2015年7月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:5645ページ
ナイス数:1934ナイス


斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 (講談社ノベルス)斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 (講談社ノベルス)感想
そんなに傾いた家に何日もいたらそれだけでおかしくなりそうですが、そこはファンタジーでしょうか。花壇の謎が簡単に分かったのでいい気になって流氷館の見取り図と犯行現場の見取り図を何度も行ったり来たりして挑戦に応えようとしてみましたが、そりゃ無理です。こんなに綺麗に伏線が張ってあっても私の頭では想像ができません。そもそも流氷館のつくりを理解するのにすごく時間がかかりました。バカミスと言われるのもなんだかわかりますが、この作品がそして御手洗氏の魅力がその後の新本格を生み出したと思うと感慨深いものがあります。
読了日:7月29日 著者:島田荘司
仮面病棟 (実業之日本社文庫)仮面病棟 (実業之日本社文庫)感想
ピエロの格好をした強盗が自分が撃った人質を連れて病院に立てこもる。しかも元精神病院の療養型病院という作りから病院は簡単にクローズドサークルになってしまいます。伏線はかなりあからさまで犯人の目的や隠されているものには早々に気づいてしまいました。でも軽くサクサクと読めるのにサスペンス展開はバッチリで二時間ドラマを見ているようにラストまで堪能できました。読後表紙のキーワードに気づきびっくり。面白い表紙ですね。題名もよくできてると思います。
読了日:7月27日 著者:知念実希人
怒り(下)怒り(下)感想
現場に残された「怒」の血文字。いったい山神はこの中の誰で、何をこの字に込めたのか。上巻ではそれを追いかけるミステリを読んでいるつもりでいたのですが、下巻になって少しずつこの本の意図しているものがまた別物でもあることが見えてきます。下巻ももちろん一気読みです。ガッツリ社会派ですね。山神に振り回されたそれぞれのストーリーはきちんと収束を迎えますが、決していいものばかりではありません。大事な相手について知りたいと思う事は当たり前ですが、知らないままで相手を信じることは意外ととっても難しいことですね。
読了日:7月24日 著者:吉田修一
怒り(上)怒り(上)感想
始まりは凄惨な殺人現場。その後複数の場所でそれぞれのストーリーが少しずつ進んで行くのですが、登場人物は徐々に増え不審な人物もそれぞれに出てきて先が気になって次々とページをめくってしまいました。初読み作家さんなのですがリーダビリティは凄いです。
読了日:7月24日 著者:吉田修一
ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会流氷館へ (講談社文庫)ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会流氷館へ (講談社文庫)感想
再読でした。すでに熊の取っ手あたりで一度読んでるなと思い出したんですがもう止められず最後まで。クローズドサークルの内と外、阿吽の呼吸の探偵二人が素敵です。ずるい?いえ伏線も見事です。みなさんのレビューを拝見し、意外と評価が低い人が多いことに驚きましたが、そういえば初読の時は私もユイやカケルがうざかったなぁ、と(笑)。ラノベのノリは味として新本格の王道を豪快にぎゅぎゅっと詰め込んだという感じのこの本、当然好みは分かれるでしょうが、私は再読でも十分堪能しました。
読了日:7月23日 著者:霧舎巧
郵便配達はいつも二度ベルを鳴らす (講談社文庫 け 2-1)郵便配達はいつも二度ベルを鳴らす (講談社文庫 け 2-1)感想
恋も良く知らない少女のころ初めて読んだ時は惰性で前半を読み、ラストに待っていたものに呆然とし、なぜ郵便配達?という、至極普通の感想を持ったのを覚えています。その後再読し郵便配達の意味するものになんとなく気づき、今回はあらすじもどうなるかもわかっているのにやはり後半では衝撃を受けました。今回は二人の愛の物語としてじっくり世界に浸かりましたが、私自身読むたび違った衝撃を受けるので人によって読後の感想は全く違うのだろうなと思います。新訳では読んでいないので是非読んで比べてみたいです。
読了日:7月19日 著者:J.ケイン
ダ・ヴィンチ 2015年 04 月号 [雑誌]ダ・ヴィンチ 2015年 04 月号 [雑誌]感想
