文庫)変身 (新潮文庫)感想
朝目が覚めたら虫だった、というシュールな話としか覚えていなかったのでなんとなく再読してみました。当時学生だった私には、虫になった主人公の気持ちも家族の気持ちもわかったようでいて実際はよくわかっていなかったのでしょう。なんとか日常を維持しようとする主人公、食べ物を箒で掃き集める妹、突き刺さったままのリンゴ、救いを求めて読み続けた末のラスト。ある程度年を重ねて自分も経験を積み、いろいろな社会の現実を知ってからの今の方がそれぞれの象徴するものを思い浮かべられ、この作品に関して思うことがたくさん出てきました。
読了日:11月25日 著者:フランツ カフカ
双頭の悪魔 (創元推理文庫)双頭の悪魔 (創元推理文庫)感想
孤島パズルの最後のマリアがとても気になっていたのでこの本を読み始めて少しホッとしました。しかしこの厚さ!持っていて重いほど。なのにこれを一気に読ませてしまう筆力はさすがだと思います。マリア視点が最初読みにくかったのですが慣れてしまえばこれもなかなか。理詰めの推理も納得いくもので自分でわかった部分も多くてとても満足でき、楽しめました。でも一番心に残ったのは江神さんへの予言です。作者が長編5冊短編集2冊って決めてるのはこれも関係してくるんでしょうか…。本当に先を読むのがもったいなくなります。
読了日:11月22日 著者:有栖川 有栖
日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典感想
読み始めは正直、「日本人~」のようなパンチはないかな、と思っていたのですが読み進めて驚きました。いつの間にかガッチリ心をつかまれてしまい、古文にそれほど詳しくない私でもワクワクしながら読んでいました。それぞれの作者を取り上げたことで古典そのものも読んでみたいと思わされます。私はケンコーさんのくだりが一番好きでした。いいところに目をつけましたね。蛇蔵さん凪子さんコンビ、すごいです。
読了日:11月20日 著者:蛇蔵,海野 凪子
孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)感想
再読なのですが、モアイのパズルも1→2まではともかく3以降は全く覚えていなく、犯人と動機だけうっすら覚えているという微妙な状況でした。読者への挑戦にも全く歯が立たなかったけれど、本格としてすごくきっちりとできていて感動しました。アリスとマリアの会話や江神さんの優しさなど存分に楽しめましたが読み終わってみると残ったものはとても悲しく切ないですね。このシリーズはこの先は未読なので彼らがどうなっていくのか、本格推理とともに青春小説としても読むのがとても楽しみです。
読了日:11月19日 著者:有栖川 有栖
館島 (創元推理文庫)館島 (創元推理文庫)感想
あまり期待せずに読み始めたのですが、思いがけず思いっきり本格で面白かったです。館モノが好きな私としてはヒントがあからさまだったので転落のトリックには早々に気づいてしまいましたが、さすがに将来的なことを見据えていたのには気づかずその設定に感動しました。「謎解き~」では特徴のあるキャラを上手く使いこなしていましたが、こちらもなかなか軽薄な楽しいキャラでユーモアミステリとしても楽しめました。続編はまだでしょうか。是非読みたいです。東川さんの他のシリーズも読んでみたくなりました。
読了日:11月17日 著者:東川 篤哉
うそうそ (新潮文庫 は 37-5)うそうそ (新潮文庫 は 37-5)感想
初めての旅で最初から兄や二人ともが若だんなからは慣れてしまったのにはびっくり。松之助が相変わらず一生懸命なのにホッとしたりちょっと悲しかったり。今回は比女ちゃんを通して自分の存在意義をさらに考える形になっていて、私もいろいろと考えさせられることになりました。若だんなの冴えは相変わらずで、妖は家鳴三匹と付喪神だけが活躍しますが一生懸命で可愛かったです。新龍が印象的でしたがもう出てこないのかな。今回は勝之進だけはどうしても好きになれませんでしたが、このシリーズは後味が良く安心して読めるのが嬉しいです。
読了日:11月16日 著者:畠中 恵
ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)感想
上巻と比べると何が起こったのかわかってくる分読みやすくなりました。でもわかればわかったで、今日は何日なのか、博士は現実なのか、そもそも目覚めていないのか、ぐるぐるぐるぐる主人公と一緒に探す羽目に。ところどころにヒントと思われる違和感(というか矛盾)を発見してそういえばミステリだったよ、なんて思い出したりして。なるほどドグラマグラ(堂廻目眩)です。きちんと読み下せてはいないと思いますがもう一度読むのはもう少し先にします。とにかく疲れた。でも面白かったし、奇書と呼ばれるだけのすごい作品だと思えたのは確かです。
