2015年8月の読書メーター
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:7006ページ
ナイス数:2064ナイス


書店ガール 4 (PHP文芸文庫)書店ガール 4 (PHP文芸文庫)感想
皆さんの感想で主人公交代は分かっていたのですがやはり少し寂しいです。でも確かに二人はもう「ガール」ではありませんね。今回は前作では脇役であった就活を目前としたアルバイトの大学生愛奈と、契約社員から正社員しかも小さいながらも新店の店長とへの内示を受けた別書店の彩加が主人公です。若さゆえの失敗や挑戦。現在の就職を思い、娘を見守るような気持ちになりながらも、手袋の話に自分自身を重ねて自分らしい手袋をまだ私も探せるかななどと思ったりしました。向田邦子さんのエッセイ、私も読んでみようと思います。
読了日:8月30日 著者:碧野圭
([と]1-2)あん (ポプラ文庫)([と]1-2)あん (ポプラ文庫)感想
始めは訳あってどら焼きやさんを切り盛りすることになった千太郎が、「あん」作りを通して成長していく成長物語だと思いました。でもそれはほんの表面の一部分。「あん」を教示してくれた吉井徳江が振り返るの人生の過酷さに自分がどれだけハンセン病について知らないでいたのかを突き付けられます。それがたった20年ほど前までの真実。その後も間違った知識が一人歩きし、完治後も見てすぐわかる後遺症ゆえに与えられ続けた人種差別。最後のプレゼントでついにぼろぼろと涙がこぼれました。この本を手に取るきっかけをくれた映画化に感謝します。
読了日:8月30日 著者:ドリアン助川
最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵 (角川文庫)最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵 (角川文庫)感想
椹野作品って、本当に人物が生き生きとまるで見ているように描かれていると思います。そしてみんな一生懸命なので優しい気持ちになれて私はとても好きです。さて、ねつ造されたスキャンダルで芸能界を追放されてしまった俳優カイリ。実家に身を寄せることもかなわず自暴自棄になっていたところを「ばんめし屋」の夏神に拾われます。彼女の作品らしく幽霊や付喪神というちょっと不思議が同居したこのお話。カイリの成長物語でもありますがきっと夏神にも秘密があるのでしょう。ロイドとともに優しい登場人物たちの今後を見守っていきたいと思います。
読了日:8月28日 著者:椹野道流
表参道・リドルデンタルクリニック表参道・リドルデンタルクリニック感想
表参道の審美歯科でのお話。通常患者は口を開いてるわけだし、患者とドクターが話をする場面なんてあるのか?とつい突っ込みましたが、まあ一等地の審美歯科なのでありなんでしょう。グロさはなく軽く読みやすいですが探偵役の美人ドクターこの葉始め登場人物の魅力がほとんど伝わってこないのが残念です。また謎の方は伏線があからさま過ぎて読みながら答え合わせを読んでいるようになってしまいました。さすが現役歯科医、クリニック内の描写や説明は分かり易く大変興味深く読み進められましたがせっかくしっかり本格なので勿体ない気がします。
読了日:8月28日 著者:七尾与史
忘却のレーテ (新潮文庫nex)忘却のレーテ (新潮文庫nex)感想
いきなり始まるエピローグ。読者をつかむのが上手いと思います。毎日その日の記憶をリセットされる「レーテ」という新薬の臨床実験に閉鎖空間で参加する被験者たち。当然のように閉鎖空間で死体が出現しますが臨床実験が始まってから前日までの記憶がない被験者たちには全く犯人の想像などつきません。からくりは途中で読めてしまいましたし、目的や結果は好みではありませんでしたが、それでも読後気になっていた一部を読み返してそれが何だったかわかった途端背筋が寒くなりました。リライトシリーズよりは読みやすく分かり易いと思います。
読了日:8月25日 著者:法条遙
ヒポクラテスの誓いヒポクラテスの誓い感想
