2013年2月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:7278ページ
ナイス数:710ナイス


震える牛震える牛感想
社会派ミステリとしても魅力のある刑事が動く警察小説としても読むことができました。題名通りの内容、そしてデフレ時代の食に切り込む問題点。一家の食卓を預かる身では家族の身に直接降りかかってくるものとしていろいろなことを考えずにはいられません。情報公開に関して現在の体質を変える事、SCの今後なども生活に直接かかわってくることとしてリアルに考えさせられるものがありました。一方で警察の天下りの件などまで盛りだくさんで消化しきれなかった部分もあり、もう少し絞ってもよかったのではないかとも思いました。
読了日:2月28日 著者:相場 英雄
けさくしゃけさくしゃ感想
かなり期待して読み始めてしまったのであまり人物に思い入れできなくて期待外れと思ってしまったのですが、戯作で謎解きというちょっとしたミステリを読んでいると感じられるようになってからはお勝さんが格好よかったり謎の善太に惹かれたりと楽しめました。主人公にもっと惹かれるものがあれば更に楽しめたと思うのでそのあたりがちょっと残念。シリーズの最初の一冊かと思っていのでほっこりと綺麗にまとめて終わってしまいびっくりしました。主人公が実在だったというのにさらに驚き、読後経歴など調べてしまいました。
読了日:2月26日 著者:畠中 恵
共喰い (集英社文庫)共喰い (集英社文庫)感想
芥川賞で文庫になったし、と読んでみましたが、表題作はああ純文学ってこういうのだったな、と言う印象になってしまいました。でも純文学のわりには読みやすかったと思います。人物の描き分けが(特に女性)上手いと聞いていましたがそれには納得しました。でもやはり純文学特有の白黒画像で臭いがしてきそうないろいろなシーンはあまり好きではないです。二つのお話よりも、瀬戸内寂聴さんとの源氏物語に対する二人の対話がとても面白く印象的でした。その意味では文庫で読んでよかったと思います。
読了日:2月24日 著者:田中 慎弥
長い廊下がある家 (カッパ・ノベルス)長い廊下がある家 (カッパ・ノベルス)感想
いつもの二人を思うと、アリスだけしか出てこない回があったり、ちょっと掛け合いが物足りない気がしないでもありません。またいつもとはちょっと毛色が違うものが多いのですが、二人はやはりそれぞれ「らしい」ので安心して読めます。表題作はアリスの謎解きに笑ったのですが自分も違ってました…。「ロジカル・デスゲーム」はすごく緊張しました。火村先生もこんなに緊張する10秒はなかったでしょう。見事としか言いようがないです。この問題は知っていて理論的にもわかるのにそれでもいつもなんだか騙されているような気がするのです。
読了日:2月23日 著者:有栖川 有栖
猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち (講談社文庫)猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち (講談社文庫)感想
百瀬弁護士がとにかく好きです。靴をおとなしく買うところは思わず吹きました。いろいろなところから名言がパンチを効かせます。脚本家だと後から聞いて納得の生き生きとしたキャラ設定。散りばめられた伏線を最後にするすると拾うのではなく、これはこう繋がって…と百瀬より先にいろいろな想像ができていながら、足りないピースが出てくるのを待つドキドキ感。ラストに明らかになる真実や本音もとても素敵で読後感もとてもよかったです。軽いテンポのよいミステリが読みたいときにぴったりでした。続きも読みます。
読了日:2月22日 著者:大山 淳子
屍者の帝国屍者の帝国感想
プロローグでググッとつかまれたものの、その後がなかなか難解でスピードが落ちてしまいました。でも図書館の本でしたのでここで脱落するわけにはいかないと頑張って一気読みしました。円城さんは初読みでしたが読み終わってみるととてもよくできていると思えたし、実在の人物といろいろな物語上の人物が共演するのも楽しかったし、エピローグもとても好みでした。残念ながら自分の知識がついていけていないところがあり、十分に読み下せているかと言われると自信はありません。いつか必ずゆっくり再読したいと思います。
読了日:2月21日 著者:伊藤 計劃,円城 塔
鳴風荘事件 殺人方程式II (講談社文庫)鳴風荘事件 殺人方程式II (講談社文庫)感想
