2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:5953ページ
ナイス数:2576ナイス


【テレビドラマ化】このミステリーがすごい! 四つの謎【テレビドラマ化】このミステリーがすごい! 四つの謎感想
原作を読んでから映像を見たい派ですがこれはドラマを先に見てしまいました。一番原作に忠実にドラマ化されていたのは乾さんのものでこれは本として読んだらあまり好きじゃないタイプですが映像では楽しかったです。安生さんのはお得意のパニックものですが原作もとても良かったしドラマはブラックテイストにアレンジされていてそれはそれでまた良かったです。中山さんと海堂さんのはドラマの脚本としては長さの計算ミスかなという印象です。小説としてはもっとじっくり読みたいし、ドラマにするには長すぎて端折られた感じで勿体ないと感じました。
読了日:2月27日 著者:安生正,乾緑郎,海堂尊,中山七里
ウエスト・ウイングウエスト・ウイング感想
テキストはなにもありません。ゴーリーらしい黒に近いほどの緻密なイラストがページをめくるたびに現れます。最初の数ページから特別な何かが描かれているわけでもないのに既にじわじわとサイレントな恐怖が伝わってきます。そして描写に少しずつ加わってくるものに想像を掻き立てられ恐怖も増します。得体のしれないものってどうしてこんなにも怖いんでしょう。でも読み(眺め?)終わるとまた最初に戻って見返さずにはいられないのです。こんな感想しか書けないのですがこれは好きです。ゴーリーの作品の中でもかなり好みかもしれません。
読了日:2月27日 著者:エドワードゴーリー
その女アレックス (文春文庫)その女アレックス (文春文庫)感想
フランス文学がこれほど売れるのは異例らしいです。リーダビリティは抜群です。三部それぞれでガラッとイメージが変わる構成も秀逸です。どうして彼女はこんなにも…と思いながら読み進めた陰には打ちのめされる理由がありました。まさしく「その女アレックス」。でもこれはアレックスの物語でもありながら警察官カミーユの物語でもあります。壮絶な過去を持つ彼と行動を共にする警察側の個性的な面々が凄惨な話を和らげてくれました。ラストにも驚きました。この着地は私の想像にはなかったです。読後感はともかく話題になるだけの本だと納得です。
読了日:2月24日 著者:ピエールルメートル
11枚のとらんぷ (角川文庫)11枚のとらんぷ (角川文庫)感想
奇術とミステリの関係についていろいろなことにハッとさせられます。第一部ではアマチュアマジシャンのマジックショーでのドタバタを楽しみ(途中で殺人事件が起き)、第二部では作中作「11枚のトランプ」で11のマジックを楽しみ、それらが第三部での「世界国際奇術家会議」の一日(殺人の謎解き)へと繋がります。作中作の一話ずつが奇術の種明かしというよりショートミステリして読むことができるのに、第三部になってそれらがそれと気づかせず伏線にもなっていたことに気づいたときはその上手さに感嘆しました。堪能しました。→
読了日:2月23日 著者:泡坂妻夫
スープ屋しずくの謎解き朝ごはん (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)スープ屋しずくの謎解き朝ごはん (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
ありがちな日常の謎系安楽椅子探偵もの、と思ったら想像より上を行きました。まずはスープ描写が本当に上手くてちゃんと湯気を立てて目の前に浮かびます。店主も素敵、こんなスープ屋があったら毎日通いたいです。謎も実は裏に隠されているものが意外と重かったりして一つ一つのストーリーが中々ずっしりきます。なんとなく読み飛ばしていた小さな伏線が見事に繋がって感動しました。楽しかったです。ただ、多くの方が書いていらっしゃるようにラストの主人公の気持ちは余計ですね。5話がよかったから余計に書かなかった方が良かったと思います。
読了日:2月20日 著者:友井羊
ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)感想
