2013年11月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:5629ページ
ナイス数:1044ナイス

パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から (幻冬舎文庫)パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から (幻冬舎文庫)感想
安楽椅子探偵のパティシエが日常の謎を解く、と思い込んで読み始めたので、扱う事件が殺人事件だったのに驚きました。元警部補のパティシエに捜査情報を回すための設定がありえないのですが上手く作ってあると思います。喫茶のマスターの兄視点はとても読み易く、兄弟の関係もとても優しいもので微笑ましいです。謎ときはおそらくメインではないのですね。謎が解けたことによって関係者の先行きがいい方に変わっていくところが好みでした。登場人物たちに謎が残されたままなので今後がどのように展開していくのが楽しみです。
読了日:11月30日 著者:似鳥鶏
ドミノ倒しドミノ倒し感想
途中で作者名を確認してしまうほどイメージとは違う軽いラノベ風ですがちゃんとミステリです。事件だけではなく探偵に関して隠されているものを気にしながらも月影の方言や署長ののんびりした口調にテンポを外されながらまさしくドミノ倒しのようにバタバタと先へ広がっていく事件を追いかけて、なんだかんだ楽しんで読み進めていきました。そして畳みかけるような怒涛のラスト。その勢いのまま読み進めていき最後のページで目が点になりました…。ですが読み終わってみると扱っているテーマが重いのを感じます。だからこれでいいのかもしれません。
読了日:11月27日 著者:貫井徳郎
虚像の道化師 ガリレオ 7虚像の道化師 ガリレオ 7感想
「容疑者Xの献身」や「真夏の方程式」と比べてしまうと短い中にトリックも犯人の心情も詰まっているので軽くあっさりめですが、同じシリーズでこのように違う印象を読者に与えてしまう作者はすごいと改めて思います。あっさりとはいっても「幻惑す」と「心聞す」では物理学者のシリーズらしい一風変わったトリックが、「偽装う」では加賀シリーズを思い出させる心遣いが印象的でした。「演技る」が一番インパクトがあり、私は好みです。読後「虚像の道化師」というタイトルにはっとさせられました。こういうところも上手いですね。
読了日:11月27日 著者:東野圭吾
よろずのことに気をつけよ (講談社文庫)よろずのことに気をつけよ (講談社文庫)感想
呪術を専門とする文化人類学の大学教授と、祖父の惨殺死体の床下に呪術符を見つけた女子大生がこの殺人事件を呪いの面から追っていきます。表題からもオカルトなイメージを想像していましたが、しっかりとしたサスペンスミステリでオカルト的怖さはあまりなく、後半は続きが気になって一気に読んでしまいました。伏線だと思っていたものが意味がなかったりこれでいいの?と思うような部分はありましたが、キャラがしっかり立っていたのでシリーズでも行けるような気がします。デビュー作だそうなので今後に期待しています。
読了日:11月24日 著者:川瀬七緒
思い出のとき修理します 2 明日を動かす歯車 (集英社文庫)思い出のとき修理します 2 明日を動かす歯車 (集英社文庫)感想
秀司と明里の甘さは想像以上で、読んでいて暖かくなります。ちゃんと二人が成長していくのがわかるのも嬉しいです。二人のキャラがしっかりとしてきたのもあってこの商店街にどっぷり浸りました。日常の謎にどこか不思議な世界が絡むこの独特の雰囲気がとても好みです(でも現実的正解もどこかに用意してますね)。一巻から特別な何かを持っていそうで気になっていた太一がますます不思議な子になっています。二人にしか会えないのかと思ったらちゃんと他の方にも見えているようですし、今後の彼がとても気になります。
読了日:11月21日 著者:谷瑞恵
冤罪死刑冤罪死刑感想
