2013年3月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:6189ページ
ナイス数:990ナイス


月館の殺人 (下)  月館の殺人 (下)  感想
佐々木さんのコミックらしさはしっかりと発揮されているのに、でもやっぱり綾辻さんのミステリであることは間違いなく期待通りで、シリアスで本格で綺麗に終わります。欲を言えば動機がもう少しストレートな方が好みですが、伏線から考えると納得させられました。もちろんこれはこれでコラボならではの良さが発揮されていてとてもいいのですが、綾辻ファンとしてはやはり、ギャグテイストのないノベルス版でも読んでみたかったです。
読了日:3月31日 著者:綾辻 行人
月館の殺人 上  IKKI COMICS月館の殺人 上 IKKI COMICS感想
綾辻さんのノベルスになっていない館シリーズ(?)と聞いて遅ればせながら手に取りました。「テツ」の世界と言うものをたくさん見ることができ、原作者カラーではないシリアスの中に散りばめられるくすっと笑ってしまうような仕込みを楽しく読むことができてコラボ作品ならではだと感じられます。さて、この鉄道ミステリが「館シリーズ?」と言われるのはなぜなのか。上巻のラストは一瞬「?」そして「!!!」でした。
読了日:3月31日 著者:綾辻 行人
夏服パースペクティヴ (樋口真由“消失”シリーズ)夏服パースペクティヴ (樋口真由“消失”シリーズ)感想
話の作りとしてはとてもよくできていると思います。時系列としては前作より前のようで、こっちの方が正統派かな。ただ、なかなか物語の中に入りきれず前半かなり読むのに苦労しました。終わりから三分の一くらいは一気に読まされる勢いがあったので生意気を言えば前半の運びにもう少し推敲の余地があったのではないかと思います。前作を読んでいなくても問題なく、またこれを先に読んでも前作が楽しめるようにとても気を配っているのには感心しました。(もちろん前作が先の方がいいとは思いますが。)もし次が出たらまた読んでみたいです。
読了日:3月28日 著者:長沢 樹
サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)感想
やはり前作よりも、本屋さんの中で起こることをそこから出ずに解決してしまう今作の方がテンポもよく好みです。本屋さんの裏側を覗けるのは本当に楽しいし、他の書店員さんの特徴も覚えてきて一緒に働きたいと思ってしまうような雰囲気も好きです。ほろ苦くすっきりしないような、後味が優しい話ばかりではないところも逆に良いかと思います。表紙やポップ、帯に呼ばれて本を買う楽しさは知っていますが話題の本はネットでクリックしてしまうことが多い昨今、坂木さんの解説は沁みました。私も地元書店をどんどん利用していきたいです。
読了日:3月24日 著者:大崎 梢
本屋さんで待ち合わせ本屋さんで待ち合わせ感想
本当に本が好きでたまらなくて楽しんでいらっしゃるのがわかるエッセイ集。読んでいる私もとても楽しめました。読みたいなと思ってチェックしてしまった本もあります。自分が読んでいて同じように感じている本が紹介されているのを見つけてすごく嬉しかったですね。つくづく自分は本好きでよかったと思います。しをんさんの他のエッセイも読んでみたいです。
読了日:3月23日 著者:三浦 しをん
晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)感想
前作ではキャラが薄いかなと思っていましたが、今回はしっかりと伝わってきました。今回も本に対する愛情はたっぷりで、本屋さんと言うものをいろいろな角度から見ることができたのはとても楽しかったです。ただ完全に出張してしまって関係者を訪ね歩くなど、いわゆる普通のミステリっぽくなってしまったのがちょっと残念です。一番最初のたった一枚のレシートからその時の情景を納得いく形で出してしまうような、そんな謎が好きなので、そういった点では短編の形の前作の方が好みでした。
読了日:3月22日 著者:大崎 梢
坂木司リクエスト!  和菓子のアンソロジー坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー感想
坂木さんがリクエストして書いていただいたとのことですが、和菓子というテーマでこんなにも違う読み応えのある短編が揃うとは思わなかったので驚きました。作品を読んだことがある作家さんの物はそれぞれその方らしいカラーが出ているのを期待通りに楽しむことができましたが、驚いたのが初読み作家さんのものです。トマどら、チチとクズの国、糖質な彼女、時じくの実の宮古へ、どれも切り口がとても好きで、この作家さんたちの他の本も読んでみたくなりました。こんな風に他の本も読んでみたい作家さんと出会えるのはとても嬉しいです。
