2014年2月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:6809ページ
ナイス数:1204ナイス

ノックス・マシンノックス・マシン感想
このミス一位ですが、ミステリを題材にしているだけで分野的にはSFですね。しかもある程度の海外古典ミステリを知らないと純粋に楽しむのは難しいと思うのでかなり読者を選ぶのではないかと思います。表題作は星新一のショートを読んだ後のような読後感で、それまでに積み重ねられるデタラメな論理の薀蓄がなんともおかしく楽しく読めましたがこれも好みがあるかもしれません。凄いと思ったのが「バベルの牢獄」でもあとがきを読んで苦労したのが必然性だったと知って笑ってしまいました。作者自身が楽しんで書いているのがよく伝わってきました。
読了日:2月27日 著者:法月綸太郎
ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)感想
栞子が気にしている部分が全く想像できず、何を隠しているのかが気になって実は前半かなりイラつきました。この期間をこらえていた大輔は偉いと思います。そして、さらっと何も考えずに出てくる男前なセリフ。栞子でなくてもやられます。二人の関係や母親との関係はもちろんですが、私は志田の過去に関する部分、そして門野澄夫の人間的なところがとても印象に残りました。ブラックジャックなど興味深く読みましたが、実際人間関係やラストの展開にすべて意識を持っていかれてしまい、古書の印象は薄かったかもしれません。次作も待ち遠しいです。
読了日:2月27日 著者:三上延
つれづれ、北野坂探偵舎    心理描写が足りてない (角川文庫)つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない (角川文庫)感想
喫茶店で別テーブルに向かい背中合わせに座る男性二人。彼らが背中越しに会話しながら今見かけた謎に関して推理しながら作るストーリー。プロローグでこの不思議な二人の関係にガッツリつかまれ一気に物語の世界に入りました。ところが話はもっと深く、なんと特殊設定が加わります。連作短編かしら、と思えば今度は見事にそれらは繋がっていき…。実は作家と元編集者という彼らが紡ぐ物語。ミステリですがとにかく設定と登場人物に惹かれました。シリーズとしては物語はまだ始まったばかり、なのでしょうね。続きが楽しみです。
読了日:2月25日 著者:河野裕
晴れた日は図書館へいこう (ポプラ文庫ピュアフル)晴れた日は図書館へいこう (ポプラ文庫ピュアフル)感想
元々は児童書のようですが読みにくいようなことはありません。題名通り図書館が舞台になっていて本にまつわる優しくて軽いミステリになっていました。視点が10代で、決まった探偵役ではなくその時々で関係者によって謎が解かれていくところも優しい印象を与えるのではないかと思います。図書館の本や仕事について初めて知ることもあって軽くてもしっかりとしたお話でしたので、とても楽しめました。番外編がちょっとやられた感がありとても好きです。
読了日:2月25日 著者:緑川聖司
輝く夜 (講談社文庫)輝く夜 (講談社文庫)感想
クリスマスイブの5編の泣ける奇蹟。とのことですが、普段の私なら受け入れ難いかもしれません。ところがたまたま読んでいたのは病院での数十分の不自由な時間。右手一本でそれでも読み進めるには、このべたべたな甘さと短さがちょうどよかったのです。といってもそんな状況では「ケーキ」は純粋にハッピーエンドなのか考えてしまったのですが、「猫」と「タクシー」は本当にベタな展開で優しくてよかったです。「サンタクロース」だけは意表を突かれました。私も母という立場だからでしょうか。読み終わってからの余韻がすごかったです。
読了日:2月23日 著者:百田尚樹
華々しき鼻血華々しき鼻血感想
イベント「エドワード・ゴーリー誕生日一日読書会」にて。題名だけでもすごいインパクトですね。表表紙と裏表紙の絵を比べてみるだけでもいろいろ考えてしまいます。副詞部分がアルファベット順のアルファベットブックになっていますが、副詞ってこんなにいろいろなものがあるのだと改めて驚きます。見開きごとの繊細な絵とワンセンテンスに前後の物語まで想像させられて不思議な余韻をもらいました。中でも想像を掻き立てられるPとSがお気に入りです。じっくり見ると人々の表情が何とも言えません。特にLの紳士…あれはいけませんっ!
