2014年9月の読書メーター
読んだ本の数:25冊
読んだページ数:8352ページ
ナイス数:1749ナイス


名もなき毒 (文春文庫)名もなき毒 (文春文庫)感想
このページ数を一気に読ませる力はさすがです。今回はハウスシックや土壌汚染など自分でかなり勉強した話題もありましたが、土壌については売主にそれほどの負担がかかるとは知らず驚かされました。いろいろな人が出てきましたが基本みないい人で、起こってしまったことや結果を考えるといたたまれないです。そんな中、原田いずみだけは全く理解できず本当に恐ろしかった。何か彼女をこうした理由があったのだと思いたいです。サンダルでタクシーを追いかけながらの社長の叫び、美智香のすべてを飛び越えた犯人への言葉がとても印象的でした。
読了日:9月30日 著者:宮部みゆき
嗤う名医嗤う名医感想
「現役医師による、可笑しくて怖いミステリー」との紹介で手に取りましたがブラックな面も重たい部分もありました。好みは、医師の気持ちの変わっていく様子が手に取るようにわかった「至高の名医」と、相手のつく嘘がわかってしまう医師の話「嘘はキライ」。寝たきり老人視点の「寝たきりの殺意」は重すぎて読んでいてしんどかったし、最低の医師の話とか常識を超えて気持ち悪い話などもあり、それらは読んでいて楽しいものではありませんでした。著者にはもっと有名な作品があるようなので次はそちらを手に取ってみたいです。
読了日:9月29日 著者:久坂部羊
ST 警視庁科学特捜班 毒物殺人<新装版> (講談社文庫)ST 警視庁科学特捜班 毒物殺人<新装版> (講談社文庫)感想
シリーズ二冊目。キャラが魅力的なのでとにかく読みやすいです。STメンバー5人、というより百合根と菊川を含めて7人で1チームですね。一冊目を読んだときはドラマのイメージが先行していましたが、今回は青山くんを始め、少しずつ脳内で違うキャラになり始めました。今回印象深かったのはやはり山吹さん。翠と黒崎さんのポリグラフも。読んでいて楽しかったのでまだ続編がたくさんあるのが嬉しいです。それぞれのメンバーの活躍はもちろん、百合根がまだまだ頑ななので今後どのように成長していくかも楽しみです。
読了日:9月28日 著者:今野敏
怪談えほん (6) かがみのなか怪談えほん (6) かがみのなか感想
ページをめくりながら思ったのは、鏡って想像以上にどこにでもあるということ。カーブミラーもスプーンも。私も小さなころは得体のしれない怖さを感じていたものでした。具体的に恐怖を感じたのは鏡を落として粉々にしてしまったときのこと。大きい状態では一人しかいなかった鏡の中の私が、細かい破片すべてに分散したのを見た瞬間の妙な恐怖は今でも思い出します。この本では樋口さんの描く女の子がそもそも怖いし、蝶々の演出も怖さに拍車をかけます。小さい子供が読んだら絶対鏡が怖くなると思います。私もなんだか鏡に背を向けるのが嫌です。
読了日:9月27日 著者:恩田陸
リアクト (ハヤカワ文庫JA)リアクト (ハヤカワ文庫JA)感想
前2作「リライト」「リビジョン」を読んでいることが前提で、相当しっかりと考えながら読まないと混乱します。しかもそれまでに受けた衝撃と起きていると思っていたことがここで違った観点で覆され驚きました。それによってさらに混乱し、正直一部は分からないまま放棄…。読みなおすなら最初からだけれどそれでも理解できる気がしなくて。4冊で完結とのことなので完結巻が出たら、三冊を再読して挑むか、いっそ結末までわかってから4冊通して読むか、と考えています。こんな状況でも次作でどんな結末を持ってくるかすごく楽しみだったりします。
読了日:9月26日 著者:法条遥
魔女は甦る (幻冬舎文庫)魔女は甦る (幻冬舎文庫)感想
凄惨な死体の描写に始まり、読み終わってみればかなり巧妙に伏線は張られていました。なんとなく見えているものはあってもたどり着けません。もちろんミステリですが、途中からはむしろパニックホラー。何がどうなってこうなったのかは現実にも起こりえそうで恐ろしく、特にラストの戦いの描写は息を止めるようにして一気に読み進めていくしかありませんでした。若い古手川と渡瀬が坊や呼ばわりされたりしているところでちょっと息がつけますが、宮條や七尾が過去まで含めて印象的です。想像以上に悲惨な結末。ラスト一行の破壊力も凄かったです。
読了日:9月25日 著者:中山七里