作者にとっては館シリーズよりこちらの方が狭義の本格のようですが、こちらの方が響くんの性格もあってか堅苦しくなく楽しく読むことができます。何より最初から一気に物語にのめりこめるのが嬉しいです。響の計算していたものと、伏線にはちゃんと気付いていたのですがあれだけ鮮やかに回収されると、すごいと思うしかないです。しっかりと本格を楽しめました。タケマルが可愛かったです。きっと幸せに暮らしているよね。可能性は低いみたいですがキャラがとても好きなので続きも是非お願いしたいです。
読了日:2月19日 著者:綾辻 行人
香菜里屋を知っていますか (講談社文庫)香菜里屋を知っていますか (講談社文庫)感想
ここに行けば「お帰りなさい」と迎えてくれるところがある。こんな幸せはなかなかないもの。工藤さんが、香菜里屋が、常連客が、雰囲気がとても好きでした。でもそれが永遠じゃないってのも当たり前のことですね。伏線をするするっと回収し、物悲しい思いは残りますが綺麗なエンディングだったと思います。今回、他のシリーズのメンバーがそっと登場されていましたが、香菜里屋が他のシリーズに登場しているところもあるそうで、もし彼がご存命だったらこの後の幸せな工藤さんをどこかで見ることができたかもしれないととても残念な思いもします。
読了日:2月18日 著者:北森 鴻
螢坂 (講談社文庫)螢坂 (講談社文庫)感想
前作は後味が苦い物が多かった印象がありますが、今回はどれも悲しくても優しくてじんわりと心にしみてくる来るものが多かったです。「双貌」と「孤拳」が特に好みです。毎回のことですが美味しそうなお洒落なお料理はもちろんのこと、ビアバーの中がメインのお話のはずなのに、美しい季節の情景が手に取るように伝わってくるところに感嘆します。三軒茶屋周辺の描写も見事です。世田谷線から太子堂線路脇に石碑が見えるのをリアルに想像できたり、池尻までの徒歩ルートを想像したり。とうとうあと一冊。どんなラストが待っているんでしょうか。
読了日:2月17日 著者:北森 鴻
理由 (新潮文庫)理由 (新潮文庫)感想
宮部作品は長くてもその長さを感じさせられないものが多いのですが正直これは長かった…。事件が収束してからの第三者視点で、関係者に話を聞きながら事件を明らかにしていくという手法が、私をいつまでも事件の外側にいる傍観者のままとしてしまったからなのかもしれません。社会派ミステリとして家族と言う形態、血の繋がりとは何かなどを考えさせられるものでした。分不相応のものやよくわからないものに手を出すことの結果など若い人に読んで欲しいと感じた部分もありました。本を楽しんだというより現代社会の陰の勉強をしたような感じです。
読了日:2月15日 著者:宮部 みゆき
椿山課長の七日間 (朝日文庫)椿山課長の七日間 (朝日文庫)感想
ずっと気になっていたものの機会がなく初浅田次郎作品です。椿山課長が我が家の大黒柱とそう変わらない年齢で同じように激忙しいのでなかなか読み始めは重く、悲運に痛々しさを感じながらも結果としてどんどん引き込まれ楽しく読み進め、さらに物語は思わぬ方向に転んで絡んで…最終的に何度も泣きそうになりながら夢中になって読みました。とにかくすごくよかったです。結末もいろいろと考えさせられました。(押ボタン方式、私は認めたくないです。)是非浅田さんの他の作品も読んでみようと思います。
読了日:2月12日 著者:浅田 次郎
幻想電氣館幻想電氣館感想
前作と比べての感想になりますが、こちらの方がミステリ色は強く逆にホラー的な要素は薄いです。こちらの方が少し現実的で苦かったりします。映画館と言う設定も上手いな~とは思いましたが、前作のキャラの方が親しみを持てたせいなのかなんとなく前作の雰囲気の方が好きです。無難にまとまっているというのが感想として正直な所でしょうか。続編、と聞いていましたがこれだけ読んでも問題ないと思います。でも前作を読んでいると共通する人物が出てきて「おお!」となったり、前作のシーンが回想できたりします。それがとても楽しかったです。
読了日:2月11日 著者:堀川 アサコ
幻想郵便局幻想郵便局感想
文庫化され読書メーターの帯がついたことを聞いていたところへちょうど図書館で出会ったのでお借りしてきました。ファンタジーに薄めのホラー、ミステリ風味も加わったなかなか好みの話でした。人は一人で生きているのではなく、人との繋がりで生きている、それをふっと思い出させられます。亡くなってしまったらそれで終わりではないというところも共感を覚えます。ただちょっと期待しすぎてしまったのか、なんとなく薄くもう一歩が足りないという感じを受けました。ですがエピローグがとてもいい感じでしたので是非続編も読んでみたいと思います。
読了日:2月10日 著者:堀川 アサコ
インシテミル (文春文庫)インシテミル (文春文庫)感想