読了日:2月22日 著者:エドワードゴーリー
不幸な子供不幸な子供感想
イベント「エドワード・ゴーリー誕生日一日読書会」にて。初ゴーリー作品です。小公女を彷彿とさせるストーリーですが、最後まで見事に救いがありません。最後のページには想像していても息を飲みます。すべてのページにひっそりと描かれているトカゲのような何かが怖さを増していて、それに気づいてから表紙絵に戻るとドキッとします。感情を一切表さず淡々と綴られる文章と繊細なペン画に引き込まれ何度も読み返してしまいました。現実世界というものは案外こういうものなんでしょうか。彼はこの後もずっと探し続けるのでしょうか。
読了日:2月22日 著者:エドワードゴーリー
文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)感想
再読…のはずなんですが、覚えているのは京極堂の薀蓄に圧倒されたことと本格というにはちょっと変則かな、という印象のみ。ですが今回は以前に圧倒された部分の話がとても面白く惹きこまれてぐんぐんと読み進めていました。実際に事件の核心に迫ってくるとさらに拍車がかかってこれだけの厚さを後半はもどかしいほど一気に読み切りました。以前に変則?と思った部分が今回はちゃんと伏線も貼ってあってしっかり本格だったのだとわかり驚きました。堪能しました。それにしてもこれがデビュー作とは本当にすごいですね。
読了日:2月21日 著者:京極夏彦
上石神井さよならレボリューション上石神井さよならレボリューション感想
連作短編です。盗撮という趣味は受け入れられませんが、キャラの設定は上手くとても読み易かったです。表紙絵が上手く登場人物の特徴を捉えていますね。度を越して天然の川野がやたら可愛いです。消失シリーズよりかなりキャラクターがラノベ寄りなんだと思います。もちろんちゃんとミステリですが唐突だったりわかりにくかったりとちょっと無理を感じる部分もありました。キャラに助けられて楽しく読めましたが、もう少し長く掘り下げて書くか、逆にすっきり省くかするともっと違う印象になると思うので、シリーズ化するなら今後を期待したいです。
読了日:2月17日 著者:長沢樹
とうざいとうざい感想
江戸文楽ミステリとのことで興味を持って手に取ってみました。最初はだれが探偵役なんだろう?なんて思いながら読み進めていたのですが、人形浄瑠璃という舞台がとても魅力的で、登場人物がみな容姿や性格までそれぞれはっきりと生き生きと描かれているので、気づけばすっかりこの世界に取り込まれ、時代小説として楽しんでいました。最終的にミステリとしては薄味だったとは思いますが、この世界をよく知らない私でも存分に楽しめるものでしたので満足です。キャラがとても魅力的ですのでこの作家さんの他の作品も是非読んでみたいと思いました。
読了日:2月16日 著者:田牧大和
インサート・コイン(ズ)インサート・コイン(ズ)感想
マリオ、ぷよぷよ、ストⅡ、シューティング、ドラクエ。それぞれがテーマになったミステリ短編。好みとしては甘酸っぱい青春を感じるぷよぷよパート。でもラストのドラクエが秀逸でした。謎が解けたときの一文に「ああ…」と思い、読後章題に息をのみました。ゲームを体験していない方や世代でも読めないことはないのでしょうが、私自身ドラクエはもちろんマリオも落ち物もシューティングも呆れるほどやりこんだのでそれぞれの薀蓄も楽しく読めましたが、全くしたことのないストⅡパートはよくわからなかった部分があり、読者を選ぶかもしれません。
読了日:2月16日 著者:詠坂雄二
無花果の実のなるころに (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)無花果の実のなるころに (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)感想
神楽坂という舞台設定が好きです。元芸者のお蔦さんと、その孫である男子中学生の望くんの日常に絡むミステリ。事件自体は実はかなり重くて日常ミステリとして片付けられないものもありますが、料理上手な望くん視点のせいなのかきりっとしたお蔦さんの背中がすっと想像できるせいなのかあるいは神楽坂の人々のせいなのか、ストーリーはとても柔らかくするすると読めてしまいました。シリーズとしては素敵な設定だと思います。強烈なインパクトがあるわけではないのですが、軽く読めて雰囲気もよかったので続きも是非読んでみたいと思います。
読了日:2月14日 著者:西條奈加
新釈 にっぽん昔話新釈 にっぽん昔話感想
もちろん昔話の大筋はそのままですが、「新釈」の部分が新鮮で面白いながらも苦く感じる部分がありました。イケメンさるに誑かされるかに「さるとかに」、実はしたたかでドライな「一寸法師」、「笠地蔵」なんてお爺さんとお婆さんは冒頭でオレオレ詐欺にやられてます。また息子たちが戻ってこない理由と気持ちがわかると本当に切なくなります。ちょっと変わった試みだと思っていましたがあとがきを読んで納得しました。もっと風刺を効かせて新釈部分がきつくても良かった気がしますが、この本の意義ゆえにこれでちょうどいいのかもしれません。
読了日:2月13日 著者:乃南アサ
植物図鑑植物図鑑感想
