2014年3月の読書メーター
読んだ本の数:25冊
読んだページ数:7219ページ
ナイス数:1320ナイス


私の男 (文春文庫)私の男 (文春文庫)感想
普段は生理的に受け付けないタイプの話です。ですがこの過去へ過去へとさかのぼっていく話の進め方が抜群に上手くて、とにかく引きずり込まれて一気に読んでしまいました。作者が女性だからこそ書けた話のような気がします。最後の章まで時間が戻ると泣きそうになりました。分岐点はあったかもしれない、でも二人はこのようにしか生きられなかったのではないでしょうか。ラストまで読んでから一章に戻って読んでみたら、細々とした行動や言葉が更にずっしりと重く変わりました。特に二度目の一章の最後はこの先を考えるときりきりと痛いほどでした。
読了日:3月31日 著者:桜庭一樹
リケジョ!  (角川文庫)リケジョ! (角川文庫)感想
大学院生と小学生の二人のリケジョの関係は微笑ましく、軽く楽しく読み進めていましたが事件が意外と重いものに変わっていき驚きました。でもたくさんドキッとする素敵な言葉が詰まっていて、登場人物も素敵で上手く一冊にまとまっていたと思います(一年後の話も読んでみたいですが)。私も理系なので、いろいろな定理や人物名だけで嬉しくなりましたが、名前が難しくても内容はわかりやすく説明してあって物理があまりお好きでない方でも読み易いと思います。改題はわからなくもないですが、私も旧題の「プチ・プロフェスール」の方が好きですね。
読了日:3月30日 著者:伊与原新
絵本地獄―千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵絵本地獄―千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵感想
数年前に話題になった本だと思います。当時読んでみたい!と思ったのですが、図書館の予約の多さに断念していました。今回偶然見つけてお借りしてきましたが、いやー想像以上でした。これ、普通に児童書の絵本の棚にありましたが小さな子供には相当怖いでしょうね。書いてあること、この本の存在意義には頷けるものがありましたが、娘が小さいころに知っていたとして読み聞かせする決心がついていたかどうか…。現在高校生の娘には、なにこれグロイ!と表紙だけで突き返されました。遅かったか。
読了日:3月28日 著者:白仁成昭,宮次男
探偵が腕貫を外すとき探偵が腕貫を外すとき感想
シリーズ4作目。一作目は短編で絶妙に相談者自身に回答を見つけ出させ、二作目では腕抜を外したあとの彼を少しずつ見せながらどの話も少しほろ苦く。三作目では長編だけれどプロデュースなので出番は少なめ。と少しずつ色が違います。今作は短編。通常通り苦情係としてお仕事をしていたり、お昼休みだったり事件後にユリエちゃんの話を聞いていたりしますが相変わらず推理は見事です。好みは珍しく(?)読後感の良い「どこまでも停められて」。そしてラストの「いきちがい」…その塩むすびセットまでの話は?すごく気になるんですけど。
読了日:3月28日 著者:西澤保彦
叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)感想
冒頭の一編目で、独特の世界観にぐっとつかまれてしまいました。デビュー作とは驚きます。その後さらにルポライター斉木が絡むことで世界各地での連作短編となりぐいぐいと世界に引きずり込まれ、「叫び」と「祈り」で読後深々とため息をつきました。日本人でいることを考えさせられもしました。ホワイダニットの秀逸な作品と聞いていましたが期待に違わなかったです。とにかく色のついた絵として浮かぶ情景が素晴らしいと思います。この日本にはない独特の情景ゆえに読者は選びそうですが私はとても好きでこの先も追いかけてみたいと思いました。
読了日:3月26日 著者:梓崎優
まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)感想
多田にしても行天にしても依頼をする人たちにしても、それぞれが一言では表せない過去や影を持っています。夢中になって読んでしまうのに気付いてみればかなり重たい話も多く、リーダビリティの高さはさすがしをんさんだと思います。破天荒でありながらちゃんと自分を持っている行天がとても愛おしい。彼の言葉にいくつもはっとさせられました。行天のこの後も気になりますが、この先多田が行天によって救われていくことを祈ります。この先の二人をまだまだ読んでいきたいです。ドラマは何話かみましたがユギさんのコミックも是非読んでみたいです。