読了日:11月15日 著者:夢野 久作
式の前日 (フラワーコミックス)式の前日 (フラワーコミックス)感想
かなりの話題になっていたので気になっていた本。と言っても実はあまり期待していなかったので、表題作でガツンとやられてびっくりし、続く二話目のラストで一気に泣かされてしまいました。ところどころにしみじみとかみしめたくなるような、あるいはノックアウトされるような印象的なセリフが入っています。好みで言ったら「あずさ2号で再会」「10月の箱庭」。でも6話すべてハズレなし。結末がわかっていても何度も読み返したくなる話ばかりでした。これがデビュー作とのこと。これからが楽しみですね。
読了日:11月14日 著者:穂積
図書館の神様 (ちくま文庫)図書館の神様 (ちくま文庫)感想
瀬尾さん初読みです。ふんわりと優しいお話だと思い込んで読み始めたので最初は主人公キヨの背負ってきた出来事や現在の状況が結構重いのにびっくりしました。でも主人公にしても垣内くんにしても悲惨さが見えてこないのです。それがかえって悲しく感じたりもしました。垣内君との出会い、文芸との出会い、そして弟の拓実。彼女がきちんと吸収して成長していったのがとても好もしかったです。読後感もよく他の本も読んでみたいと思いました。作中に出てくる「夢十夜」は何度も読みましたが「さぶ」は読んでいないのでこちらも読んでみたいです。
読了日:11月13日 著者:瀬尾 まいこ
ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)感想
青空文庫で何度も挑戦しては挫け、紙ならと図書館で旧字旧仮名を借りて当然挫折。文庫を購入したものの積読半年。の末の重い腰をあげての読書。気を抜くと何度も目が滑り行きつ戻りつの読書になりました。ところが噂のチャカポコ以降は煙に巻かれたような気はするものの胎児の夢も脳髄論もすごく面白くて、時々これって誰が言ってるんだったっけ?とか結局これはこう言いたかったってことでOK?と多少は確認に戻るものの意外にも想像以上にしっかり読み下せてしまった気がします。ここまで来て急に先の展開が楽しみになってきました。すぐ下巻へ。
読了日:11月12日 著者:夢野 久作
月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)感想
短編集が出たので読みたくなって再読。十数年ぶりになるのにおよそのところは覚えていたので(過去に挑戦に応えようと無駄な努力をした記憶が…)伏線を拾いながら読み進めました。殺人よりなんだか噴火の方が怖かったことも思い出しました。江神さんの得体の知れなさ、恰好良さはしっかり堪能しました。私の頭の中では火村先生より江神さんの方が相当男前です。こちらのシリーズは冊数が決まっているので一冊一冊を愛おしく感じてしまうところがあります。そして作家アリスがこんなのを書くとはね、なんて思ってみたり。十分楽しみました。
読了日:11月10日 著者:有栖川 有栖
犬はどこだ (創元推理文庫)犬はどこだ (創元推理文庫)感想
題名のセンスが好きですね。最初はどうも紺屋自身の境遇が辛くて読みにくかったのですが、ハンペーが出てきて視点が交互になっていくと一気に話に引きずり込まれました。途中経過を報告すればもっと早く!なんて思ったり。白袴の由来がわかるのでGENが誰なのかずっと考えてしまっていました。失踪人の頭の良さは分かっていたのでもしや、とは思っていましたがそれでもラストはちょっと思いがけないほうに転がりました。続編はどうなったんでしょう?思いがけなく頭のいいハンペーも、妹夫婦もGENもとても気になるし是非読んでみたいのですが。
読了日:11月9日 著者:米澤 穂信
舟を編む舟を編む感想
一冊の辞書を編纂することに、どれだけの手間がかかっているか。とても楽しんで読みました。確かに語数や重さ、紙のめくりやすさは特に気にするところです。本当に関わった人すべての文字通り汗と涙の結晶ですね。しをんさんのすごいのは全てのキャラが本当に生き生きとしているところ。学生バイトまで含めて嫌な奴が全然いないってのは馬締さんの人柄のおかげでしょうか。みんな大好き。一緒に仕事をしたいくらいです。十分楽しんで本を閉じたとき、目に入った装丁に改めて感激してしまいました。(贅沢ですね)
読了日:11月8日 著者:三浦 しをん
必然という名の偶然必然という名の偶然感想
腕貫さんのいる櫃洗市での連作。はっきりとはわからなかったのですが、おそらく同級生でゆるく繋がっているんでしょう。腕貫さんは出てきませんが、そちらのシリーズの刑事は同じ市だからなのか出てきます。大富豪探偵はキャラが立っていて面白いのでシリーズになったら是非読みたいですね。そのほかも基本どれも西澤さんらしくちょっと苦かったりちょっとずるく感じたりで楽しめました。表題作は事件は別のところに。ちょっと意表を突かれた感じがして読み返してしまいましたが私は結構コレ好きです。
