2013年6月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:4630ページ
ナイス数:726ナイス


田村はまだか (光文社文庫)田村はまだか (光文社文庫)感想
思い出の中の小学生の田村はいい男だったし、彼の過去を思い出すことでなんとなく自分を振り返っているアラフォーたちがちょっとほろ苦くて愛おしく、自分もいつの間にか田村の登場をまだかまだかと待ってしまいました。章ごとに5人の同級生の名前を明らかにしながらキャラに少しずつ色を付けていくなど、惹きつけ方も上手いと思います。なんとなく読み返したくなる、そんな大人の話でした。文庫特別収録の「おまえ、井上鏡子だろう」がまた痛い。でもなぜかこれも好きです。
読了日:6月26日 著者:朝倉 かすみ
ドグラ・マグラドグラ・マグラ感想
角川文庫版既読。この本はちょっと戻って確認したい、と言うことがよくあるのですが電子書籍ではそれが操作に慣れていなくて大変でした。角川文庫版を読んだときはそれなりに読み下せてしまった気がしていたのですが、再読してみると、初めて読むような部分が何か所もあって…前回は目が滑っていたことを感じさせられます。やっぱり胎児の夢も脳髄論も面白く、再読ならではの発見もあって楽しかったです。同じ文章でも前回とは私のとらえ方が変わった部分もありました。
読了日:6月24日 著者:夢野 久作
臨床犯罪学者・火村英生の推理 I    46番目の密室 (角川ビーンズ文庫)臨床犯罪学者・火村英生の推理 I 46番目の密室 (角川ビーンズ文庫)感想
講談社文庫版はもちろん持っています。十年来のファンとしては新しい読者層にはどうなんだろう?と思いつつの読み初めでしたが、しっかりビーンズ文庫らしく読めるのにちょっと驚きました。何度目かわからないほどの再読になりますが、作家アリスが学生アリスを書いていることを明言している所を今更発見したり、火村のフィールドに立ち会うのが初めてでちょっと高揚したアリスが微笑ましかったりと最近とはちょっと違う二人をしっかり楽しむことができました。麻々原さんのイラストは本当に格好よく、サブキャラのイラストにまで惚れ惚れします。
読了日:6月21日 著者:有栖川 有栖
光圀伝光圀伝感想
最初は厚さと重さに圧倒されそうになりましたが本当に読んでよかったです!大日本史を編纂した漢と言うべき水戸光圀がここにいました。登場人物たちの力強さ、潔さ、そして苦悩が手に取るように伝わってきて夢中になって読みました。光圀公ばかりでなく、彼の周りの人々の生き様は本当に格好良く、何度も泣きそうになりました。途中に挟み込まれる「明窓浄机」にはミステリのように引っ張られ、リーダビリティの高さにも驚きました。「天地明察」とのちょっとしたリンクも楽しかったです。
読了日:6月20日 著者:冲方 丁
大崎梢リクエスト!  本屋さんのアンソロジー大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー感想
新刊書店限定の本屋さんのアンソロジー。もちろんどれもよかったのですが、日常の謎に取り組む書店員さんものは、好き作家さんは期待が大きいのかどこかに似たようなのがありそう、この作家さんでなくても、と思ってしまったのがいくつかあって少し残念でした。そんな中、飛鳥井さんの「空の上、空の下」はすごく好みでした。坂木さんの「国会図書館のボルト」は楽しくて痛快、吉野さんの「ロバのサイン会」も素敵でした。誉田さんのはシリーズを読んでいるとちょっと嬉しいですね。
読了日:6月17日 著者:大崎 梢
ドS刑事 朱に交われば赤くなる殺人事件ドS刑事 朱に交われば赤くなる殺人事件感想
新キャラドMの童顔東大卒刑事、浜田さんのインパクトがすごく、主人公であるはずの代官山の影が薄いです。今回は彼視点が少ないこともあるかもしれません。今回は焼死体ではないけれどスプラッター。もちろんこういうのが好きでない人にはお勧めできませんが、キャラが強いのとテンポがいいためか気持ち悪さは少なくサクサクと読み進めてしまいました。今回も強引だと思える部分はありますが副題には納得。ただ、印象に残ったのは最初もクライマックスもラストも浜田さんだったりします…。
読了日:6月16日 著者:七尾 与史
近藤史恵リクエスト!  ペットのアンソロジー近藤史恵リクエスト! ペットのアンソロジー感想
執筆者が豪華です。今回は読んだことのある作家さんが多くて期待も高まりました。和菓子の~を読んだ時も思ったのですが、それぞれの作家さんらしいカラーと感じられるものが多くて安心して読めました。ハズレはなかったですね。また初読み作家さんでは「ネコの時間」「パッチワークジャングル」が印象的でした。好みは「最も賢い鳥」「里親面接」「シャルロットの憂鬱」。「最も賢い鳥」(大倉崇裕 )の警視庁総務部総務課はシリーズとのことなので是非本編も読んでみたいです。
