2012年12月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:6480ページ
ナイス数:735ナイス


赤い月、廃駅の上に (角川文庫)赤い月、廃駅の上に (角川文庫)感想
テツ怪談ではありますが、怖いというよりも悲しかったり幻想的だったりするものが多いと感じました。(表題作は怖かったけど。)ミステリのようにどんでん返しと感じられるものもあってそれも楽しめました。有栖川さんの他の本格物のようなどっしりした読後感を期待すると軽く感じられるかもしれませんが、私は全ての短編を通して伝わってくるこのちょっと心もとない優しい美しい読後感はとても好きです。
読了日:12月31日 著者:有栖川 有栖
江神二郎の洞察 (創元クライム・クラブ)江神二郎の洞察 (創元クライム・クラブ)感想
マリア入部までの一年間の出来事を上手く補完した短編集になっています。未成年がお酒を飲むシーンに、―未成年だからまずいのだがーというような但し書きが(おそらく加筆)してあり、そういえばこのシリーズの初期では男子学生がそこかしこで喫煙しているシーンが出てきていたことを思い出しました。長い年月に渡って書かれているため時代を感じられるところがありますね。アンソロジーやコミックで半分は読んでしまっていたけれど、どの短編も緊迫感は薄めなのでEMCメンバーの個性的な推理や会話を純粋に楽しむことができました。
読了日:12月28日 著者:有栖川 有栖
銀の匙 Silver Spoon 5 (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon 5 (少年サンデーコミックス)感想
今の高校生で、こんなに一生懸命に生きることと向き合っている子たちは少ないんじゃないかと思います。先生を始め、周りの大人たちの導きがすばらしいからこそ、生徒達もまっすぐに自分を見つめて悩んで育っていく、こんな環境にいられることが羨ましいです。さて、八軒くん、断れない人…彼は取捨選択できるような人間に変わっていくのでしょうか。世間を多少知っている大人の身では彼がどうなるか気になるところです。次巻も楽しみです。
読了日:12月27日 著者:荒川 弘
模倣犯〈5〉 (新潮文庫)模倣犯〈5〉 (新潮文庫)感想
どこにこいつの仮面を剥ぐ隙があるのか、じりじりしながらの最終巻でした。4巻では滋子に対して反感すら感じましたが、ラストの彼女の反撃には驚きました。彼があんな形で崩れていくとは。警察側をもっと読みたかったけれど、シルエットや携帯の件など外側からだけの描写にしてるのは作者の計算なんでしょうね。嵐が去ってみると彼が特別な人間ではなく現代では普通に現実にいそうなことに戦慄を覚えます。また有馬義男の言葉にはどれも重みがあり最後の彼の涙にあらためて突きつけられるものもありました。いろいろな意味で重く心に残りそうです。
読了日:12月23日 著者:宮部 みゆき
模倣犯〈4〉 (新潮文庫)模倣犯〈4〉 (新潮文庫)感想
読んでいるうちに、自分の中で作り上げたそれぞれの人物像がどんどん壊れていき、恐ろしくなっています。ライターの滋子に反感を覚え、由美子とめぐみが同じ位置になってしまったことに恐怖し。ピースが彼女を彼の台本の中のキャストに選んでしまったためにさらにねじれる関係者たちの思い。想像もできなかったラストのピースの言葉にさらに先が見えなくなりながらも、あの彼からのメールを希望にして5へ。
読了日:12月22日 著者:宮部 みゆき
模倣犯3 (新潮文庫)模倣犯3 (新潮文庫)感想
カズがどうしてヒロミを突き離せないのか、ヒロミの残虐性と弱さ、過去もわかった上で二人の気持ちを考えると読んでいて本当に痛々しくつらいです。どうやってあんな事故が起こったかわかるにつれ、ピースの得体の知れなさ、恐ろしさがひたひたと伝わってきました。第二部が第一部を別視点から、と言う形でしたから第三部は時間もこの先へ動いていくのでしょう。この後ピースはどうやって表舞台に登場してくるのか。謎な部分は何なのか。なんとしてでもピースには捕まってもらわないと!と言う思いで4へ。