読了日:3月20日 著者:坂木 司
配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)感想
舞台は新刊本屋さん。書店員がミステリを紐解く連作短編になっていますが、ミステリに加えて本屋さんの舞台裏やあるあるをとても楽しく読むことができました。日常のミステリで微笑ましく心が温かくなるような小さなものを想像していたので、それだけではなく警察にご厄介になるようなものや、かなり重いものもあったのがびっくりしました。主人公はじめ書店員さんのキャラがもう少ししっかりと立っているともっと読みやすかったのではないかと思います。ですがしっかり楽しめましたので続編も是非読んでみようと思います。
読了日:3月18日 著者:大崎 梢
ハサミ男 (講談社文庫)ハサミ男 (講談社文庫)感想
10年以上前に読んで衝撃を受けた本です。ですがそれ以来の再読だったので衝撃の詳しい内容までは忘れていて、構えて読んでいたのにもかかわらずまたやられてしまいました。細かいところまでよく考えてあると思います。ミステリ好きさんで読んでない方は是非、前評判など気にせず素直に構えず読んでみてください。
読了日:3月18日 著者:殊能 将之
山椒大夫山椒大夫感想
高瀬舟を読んだ流れでこちらも。読んでいないはずはないのに読み始めてもピンとこない…と思ったら「安寿と厨子王」の児童書以来、原文では読んでいなかったようです。記憶の中の物は子供向けにぬるめにアレンジしてあったのかもしれませんが、考えていたよりも安寿が大人で、幸せなハッピーエンドと思っていたものが途中の様々なことを考えると読後感が必ずしもいいとは思えないなど、年を重ねて違った目で見ることができるようになったのを感じます。思い立った時にスマホでこういうものが読める時代というのはありがたいですね。
読了日:3月16日 著者:森 鴎外
高瀬舟高瀬舟感想
横山秀夫の「半落ち」を読んでいる時、高瀬舟が思い浮かび、読後Kindleで見つけたので読んでみました。以前に読んだ時は、事件に至るまでの弟の苦しみ、弟を結果として死なせてしまった兄の悲しさ、リアルな場面描写が心に強く残っていた気がするのですが、今読んでみると護送を命じられて一緒に乗り込んでいる同心と罪人である喜助との貧乏やお金、生活に対する考え方がより印象に残りました。これだけ短い話の中に本当に深いものがたくさん詰まっているのを感じます。
読了日:3月16日 著者:森 鴎外
半落ち (講談社文庫)半落ち (講談社文庫)感想
妻殺害後二日経ってから出頭した警部。頑なにその二日間を語ろうとしない彼に、その後彼にかかわってくる人々がそれぞれの視点で謎の二日を追います。視点となる彼らの立場上の葛藤が何とも悲しく、もどかしい思いで読み進めました。実際にそれが可能かどうかは別としてもそのために思いとどまった彼の決意を知った時はなんとも言えない重さをズシンと感じました。彼をそっとしておいてあげてほしかったという気さえしてきました。章ごとに違う視点にすることで読者を引っ張る筆力はさすがだと思います。
読了日:3月16日 著者:横山 秀夫
消失グラデーション消失グラデーション感想
横溝正史ミステリ大賞ということでしたが最初はラノベ風の軽いものかと思いました。どの登場人物も微妙に隠している部分があるのは感じていました。消失のトリックはなんとなく想像できましたが、さすがに最後は驚きました。好みは分かれそうですが私はよくできていると思います。なかなか個性のある登場人物でこれで終わりなのは勿体ないなと思ったらどうやら続編があるようですね。是非読んでみたいと思います。
読了日:3月14日 著者:長沢 樹
サヴァイヴサヴァイヴ感想
サクリファイス前後、エデン前後の短編集です。文庫化を待てず図書館でお借りしました。短編でもあっという間に物語の中に引き込んでいく筆力には脱帽です。どれもみな期待以上に心に響いたのですが、やはり大きかったのは石尾と赤城の話です。この本で彼らについて知るとサクリファイスを読み返したくなりました。きっと違う印象で違った思いを受けるに違いありません。偶然サヴァイブから入った方の衝撃は如何ばかりかと思います。続けて三冊読んでどっぷりシリーズに浸かってしまったのでこの後何を読もうか途方に暮れています。
読了日:3月12日 著者:近藤 史恵
エデン (新潮文庫)エデン (新潮文庫)感想