読了日:11月8日 著者:西澤 保彦
光待つ場所へ (講談社ノベルス)光待つ場所へ (講談社ノベルス)感想
単行本で読みましたが「アスファルト」を読みたくてこちらも。主人公の昭彦は確かに今までどこのスピンオフにも登場していませんでした。いきなり彼はベルリンにいます。彼がそこに至るまでの日々、ベルリンで出会う数々の事と感じること。いくつも自分が過去に感じたことに重なりました。若い彼はまだまだこれからいろいろな経験をして成長していくんでしょう。最後の一文が嬉しいです。名前は出てこないけれど、過去の回想の中に出てくる彼や彼女などがこれはあの子、なんて想像できるのも楽しかったです。
読了日:11月7日 著者:辻村 深月,佐伯 佳美
秋の牢獄秋の牢獄感想
夜市が好き過ぎて、この作家さんの別の本が手に取れなかったのです。偶然にも今朝お勧めのつぶやきを目にしまして、図書館に足を運びました。「秋の牢獄」今日がその日なのですね。これも好きです。やはり最後の一文が特に。ここで終わるところも。「神家没落」も「幻は夜に成長する」も、囚われてしまうところは同じで確かにホラーで怖さもあるしとても切ないのですが、なぜか読後残るものは恐怖よりも美しさだったのです。これも大事にしたい本になりました。恒川さんの他の本もこれからは積極的に読んでみます。
読了日:11月7日 著者:恒川 光太郎
火村英生に捧げる犯罪 (文春文庫)火村英生に捧げる犯罪 (文春文庫)感想
短編とショートショートで8編。掲載の関係上10枚に工夫の末収めたというショートがどれも秀逸でびっくりしました。きちんと本格で、上手く使えばどれも中編、あるいは長編になりそうなものばかりだと思います。表題作がなかなかすごい事件と脅迫状と妙な言いがかりとで余裕で長編になりそうな設定だと思ったのにびっくりするほど綺麗に一瞬でまとまってしまって唖然。視点がいつもと違っていたり普段とは少し雰囲気が違うのもとても楽しめました。重くなく軽すぎずちょうどよく楽しめる短編集でした。
読了日:11月6日 著者:有栖川 有栖
探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)感想
読み始めの感想は、ハードボイルドにしてはずいぶんぬるいなぁ、と。地元の言葉に馴染みがないせいなのか読みにくい部分もあり、途中で登場人物が混乱してしまったところもあったけれどそれでも最後まですんなり読めました。酒にも喧嘩にもとても強いことになっているのにずいぶんと痛めつけられたり酒で前後不覚になったりしているのは若かりし過去を振り返る形で書かれている一作目のせいなのでしょうか。正直すごく面白いと思ったわけではないのですが変わっていくであろう主人公がとても気になるので続きももう一冊読んでみようと思っています。
読了日:11月5日 著者:東 直己
蜜蜂のデザート (宝島社文庫)蜜蜂のデザート (宝島社文庫)感想
シリーズ前作がうわっ!って感じだったので覚悟して読み始めましたが最初の培養してる描写はやっぱり気持ちのいいものではありませんでした。食中毒は培養されたアレによって起こったということで…。前作でお腹にいた赤ちゃんが大きくなり、食物アレルギーにかかったことで、私自身アレルギーっ子を育てていたので大変さを身につまされながらの読書になりました。ラストまで読んで最初の描写からミスリードにはまっていたことに気づき唖然としました。あの描写から犯人が想像できないわけだ…。
読了日:11月2日 著者:拓未 司
妃は船を沈める (光文社文庫)妃は船を沈める (光文社文庫)感想
とにかく「猿の手」の火村先生の解釈が私には新鮮でした。事件の真相も怖かったですが。この時点ですでにいつもとは違う雰囲気に呑まれていた気がします。前半の事件の真相が頭にあったことで後半はすっかり騙されてしまいました。最後に願ったのがそれだとは全く想像がつきませんでした。コマチ刑事の登場もこれからのシリーズの雰囲気が変わりそうですね。緩めたネクタイと囁くような小声。いつになったら彼は心の中を覗かせてくれるんでしょう。
読了日:11月2日 著者:有栖川 有栖
100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))感想
大好きな本。たまに図書館で絵本コーナーに寄りますが必ず目立つ場所に置いてあり、つい手に取ります。ラストで必ず泣くのに。100万回目でようやく彼は生きたんだよね。
読了日:11月2日 著者:佐野 洋子

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