読了日:12月20日 著者:宮部 みゆき
模倣犯2 (新潮文庫)模倣犯2 (新潮文庫)感想
1巻の内容を加害者側の視点で描かれていますがこの残忍さが理解できなくて読むのがつらかったです。それでも読み手をガッチリつかんで離さないのはすごいと思います。ヒロミの環境が必ずしも特殊ではないのが重いですね。カズとの関わり、ピースがこの後どう出るかなど一巻のラストの展開がわかっているからこそ、この先が気になります。続いて3へ。
読了日:12月19日 著者:宮部 みゆき
模倣犯1 (新潮文庫)模倣犯1 (新潮文庫)感想
評判の良い本なので是非読みたいと思っていましたがさすがにこの厚さ5冊に躊躇してなかなか手を付けられずにいました。ところが読み始めてみると物語にガッツリつかまれてしまい先が気になってどんどん読んでしまいました。5冊分の導入部分とあって登場人物が多いのですがきちんと描きわけられていてわかりやすく読みやすいです。ここでは大きな事件に一段落ついたような様子を見せていますがそんなわけがない。続けて2へ。
読了日:12月17日 著者:宮部 みゆき
桜宵 (講談社文庫)桜宵 (講談社文庫)感想
相変わらずの美味しそうなお料理は本当にお腹がすきます。「十五周年」はとても優しい気持ちになれ、続く表題作もよかったのですが、思いがけずにその後の三編すべてが後味が苦かったです。世の中には知らないままでいた方がいいこともありますね。最後の「約束」は特に彼女が目の前にいるからか想像の範囲であってもきついです。でもその苦い三編の方が後味の良い話よりも心に残ってしかも好みだったりするので不思議なものです。
読了日:12月15日 著者:北森 鴻
ダブル・ジョーカー (角川文庫)ダブル・ジョーカー (角川文庫)感想
シリーズ二作目は視点がD機関内部ではない物が多く、また何もかもが完璧にはいかないという点でも一作目とは違って面白く読めました。なかでも結城中佐の過去に外側から触れる「棺」は好みです。「ブラックバード」は意表をつかれましたがこの苦さも結構好きです。「眠る男」にはびっくりしました。裏にこんなことがあったとは!第二次世界大戦に突入し、今後のD機関はどうなっていくのか、続編も楽しみです。
読了日:12月14日 著者:柳 広司
ジョーカー・ゲーム (角川文庫)ジョーカー・ゲーム (角川文庫)感想
スパイ養成と言うので手に取るのに躊躇していましたが読んでみたらしっかりミステリな部分もあり、もちろんスパイとしてのテクニックに感嘆したり手に汗握る部分もあったりでとても面白かったです。短編集の形にしてあるのでとても読みやすいのですが軽いわけではないし、「魔王」結城中佐の得体のしれないところ「XX」のラストのセリフに表されるような冷徹なだけではない部分などスパイスも効いていて純粋に楽しめました。最初と最後にふさわしい、表題作と「XX」が好みです。続編があるのが嬉しいです。続けて読もうと思っています。
読了日:12月12日 著者:柳 広司
傍聞き (双葉文庫)傍聞き (双葉文庫)感想
たった50ページずつの連作ではない短編作品なのにどれもとても中身が濃いのに驚かされました。謎解きミステリとしてはそれほど凝った謎ではありませんがその裏に表に見え隠れする人間模様が秀逸でひとつ読むたびに溜息をつきました。そしてこれだけ濃いのにとても読みやすいのもびっくりです。取材をほとんどせずに書かれているのが逆に読者には余計なものがなく読みやすくなっているのかもしれません。4編すべてはずれ無し。でも好みで言ったら「迷走」かな。最初だからインパクトが強かったのもあるかもしれませんが。
読了日:12月11日 著者:長岡 弘樹
女王国の城 下 (創元推理文庫)女王国の城 下 (創元推理文庫)感想