題名通り、ナミヤ雑貨店にまつわる奇蹟のお話です。「東野作品史上、もっとも泣ける感動作!」とのことですが、特にハーモニカのお話とビートルズのお話は私には切なすぎて、感動して泣くというより寂しくて悲しかったです。でも、やっぱり東野さんは凄い。普通に感動ストーリーを書いてもミステリ作家らしく伏線や繋がり、話の構成をきちんとされていてファンタジー部分も含め綺麗に収束させてしまったところなど流石だと思いました。私はうっかり感情移入してしまい辛い気持ちも持ちましたが、エンタメとして素直に楽しめたら最高だと思います。
読了日:2月20日 著者:東野圭吾
サイモン・アークの事件簿〈1〉 (創元推理文庫)サイモン・アークの事件簿〈1〉 (創元推理文庫)感想
短編ミステリの名手と言われるエドワード・D・ホック。イベントにお誘いいただき初めて手に取りました。自称二千歳のサイモン・アークが73人もの人間が崖から飛び降りた謎の大量自殺に挑むという一編目は、二十数ページながらきっちり本格で楽しく、これは素敵な作家さんに出会ったと嬉しくなりました。悪魔退治をするというサイモン・アークの設定上オカルトがかった事件も多いようですがこの本ではきっちり手がかりが与えられて解決していくものが多く楽しめました。シリーズの続きはもちろんホックの他のシリーズも是非読んでみたいです。
読了日:2月18日 著者:エドワード・D.ホック
ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)感想
ここへきて再びまるまる太宰。太宰ファンにはたまらないでしょうね。私自身は知らないことばかりでいろいろと新鮮でした。真剣にしっかりと太宰を読んでみたくなります。毎回思いますが古書マニアというのは凄いですね。いやマニアというものは古書に限らずこんなものでしょうか。特にこのシリーズでは女性がえげつない気がします。さて、いろいろと気になっていたことが一本に収束しつつあるのがわかります。あとがきによるとラストまであと少し。長く引っ張るのもどうかと思っていたのでちょうどいいかもしれません。収束を楽しみに待ちます。
読了日:2月17日 著者:三上延
全員少年探偵団 (一般書)全員少年探偵団 (一般書)感想
江戸川乱歩生誕120年記念オマージュ第2弾。今回は藤谷治氏の長編になります。表紙絵や挿絵はもちろんですが、この藤谷さんの文が当時の少年探偵団の文体そのままでなんだかとても嬉しいです。それでも探偵団の面々がスマホを操りインターネットを上手く使ったりすることで時代を越えてきたことがわかります。少年少女向けと意識して書かれているからでしょうか、ラストの展開まで含めてあっさり読めてしまい物足りない部分もありますがそれもシリーズらしさなのかもしれませんね。小路幸也さんのシリーズ第三弾も是非読みたいです。楽しみです。
読了日:2月17日 著者:藤谷治
ブルーマーダーブルーマーダー感想
姫川の一本筋の通った事件解決への想いと行動は変わらないのですが、シリーズ最初のころの熱さや勢いはやっぱり少なくなっている気がします。今回の事件は血生臭いとはちょっと違ったグロさで背筋を嫌なものが走りましたが、事件を起こした犯人の事情が何とも痛々しくとても読み応えがありました。彼があっさり結婚していたことはどこかで読んでいたので正直まだこんなにも関わってくるとは想像していなくてびっくりしました。彼女の過去を考えると恋の話も必要なのでしょうが、やっぱり私はそこはどうしても好きになれません。
読了日:2月16日 著者:誉田哲也
蒼い時蒼い時感想
ゴーリー作品をいくつか読んでくると、この本のわけのわからないほのぼのさには他と比べてちょっとほっとしたりします。旅嫌いのゴーリーが唯一遠出したスコットランド旅行での思い出を綴ったとのことで、二匹の犬らしきものが各ページでなにか奥深いような何も考えていないような問答をしてはページが進んでいきます。蒼い時(黄昏時)を表現しているのか各イラストでは例の細かい壁紙の代わりに背景にブルーが使われているところも新鮮です。これも何度読んでもよくわからないのですがこのよくわからなさがやっぱり好きです。
読了日:2月15日 著者:エドワードゴーリー