読了日:3月24日 著者:三浦しをん
福家警部補 未完の頂上 (Kindle 連載)福家警部補 未完の頂上 (Kindle 連載)感想
犯人が事件を起こすまでの心情、冷静に処置しながらも時々起る予期せぬ出来事。どこから福家警部補が切り込んでいくのだろうと事件の描写の時点から細かく追いながら読み進めました。相変わらずの聞き込み先で与える小さなハッピーが素敵です。ただ、今回は犯人に全く同情できない上にもしかしてこっちから切り込むとしたら嫌だな…と思っていた方向そのままの追い詰め方で好みではありませんでした。親という立場上考えてしまうこともありました。(kindle連載版ですがkoboアプリで読みました。他の電子書籍ストアでも読めるようです。)
読了日:3月24日 著者:大倉崇裕
福家警部補の報告 (創元クライム・クラブ)福家警部補の報告 (創元クライム・クラブ)感想
福家警部補シリーズの三作目で今回は中編が三本です。今回も更に彼女がいろいろなことに精通しているのがわかり驚かされます。部下の二岡刑事との関係ややり取りも毎回楽しいです。今回は「少女の沈黙」がとても好みで、思わず読み返してしまいました。3編目はちょっと変わっているな、と思って読み進めていたら最後にびっくり!なるほどそうきましたか。別シリーズのキャラの名前も出てきたりして、続きがますます楽しみになりました。
読了日:3月23日 著者:大倉崇裕
隠蔽捜査 (新潮文庫)隠蔽捜査 (新潮文庫)感想
長く読みたい本に登録していましたがようやく…今野敏作品初読みです。とにかく最初は竜崎のエリート意識というか、東大にこだわったり家庭のことは妻に任せたりという部分がムカついて仕方ありませんでした。ですが過去イジメにあっていたという伊丹との関係や彼が本気で思っていることなどがわかり始めると、彼に惹かれ、突然面白くなってきて400ページ以上を一気に読んでしまいました。読み終わってみると奥様が素敵!谷岡もかっこよかったです。読後感もよく多くの方が絶賛されているのがわかります。シリーズの続きも読んでいきたいです。
読了日:3月22日 著者:今野敏
金田一耕助VS明智小五郎 (角川文庫)金田一耕助VS明智小五郎 (角川文庫)感想
表題作だけでなく、すべてに金田一耕助と明智小五郎に対する愛がいっぱい詰まっていて、作者自身が本当に楽しんで書いているのが伝わってきました。パロディではなくパスティーシュなんですね。上手く原作の言葉や時間をつかんではめ込まれているようで感心しました。特に≪ホテル・ミカド≫は楽しかったです。「少年は怪人を~」も意表を突かれ好みでした。表紙絵もいいですね。二つの元シリーズどちらにもまだ読んでいない作品がたくさんあるので早く読みたくなりました。
読了日:3月21日 著者:芦辺拓
うろんな客うろんな客感想
うろんな客、可愛いです。原文の韻を踏んだ2センテンスのリズム感もいいですが、短歌風に57577でまとめた訳のセンスもとても好きです。(散文の方が人気のようですが…。)うろんな行為がまるで○○みたい、と思いながら読んでいたので、ラストページと解説を読んでやっぱり!と嬉しくなりました。憎めない可愛さは当然ですね。今まで読んできたゴーリー本と違って残酷で不条理な部分がないのは驚きました。この不思議な雰囲気もとても良かったです。
読了日:3月19日 著者:エドワードゴーリー
数学ガール (数学ガールシリーズ 1)数学ガール (数学ガールシリーズ 1)感想
理系の高校生ならすらすらと簡単に読める、というレベルなので数学が苦手だったらちょっと大変かもしれません。私自身理系でしたがしっかりと式を追いかけていくのは忘れている部分もあって正直疲れました。ラノベ的な高校生の関係は正直話を読み易くしているのかどうかはわかりませんが、「道を間違えた」ときのショックは何度も経験したのでわかるわかる、という感じで過去の自分を思い出したりもしていました。図書館でお借りして期限があったので頑張って読むことになりましたが、ゆっくりと時間のある時に楽しんで読むべき本だと思います。
読了日:3月19日 著者:結城浩
アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)感想