最初少し読みづらいと感じていましたが、物語が動き始めると一気に読まされてしまいました。冤罪というものは、こうやって作られていくものかもしれません。実際にこんなことが起こり得るとは思いたくないですが、人間のすることに100%はなく、少しだけ歯車が狂ったり思惑によって故意に捻じ曲げられていくこともあることを考えさせられました。ミステリとしてはとても計算されていてよくできていると思います。生意気ですが登場人物がもっと魅力的だといいのですが。多少予想のつく部分はありますが、どんでん返しを楽しみました。
読了日:11月19日 著者:緒川怜
思い出のとき修理します (集英社文庫)思い出のとき修理します (集英社文庫)感想
谷瑞恵さんと言えばコバルトの印象が強くこの作品もそんなイメージで読み始めたのですが、少しファンタジックではあるものの思いがけずしっかりとしたお話でした。「思い出の時修理します」と掲げた時計屋さん自身の過去、そして主人公の過去と現在。正直彼ら二人より太一の方が魅力的だったりしますがそれでも二人が少しずつ寄り添いながら過去を上手く自分のものにして未来へと時をつなげていく様子は良かったです。少しずつ明らかになっていくことに引き込まれていきながらも心穏やかに読み進められ、優しい読書時間を過ごすことができました。
読了日:11月19日 著者:谷瑞恵
七色の毒 (単行本)七色の毒 (単行本)感想
女には騙されるが男の嘘は見抜くという切り裂きジャックでお馴染みの犬養刑事が関わる短編集。それぞれの話にいろいろな意味の毒が色を纏って現れます。実際の事件や出来事を題材にしているのがはっきり分かるものも多く、いたたまれない思いを感じたり、筆者自身の吐いた毒を感じるものもありました。インパクトが強かったのは「黒いハト」と「緑園の主」。好きなのは想像以上に騙された「青い魚」。最後のお話で犬養刑事と娘さんの近況が見えるのも嬉しいです。とても好きなパターンの短編集でしたのでシリーズが続くと嬉しいです。
読了日:11月18日 著者:中山七里
切り裂きジャックの告白切り裂きジャックの告白感想
脳死判定上の臓器提供。自分や家族が提供する立場になることは考えてもいただく立場を考えたことがなかったのと、コーディネーターという仕事や商売としての臓器移植に関しても全く考えたことがなかったのでとても勉強になりました。ips細胞など今後の臓器移植に関しては明るい光も見えていますが、現在待っている方々の時間を考えるととにかく早く医療が進んでくれることを祈るばかりです。物語としては二人の刑事のキャラが立っていてすんなり読めました。真相には少し思うところがありましたが、その後のエピローグで泣きそうになりました。
読了日:11月17日 著者:中山七里
真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫 (ポプラ文庫 日本文学)真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫 (ポプラ文庫 日本文学)感想
気になっていたいろいろなことが少しずつ動き出して、少しずつ明らかになっていきます。必ずしも綺麗ごとばかりではなく優しいことばかりでもない、でもきっとみんなその時その時を精いっぱい生きて、選択しているのだと思います。登場人物それぞれがパン屋さんと関わってきた時間とともにきちんと成長しているのもわかります。真夜中のパン屋さんがどれだけ意味のあるものだったのか、みんなが幸せになれるラストを信じて続きを待ちます。
読了日:11月17日 著者:大沼紀子
双孔堂の殺人 ~Double Torus~ (講談社ノベルス)双孔堂の殺人 ~Double Torus~ (講談社ノベルス)感想
前作で探偵が思ったより常識的、などという感想を書いていましたが今回の探偵は偏屈な数学者をむき出しにしていい味を出しています。理解しなくても問題ないだろうな、と思いつつも好き分野なので楽しく読んでしまいましたが、ちょっと長いですよね。数学が嫌いな方だとこの前半部分の位相数学のやり取りは読むのが辛いのではないでしょうか。建物の構造やトリック的なことなどは意表を突く感じではないものの一応本格してますし、今回登場の兄妹が今後も関わってきそうなので続きがどんな形で展開していくか楽しみです。
読了日:11月17日 著者:周木律
赤い糸の呻き赤い糸の呻き感想
