2013年12月の読書メーター
読んだ本の数:25冊
読んだページ数:8317ページ
ナイス数:1148ナイス


冬を暖かくする童話集 新美南吉冬を暖かくする童話集 新美南吉感想
突然新見南吉のお話を読みたくなったので。90円でした。青空文庫でもちろん読むことができますがたくさんあるお話をすべて読むのは難しいのでこうやってうまく選択してまとめてあるものを読むのも選択肢としてありかなと思います。以前より「デンデンムシノカナシミ」が好きですが今回は絵本にはちょっとなりそうもない「花をうめる」が印象に残りました。収録作●ごん狐●手袋を買いに●おじいさんのランプ●木の祭り●デンデンムシノ カナシミ●花をうめる●がちょうの たんじょうび●子どものすきな神さま●そりとランターン●ひとつの火
読了日:12月30日 著者:新美南吉
円卓 (文春文庫)円卓 (文春文庫)感想
西加奈子作品初読みです。凄い言葉の使い手だったんですね。少女だったころ、カッコイイと憧れたあれやこれやがこっこ目線で語られると自分だけが特別ではなかったのだ、となんだかむず痒く感じられます。三つ子の姉達や手芸部部長をはじめ登場人物皆が自分をしっかりと持っていてとっても素敵。とくに男前のぽっさんにはすっかり惚れ込んでしまいました。拠り所であったジャポニカを越えてこっこが成長していくさまが本当に頼もしく微笑ましかったです。言葉ってなんて素敵なんでしょう!ラストの真夏の雪が感動的でした。
読了日:12月30日 著者:西加奈子
追憶の夜想曲追憶の夜想曲感想
ある人物の別作品とのリンクに思い当たると一筋縄ではいかない男だろうと想像でき、対決も楽しみに読み進めました。事件の真相についてある程度予想がついたと思っていましたが、もちろんそれだけで終わるわけはなく、真相の奥にある真実には目を覆いたくなりました。中山さんの作品には時々こういう裏を持つ人間が出てきて悲しくなります。御子柴は今回の事件に関わったことで最終的にどうなるかわかっていたはず。誓いを拠り所とした彼のラストの自己嫌悪と問いかけが何とも痛々しかったです。彼はこの後どうなっていくのでしょうか。
読了日:12月29日 著者:中山七里
妖怪アパートの幽雅な食卓 るり子さんのお料理日記 (YA!ENTERTAINMENT)妖怪アパートの幽雅な食卓 るり子さんのお料理日記 (YA!ENTERTAINMENT)感想
レシピ集のようなものを想像していたのですが、もちろんレシピも載っていますが本当にお料理日記ですね。日記なので仕方ないのですがもっとお料理の写真があったら嬉しかったかも。本編に触れながらのお料理日記ですので10巻分を一気に振り返りながら懐かしく思い出しながら楽しみました。逆にシリーズ途中までしか読まれていない方にはかなりのネタバレがあるのでご注意くださいね。アパートの台所やそれぞれの部屋の図解も楽しめましたし、長谷と千晶のそれぞれのエピソードであるショートも良かったです。千晶の方のはなんか恥ずかしいですが。
読了日:12月27日 著者:
贖罪の奏鳴曲 (講談社文庫)贖罪の奏鳴曲 (講談社文庫)感想
単行本では既読です。続編の「追憶の夜想曲」を読み始めたところ本当にそのまま続きだったので復習の意味でも前作が読みたくなり今度は文庫で。一度読んでいるからというだけではなく、話の流れが綺麗でテンポも良いためか次々とページをめくってあっという間に読んでしまいました。人間というものはそんなに簡単には変われないと思います。ですが変わるきっかけを与えられ、本当に変わることができたならば本当に幸せなんだと思います。話としてはとても楽しみましたが何度読んでも考えさせられることがたくさん詰まっていて読後はやはり重いです。
読了日:12月27日 著者:中山七里
トッカンvs勤労商工会 (ハヤカワ文庫JA)トッカンvs勤労商工会 (ハヤカワ文庫JA)感想
鏡特官が窮地に陥る関係で彼の出番は少なく、その分ぐー子が必死になって成長しようとしています。ぐー子と一緒になっていろいろな言葉にはっとさせられたり反省したりしながら読み進めました。いい年をした私にもちょっと耳の痛い「体裁」と「自分専用のすき間」。万年ピンクリボン運動という話がどこに繋がってくるのかと思ったら…彼女の悲痛な叫びが痛かったです。少し重いラストになりましたが、エピローグの鏡特官とのやり取りや、お墓参りでの展開がとても優しく良い読後感を運んでくれました。
読了日:12月26日 著者:高殿円
ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編)) (ミステリ・フロンティア)ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編)) (ミステリ・フロンティア)感想