江神さんのセリフにいちいちドキドキしました。本当にいい男です。手に汗握るバトルシーンも楽しかったです。先輩方も格好良く、EMC5名を上手く使いこなしていることに感動します。本格推理としてはもちろん完璧。と言っても実際は先が気になってさっさと白旗挙げて読み進めてしまったのですが。謎解きのシーンの江神さんも素敵でした。その彼がここへ来たきっかけがラストでようやく分かって納得しましたが、彼の生い立ちは事件と重なって切ないものが残りました。あと一冊。どうかラストの彼は幸せでありますように。
読了日:12月10日 著者:有栖川 有栖
女王国の城 上 (創元推理文庫)女王国の城 上 (創元推理文庫)感想
すごいところで切られてしまい、下巻をすぐ読まなくては、と言う気にさせられます。宗教団体そのものよりも奇抜で今なら普通にどこかのデザイナーが建設しそうな建物が気になっています。4人のやり取りと、おそらくアレがどこかから出てくることで…なんて伏線を色々考えながらじっくり楽しませてもらった上巻でした。それにしても江上さん、何を隠してるんですか?卒業後の事も含め、本当に気になります。
読了日:12月7日 著者:有栖川 有栖
きのう何食べた?(7) (モーニング KC)きのう何食べた?(7) (モーニング KC)感想
シロさんがもういいかな、と思ってからの力の抜けっぷりが想像以上でちょっとびっくり。シロさんのご実家からの帰宅途中のケンジの涙にはちょっともらい泣きしそうになっちゃいました。佳代子さんの話も好きでした。ケンジの作るご飯にボロボロになったシロさんがほっとするところもすごく良かったし、おいしい料理はやっぱり愛情なんだなと思わされます。相変わらずのジルベールとノルウェイの森にはぶっ飛びました。コンデンスミルク一本入れる紅茶のアイス、怖いけど作ってみたいな。
読了日:12月4日 著者:よしなが ふみ
毒 POISON ポイズン (集英社文庫)毒 POISON ポイズン (集英社文庫)感想
再読。今クールのドラマで、たまたま「刑事が容疑者を殺すとき」の回を観ました。内容はほぼ覚えていた通りだったのですが、主役と思われるピース綾部の人物像が全く思い出せなくてすごく気持ち悪い思いをしました。それで再読してみることに。結論から言うと、設定が変わっていて原作の教授はあんな風じゃなかったのでした。私は毒薬の生い立ちも人の手に渡る渡り方も原作の方が好きですがドラマとなると確かに設定を変えた方が面白いですね。ドラマの最終話はどんなふうになるのでしょうか。かなり昔の作品ですが再読でも十分楽しめました。
読了日:12月4日 著者:赤川 次郎
妖怪アパートの幽雅な日常(3) (シリウスKC)妖怪アパートの幽雅な日常(3) (シリウスKC)感想
長谷が夕士のアパートに入り浸る巻。ノベルス版を忠実に再現していると思います。(不良とのかかわりのところは少し柔らかく変えてありましたが。)ストーリー上の感想は忠実に再現しているためかノベルス版と同じで、長谷がカッコいいなあ、と。コミックのよさとしては、やはりプチヒエロゾイコンの精霊たちを絵で見ることができるのは楽しいですね。そして何度見ても古本屋さん、無駄にいい男過ぎです。表紙だし。
読了日:12月4日 著者:深山 和香
奇面館の殺人 (講談社ノベルス)奇面館の殺人 (講談社ノベルス)感想
今回は吹雪の山荘物であり、首と十指を切り落とされた死体に、客の仮面は外れない状態、と期待度バッチリ。中村青司氏の仕掛け、鹿谷氏のきちんと整理された謎解き、と十分に楽しんで読ませてもらいましたが、逆に期待が大きすぎてしまったのかなんだか動機や理由に思ったほどインパクトがなくて、隠されていたことがなんだか舞台裏を見ているような感じがしてしまったのが少し残念でした。でも気づかなかった多くの伏線には相変わらずうならされました。本当にさすが綾辻さん、さすが館シリーズ、と言う思いです。
読了日:12月4日 著者:綾辻 行人

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