2014年10月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:6509ページ
ナイス数:1654ナイス

かないくん (ほぼにちの絵本)かないくん (ほぼにちの絵本)感想
子供に死というものを説明するのは簡単ではありません。この絵本でいったい子供達は何を得るのか。わからないということを得るのかもしれません。着地は見事だと思います。でも現実として、小中学校時代に家族の死、病気によるクラスメートの突然死や自分で選んだ先輩の死まで経験した娘の時のことを考えたとき、これを読んでいたとして受け止め方に何かが違ったかと思ったらそれはない気がします。大人が初めて小さな子どもに死を説明するために考えるのには良いきっかけにはなるのかもしれません。大人でもいろいろな受け止め方があるはずです。
読了日:10月31日 著者:谷川俊太郎
私の嫌いな探偵私の嫌いな探偵感想
烏賊川市シリーズ七作目は短編集。短編だとページ数の都合か想像以上に鵜飼探偵が鋭くてパパッと事件を解決してしまいます。前作とは逆に、今回は戸村君の出番が少なくほとんど朱美が一緒に行動していました。戸村君のついてなさとか恋模様とか楽しかったのでそのあたりがないのは残念でしたが、どんなにゆるくても一つ一つちゃんと本格してるので安心して読めます。非現実ですが「死に至る全力疾走の謎」が好きです。他に「烏賊神家の一族の殺人」では、ゆるキャラ「マイカ」にすべて持っていかれましたがトリックも推理も巧みで良かったです。
読了日:10月27日 著者:東川篤哉
怪盗グリフィン、絶体絶命 (講談社文庫)怪盗グリフィン、絶体絶命 (講談社文庫)感想
元は「かつて子どもだったあなたと少年少女のため」のミステリーランド。法月さんはきっと怪盗ものを読んで育ち、今の少年少女にもその楽しみを味わってほしかったんだろうな、なんて読みながら思いました。「あるべきものを、あるべき場所に」が信条のグリフィンは実際は自分で言うほど完璧ではありません。題名どおり何度も絶体絶命に陥ります。そんな情けなさもここではかえっていいのだと思います。ワクワクドキドキというよりはテンポよくサクサクとですが思いがけないどんでん返しもあったりしてかつての少女である私もとても楽しめました。
読了日:10月26日 著者:法月綸太郎
七つの棺―密室殺人が多すぎる (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)七つの棺―密室殺人が多すぎる (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)感想
密室の大好きな黒星警部が七つの密室に挑戦。ところがなかなか綺麗にスパッと解決には至りません。特徴ある残念なキャラが楽しいです。7つの短編ほとんどが有名作をパロディ化したりパスティーシュされていて、元作品を思い出しながら比べて読む楽しさもありました。トリック自体は短編なのでそれほど凝ったものではありませんがラストに想像以上を一発持ってくる折原一らしさは健在です。好みは「ディクソン・カーを読んだ男たち」。「脇本陣殺人事件」は特にパロディとしてもとてもよくできています。軽めですがこんな折原一作品もいいですね。
読了日:10月26日 著者:折原一
密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)感想
5人がネット上で殺人推理ゲームを行います。出題は持ち回り制。出題者=実際の事件の殺人者。倫理的にどうかということは置いておいて、一つ一つの出題がきちんと本格していて楽しく、頭狂人のパートから一連の繋がりや隠されているものを想像するのもワクワクしました。最初は記号だった彼らは読み進めるときちんと人格を持ったキャラになり、特に044APDには大胆さや繊細さに愛しさを感じるほどでした。話題に出る彼は誰かだろうとは思っていましたがそれがあんな形であんなことに!そしてさらにラストにも吃驚しました。続きを読まないと!