舞台は書店大賞。現実の本屋大賞で最近気になっていたことなども取り上げられていて現実に即したドラマを見ているように舞台裏に驚かされたり納得したり、初めて知ることも多くとても引き込まれました。成風堂の彼女たちと井辻くんシリーズのコラボになっていて、いくつかのグループとして行動している彼らが一つの謎について別々にいろいろな情報を断片的に得て、最終的に集まった情報で起こっていることが明らかになっていく様子は慌ただしくも読んでいてとても楽しかったです。印象深かったのは複写伝票です。うっかり泣きそうになりました。
読了日:12月26日 著者:大崎梢
本陣殺人事件 (角川文庫)本陣殺人事件 (角川文庫)感想
表題作はテレビで映像化作品を見たことがあったので、トリックや真相はなんとなく記憶にありさらさらっと読めてしまいました。事件の起こった原因がわかるとその人がそんなことができるのか?ということが気になりましたが、この話では重要なのはそちらではなくトリックなんでしょうね。同時収録されている「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の方が初読だったこともあるのか、純粋に楽しみました。既に終わったことになっている「獄門島」の事件が気になります。角川文庫の金田一耕助ファイルの順に読もうとしていますが時系列は違うようですね。
読了日:12月23日 著者:横溝正史
追撃の森 (文春文庫)追撃の森 (文春文庫)感想
森の中、追われる女性二人と追う殺し屋二人。500ページのうちの8割ほどがこの追うものと追われるものの12時間の頭脳戦なのですがこれが上質で途中で飽きることなく一気に読まされてしまいます。途中、別視点や回想から多少想像することはあったのですがそれでも逃走劇が終わった後次々と現れる違う形の真実に一瞬ついていけなくなったほどでした。濃密なサスペンスミステリを楽しみました。私には翻訳のシリーズものは敷居が高くなかなか手に取れないのですが、この作家さんのこのようなノンシリーズや短編はまた読んでみたいと思いました。
読了日:12月20日 著者:ジェフリーディーヴァー
白銀ジャック (実業之日本社文庫)白銀ジャック (実業之日本社文庫)感想
前半は何が起こっているのか事態を把握するまでのんびりと読んでいましたが、中盤からのスピード感はすごいもので、スキー場経営の事情、一年前の事件への想い等絡んでいることはたくさんあるのにサスペンスドラマを見ているように一気にラストまで読まされてしまいました。他の作品と比べると少し軽めかもしれませんが、読み終わってみると伏線もしっかりしていてさすが東野さんです。パウダースノーのゲレンデを一気に滑り降りていく感覚をこの本の登場人物と一緒に感じられるところがとても良かったです。
読了日:12月20日 著者:東野圭吾
解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
主人公は現在塀の中にいて回想しながら手記を書いています。解錠師となるまでとその後との2つの時系列が交互に書かれ嫌でも引き込まれずにいられません。なぜ解錠師となったのか、どんな結果が彼を今の状態に置いたのか、そして口のきけない原因にもなる過去の事件。ミステリとしてそれらが気になりながらも、青春小説としての甘酸っぱさや爽やかさを感じながらどんどんページをめくりました。緊迫した解錠シーンは一緒に息を止めてしまうほどで、絵での会話シーンはじんとするほど美しかったです。彼自身の心の錠はうまく解けてくれたでしょうか。
読了日:12月19日 著者:スティーヴ・ハミルトン
背表紙は歌う (創元推理文庫)背表紙は歌う (創元推理文庫)感想
相変わらず井辻君は一生懸命で優しく、切れる人です。書店員さんだけではなく、取次の人や作者さん自身などいろいろな人との話があることで、普段あまり気にすることのない裏話を知ることができて楽しかったです。待機会の話が特に印象的でした。作家さんの気持ちはもちろん出版社側の増刷についてのじりじりとするジレンマも上手く伝わってきました。改めて感じさせられたのが出版物の多さです。小さな本屋さんにとってそれがどんなに大変かということも考えさせられました。今回も名前が出てこなくてもだれかわかるリンクが嬉しかったです。
読了日:12月18日 著者:大崎梢
平台がおまちかね (創元推理文庫)平台がおまちかね (創元推理文庫)感想