読了日:6月14日 著者:近藤 史恵
ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)感想
子供の頃は乱歩は絵がおどろおどろしくて手に取りにくく、数冊しか読んだ記憶がありません。大人になってから全集の一部を読んだけどその程度の知識ではもちろん謎ときには全く歯が立たず、この本は薀蓄を楽しむべき本だと改めて感じました。毎回の事ですが乱歩はもちろん紹介されている本を読みたくなりますね。今回は、ストーリーには震災の影響のほんの小さな描写のたびに当時の自分を思い出してしまい全く入り込めなかったのが残念でした。普通に震災をトリックに使えるっていうのが私にはまだ受け入れられなかったのかもしれません。
読了日:6月12日 著者:三上 延
さよならドビュッシー (宝島社文庫)さよならドビュッシー (宝島社文庫)感想
最初の展開でこれはもしや?と想像してしまい、そうなると伏線も拾ってしまうもので、残念、と思っていたのですが、全く残念などということはありませんでした。それほどクラシックやピアノに詳しくない私でも、ぐいぐいと引っ張られて読み進めました。途中であ、ミステリだった、と気づかされるほどの読み応えだったと思います。ところどころにズシンと重い言葉が入っていたのが印象的です。正直犯人当てとしてはどうかなと思う部分もあり、すごく苦い気持ちにもなりましたが不思議と読後感は悪くありません。題名が秀逸ですね。
読了日:6月10日 著者:中山 七里
旅猫リポート旅猫リポート感想
旅に出た時点で結末が予想できてしまったのです。でもページをめくらずにはいられませんでした。実は全く合わなかった本もあるので期待していなかったのですが、これには参りました。ナナの強さ。悟の優しさ。いろいろな意味で受け入れるということ。彼はなんて素敵な相棒に出会えたんでしょう。薄の原っぱで悟を気遣うナナにとうとう涙腺は壊れ、その後もこれでもかと言うほど泣かされてしまいました。これだけの話を読後感のいい優しい気持ちになれるように持って行ってしまった有川さんはさすがです。
読了日:6月8日 著者:有川 浩
ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件感想
副題から死亡フラグみたいな雰囲気を想像していたのですが全く違って驚きました。視点が変わり、時系列が前後し、と読みにくいはずなのに先が気になりどっぷりはまって次から次へとページをめくりました。最後にするすると伏線をつないで真相に迫っていくところは見事で副題にも納得。よく計算されています。どうもドS刑事自身が好きになれなかったのですが、ラストに見せる違った一面が微笑ましく、2も読んでみたくなりました。舞台がよく知っている土地だったのも楽しめました。
読了日:6月7日 著者:七尾 与史
犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題 (カッパ・ノベルス)犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題 (カッパ・ノベルス)感想
犯罪ホロスコープ12星座の後半です。警視と綸太郎の会話は相変わらずで、安心して読めます。しっかり本格ものの前半はもちろん好きですが、少しカラーのかわる後半もよかったです。むしろ印象に残ったのは後半かもしれません。連載と言う形式をとっていたためか、その時々の社会の出来事に則して話が進んでいるところもあり、綸太郎が携帯電話を持っているところなどびっくりしました。最後は意識してリンクを貼ったそうで、こういう心配りは読みやすく嬉しいです。法月さんの短編は本当に上手く、いつも、こういうのが読みたかった、と思います。
読了日:6月5日 著者:法月 綸太郎
陰の季節 (文春文庫)陰の季節 (文春文庫)感想
64を読んだ後でそれがD県警シリーズの一冊であることを知り、興味を持って手に取ったシリーズ一作目です。異色と言われるだけあって、殺人事件の犯人を追うようなものではなく、警察内部の謎をいわゆる内勤の人たちが追っていきます。短編ごとに主人公が違いますが人物がリンクしている所は読みやすくて嬉しいです。各々の登場人物について家族や過去などの背景がしっかりしているためなのか実にキャラがリアルで、内部の様子などが時に必要以上に生々しく薄ら寒くさえ感じられ、筆力に圧倒されました。シリーズの続きを読むのが楽しみです。
読了日:6月2日 著者:横山 秀夫

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