読了日:10月23日 著者:歌野晶午
戻り川心中 (ハルキ文庫―連城三紀彦傑作推理コレクション)戻り川心中 (ハルキ文庫―連城三紀彦傑作推理コレクション)感想
とにかく文章が美しいです。「花葬」シリーズの名の通り花の持つ役割もそれぞれ大きく、切り取られた情景は透明感を湛え花の色や香りまで運んできます。ミステリとしての技巧のうまさはもちろんですが表面に見えているものとは違う人々の強さや悲しさに一編ごとにため息をつきました。読み終わるのが勿体なかったです。好みは「桐の柩」「戻り川心中」「夕萩心中」。印象的だったのは「花緋文字」。このハルキ文庫版は光文社文庫版の「戻り川心中」に「夕萩心中」の中の三編を加えたシリーズ全てを集めた完全版だそうでこちらで読めて良かったです。
読了日:10月20日 著者:連城三紀彦
警視庁特捜班ドットジェイピー警視庁特捜班ドットジェイピー感想
警察がイメージアップのため5戦士の「.jp(ドットジェーピー)」を結成。別作家さんの某チームをちょっと思い出す、一癖あるが一応特技もある見栄えのいい人たち。戦隊ヒーローさながらにイベントで劇をしたりもします。表紙イラストの個々は私のイメージと違いますが内容はだいたいこんな感じです。彼らがコミカルに失敗をしながらひとつの事件に立ち向かう様子は、くだらない!と言ってしまえばそれまでなのですが、エピソードに笑い、個性的なキャラがなんだか愛しくて一気に読んでしまいました。最近出た続編も手に取ってみたいです。
読了日:10月19日 著者:我孫子武丸
倒錯の帰結 (講談社文庫)倒錯の帰結 (講談社文庫)感想
倒錯シリーズ完結編。前2作を読んでいなくても、とのことですが登場人物は被っているしネタバレ的な部分もあるので読んでいた方がより楽しめると思います。表紙絵のように前からと後ろからと系統の違う2つの話を読んで最後に中央の袋綴じを開くと2つの関連がさらにはっきりする(?)という作りは斬新で楽しいですが、開いても頭の中はメビウスの輪。完結編というのには納得ですが実際は翻弄されたまま、残ったのは袋綴じのラストで明かされた衝撃だけだったりします。しかし折原作品は頭がごちゃごちゃになるのに妙な中毒性がありますね。
読了日:10月18日 著者:折原一
本をめぐる物語 一冊の扉 (角川文庫)本をめぐる物語 一冊の扉 (角川文庫)感想
好みだったのは小路さんの「ラバーズブック」。沢木さんの「時田風音の受難」も良かったです。宮木さんのはシリーズとして既読で好みですがこうして一編を切り取られるとなかなか主人公がきついですね。原田マハさんの「砂に埋もれたル・コルビュジエ」も話の生まれた経緯まで含めてとても素敵なのですが介護が絡んでいる関係で私にはとても重かったです。同シリーズの「本をめぐる物語―栞は夢をみる」の方が、SFやファンタジー要素があったためかインパクトが強いですが、こちらは読後にじわじわと良さが伝わってくるものが多かった気がします。
読了日:10月14日 著者:中田永一,宮下奈都,原田マハ,小手鞠るい,朱野帰子,沢木まひろ,小路幸也,宮木あや子
○○○○○○○○殺人事件 (講談社ノベルス)○○○○○○○○殺人事件 (講談社ノベルス)感想
文章のリズムに慣れるまで苦戦しました。ミステリ好きに絡むような書き方とそこかしこに現れる違和感。それが解決編によりカチッとピースがはまった後の脱力感。あまり品の良くない部分と文章が人を選ぶと思いますが、意外にも伏線をきちんと張った緻密に計算されたミステリになっていました。いろいろインパクトが強くて誤魔化されましたが、あれ以外の部分も絶対騙されないと思います。とはいえこのインパクト、今後の作品をどんな切口であげてくるかかなり楽しみです。[追記]絶対受け付けない方もいると思うので手に取るのは十分ご注意下さい。
読了日:10月13日 著者:早坂吝
楽園のカンヴァス (新潮文庫)楽園のカンヴァス (新潮文庫)感想
美術館でじっくり時間をかけて向き合う絵は自分の好みの絵であり、○○派や時代程度は説明を読んでもその描いた人物の背景まで考えることはありませんでした。当然ながらそれぞれの絵には描いた人の人生がギュッと込められていることにあらためて気づかされました。スマホでその絵の画像を見ながら、イメージも膨らみます。ルソーの生活、ピカソとの交流、女神ヤドヴィガ。真贋鑑定というミステリ的な要素に加え、恋愛要素もあって夢中になって読みました。ティムのラストの囁きが何とも優しく美しかったです。すごく楽しい読書タイムでした。
読了日:10月11日 著者:原田マハ
倒錯の死角 (講談社文庫)倒錯の死角 (講談社文庫)感想