「成風堂シリーズ」とは別の、出版社の営業の井辻くんを中心とした連作ですが、こちらも本や本屋さんに絡む日常の謎に絡んだミステリ仕立てになっていて、とても雰囲気の良い優しいお話です。新人で自分自身の評価はあまり高くない井辻くんですが、実際はとても細やかな心を持った素敵な人物で、周りの別出版社の営業さんも優しい人ばかりでとても読み易かったです。特に「絵本の神様」が印象的でした。地元密着の小さな本屋さんの話は身につまされるものもありました。最終話で成風堂とのリンクが匂わされるのが楽しかったです。続きも楽しみです。
読了日:12月17日 著者:大崎梢
チルドレン (講談社文庫)チルドレン (講談社文庫)感想
5つの短編の形をとっていますが、実際は時系列が前後しながら少しずつ繋がっています。一つ一つの短編がきちんとどんでん返しまで用意されて完結しているのに、長編として別の楽しみがあるのがすごいです。破天荒ながら一本筋の通った陣内がいいですね。善意を押し付けてきた婦人の話に、バッサリと「そんなの、関係ねえだろ」と言えてしまうすごさ。まあ友達だったらめんどくさそうですが。他の登場人物もみんな優しく、嫌な人がいないせいなのかとても気持ちの良い読後感でした。短編としては武藤さん視点のチルドレン、チルドレン2が好みです。
読了日:12月16日 著者:伊坂幸太郎
ソウルメイトソウルメイト感想
馳星周氏と言えばノワール小説のイメージしかなかったのですが、この本がテレビで紹介されていたのを見て興味を持って手に取ってみました。犬が大好きでそのために軽井沢に引っ越し、まさしくソウルメイトを看取り、現在も犬と暮らす彼が愛情いっぱいに7つの犬との物語を綴っています。特に震災後の話となる「柴」や、彼の愛情と悲痛な叫びが響いてくる「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」は涙をぼろぼろこぼしながらの読書となりました。犬たちがどんなに人間を愛し寄り添ってくれているかがこの本から痛いほど伝わってきました。
読了日:12月16日 著者:馳星周
ホリイのずんずん調査 かつて誰も調べなかった100の謎ホリイのずんずん調査 かつて誰も調べなかった100の謎感想
「週刊文春」連載からの選りすぐり100件だそうです。「25人で同時に同じ本をアマゾンで買うと順位がどれくらい上がるか」とか「チョコボールを1021箱買ったら~」など手間がかかるけど気になることを調べてあってなかなか面白いです。印象深かったのは時代とともに大学の単位が「取る」ものから「来る」ものになっていたこと。(堀井氏が卒論を一晩で書いたのにも驚きましたが。)忠臣蔵の仇討ちについて若者が語った物語には、思わず声まで出して笑ってしまいました。500P超というボリュームなので少しずつ楽しむのがいいと思います。
読了日:12月15日 著者:堀井憲一郎
ブック・ジャングル (文春文庫)ブック・ジャングル (文春文庫)感想
クローズドが多い石持さんですが、今回は閉館になった図書館に軽い気持ちで侵入したら武器装備のラジコンヘリに襲われる、というパニックホラー的な話でした。作者さん自身は「冒険もの」と表現していますが最初は戸惑っていたものの、昆虫学者としての経験を駆使してジャングルと言える本棚の間を戦い、逃げる様子にはいつの間にか楽しんで読み進めていました。犯人側の事情などは中盤にはわかってきますが全く同情できないし、経緯を考えたらやりきれないです。こういうのもありだとは思いますが、期待していたものとはちょっと違いますね。
読了日:12月13日 著者:石持浅海
祈りの幕が下りる時祈りの幕が下りる時感想
「赤い指」で加賀と父親との関係や別れを見てきているので、母親の様子が最初に出てきたのにはドキドキしました。本筋の事件の捜査としては彼の従弟があたるのですが、パズルのピースばかりがどんどん増えていくようで、これと彼の母親とがどうつながっていくのか先が気になって寝る間も惜しんで一気に読んでしまいました。今回は親子の絆に焦点を当てていましたが、事情が分かってくるにつれ悲しくて切なくてたまりませんでした。ラストまで読んで「祈りの幕が下りる時」という題名に感嘆しました。加賀はまたこれで一回り大きくなるのでしょうね。
読了日:12月13日 著者:東野圭吾
影を買う店影を買う店感想
短編21編が、すべて皆川さんらしいとしか言えない幻想小説でどれもが一つ読むたびにもう一度読み返したくなるようなとても濃いものでした。モノクロの中に時々赤や青などの原色がすっと差し込まれるような強烈な印象を与えてくれるもの、終始全く音を感じないほどどっぷり浸かってしまうものなど、皆川さんの世界がぎっしり詰まっています。時間のある時にゆっくりじっくり一つずつ堪能したい本です。好みはすっと世界に入れる「迷路」「更紗眼鏡」。印象深かったのは読後題名がじわじわと沁みこんできた「墓標」。時間をおいて再読したいです。