まったき動物園まったき動物園感想
ゴーリーが好んで描いたアルファベットブックのうちの一つです。今回は動物園。といっても描かれているのは幻獣です。恥ずかしがりやで物静かな幻獣が多いですね。通常では考えられない姿形なのに気味が悪いというよりどこか愛らしい。でも文章はシュールでバッチリ彼の皮肉が効いています。それにしても柴田さんの訳のすばらしいこと。原文を損なわずに綺麗に短歌形式にまとまっています。読み返すこと間違いなし。
読了日:2月15日 著者:エドワード・ゴーリー
敬虔な幼子敬虔な幼子感想
題名通り、この世で生きていくにはあまりにも純粋な、信心深い幼子のお話。文章は淡々と彼を綴るのにゴーリーのイラストはなぜか物悲しさに加えてどこか不自然な不安定さと恐ろしさ、見方によっては滑稽ささえも滲ませます。さらさらと最後まで読むことはできますが、そういうわけで読み終わってからも何度もページをめくってはイラストを眺めてしまいました。彼は読み手に何を受け取ってほしかったのか、何度見てもよくわかりません。そこも味なのですけど。
読了日:2月15日 著者:エドワードゴーリー
MOE (モエ) 2015年 03月号 [雑誌]MOE (モエ) 2015年 03月号 [雑誌]感想
読メで出会ったエドワード・ゴーリー。ブラックでシュールな大人の絵本を描く彼の特集とのことで購入しました。絵本の中で気になっていたあれこれについて触れられていてニヤリ。「不幸な子供」では本人すら壁紙を描くのに飽きてしまって5年製作を中断したとか、トレードマークの頂き物の毛皮が実は晩年動物愛護の観点から恥ずかしく思っていたなどのちょっとしたエピソードにも惹きつけられます。ペーパー小物などは見ていてほしくなってしまいましたが、いろんな意味で使えなそうですね。ムーミンや猫の絵本の特集など一冊丸ごと楽しめました。
読了日:2月15日 著者:
私の命はあなたの命より軽い私の命はあなたの命より軽い感想
命の重さに重い軽いがあるわけがありません。父親が怒りを覚えるのは当然でもその後がえげつなさ過ぎて理解できませんでした。母親の妹に対する態度もありえなければ、そこへ里帰り出産を認めてしまうことも信じられない。そもそもあなた方だって親でしょう。いろんな所が間違っていると思います。ところが近藤さんの黒い話は読んでいる間こんなにも合わないとか嫌だとか思うのになぜか最後までぐいぐいと引っ張られてしまいます。一気にラストまで読み切ってしまいました。それにしても、ラストまでそんな後味でなくてもいいのに。
読了日:2月13日 著者:近藤史恵
ペコロスの母に会いに行くペコロスの母に会いに行く感想
母親の愛。息子の愛。認知症の母親に対して、いくら施設にお任せ部分があるとはいってもどうしてこんなにも優しく、全く否定せずに向き合えるのでしょう。私が認知症の親に対峙することになったとき同じようにできるかと思ったら本当に不安になります。作者は本当によくできた方だと思います。特にエッセイ部分は読んでいて何度もぼろぼろと涙が出ました。「この時のために帰ってきた」離れて暮らす私にはこれも重かったです。いつかその時がきたら、私は岡野さんのように接することができるよう絶対にこの本のことを忘れずにいたいと思います。
読了日:2月13日 著者:岡野雄一
朧月市役所妖怪課 号泣箱女 (角川文庫)朧月市役所妖怪課 号泣箱女 (角川文庫)感想
シリーズ二作目。取りついてしまった長屋歪を封じるために顔に呪文を書いている主人公は、相変わらずのお役所仕事の市政に振り回されながらも果敢に妖怪たち及び民間の妖怪退治会社と対峙します。今回は支部の人たちと一緒に行動することもあり、それぞれが持っている特技(?)を上手く使っていると感じました。最初の設定がものすごくしっかりと計算されて作られているんでしょうね。取りついている長屋歪はもはやもう戦力の一つです。彼が出てくるのがなんだか微笑ましいです。今後どんな展開を見せて収束していくのか先がとても気になります。
読了日:2月12日 著者:青柳碧人
人間の顔は食べづらい人間の顔は食べづらい感想