倒錯シリーズ第二弾。日記という手法、アル中。叙述が入っていることはわかっています。結構早めに展開が読めた!と思い、裏を想像しながら楽しんで読み進めていったのですが…全然あたってなかったどころかその後見えていた景色がぐるんぐるんと。あっという間に何度も景色を変えられたのでフェアかフェアじゃないのかも正直わかりませんが、これぞ折原一作品。袋綴じにするわけです。普通でない人ばかりで思い入れのできる登場人物がいなかったのに最後まで一気に読まされてしまいました。よく考えられていると思います。第三弾も楽しみです。
読了日:10月10日 著者:折原一
鴨川食堂鴨川食堂感想
京都の一画。暖簾も看板もない食堂の奥に、食を探してくれる探偵社。思い出の中の鍋焼きうどん、ビーフシチュー、鯖ずしetc。探してほしい食には、もちろんそれぞれドラマがありました。ふわりと優しい、でもちょっと苦くて切ない短編集。依頼から見つかるまでのプロセスが全く書かれていないこともあって、ミステリ的に読むには読者が手掛かりから答えを探すのは無理そうですが、どのお料理も美味しそうで読後感も悪くなかったです。好みは「とんかつ」と「肉じゃが」。しみじみと相手への愛の深さが伝わってきます。
読了日:10月8日 著者:柏井壽
スタープレイヤー (単行本)スタープレイヤー (単行本)感想
読み終えてみると、まるっきりRPGの世界ですね。何十時間もかけてやるRPGと比べてしまえば規模は第一章という感じですが、ゲームにどっぷりはまっていた若いころを思い出し楽しく読みました。私がプレイヤーだったらやはり、付け加えるものを練りに練って…いや、それはゲームだったらそうするってだけで、本当に異界に連れて行かれたら100日を過ごすために最低限の願いだけして待つとか消極的なことをするかも。さて、これはシリーズとのこと、次は視点が変わるのかな?今後驚くような展開が待っていると信じて続きを楽しみに待ちます。
読了日:10月7日 著者:恒川光太郎
山手線探偵3: まわる各駅停車と消えた妖精の謎 (ポプラ文庫)山手線探偵3: まわる各駅停車と消えた妖精の謎 (ポプラ文庫)感想
今作ではシホが霧村さんやミキミキさんと行動をともにするようになったきっかけのちいさいおっさんの妖精を巡ってお話は進みます。現代では見間違いとしか思えないこの小さいおっさんが、理路整然と説明されるといてもおかしくないかも、なんて思ってしまいます。滅茶苦茶な話のようできちんと伏線をちりばめ、回収されていて見事でした。最後にはおっさんに愛しさと切なささえ感じます。ラストの展開は少し寂しいです。ここで一区切りのようですが、どこか別のお話に彼らが出演したりシホが素敵なレディになったときのお話も是非読ませてください。
読了日:10月5日 著者:七尾与史
御子柴くんの甘味と捜査 (中公文庫)御子柴くんの甘味と捜査 (中公文庫)感想
長野県警から警視庁捜査共助課(地方との連絡係らしい)に出向を命じられた御子柴くん。仕事にかこつけて地方と東京との名産品を頼まれることがしばしばです。お菓子はどれも美味しそうなのに玉森刑事の度を超した甘味好きぶりに徐々に、病気になるって!と心配の方が勝る読書になってしまいました。連作短編の形ですがどの話もきちんと書かれていて事件はなかなか苦いものが多いです。長野時代の上司、小林警部補も各話で登場して楽しませてくれました。あとがきの裏話にも笑ってしまいましたが編集さんグッジョブです。是非続編もお願いします。
読了日:10月4日 著者:若竹七海
螻蛄(けら)―シリーズ疫病神 (新潮文庫)螻蛄(けら)―シリーズ疫病神 (新潮文庫)感想
これほど次々とページをめくっていける本も珍しいと思います。西から東へ次から次へと二人は本当によく頑張ります。どう贔屓目に見てもそれは違うだろう、という無理やりでなんとか儲けにしようとする桑原には呆れるを通り越して感心しました。(必要経費は絶対多すぎます!)滅茶苦茶なようでいてピンチには現れる桑原としっかりしていそうでやっぱり堅気の甘さが垣間見える二宮との相変わらずの掛け合いと無謀ゆえのスリルにどっぷり浸かりました。中川、嶋田の二人も健在です。楽しかった!さて次は…題名が「破門」?ええっ?
読了日:10月4日 著者:黒川博行
ふるさと銀河線 軌道春秋 (双葉文庫)ふるさと銀河線 軌道春秋 (双葉文庫)感想
現代小説になってもやはり高田さんらしさを感じます。もともとがコミックの原作として書かれたものをあらためてノベライズとのことで、小説として読んでいても絵として情景が浮かんでくることが多かったです。一番の好みは「車窓家族」。「ムシヤシナイ」もよかったです。「晩夏光」は辛かった…作中の息子と一緒に泣いてしまいました。ラストの余韻はほっとするものばかりでなく、現実的で苦い後味も引きずります。コミックは再編成されて再販されているとのことなのでそちらも読んでみたいです。
読了日:10月2日 著者:高田郁

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