読了日:12月12日 著者:皆川博子
ダチョウは軽車両に該当します (文春文庫)ダチョウは軽車両に該当します (文春文庫)感想
脱走したダチョウを捕まえる、というアクロバティックなスタートですが、その後の通常の動物園の風景に油断していたら事件が思いがけず大きくなっていったので焦りました。そういえば前作も日常の謎だと思ってたら…という感じでしたね。登場人物のキャラが立っているのが楽しいです。変態服部君大好き♪びっくりするほどパワーアップしています。かなり重い事柄を扱っているのですが、息苦しくならないのはこの登場人物たちの設定に上手く助けられているのでしょう。楽しみました。
読了日:12月11日 著者:似鳥鶏
三階に止まる三階に止まる感想
石持さんの短編は初めて読んだかもしれません。ちょっとホラーな、ラストの余韻を楽しむお話が多く、今まで読んできたものとはちょっと雰囲気が違いますがこちらもいいですね。好みは「黒い方程式」ブラックな落ちを想像していましたが冷静な二人のやり取りと、旦那の本音部分がかなり好みでした。表題作は正直読んでいて背筋がスーッと寒かったです。ラストの呟きががよくて読後感は悪くはないですが。「転校」のラストも好みです。「院長室」は「EDS緊急推理解決院」として読んだ方が楽しめるような気がします。そちらも読んでみたいです。
読了日:12月10日 著者:石持浅海
ヒア・カムズ・ザ・サン (新潮文庫)ヒア・カムズ・ザ・サン (新潮文庫)感想
「ストーリーセラー」もそうだったのですが、有川浩さんの作品は、なぜか「死」が絡むと一気に私には合わない作品になってしまいます。今回も最初の作品は後半何が起きているのか想像できてくるにつれて読むのがしんどくなり好みの作品ではなくなってしまいました。おそらく自分が「死」を間近にしたことがあるせいだと思いますがこれだけはどうも相性が悪いようで残念です。二編目の方が読み易く好みでしたがこれも人によっては心を抉られそうですね。読む前に苦手かどうかわかればいいんですがネタバレ部分なので仕方ないです。
読了日:12月9日 著者:有川浩
ドラゴンフライ (単行本)ドラゴンフライ (単行本)感想
前作の刑事4人がチームでそのまま出てきますので読み易いです。題名のドラゴンフライに絡めて話が一本きちんとつながっているのが見事です。もちろんまだ2作目ということで荒削りに感じられたりちょっと都合がいいかなと思える部分はもちろんあります。でもプロローグや過去の部分が最終的にどのように話に関わってくるか想像したりリーダビリティも相当なものだと思います。事件の解決の仕方や最初に出てきた開きの死体ができるまでの経緯に個人的に思うところはありますが、とても読み応えのある楽しい読書の時間でした。次作も楽しみです。
読了日:12月9日 著者:河合莞爾
きのう何食べた?(8) (モーニングKC)きのう何食べた?(8) (モーニングKC)感想
京都旅行はちょっとBLっぽくて笑ってしまいましたが、確かに以前のシロさんでは考えられないこといっぱいですね。京都の美味しいお店の紹介もいいけれど、やっぱりおうちごはんが私は好きかな。バレンタインデーのケンジのトリセツに笑ったり、ケンジが実家で女子力一番と言われたことに和んだり、この本ではいつも穏やかな気持ちをもらえます。やっぱり一番ほんわかしたのが「そんなのうれしーでしょ!!」「うれしーよなあ!」の会話ですね。お料理ではまず沢煮椀。それから人参オンリーのサラダ。早速作ってみようと思います。
読了日:12月9日 著者:よしながふみ
禁断の魔術 ガリレオ8禁断の魔術 ガリレオ8感想
湯川教授が、融通の利かない物理学者から変わっているのがとてもよくわかります。今作では、どの短編も物理学の装置や分野というより人間模様に惹かれました。短編でもしっかり読ませてくれます。最後の「猛射つ」だけは中編で、特別ですね。なるほど、「禁断の魔術」です。出てきた装置もすごかったですが、何より印象的だったのは屋上での湯川教授の言葉です。科学者が過去に犯した過ち、科学を教えるものの責任。科学の進歩はいつも禁断とは隣り合わせであることを突きつけられます。これは長編でじっくり読みたかったです。
読了日:12月3日 著者:東野圭吾

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