「みをつくし料理帖」完結記念で高田郁特集が載っているということでお勧め頂きました。全巻徹底紹介として、すべての本の表紙絵と章題、さらには触りの部分まで書かれているのでそれを読んだだけで10冊すべて読み返したような気持ちになりました。名言、名シーン、料理と関連エピソード、とどっぷりと世界に浸かりました。4ページにわたって掲載されているロングインタビューは必見です。又次について触れられている部分にはドキッとしましたし、番外編をいつか読ませていただくのも楽しみです。シリーズお好きな方は図書館ででも是非♪
読了日:7月19日 著者:
つくもがみ (京極夏彦の妖怪えほん)つくもがみ (京極夏彦の妖怪えほん)感想
京極さんの妖怪えほんシリーズの中の一冊。この妖怪は怖くはありません。物を大切にするということを素敵に教えてくれる本…なのだと思いますが、私が子供のころこれを読んだとしたら、モノが踊ったりしゃべったりすることを想像してやっぱり怖い気がします。この本では大事に100年でも使える昔ながらの道具と、どんどん進化して使い捨てになる現代の機械との違いを思わずにはいられません。ラストページの一行も現代の子供たちにはとっても大事な素敵なメッセージですね。
読了日:7月19日 著者:京極夏彦
慟哭 (創元推理文庫)慟哭 (創元推理文庫)感想
読友さんの感想を拝見して読んだことがあるはずなのに全く思い出せなかったのがとても気になり再読してみました。連続幼女誘拐事件を追う捜査本部の佐伯と、心の穴を埋めるために新興宗教に徐々に嵌っていく松本という二つの視点で物語は進みます。途中で最後に待っている衝撃は思い出しましたが、どちらの視点の心理描写も巧みで本当に痛々しく「慟哭」という題名がぴったりだと初読時に思ったことも思い出しました。元々あまり明るい話を書かれる方というイメージはありませんが、今回私にはラストの一行の破壊力が強烈でした。
読了日:7月16日 著者:貫井徳郎
ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)感想
数年前、子供が「学校へ行きたくない」と言ったとき、とうとうこの日がきたのか、と思ったのを思い出しました。あなたなら大丈夫、あるいは、頑張って。そんな言葉がどれだけ重くて傷つくか。幸いにも私は間違った対処はしなくてすみました。大人だって同じ。人を怒らせる天才という言葉に納得してしまう主人公に痛々しさを覚えながらもその気持ちが分かってしまうのです。デビュー作だそうですが、きっとたくさんの方の心に入り込むでしょう。ラストはもっと違った展開でもよかったと思いますが読後感はとても良かったです。
読了日:7月16日 著者:北川恵海
恋する音川家恋する音川家感想
木下さんのノリは健在なのですが、ちょっと今回は音川家全員がぶっ飛びすぎててちょっとついていけなかった部分があります。いつもはもうページをめくるのがもどかしいほどどんどん読めてしまうのですが家族が多い分世界に入りにくかったのか、あるいはママの病気の件が笑いごとじゃなかったせいなのか、あまり。ママの神様の脚本についての一言は心に残りましたが、私は悪魔シリーズやサンブンノイチの方が好きです。
読了日:7月16日 著者:木下半太
夏目漱石、読んじゃえば? (14歳の世渡り術)夏目漱石、読んじゃえば? (14歳の世渡り術)感想
夢十夜は大好きで何度も読みましたが、正直漱石作品は途中で挫折してるものも多いです。コミックで読んだだけだったりあらすじ程度しか知らないものをそろそろしっかりと読みたいなと思っていたところへこの本を知りました。14歳の世渡り術ですからもちろん中学生あたりに向けて書かれていますが、奥泉さんの切り口は音楽に例えてみたりと納得させられてしまう楽しいものでした。「全部読まなくてもいい」「物語は無視してもいい」「未完でもかまわない」大人の私も未読のものはもちろん、一度読んだものもあらためて読み直してみたくなりました。
読了日:7月11日 著者:奥泉光,香日ゆら
ホット・ロック (角川文庫)ホット・ロック (角川文庫)感想
天才泥棒ドートマンダーシリーズ一作目。それぞれ癖のある4人の仲間とともに某国の国連大使の依頼で大エメラルドを盗み出すのですが…まず安易に仲間が捕まり、そんなことしたら絶対に…と思ったらその通りになって、と最初はちょっとがっかりしていたのですが、次々とやってくる不運と、それでもそれをなんとかしてしまうドートマンダーの頭脳と仲間のキャラにいつしか惹かれぐいぐい読み進めました。同じような繰り返しなのですがどんどん試練は厳しくなり用意する乗り物がどんどん派手になって笑えたし、ラストのオチもとっても良かったです。