前作から三年後、彼はツール・ド・フランスに挑もうとしています。300ページ以上あるのに一気に読ませてしまう筆力はさすがです。おそらく主人公のまっすぐなところが読み手の心を打つのでしょう。ミステリ色は薄く、純粋にロードレースの駆け引きにスポンサーやドーピングと言った暗い部分も含めてどっぷり浸ることができました。今回はニコラを中心とした人間関係で読んでいる私自身が手足が冷たくなるような感覚を味わいました。チカは本当に強く、最後に取った選択もとても気持ちがよかったです。今後の活躍も期待せずにはいられません。
読了日:3月10日 著者:近藤 史恵
サクリファイス (新潮文庫)サクリファイス (新潮文庫)感想
読み友さんの間でも評価の高い本です。ようやく読みました。ロードレースについてはほとんど知らなかったのに全く問題なく物語に必要な知識をするすると教えてもらいながらどっぷりとロードレースの魅力に取りつかれて読みました。後半主人公が一つ一つ理解して気づいていくことには戦慄を覚えずにはいられません。最後に彼がたどり着いた推測の衝撃は半端ではなかったです。「Sacrifice」の意味が私にもとても重くのしかかってきました。こんなアシストを受け取った彼はこの後大きく成長しなくてはなりません。続編が楽しみです。
読了日:3月8日 著者:近藤 史恵
脳男 (講談社文庫)脳男 (講談社文庫)感想
映画化で平積みされていて手に取りました。容疑者鈴木一郎を過去の彼を探すことで解き明かしていく過程はドキドキしたし、その後の展開も一気に読まされてしまいました。正直ものすごくうまいとは思いませんし、突っ込みたいところは山ほどあるのですがそれでもよくできていると思います。ミステリというよりSFを読んでいるような気がしてしまいました。鈴木一郎はもちろんですが、他のキャラの背景をもう少し書き込んでくれるともっと読みやすかったと思います。どうも最後が回収不足と思ったら続編があるのですね。読んでみようと思います。
読了日:3月8日 著者:首藤 瓜於
微笑む人微笑む人感想
「本の置場がなくて邪魔だった」と妻子を殺した男。その男の過去を追及していくことで話が進んでいきますが彼がどんな男だったか、過去にある疑惑などもわかるにつれ、現実にこんな男がいそうなことに恐怖を覚えながらもどんな結末が待っているか夢中になり、一気に読み進めることができました。結末は、なるほどこうきたかという感じですが、私はもっとなんらかのガツンと読み手の心に訴えてくるもので終わって欲しかったです。つまり私自身がわかりやすいストーリーで安心したいということなんでしょうね。
読了日:3月7日 著者:貫井 徳郎
モラトリアム・シアターproduced by腕貫探偵 (実業之日本社文庫)モラトリアム・シアターproduced by腕貫探偵 (実業之日本社文庫)感想
腕貫さんのシリーズなのに大富豪探偵の方がメイン?なんて思いながら読み進めました。一人称を信用するなと言われていて、ちゃんと疑い深く読み進めているのに、もしや、と思ったときにはもう物語終盤。そうだよね大富豪だもん…。しかも気付いてみれば伏線はバッチリなので参ります。腕貫さんはちゃんと役目を果たしていますが、それでもやっぱり彼の出番がもっと欲しくてその点は残念でした。西澤さんの作品では登場人物が必ずしもマジョリティでないのですが今回も人間関係がすごく入り組んでいて途中で理解するのを放棄しそうになりました。
読了日:3月6日 著者:西澤 保彦
余った傘はありません余った傘はありません感想
一つ一つは本当に短い掌編。だからさらさらと気を抜いて読んでいたら途中で壮絶な後悔をすることに!一度戻ってじっくりと読み直し、読後さらにループして二周目。今度は散らばった小さなつながりにドキドキしながら堪能しました。前作で感じた飛び抜けた才能を思ってかなりハードルを上げて読み始めたのに、読み終わってみると今回も緻密に計算されていることに脱帽するばかりです。読み返すたびに違って感じる、彼女らしいシュールさと得体のしれない怖さ。彼女でなければ表せないであろうこの世界観をまた是非お願いしたいです。
読了日:3月4日 著者:鳥居 みゆき
密室に向かって撃て! (光文社文庫)密室に向かって撃て! (光文社文庫)感想
烏賊川市シリーズ2作目。シリーズを順番に読んだ方が楽しめる気がします。いきなり被害者が前作でお世話になった人でちょっとショックでした。個性の強いキャラ達は健在でユーモアミステリとして楽しめますが、もちろんしっかり本格で謎解きも十分楽しむことができました。犯人の動機へ至る過程を自分でも流平と同じようにたどっていたので彼が披露する場面はワクワクしました。8発の銃弾の鵜飼探偵の見事な謎解きも十分に楽しみました。シリーズの続きを読むのが楽しみです。
読了日:3月2日 著者:東川 篤哉

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