プレゼント (中公文庫)プレゼント (中公文庫)感想
「御子柴くんの~」を読もうと思ったらこちらのスピンオフと聞いたので。短編集の形ですが御子柴君と上司の小林警部補が事件に関わる話と葉村晶が事件に関わる話とが交互に出てきて、最後のお話で両者が共演します。どのお話も人間の嫌な部分をすっと明らかにして後味もあまりよくないのですが、さすがどれもよくできています。中でも表題作は秀逸。思わず読み返しました。ラストの「トラブルメイカー」もラストの一行の破壊力が凄いです。構成も見事。完全に脇だった御子柴君、主人公になったらどうなっているのかとても楽しみです。
読了日:9月22日 著者:若竹七海
きのこ 森の妖精きのこ 森の妖精感想
図書館で目に留まった一冊。きのこというものがこんなにも妖しく美しく繊細な姿をしているとは思いませんでした。美しい数々の写真は森の妖精という言葉が確かにぴったりで思わず息を止めます。谷川俊太郎さんの詩や監修された数々のフレーズも本当に美しいです。「この目につきにくい美しさは このこわれやすい魅力は おもねりもせず媚びもせず 誰にも見出されずに朽ちていく~」私はこのページの詩が好きです。
読了日:9月22日 著者:谷川俊太郎
白虹(はっこう) (PHP文芸文庫)白虹(はっこう) (PHP文芸文庫)感想
白戸君や動植物管理係を思うと違いに驚くガッツリ読ませるミステリです。ワンゲル部だったという著者は山の情景も読ませますが、実際に事件を追うのは山を下りてからなので山岳より普通のミステリかもしれません。ある事件によって自分から警察官であることをやめた主人公。自信がなく自分のしたことに苦悩する彼が事件に関わっていく様子は元警官という事情からハードボイルドな面もあり、また登場人物が端役までみな魅力的で夢中で読みました。ラストが少し肩すかしで惜しかったですが、著者の書かれた他の山岳ミステリも読んでみたくなりました。
読了日:9月21日 著者:大倉崇裕
闇の華たち (文春文庫)闇の華たち (文春文庫)感想
乙川さんのお話は、必ずしもハッピーエンドではなく、どちらかというと暗くて陰鬱な印象を与えられるものもあります。でも読み終わってみるとどの話も気持ちに区切りをつけて一歩踏み出そうとしているのが救いです。一つ読むたびにどうしても時代に反発を感じてずにはいられず、読んでいて辛く投げ出したくもなりました。そんな思いをしながら読み終わった6編。好みは読後の優しい「悪名」その後を信じたい「冬の華」。でも一番印象的だったのは「笹の雪」のどうしようもない情けなさだったりします。
読了日:9月20日 著者:乙川優三郎
暗礁〈下〉 (幻冬舎文庫)暗礁〈下〉 (幻冬舎文庫)感想
二人の距離感が微妙に変わってきている気がします。二宮も余計なこと(?)を言うようになったりして強くなっているんではないかしら。結果としては相変わらずですが。刑事の中川も、便所コオロギセツオもいい味を出していて楽しいです。桑原のファッションもですね。しかし、桑原は今回こそ危なかった…主人公が死ぬわけないとわかっているから楽しんで読めますが、嶋田さんにご登場願って見つけた場所には驚きました。嶋田さんも本当に渋くてイイ男です。思いっきりキャラ読みの感想になってますが、ちゃんと内容も楽しんでます(多分)。
読了日:9月19日 著者:黒川博行
暗礁〈上〉 (幻冬舎文庫)暗礁〈上〉 (幻冬舎文庫)感想
二宮さん、イカサマ麻雀の代打ちなんて引き受けちゃって、そんなん無事で済むわけないじゃん、と最初に突っ込みを入れましたが案の定…。あれだけいろいろな目に遭ってきていてもなぜか変わりません。学習しないのか、それだけお金が魅力なのか…。決して桑原が怖いだけじゃないと思うのですが。絶対真面目に働いた方が儲かると思います。話は現実に起きた宅配業界の事件が下敷きになっているようです。バタバタと今回も一気読みで下巻へ。
読了日:9月19日 著者:黒川博行
時の罠 (文春文庫)時の罠 (文春文庫)感想
すごい豪華メンバーです。辻村さんのは最初母親の立場で父親の言動にイラつきましたが読み終わってみるとさすがという感じですし、万城目さんのも作者らしい世界観で楽しめましたが、期待が大きかったのか強烈なインパクトはなかったです。一方、何やらわけのわからない状況で始まった米澤さんのは、「時」の使い方に驚きました。いろいろな意見があるみたいですが私はこれ、大好きです。湊さんのは、子供たちの残酷さは相変わらずでもラストは意外にも…。らしくないのかもしれませんが私はこのタイプの方が好きですね。どれもとても良かったです。
