2015年1月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:6693ページ
ナイス数:2171ナイス


鴨川食堂おかわり鴨川食堂おかわり感想
シリーズ二作目。依頼人に最初に出すお料理は美しく本当に美味しそうです。また依頼されたお料理の再現も依頼人の思いと重なってさらに美味しそうに伝わってきます。ただ依頼されたものを探す過程が一切ないというのはミステリ好きとしては物足りないですね。エピソードは素敵なのでほろっとするものがお好きな方には楽しんで読めるのでしょうが、私は二冊で十分でした。そんな中で、依頼人が帰宅後、心配するこいしに流がさらっとかけた一言が今の私にはとても印象的でした。「どっちでもいいがな。神さんがあんじょう決めてくれはる」
読了日:1月29日 著者:柏井壽
杉の柩 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)杉の柩 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)感想
プロローグは法廷。殺人事件の被疑者となったエリノアが否認をするところから始まります。第一部は事件が起こるまで、二部ではポアロが登場、三部で舞台は法廷へ戻ります。それぞれが自分自身の思惑で本当のことだけを言うわけではない中での心理描写や駆け引き、特にエリノアの心の変化の描写は見事でラブストーリーとしても秀逸だと思います。もちろん法廷の逆転劇も読ませますが事件解決よりも最後のポアロの言動による後味の良さが印象的です。派手な事件ではありませんがこの作品がファンから好まれるのがよくわかりました。
読了日:1月28日 著者:アガサ・クリスティー
連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集 (講談社文庫)連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集 (講談社文庫)感想
連城作品をどれから読もうかと思っている方にはぴったりの作品集です。なにしろ彼に影響を受け、絶賛する有名ミステリ作家がこれぞというものを持ち寄った短編集なのですから。既読の作品もありましたが本当にどれも好みの作品ばかりでした。連城作品の女性には、痛いほどの女心が見事に描き出されています。もちろん決して共感できるものばかりではありませんが、いつもミステリであることすら忘れてため息が出ます。巻末の綾辻さんと伊坂さんの対談もとても良かったです。未読の連城作品がまだたくさんあるのでゆっくりと楽しみたいと思います。
読了日:1月28日 著者:連城三紀彦
本屋さんのダイアナ本屋さんのダイアナ感想
二人の少女がお互いにないものを羨ましく思うことで逆にお互いを肯定し成長していく小学校時代。話はこの後二人が距離を置いてからの方が長いです。ダイアナの高校時代も辛いですが大学時代に自分に起きたことを正当化するためにレールを敷いていく彩子がとても痛々しかった。実はこういうことは現実に意外と多いと思います。二人が離れていてもお互いを意識してきちんと自分で呪いを断ち切る様子がとても良かったです。彩子の両親も素敵ですがティアラがなかなか鋭くいい母親だったのが印象的で、見習いたい部分がたくさんありました。
読了日:1月26日 著者:柚木麻子
昨夜のカレー、明日のパン昨夜のカレー、明日のパン感想
とてもとても優しいお話でした。夫を亡くした妻と義父の二人の生活は傍から見ると不自然かもしれない、でも彼らにはその時間と空間が必要なのですね。待つことに慣れるというのがどんなに悲しいことか。焼きたての2斤のパンを交互に抱えながら帰る二人に涙がこぼれました。出てくるのは本当にみんな優しい人ばかり、私は中でも虎尾が好きです。彼が自分でもよくわからずにこだわっている気持ちがすごくよくわかるのです。納得できた最後は本当に良かった。ちゃんと段階を踏んで彼らが皆新しい一歩を踏み出していけることがとても嬉しかったです。→
読了日:1月25日 著者:木皿泉
書物狩人 (講談社ノベルス)書物狩人 (講談社ノベルス)感想
あらすじに惹かれて手に取りました。頼まれればどんな手段を使っても稀覯本を手に入れる書物狩人。それらの本には大変危険な秘密が隠れています。史実に上手く絡めて大変よくできた設定でありストーリーだと思います。ただ、世界史が苦手な私には史実に絡めてもらってもあまり興味を持てずに本自体も読みにくく時間がかかり、また最後まで目を通してもほとんど残りませんでした。世界史が得意な読書家さんならきっと楽しめるのだと思います。シリーズではありますが残念ながら私はそういうわけで一冊で打ち止めです。
読了日:1月23日 著者:赤城毅
ぶたぶた【徳間文庫】ぶたぶた【徳間文庫】感想
シリーズ一作目ですね。バレーボール大のピンクのぶたのぬいぐるみなのに中身は中年男性、山崎ぶたぶた。ちゃんと話すし食べて飲んで酔っ払いもします。ぶたぶたさんは各話違う職業でそれぞれの前に現れます。流石に殺られ屋には驚きましたが、どの話でも関わった人々がぶたぶたさんによって得るものがあって気持ちよく終わるところがとても好みです。ラスト一話の構成も素敵ですね。このシリーズはどこから読んでも大丈夫そうなので今後も少しずつ心が癒しを欲しい時に手に取っていきたいと思います。