ライトノベル風のクローズドサークルミステリという感じでしょうか。沢山の登場人物で絶対に混乱すると思ったのですがサクサクと話を読み進めている間にちゃんとキャラが頭に入ってきていたのには驚きました。ひたひたと見えない犯人に追い詰められるような恐怖感を期待していたので方向性は違ったのですが、ドラマを見ているようにストーリーを楽しみました。この主人公は結構好きです。最終的に謎のままのことが多かったのが残念。確かに知らなくていいと言えばいいのかもしれないのですが全てをクリアに回収してもらった方が私としては好みです。
読了日:2月8日 著者:米澤 穂信
ボトルネック (新潮文庫)ボトルネック (新潮文庫)感想
予備知識なしで読み始めたので驚きました。ミステリ部分はもちろんありますがミステリでくくってしまっては勿体ないですね。米澤さんらしいと言えばらしいのでしょうか。私はサキと「ぼく」とではあきらかに「ぼく」に近い生き方しかできないので読んでいる間ずっと彼が痛々しくてたまりませんでした。彼は悪くない、と思い続けての救いを求めたラストですが到達してみると自分だったら、ととても苦い思いをしました。ですがパラレルにいる間の彼の行動を見る限り、彼は私よりずっと強い。読後落ち着いてじっくりとラスト二行をかみしめました。
読了日:2月7日 著者:米澤 穂信
夏のレプリカ (講談社文庫)夏のレプリカ (講談社文庫)感想
萌絵の友人杜萌視点で物語が始まったことで、このシリーズの中では少しイメージが違いました。不思議に思っていることもあったし、伏線はきちんと見える所にあったのに今回も全てが明らかになると驚くばかりでした。人はいつまでも変わらないままではいられないのですよね。ラストのチェスシーンが印象的です。そしてそのまま終わり、ではなかったのも衝撃でした。前作を読んですぐだったので、前作の話題だとすぐわかった部分はありましたが、いつか2冊を章番号順にきちんと対比させながら読んでみたいです。
読了日:2月6日 著者:森 博嗣
幻惑の死と使途 (講談社文庫)幻惑の死と使途 (講談社文庫)感想
このシリーズを読むと、ああ、これこれ、こういうのを読みたかった、といつも思います。話の中にどっぷりと浸かれる幸せ。残念ながら私はどれだけ無い知恵を絞っても物語の中の彼らのように綺麗な正解は求められないのでただただ物語を楽しむのみ。今回は名詞の概念に対する犀川先生の考察が印象的でした。あの名前を呼ぶシーンは本当に切なかった。また毎回思いますが今回も題名がすばらしいです。次巻は偶数章で時系列が重なっているんでしょうね。続けて読む予定ですが時々こちらをめくって確認してしまいそうです。楽しみです。
読了日:2月5日 著者:森 博嗣
彼女が追ってくる (碓氷優佳シリーズ)彼女が追ってくる (碓氷優佳シリーズ)感想
優佳の活躍する倒叙シリーズの三作目。またしても優佳の行動やものの言い方はどうにも好きになれません。ですがやっぱり前二作同様、彼女のキレに感嘆しながら一気読みをしてしまいました。ラストの展開も秀逸。全部わかっていて彼女は最後に部屋を出たのだろうと読み終わった後納得させられてしまいました。シリーズとしての展開は完璧だと思いましたが個人的には女性二人と男性一人の関係とここに至る経緯をもう少し詳しく読みたかったです。
読了日:2月4日 著者:石持浅海
みぃつけたみぃつけた感想
しゃばけシリーズファンの大人のための絵本でしょうか。若だんなと鳴家たちの出会いが書かれたとても優しいお話です。何度も繰り返して読みたくなります。本編を知っているからこその微笑ましさはもちろんありますが、子供たちがこの本から入ってしゃばけシリーズ本編を読む、というのもいいと思うのです。なのに難しい字がとても多いのにルビが全く振っていない…。絵も素敵だし、その点だけがちょっと勿体ない気がします。
読了日:2月3日 著者:畠中 恵
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)感想
私には虐殺器官よりは読みやすかったです。コードの意味するものがなんなのか徐々に想像されてくると息まで止めるようにしてページをめくっていくしかありませんでした。虐殺器官をテロの最中に読み、現実と混じって大変な読書をしたと思っていましたが、今回のこのケースの方が更に近未来にありそうな感じを受けました。最初はここまでは絶対にならないと思っていたのですが読み終わってみると本当によくできていると思います。でもだからこそ作家さんの執筆時の状況を思ったとき彼がどれだけ自分と向き合ったのかも考えずにはいられませんでした。
読了日:2月3日 著者:伊藤 計劃

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