読了日:9月18日 著者:辻村深月,湊かなえ,米澤穂信,万城目学
怪談えほん (7) おんなのしろいあし (怪談えほん7)怪談えほん (7) おんなのしろいあし (怪談えほん7)感想
正統派の怖さですね。最後まで読んでじわじわと怖さが伝わってくる感じです。つまらない意地や好奇心で踏み込んではいけないところに入ってはいけません。おばけを馬鹿にしてはいけません。ぺたぺたという擬音を加え、寺門さんの描くしろいあしが怖さだけでなく妙な艶めかしさも運んできます…がそれは私が大人だから思うのであって、子供が読んだら純粋に相当怖いでしょうね。
読了日:9月17日 著者:岩井志麻子
誰か―Somebody (文春文庫)誰か―Somebody (文春文庫)感想
近距離ですが自転車で通学する娘を持つ親としては、きっかけの自転車ひき逃げ死亡事故は、なかなかきつい恐ろしい部分です。主人公の三人家族の優しい雰囲気は素敵ですが、彼の実家との確執は読んでいてつらいし、なおかつ事件の謎を追って明らかになっていくことが思いがけなくかなり重いものでびっくりしました。そのうえ知らなくてもいいことを知ってしまった最後の後味の悪さときたら…。どこか悪いというわけではないのですが、とにかくもう少し楽しく読みたかったというのが正直なところです。シリーズのこの後に期待します。
読了日:9月15日 著者:宮部みゆき
双月城の惨劇 (光文社文庫)双月城の惨劇 (光文社文庫)感想
気になっていたのですが機会がなく…手に入れたときは訃報を聞いたときでした。思いっきり本格の古典ミステリ。どうも既視感があると思ったら、元はカーのバンコランのパスティーシュだったそうで、そのまま置き換えても違和感がありません。ああ、ミステリを読むってこういうんだったなと思い出させてもらえるようなガッツリ本格の密室とか密室とか密室とか…。ちょっと冗長に感じる部分はありますがよく練られていてトリックには感心します。ただ結末は私も、えっ?となりました。残念ながらもう作品は増えないのでゆっくり続きを楽しみます。
読了日:9月14日 著者:加賀美雅之
オー・ヘンリー傑作選 (岩波文庫 赤 330-1)オー・ヘンリー傑作選 (岩波文庫 赤 330-1)感想
過去にいくつか読んだものがありました。当時素直に感動するより皮肉を感じてしまった私ですが、今回こうして短編集の形で読んでみると、独特のウイットに富んだユーモアとちょっとしたもの悲しさがこの短いページに綺麗にまとまっているのを感じ、純粋に楽しむことができました。好みは「マモンの神とキューピッド」「緑のドア」「二十年後」「改心」「千ドル」。これらはいくらでも感想が書けそうで何度も読み返したいです。そして時々現れる美しい言葉に原文がどうなっているのかとても興味が湧いてきました。
読了日:9月11日 著者:オー・ヘンリー
国境 (講談社文庫)国境 (講談社文庫)感想
最初はちょっと冗長な感じがしたのですが、2度目の渡航あたりから一気に引き込まれページをめくるのがもどかしいほどぐいぐいとラストまで読み進めました。いくら闇世界のお話でもありえない、滅茶苦茶だなあ、と苦笑しながらなのですがこのページ数をラストまで一気に読ませるリーダビリティはさすがです。本当に現地で取材をされていたと読後知り、きっと現在も現地はこの詳しい描写と大差がないのだろうと悲しくなりました。二人の微妙な距離感と信頼度が何とも言えず好きです。ラスト1頁の描写で貰った優しい読後感にとても嬉しくなりました。
読了日:9月9日 著者:黒川博行
死ぬまでに行きたい! 世界の絶景死ぬまでに行きたい! 世界の絶景感想
図書館でお借りしてすぐ、娘がとても気に入って長い間見入っていました。私としては、もともとが著者がお撮りになったものではなくネットにアップされていたものという性質もあるかと思いますが、写真の美しさが想像以下だったのが残念です。高解像度のものをPCなどで画面いっぱいに見る方がやはりいいですね。facebookを遡るのは大変なのでまとまっているのは嬉しいですし、行き方や予算、注意点まで載っているので本当に訪れてみたい人には参考になると思いますが、私は死ぬまでに行くのは難しいので…。日本編を見てみようと思います。
読了日:9月9日 著者:詩歩