クローン人間を合法的に食す時代というだけで読めない方もいるでしょう。食べてるシーンはほぼありませんがグロテスクな描写は多々あります。でもミステリとしてしっかり考えられて良くできてると思います。後半のリーダビリティは大したもので、ミスリードに引っ張られ、たくさんの伏線に指摘されるまで気づかず、作者の期待通りに振り回されて驚いた私は、話の作りでは横溝正史ミステリ大賞での大賞作(本作は最終候補)より好きかもしれません。とはいえ正直いろいろなところに甘さも感じられますので、それらを消化した次作に期待しています。
読了日:2月12日 著者:白井智之
朧月市役所妖怪課  河童コロッケ (角川文庫)朧月市役所妖怪課 河童コロッケ (角川文庫)感想
日本中の妖怪を集めてしまったという朧月市へ自治体アシスタントとして妖怪課に派遣された主人公。妖怪が起こすいろいろなことをうまく処理する課というわけですが面々はそれぞれ特徴があり、青柳さんらしい軽いお話にほんのりミステリテイストで楽しめました。ちゃんと妖怪についての説明もあり妖怪たちはそれほど怖いわけではなく長屋歪のように懐いてしまったものもいたりして親しみも持てます。気になっていたことはちゃんとラストに明らかになりますが、物語は始まったばかりのようですね。続きも読もうと思います。
読了日:2月9日 著者:青柳碧人
肉小説集肉小説集感想
豚肉のいろいろな部分をテーマとした短編集。楽しそう、と思って手に取ったのですが、一番最初の豚足部分のお話が全く自分には合わなくてもう読むのをやめようかと思いました。でも二つ目のロース部分の読後感が悪くはなかったので、その後最後まですんなりと読み続けられました。ラストのハムはちょっと自分を省みてドキッとした部分もありかなり好みでした。とはいえ、全体としては悪くはないけれど良くもなかったというのが正直な印象です。料理もあまり美味しそうではないし、坂木さんを初めて手に取るなら別の作品をお勧めしたいです。
読了日:2月8日 著者:坂木司
大神兄弟探偵社 (新潮文庫)大神兄弟探偵社 (新潮文庫)感想
とても魅力的な設定です。探偵社の4人の役割分担もアクションシーンも楽しかったです。主人公の過去に絡めて展開する部分もあり、上手く作ってあるとは思うのですが、どこかが私には合わず少々読みにくかったため上手く伏線を拾うことができず、ぽんと最後に結論だけあたえられたようで謎解きを楽しむところまでいかなかったのが残念です。今後シリーズにして兄弟や祖母の謎、もちろん黎の話も出てくるのでしょう。合わない部分はありましたが設定はとても好みですしいろいろ気になることが残っているので続編がでたらまた手に取ると思います。
読了日:2月8日 著者:里見蘭
妄想刑事エニグマの執着 (文芸書)妄想刑事エニグマの執着 (文芸書)感想
深く考えたら負けな気がします。本人曰く「女の勘」で犯人を突き止める江仁熊刑事。3年前に捜査線上に浮かんでいない犯人有藤をガイシャに10匹の蟻がたかっていたという理由で突き止めてしまったという彼女は迷宮入りになりかねない事件を解決するという点で一目置かれています。でもそんなわけで読み手が犯人を突き止めるのは難しいです。まあ七尾さんらしい作品なのでしょう。3つの短編でそれぞれアプローチが違うのでそれでもなんとなく楽しんで読み切ってしまいました。お勧めはしませんが何も考えたくない時はいいかもしれません。
読了日:2月5日 著者:七尾与史
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)感想
この本では過去の事件を関係者の証言から紐解くだけで新しい事件が起こるわけではありません。それなのにいつの間にか惹きつけられぐいぐいと最後まで読まされてしまいました。マザーグースの五匹の子豚さながらに事件当時の様子を綴った5人の手記。同じ些細なことを別の思いを持った人が見るとどれだけ違って見えることか。ポアロの的確な5つの質問により暴き出される真実は、芸術家という被害者の人となりと被害者の妻の思いの推移が印象的でした。派手な作品ではありませんがとても読み応えがあり心に残る作品となりました。
読了日:2月4日 著者:アガサクリスティー

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