初読は20年近く前だと思います。基本的なあらすじ程度しか覚えていなかったのですが、今回は頭脳的なことだけではなく登場人物達の人となりや人間関係までもが本当に細やかに心に刺さってきて、逃亡のあたりからもう、切なくて悲しくて…ラストの「本を二さつもっていく」のくだりでとうとうぼろぼろ泣いてしまいました。今回思ったのは翻訳の素晴らしさです。原文はどうなっているのか綴り間違いくらいしか想像ができませんが、ひらがなと漢字という日本の言葉を本当にうまく使って私たちにこの情景を伝えてくれたのだと感激しました。
読了日:3月18日 著者:ダニエルキイス
福家警部補の再訪 (創元推理文庫)福家警部補の再訪 (創元推理文庫)感想
前作では機械的だと思った福家警部補の人となりが垣間見えてきました。今回も倒叙ものでしっかり本格で、犯人が気づかない小さなほころびを見つけ出す福家警部補に夢中になって楽しみました。どの犯人にも同情できませんが、最後に警部補にあっさり降参するところが安心して読めるのだろうと思います。今回の一番の好みは「相棒」。隠されていたものが暴かれたときは凄く胸が痛かったです。
読了日:3月17日 著者:大倉崇裕
優雅に叱責する自転車優雅に叱責する自転車感想
題名も不可解なら、一行目からして不可解。そもそもどうやって動いてんのこの自転車!って感じでページを次々とめくっていく。そして到達するラスト。驚くと同時にない部分がなぜないのかなんとなく理解できた気がして、その間を想像してみたりします。裏表紙にあるものを確認し、表表紙に戻った時、数を数えて、うんぴったり!と嬉しくなりました。すぐに再読して細かい部分まで何度も楽しみました。何を書いたらいいかわかりませんが、とにかく「好き」です。
読了日:3月17日 著者:エドワードゴーリー
北天の馬たち (単行本)北天の馬たち (単行本)感想
二階にやってきた格好いい探偵二人が仕事をする連作短編のようなエピソードがまず二つ。これらは普通に楽しんで読み進めましたがそれらを伏線にして全部を繋ぐエピソード3が、期待したのとは違う方向に行ってしまいました。語り手である毅志の魅力が掴みきれなかった事も残念です。友情をテーマにしたストレートな話ということなので、ドラマなど映像で見たらラストまで含めてこれはこれで悪くないと思います。貫井さんは新しい作風の作品をこれからも書いていかれるようですが、最近は私の好みとは少し違うかな、というのが正直な印象です。
読了日:3月16日 著者:貫井徳郎
料理人 (ハヤカワ文庫 NV 11)料理人 (ハヤカワ文庫 NV 11)感想
テレビでの紹介で興味を持ちました。ある田舎町に現れた凄腕料理人。得体のしれない高圧的な彼ですが腕は確かで雇い主一家に素晴らしい料理を提供することで完全に舌から彼らをつかんでしまいます。太っていた人を痩せさせ、痩せていた人を太らせていく彼の料理。途中で最後に待っているものはなんとなくわかるのですがそれでも先へ先へとページをめくる手は止まらず最後まで一気に読んでしまいました。ホラーなのかブラックユーモアなのか、読者を選ぶと思いますが、私はこのなんとなく居心地の悪い読後感は好きです。楽しみました。
読了日:3月15日 著者:ハリー・クレッシング
福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)感想
「刑事コロンボ」を彷彿とさせる、全てが倒叙ものの連作短編でした。普段倒叙ものってあまり好きではないのですが、これは動機に印象的なものが多かったり、ただの証拠探しの話ではなかったので読み易かったです。ただ、福家警部補自身がちゃんと容姿や酒の強さなど特徴を持ったキャラとして描かれているのに、なぜか印象が薄いのが気になります。ちょっと機械的なイメージです。もっと極端にカラーを持っていた方が楽しいような気がしますが、続編でそのあたりは変わってくるのでしょうか。是非先も読んでみたいと思います。
読了日:3月11日 著者:大倉崇裕
海賊とよばれた男 下海賊とよばれた男 下感想
石油がどれだけ人々の生活と直結し、必要なものであるかはわかっていたつもりですが現在の状況があるのは彼が、そして彼についていった男たちがいたからであることを見せつけられ、日章丸事件の部分では読んでいて涙が出そうでした。経済統制と自由競争。今の日本は彼のような人たちによって作られてきたのですね。人間尊重の精神を貫き通した彼のような人物がいたことに感嘆し、今の時代にそれができる人や会社がどれだけあるのかも考えさせられました。このように読み易い小説の形でこの実話を知ることができたことを嬉しく思います。
読了日:3月11日 著者:百田尚樹
海賊とよばれた男 上海賊とよばれた男 上感想