「ぬいぐるみ警部の帰還」にシリーズになる前の作品があると知り、ノンシリーズ短編集のこちらを手に取りました。音無警部の頭の中はこんなになっていたんですね。楽しかったのでシリーズが続くならこういうところもまた見せてほしいです。他の短編もキャラが濃かったり安楽椅子探偵が答えを出してそのままだったりどれも西澤さんらしいと思います。表題作がとてもよかったです。思いがけなくガツンとやられました。あんなオチが用意されているとは!どれもさらっと読めましたが楽しみました。
読了日:11月12日 著者:西澤保彦
盤上の夜 (創元日本SF叢書)盤上の夜 (創元日本SF叢書)感想
麻雀はやったことがある程度、将棋やチェスはルールがわかる程度という自分の事情もあるのでしょうが、麻雀を題材にした「清められた卓」が一番面白く、囲碁の話は感覚器官という点で興味深かったのですがとにかく知らないので読みにくくて残念でした。ルールを知らなくてもぐいぐい引っ張ってくれる何かが欲しいという感じです。碁と麻雀以外の3編も決して読み易いということはないのですが読み終わってみるとどれも好みだったので余計にそう思います。コンピュータと人間との関係など興味深いことも多く別の形の作品に触れてみたいと思いました。
読了日:11月11日 著者:宮内悠介
残像に口紅を (中公文庫)残像に口紅を (中公文庫)感想
五十音を一音ずつ消していくという実験小説。使えない言葉がどんどん増え、表現できない物自体もなくなってしまうので相当不自由なはずなのですが最初の3分の1くらいは意識しないと気づかないほど文字が減っていることを感じさせません。虚構の世界の中の空間が少しずつ広がり、空虚になっていく様子が文字数が本当に少なくなってしまうまで上手く伝わってきました。改めてすごい作家さんだと思いました。解説の音分布のエントロピーがとても興味深かったです。減っていく文字を表す山内ジョージ氏のイラストがまたいい雰囲気を出していました。
読了日:11月8日 著者:筒井康隆
秋の牢獄 (角川ホラー文庫)秋の牢獄 (角川ホラー文庫)感想
【秋の牢獄ツアー参加】恒川さんのお話の怖いより幻想的な美しさを感じられる所が好きです。昨年の同じ日に単行本で読んで以来の再読になります。今日はいろいろなことをきちんと記憶しようと思いながら過ごしたので、さっき外を見て思いがけず窓の外に見えるビルの夜景がきれいなことに気づいたりちょっと特殊な一日になりました。表題作はもちろん印象に残っていましたが、今回改めて読んでみると「神家没落」の設定が好きですね。急激に都市化が進んだ日本…今でも忘れられた小路を行ったら選ばれた人の前に出現しそうな気がします。
読了日:11月7日 著者:恒川光太郎
六枚のとんかつ (講談社文庫)六枚のとんかつ (講談社文庫)感想
何やらいろんな意味で注目されていたのは知っていました。私は保険屋のコンビのドタバタも謎解きも楽しめたのですが、途中からなんだか小説を読んでいる気がしないな、と思い始めてしまいました。ふと思いついたのが多湖輝氏の「頭の体操」です。あんな感じで謎を与えられて解答を考えるクイズの本を読んでいるような感覚でした。決して面白くなかったということはないのですが、隙間時間に楽しむ本という感じです。お気に入りは「丸ノ内線七十秒の壁」です。コメント欄ちょっとネタバレ↓
読了日:11月6日 著者:蘇部健一
東京バンドワゴン (1) (集英社文庫)東京バンドワゴン (1) (集英社文庫)感想
話題の本でしたが今まで機会がなく、偶然ドラマを少し見て、これは原作が面白そう、と手に取ってみました。大家族で登場人物も多いのですがドラマをほんの少し見たことが幸いしてすんなりと話の中に入っていけました。お伽噺のようにとても優しい素敵なお話でした。大家族ならではの食卓のシーンが印象的です。視点が大おばあちゃんなのがいいですね。ラストの作者からのメッセージもまた素敵。ドラマはほんの少ししか見ていないのですが原作の雰囲気が私はとても好きだったのでこのあともまずはドラマではなく原作の方で楽しみたいと思います。
読了日:11月6日 著者:小路幸也

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