読了日:1月22日 著者:矢崎存美
検察側の罪人検察側の罪人感想
ベテランと教え子の二人の検事。ひとつの事件を扱い、同じ方向を向いているはずの彼らがあるきっかけからそうではなくなっていきます。視点は交互で、過去や友人たち家族まで含め彼らの人となりが細やかに伝わってきます。途中で起きたことはただ辛く、それは違う!そんなことしないで!と心で叫び続けていました。最後に待つものを想像し、途中で読むのを止めようと何度も思うほど読むのが辛かったです。周りが納得してはダメなはずなのです。自分の信じているものもわからなくなりそうで、簡単には理解できない消化できない重いものが残りました。
読了日:1月20日 著者:雫井脩介
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)感想
翻訳ものは読みにくいというイメージがありますが、これはとても読みやすかったです。初読は二十年近く前になるでしょうか、あまりにも前だったので読み始めは初読だったっけ?と思うほど全く覚えていなかったのですが途中でいろいろと(犯人を知ったときの衝撃も)思い出しました。今回はそれで逆に容疑者それぞれのアリバイや言動に細かく目が行き、ポアロの流れるような尋問と名推理、さらには事件を手放すときの見事さに感嘆しました。さすが名作と言われるだけのことはあります。録りおいてあるドラマをこれからゆっくり堪能します。
読了日:1月18日 著者:アガサクリスティー
四人組がいた。四人組がいた。感想
合田シリーズしか知らない状態でこの本を読み始めたので本当に高村さん?と大変驚きました。山村で郵便局兼集会所に毎日集まって茶飲み話をする元村長、元助役、郵便局長、そしてキクエ小母さんの4人。彼らを軸にお話は進みますが裏の山にいる狸のような四足たちと普通にお話をしたりどこか浮世離れしています。でも彼らは実は自在にインターネットを操ったり決して時代に遅れていることはなく、むしろ強烈に現代社会を皮肉ります。高村ファンがこれを受け入れられるかどうか不安なほどですが、私はこのユーモアファンタジーを十分楽しみました。
読了日:1月16日 著者:高村薫
お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂 (2) (メディアワークス文庫)お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂 (2) (メディアワークス文庫)感想
2冊目になると日常の謎よりも人情話に重きが置かれている感じがします。でもこの下町の人間関係がとても素敵で美味しい和菓子を思い浮かべながら楽しく読み進めました。謎でいっぱいの葵さんについてもほんの少しだけ明らかになりました。受験生を抱えてる身では他人事ではなく重たいものも感じましたが、ラストの桜餅のお話が素敵でした。桜餅は関西と関東で違いますが、私は静岡で桜餅は二種類あるものとして育ちました。中間点の良さでしょうか。和菓子屋で「どっちにする?」と祖母が選ばせてくれたことを読みながら懐かしく思い出しました。
読了日:1月14日 著者:似鳥航一
少年検閲官 (ミステリ・フロンティア)少年検閲官 (ミステリ・フロンティア)感想
焚書により書物が駆逐される時代。旅をしてきた英国人クリスの目で見る情景だからなのか日本のはずなのにどこか西洋のような雰囲気が漂います。序章や間奏による話の流れや「探偵」という言葉の使い方、ガジェットの作成された経緯など本当に読み手を惹きつけるのが上手いと思います。一気にひきこまれて読み進めました。ミステリという概念がない世界というのはこうなるんですね。犯人の見当は意外と簡単につきましたが、死体処置の必然性にはわかったとき鳥肌がたちました。ラストの展開もとても好きでした。続編を読むのが楽しみです。
読了日:1月13日 著者:北山猛邦
天才たちの値段―美術探偵・神永美有 (文春文庫)天才たちの値段―美術探偵・神永美有 (文春文庫)感想
作品が贋物なら見た瞬間苦味を感じ、本物なら甘みをおぼえるという天才美術コンサルタント・神永美有。短大美術講師の私視点で二人が上手く絡んで美術品にまつわる謎を解く連作短編でした。設定も謎解きも悪いわけではないのですがなぜか読みにくく入り込めず読み終えるのにやたら時間がかかってしまいました。神永の舌がもっと生かされてもいいと思いますし、特殊能力なのでキャラの魅力をもっと押し出したらもっと読み易くなるのではないかとも思います。美術品の薀蓄やミステリ要素は楽しかったのでとりあえず二作目も読んでみます。
読了日:1月13日 著者:門井慶喜
文學界 2015年 2月号 (文学界)文學界 2015年 2月号 (文学界)感想
異例の増刷が話題となっている文學界2月号。ピース又吉の初純文学小説が載っているとのこと、普段買わない私でも買おうと思ったくらいですもの。増刷を待てずに図書館で彼の作品「火花」のみ読了してきました。以下「火花」の感想を。ファンゆえの贔屓目はあると思いますが、それでもよくこれだけのものが書けるなあ、と素直に感嘆しました。前半は芥川賞を狙えるのではというくらい惹きこまれました。ちょっと一番山となるところが惜しい気がしますが、それでもとても良かったです。ただラストの先輩は私には痛々しく辛く読後が哀しくなりました。