読了日:7月10日 著者:ドナルド・E.ウエストレイク
毒殺者 (文春文庫)毒殺者 (文春文庫)感想
実際の事件に折原さんの解釈を加えて焼き直したもの…みたいなイメージでしたが、その事件をもとにまったく違ったミステリーに発展させたものだそうで、物語としての折原さんらしい展開は健在で、途中で惑わされ混乱し分かった気になってひっくり返される、と通常通り気持ちよく振り回されました。それでも今まで私が読んだ折原作品の中ではかなり素直で読みやすい方ではないかと思います。シリーズの原点とはいえ「仮面劇」の改訂改題ということなので他の「―者」シリーズとは少しテイストが違うようです。シリーズの他の作品も読んでみたいです。
読了日:7月9日 著者:折原一
てとろどときしん 大阪府警・捜査一課事件報告書 (角川文庫)てとろどときしん 大阪府警・捜査一課事件報告書 (角川文庫)感想
疫病神のシリーズ以外の作品は初めて読みました。疫病神での建設コンサルタント二宮とヤクザ桑原のテンポの良い応酬がとても好みだったのですが、今回はそれが刑事の黒まめコンビだったりと変わってはいますが短編集でも関西弁での弾むような気持ちの良いやり取りは健在です。決してスカッとするような事件ではないのですがそのおかげですごく楽しく一気に読んでしまいました。警察小説ではありますが時に本格だったり叙述だったりテイストもいろいろです。まだ読んでいない黒まめシリーズを始め黒川さんの他の作品も是非読んでみます。
読了日:7月8日 著者:黒川博行
毒入りチョコレート事件【新版】 (創元推理文庫)毒入りチョコレート事件【新版】 (創元推理文庫)感想
面白かったという以上に、すごく良くできた話を読んだ、という感想です。新訳にしては少々読みづらいと感じる部分がありましたが、メンバー6人がそれぞれその人でしか持ち得ない新しい手掛かりとともに順番に推理を披露していくというパターンにそれぞれのキャラの性格も加味されてページを追うごとに事件の背景が明らかになり、もちろん私自身も惹き込まれていきました。最終的にどうなるかは途中で予想がつきましたが、それでもラストシーンにはちょっと驚きました。でも読後落ち着いてみると下手にいじらないこのラストは絶妙な気がします。
読了日:7月7日 著者:アントニイ・バークリー
ナイルパーチの女子会ナイルパーチの女子会感想
ナイルパーチは獰猛な肉食魚でいわゆる白身魚はコレだとは知っていました。それを冠にした女子会となれば、優しい話のわけはない。それにしても出てくる女性は私には痛すぎました。女子中高生ならまだしも、大人になってから女友達ってそんなに求めて作るものなのかな。私自身が淡泊でべったりいつも一緒というのが理解できなかったほどなので、多少彼女達に共感できるものがあったとしても、いろんな行為や想いはとても受け入れられませんでした。力のある作家さんだとは思いますがこれは私は最初から最後まで読んでいて楽しくなかったです。
読了日:7月5日 著者:柚木麻子
ドS刑事 桃栗三年柿八年殺人事件ドS刑事 桃栗三年柿八年殺人事件感想
前半はあしゅら男爵事件とか、相変わらずのインパクトで浜田くんも通常通り、で普通にバカミスを楽しむ気でいたのですが、今回はマヤの父親の昔関わった事件と関わりがあり、途中からはバカミスを楽しむというより通常モードでミステリを読んでいました。マヤのドSは今回は薄めですね。ドラマでうっかり代官様が頼りないというイメージがついてしまっていましたが、原作は意外としっかりしているのを思い出しました。多少想像がついてしまう部分もありましたが、楽しみました。
読了日:7月4日 著者:七尾与史
雪の断章 (佐々木丸美コレクション)雪の断章 (佐々木丸美コレクション)感想
初読のつもりが公園のシーンで一気に自分の時間が逆流しました。既読だったのです。それも数年前とかいう次元ではなく、少女のころに。通常なら、母親の目線で彼女を見つめるところでしょうが、息つく間も惜しく一気にラストまで読みふけった数時間、私は少女に還って彼女と一緒に悩み、闘い、恋い焦がれ、この先に待っているものを思い出して切なくなりました。最後の手紙を胸がつぶれるような気持ちで読んだことも思い出しました。こんなに充実した気持ちで本を読んだのは久しぶりです。今初読だったらきっと違った受けとめをしたことでしょう。
読了日:7月3日 著者:佐々木丸美

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