素直な印象としては劇甘なファンタジー。携帯小説だったと聞いて納得してしまうような展開です。こんなの現実は絶対ない!と思い、こんな男は許せないとも思い、さやかの強さが悲しく感じて、それでも心がささくれ立っているときとか再読したらいいだろうとも思えてしまう不思議な優しさ。恋愛はともかく、植物図鑑としての野草の薀蓄や調理法などは読んでいて楽しかったです。一番心に残ったのはカーテンコールの「午後三時」の杏奈ちゃん。なんて素敵な女の子なんでしょう。このおかげで読後感もこの一冊の価値も私の中でぐんとあがりました。
読了日:2月13日 著者:有川浩
三匹のおっさん ふたたび三匹のおっさん ふたたび感想
比べてしまうと前作の方が痛快で爽快だと感じますが、もちろんこちらが劣るということではありません。ただ、今回は、第一話の貴子の同僚、第二話の万引き少女の母親、そして「最近の年寄りは」と言われる人たち等、物語の中だけではなく現実に少なからずいることが想像できて痛々しくて読んでいて哀しくなってしまいました。でも今回は貴子さんの成長が嬉しく、康生さんたちの子供のころの話も興味深く読みました。またノリさんのこの先も気になります。もちろんますますいい男になっている祐希のこの先も。是非続きをお願いします。
読了日:2月12日 著者:有川浩
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)感想
単行本では既読。書かれていない部分に何が起こっているのかわかって読むと何とも繊細に綺麗に伏線を潜め、ストーリーが魅力的に展開していっているのかわかり感動します。それぞれの場面がこの時代のセピア色の映画を見ているように目の前に展開しある場面では路地裏の空気や湿り気まで伝わってきそうでした。再読だからこそわかる二人の強さも楽しみました。文庫化にあたって収録された本編の前日譚にあたる短編が、登場人物それぞれの性格がよく出ていてとてもよかったです。楽譜もついていますし、これから手に取られる方は是非文庫でどうぞ。
読了日:2月10日 著者:皆川博子
金色機械金色機械感想
1747年のある夜を基本にして過去がいろいろな視点で場所で、時代さえ前後しながら語られます。ちょっと不思議な金色様とそれぞれ不思議な力や運命に翻弄された人たち。後半これらが次々と繋がっていくので一気に読み進めていくしかありません。想像する世界はモノクロなのにとても澄んでいて、特に女性たちが翻弄されるだけではなくとても強いのが印象的です。政嗣様と金色様に涙し、ラストシーンは神々しささえ感じてしまったほど美しかったです。ちょっと不思議で哀しく切ない物語を楽しみました。「また別の物語」も是非お願いしたいです。
読了日:2月9日 著者:恒川光太郎
十三回忌 (双葉文庫)十三回忌 (双葉文庫)感想
「やり過ぎミステリ」と聞いていたのですが、読中はどこがやりすぎなのかと不思議に思いながら読み進めていました。読み終わってみると伏線を貼るのも回収するのもしっかりできていてちゃんと本格トリックでしたし、幕間にも想像はつくもののそのままではないし、いろいろ仕込んであってこういうところがやりすぎと言われるのかな、となんとなく納得する部分がありました。警察や探偵がもう少し魅力的だともっと読み易くなると思いますが、楽しめましたしこの作風は割と好みです。デビュー作のようですので成長した他の作品も是非読んでみたいです。
読了日:2月8日 著者:小島正樹
メグル (創元推理文庫)メグル (創元推理文庫)感想
初乾ルカ作品です。日常の謎というより世にも奇妙な物語に近いでしょうか。大学学生部女子職員から半ば強制的に与えられるアルバイト。確かに学生たちは選ばれていて、その仕事を通してそれぞれ何かを得て自分と向き合い変わっていきます。どのお仕事の終わり方も綺麗です。最初の一編がすごく怖かったのでびっくりしましたが、これも読み終わってみると決して怖いだけじゃなかった。むしろ唯一悠木さんが勧めなかった「アタエル」の後味が怖くて苦かったです。(でもこういうのも好きですけど。)好みはやはり「モドル」と「タベル」かな。
読了日:2月8日 著者:乾ルカ
限界集落株式会社 (小学館文庫)限界集落株式会社 (小学館文庫)感想
祖父の田舎である限界集落に立ち寄った主人公がそこで農業法人を立ち上げてその集落をなんとか再生しようとする話ですが、とても読み易くぐいぐい引き込まれ一気に読まされてしまいました。現実では絶対にこんなにうまくは行かないけれど、上手くいきすぎる部分もとても気持ちよく楽しめました。限界集落だけではなく、いわゆる居場所を失った若者の再生の話としても良かったです。優が乗り出すきっかけが少し弱いと思うのと、ラストの躓きと立て直しが俗っぽく感じてしまったのが少し残念でしたが、読後感も良く楽しい読書の時間でした。
読了日:2月4日 著者:黒野伸一
密室蒐集家 (ミステリー・リーグ)密室蒐集家 (ミステリー・リーグ)感想
忙しい時の細切れ時間で読んだのですが、短編でとても読み易く、楽しむことができました。一つ一つはあっさりはしているのですがどれもしっかり本格の密室でよくできているのではないかと思います。密室がどうやって作られたか、どうして密室にしなければならなかったか、本当に密室に特化して展開されているので状況が理解しやすく、一緒になって考えるのがとても楽しかったです。密室蒐集家が不思議な人で警察でも伝説的な人物という設定が、逆に彼の印象を薄くしてしまったようでそれが少し残念でした。
読了日:2月2日 著者:大山誠一郎

読書メーター
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://m2miku.blog59.fc2.com/tb.php/427-6f2fdc13