読了日:1月12日 著者:
ギフテッドギフテッド感想
未知の臓器を一つ持って生まれたギフテッドと呼ばれる人たち。普通の人と何も変わらないように見えても人類の進化系にも思える彼らが直面するものは…。研究所や政府の過敏な対応と理解できないものに対する非ギフテッドの人たちの恐怖はかなり大げさではありますがなんとなくわかるような気がします。どんな着地点が待っているのかとても気になり最後まで一気に読んでしまいました。百年法も読みやすく楽しみましたが、こちらの方がより読みやすく人を選ばないと思います。ラストの展開は想像よりはあっさりでしたが、十分楽しみました。
読了日:1月9日 著者:山田宗樹
PK (講談社文庫)PK (講談社文庫)感想
中編が三つ。最初の「PK」は好きなタイプですが最後までちょっと地に足がつかないような不安定さが残ります。二編目「超人」は登場人物が重なっているのに…?で不安定さはもやもやに変わり…三編目「密使」でああ!と。「 臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する」という素敵な言葉が上手く芯となって繋がっていました。小物(茶色のアイツ)の必然性や使い方も上手いですね。最後まで読んでから思わずもう一度読み返しましたが、また改めてゆっくり読み返してみたいです。私は好きでしたがこの話の作りや雰囲気は人を選ぶとは思います。
読了日:1月9日 著者:伊坂幸太郎
翳りゆく夏 (講談社文庫)翳りゆく夏 (講談社文庫)感想
大手新聞社に20年前の誘拐事件の犯人の娘が内定したことをきっかけに、過去の事件に再度光が当たることになります。この再調査に至る過程が少々強引に思いましたが、それ以外は読みやすくぐいぐいと引っ張られラストまで一気に読んでしまいました。読み終わってみると伏線は綺麗に張られていて分かりやすいと思いますが、何も考えずに一気に読んでしまったので真相が明かされたときはビックリしました。よくできていると思います。欲を言えば3年後の焦点は別の方に当てて欲しかったですが、十分楽しみました。他の作品も是非読んでみたいです。
読了日:1月8日 著者:赤井三尋
思い出のとき修理します 3 空からの時報 (集英社文庫)思い出のとき修理します 3 空からの時報 (集英社文庫)感想
最初はシリーズ化の予定はなかったそうで、二人は比較的早く落ち着きましたが、さすがベテラン作家さん、心の機微の表現が上手く3作目でも大変読み応えがありました。一冊通して明里の不安に思う気持ちや家族との関係がテーマになっていますが、それぞれの章に関わってくる人のお話も「思い出のとき」だけあって過去をどうやって消化するかなかなか重いテーマばかりと感じました。彼らがちゃんと新しい一歩を踏み出し、そんな出来事を通じて明里自身が変わっていくところも好感が持てます。シリーズの続きを楽しみにお待ちします。
読了日:1月5日 著者:谷瑞恵
軽井沢マジック (講談社文庫)軽井沢マジック (講談社文庫)感想
蘭子シリーズとは違いユーモアミステリの分類なのかとても軽いです。イケメン水乃サトルは推理力は抜群なくせに先走って周りを振り回し迷探偵ととも言われますがそれは彼がきれるゆえだと思うので彼の周りの人が言うほど変人だとは思いませんでした。もっともニセモノの高級時計や試運転の高級車にはかなり残念なものを感じましたが。軽く楽しめましたがナイフの謎などはよくできていると思うし、ちゃんと本格で伏線もフェアだと思います。このシリーズは社会人編と大学生編があるそうで、読み易かったのでのんびりと追いかけてみようと思います。
読了日:1月4日 著者:二階堂黎人
TATSUMAKI 特命捜査対策室7係TATSUMAKI 特命捜査対策室7係感想
すごく軽いです。ミステリですが何も考えずにするっと最後まで読んでしまいました。主人公鬼切壮一郎の現部署に配属されるまでのいきさつのようなピリッと効いた部分はあるのですがタツマキの名を持つ上司の辰巳麻紀主任がのキャラが中途半端に薄くて、コンビのキャラを楽しむところまでいかずに物足りなかったのが残念です。もう少しキャラ立ちしてればシリーズでもいけるのではないでしょうか。この本自体は正直私には可もなく不可もなくという感じでしたが、この作家さんらしさとは違うタイプの話なので、またこういうのも読んでみたいです。
読了日:1月3日 著者:曽根圭介
出版禁止出版禁止感想
放送禁止の方をよく知らなかったので、読後みなさんの感想からなるほど、思いました。最初から意識して読むのとは違いそうですね。二度の変換ミスの場所や、ラスト近くの彼女は…というあたりは想像がつきましたが、それでもラストに待っていたものはそれを越えるもので…ああだからあの字があれなのか!かなり丁寧な謎解きはラストにありますが、それでも隠されている秘密がたくさんあるはずです。さらっと読んでしまった前半と読後景色が変わったパートは再読しましたが仕掛けはあといくつかしかわからず、もう正直残りは誰か教えて!の気分です。
読了日:1月3日 著者:長江俊和

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