神鳥―イビス (集英社文庫)神鳥―イビス (集英社文庫)感想
イラストレーターとバイオレンス作家が夭逝した画家の描いた「朱鷺飛来図」の謎を追います。2枚の違った絵に見えるというこの絵の描写が物凄くリアルで本当に怖いのです。彼らは画家の足跡を追い、迷い込み、朱鷺の因縁と怨念に追われるのですが、モノトーンの世界の中にポンと入ってくる朱鷺のピンク色がおどろおどろしく一気に読まされてしまいました。鳥の嘴や爪がトラウマになりそうです。二人のキャラも良かったし、これで何もかも終わったわけではないというラストも悪くないです。ただもう少しこの先も読ませてもらいたかった気はします。
読了日:9月7日 著者:篠田節子
マスカレード・ホテル (集英社文庫)マスカレード・ホテル (集英社文庫)感想
連続殺人の捜査と防止のために警察官がホテルマンとして潜入。警察官新田のふてぶてしさが最初好きになれなかったのですが、言われてみればこれほど相手に対して別の感情を持って接する仕事もないですね。彼が凄い勢いで成長していく様子が読んでいてとても気持ちよく、ホテルマンとしての在り方や二人の距離感も読んでいて楽しかったです。最後まで読むと、こんなにもあからさまに伏線が目の前にあったとわかりますがそれを変に気にさせずに最後まで一気に読ませてしまう東野さんの筆力に驚かされます。実は有能な能瀬さんの今後も気になりました。
読了日:9月5日 著者:東野圭吾
満願満願感想
6つの短編ですが、とにかく上手いと思います。「夜警」のぞわっとした恐ろしさに始まり、どの話も背筋がすっと寒くなる読後感を運んできます。特に「万灯」が読みごたえがありなおかつラストも秀逸。「満願」の伏線の張り方も見事です。「柘榴」だけは既読で、その時はよくできているけれど好みではないという感想を持ちましたが、今回改めて読むとこの情景が恐ろしくも透き通ってなんだかとても美しかったのです。自分の感じたことの変化に驚き思わず読み返してしまったほどでした。6編すべて外れなしの完璧なミステリで、とても良かったです。
読了日:9月3日 著者:米澤穂信
幻想日記店 (講談社文庫)幻想日記店 (講談社文庫)感想
日記堂ファンタジーをそのまま文庫化ではなく、シリーズを意識して大幅改稿されたそうです。前2作とは少し雰囲気が違います。改稿によってできた郵便局とのリンク、特に気になっていた彼の秘密が明かされたり、とある彼女の日記と思われるものもあって楽しかったです。日記は確かに誰にも見せない前提のもので上手いところに目を付けたなと思います。古典や言霊の解釈が想像を超えて面白かったです。設定もメインのストーリーも悪くないと思うのですが相性が悪いのか前2作に比べ私には読みづらかったのが残念でした。
読了日:9月2日 著者:堀川アサコ
ルクエで3分弁当本ー簡単で旨い弁当レシピ厳選84 (TWJ books)ルクエで3分弁当本ー簡単で旨い弁当レシピ厳選84 (TWJ books)感想
出番の少ないペティートがお弁当に活用できないかと図書館で。「簡単で旨い弁当レシピ厳選84」とのことで、レシピ通りに作れば簡単に美味しくできるのは確かだと思います。ですが3年間毎日弁当を作り続けてきた私にはどのやり方も小さいフライパンと鍋二つを使って三口コンロでパパッと調理するより便利だとはとても思えませんでした。調理初心者さんならなおさらレンジは一度に一つの調理しかできませんし洗う手間もあり使いにくくないでしょうか。逆にお弁当以外の方が使えるかもしれません。特別変わったレシピもないので私は購入はないです。
読了日:9月2日 著者:小嶋貴子
キング&クイーン (講談社文庫)キング&クイーン (講談社文庫)感想
元SPの女性が引き受けた天才チェスプレイヤーの警護。最初は少し読みづらい部分があったのですが、現在と過去を行き来する話の作りに慣れてくるころにはしっかりとのめり込み畳みかけるような後半の展開に一気に流されて最後まで読んでしまいました。暗黙の連係プレーがすごく楽しかったです。例の部分は全く気付かなかったので驚きましたが、元SPの女性も天才チェスプレイヤーたちの逸話もとても魅力的に生き生きと描かれている分、結末が薄く感じてしまったのが残念でした。でも楽しめましたので「ナイト&シャドウ」も読んでみたいです。
読了日:9月2日 著者:柳広司

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