凄い男がいたものです。戦前戦中戦後と、ずっとゆらぎがありません。「馘首はならん」で始まるのはまさしくこの男の信念を一言で表しているようなもの。戦後の混乱期を乗り越えるために彼の部下たちがどれだけ彼を信じ本気で動き、働くか、一章でそれをまざまざと見せられた上での時系列を戻しての第二章。もし時系列順に読まされたら読みにくいかもしれない戦前戦中の部分が時系列を逆転させたことで納得のいくものとしてすんなりと入ってきます。百田さんの読ませる技術も凄いと思います。さて「七人の魔女」とは?すぐに下巻へ。
読了日:3月9日 著者:百田尚樹
銀の匙 Silver Spoon 11 (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon 11 (少年サンデーコミックス)感想
一年がいよいよ終わりですね。寮からみんなが出て行ってしまうのは少し寂しい気がしますが、八軒が自分からしたいことに焦点を絞り始めたのがとても眩しく、嬉しく思います。都会の高校生では全く考えないことを彼らは考えて動いているのだと実感します。八軒父の考えていることが少し明らかになったことも嬉しいです。連載の最初のころエゾノーの一年を描くということだった気がしましたがもっと先まで読ませてくれるのかな?それにしてもラストページには驚きました。大川先輩…。
読了日:3月7日 著者:荒川弘
アルモニカ・ディアボリカ (ミステリ・ワールド)アルモニカ・ディアボリカ (ミステリ・ワールド)感想
前作文庫版の書下ろしの事件が出てくるので文庫版でも読んでおいてよかったです。前作から5年経ち失踪中の彼らがどう関わってくるのか楽しみに読み始めましたが、100ページで息を飲むことになりました。前作と同様に当時の英国の温度や湿度まで伝わってきそうな繊細な描写。いろいろな伏線が一本につながり過去と現在の事件が明らかになった時、切なさとやりきれなさに押しつぶされそうになりました。こんなに残酷で哀しいのに、手が震えそうなラストの一文で残ったのは美しい恋の情景。どうかこの後の彼らが救われることを祈ります。
読了日:3月7日 著者:皆川博子
昭和の犬昭和の犬感想
確かに昭和の犬って今の犬たちとは違いましたね。中型以上で外にいるのが当たり前でしたし。戦争を経験していない私たちの時代の父親の中にも似たような父親はいたしそれを子供たちは当たり前に受け入れていました。隅から隅まで昭和の香りがぎっしり詰まった犬との物語。この本には確かに昭和の犬たちに癒され心の支えとしていた人たちがいました。目の前に映像として浮かんでくるほど読み易いのに淡々と話が進むからなのか、犬を飼ったことがないせいなのか途中から何が魅力なのかわからなくなってしまい、読後残らなかったのが残念でした。
読了日:3月4日 著者:姫野カオルコ
晴れた日は図書館へいこう ここから始まる物語 (ポプラ文庫ピュアフル)晴れた日は図書館へいこう ここから始まる物語 (ポプラ文庫ピュアフル)感想
今回も期待を裏切らず、優しい雰囲気そのままの気持ちの良いストーリーです。図書館の本に対するマナーに関してちょっと悲くなるような行動をする人物も出てきますが、だからこそこういう本を子供たちが読むことで学ぶことがあるのだと思います。今回も探偵役が一人でないところがいろんな視点があって楽しめました。後味がよかったのは「幻の本」ですが、何気に安川くんの優しさが伝わってくる「空飛ぶ絵本」も好きです。番外編の主人公以外が偶然集って繰り広げる推理合戦「九冊は多すぎる」も作者の遊び心が伝わってきてとても楽しめました。
読了日:3月2日 著者:緑川聖司
ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとでギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで感想
子供たちがひとりずつ危険な目に合うというアルファベットブック。訳ももちろん素敵ですが、原文のリズム感と韻を踏んでいるところがとても好きです。内容はみなさんのレビューを見ていて想像がついていたのですが、図書館でお借りして驚いたのがこの本のサイズの小ささでした。これなら購入して自宅においても邪魔にならない!購入して大切に読み返したいです。イベントを通したことでちょっと違った目線でもこの本を読むことができ、とても楽しかったです。
読了日:3月2日 著者:エドワードゴーリー

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