古手川刑事のシリーズに登場する光崎教授(法医学者)サイドのお話。法医学科に研修に回された内科医の研修医真琴を主人公に、光崎教授と准教授キャシーを加えた3人が一見不審と判断されない死体を扱っていく連作短編の形になっています。もちろん古手川刑事も大活躍。主人公の成長譚でもありキャラがみんなしっかりと立っていて読みやすく中山さんらしいと思いました。司法解剖が必要な事件や事故での医師側の思いや立場、また家族の思いなどずいぶん考えさせられるものがあります。続編を連載中とのこと、また違った彼らに会えるのが楽しみです。
読了日:8月23日 著者:中山七里
リロ・グラ・シスタ: the little glass sister (光文社文庫)リロ・グラ・シスタ: the little glass sister (光文社文庫)感想
高校生の探偵「私」はハードボイルドなヘビースモーカー。売春している子もいれば盗撮をして強請りをする子もいる。情報屋までもちろんすべてが高校生。学園ミステリでくくるには変な違和感を持ちながらそれでも読まされてしまいます。巧妙に隠されていたものについては途中で想像できますが、○○が○○であり、○○○でもあって○○だなんて!題名まで含め上手くできてると感心してしまいました。有名作家さんたちが絶賛のこれ、デビュー作なんですね。当然好みは分かれそうですが、しっかり「新本格」です。他の作品も是非読んでみたいです。
読了日:8月23日 著者:詠坂雄二
独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)感想
絶対受け入れられない人の方が多いはずなのになぜか私の読友さんたちから好評のこの本。実は以前図書館からお借りしたのですが子供の作文のようなですます調で綴られた最初の一編のラストに大きな衝撃を受け、呆然としたまま返却期日を迎えそのまま返却したという経緯があります。今回もう一度挑戦、と最初から読みましたがやはり最初のインパクトは凄い…などと思ってる場合ではありませんでした。その後も凄いです。グロさは意外と読み流せてしまいます。今、感想を書こうとして八編すべてに書きたいと思えることがあることに驚きました。SF色→
読了日:8月19日 著者:平山夢明
教会堂の殺人 ~Game Theory~ (講談社ノベルス)教会堂の殺人 ~Game Theory~ (講談社ノベルス)感想
今回はみんなほとんどが単独行動なので一緒になって頭を使い、それぞれが思ったこと、したこと、をなぞって泣きたくなりました。キャラ像は前作後半から少しずつ想像と離れ、最終的に思わず息を飲んだり呆然としたりする行動や結果が待っていました。ゲーム理論等、数学的なことは今回も上手いところを突いてきたと思います。最初のころのクローズドや密室の本格ミステリとは違いますし、最初のころの方が好きなんですが、でもこういう堂への挑戦も私は面白いと思います。ただし未読の方、注意書きはないですがシリーズは順番に読まないと辛いです。
読了日:8月14日 著者:周木律
ダ・ヴィンチ ビジュアルブックシリーズ 女が死んでいる (ダ・ヴィンチBOOKS)ダ・ヴィンチ ビジュアルブックシリーズ 女が死んでいる (ダ・ヴィンチBOOKS)感想
ごめんなさいと辛口レビューを書こうとして、先にみなさんのレビューを見て苦笑してしまいました。正直藤原ファンでなければこのカメラ目線の全く内容に合っていないフォトの羅列は厳しいと思います。写真いらないというレビューが多いのもわかります。でも写真抜きの貫井作品のみと考えたら軽めの中編一つで彼らしさも薄くちょっと物足りない気がします。せっかくビジュアルブックという挑戦をしているのでモデルは物語に沿って悩んだり苦しんだり唖然としたりという表情でドラマを見ているようなフォト配置だったら楽しめたのではないでしょうか。
読了日:8月14日 著者:貫井徳郎
新装版 殺しの双曲線 (講談社文庫)新装版 殺しの双曲線 (講談社文庫)感想
東京で起きた双子という特性を使った連続強盗事件で犯人に翻弄される警察の様子と、有名ミステリをオマージュした雪の山荘での連続殺人という二つのパートで話が進みます。トリックにはミスリードのおかげでなんとなく気づいてしまいましたが作りは本当に巧みだと思います。電車賃30円区間などと言われれば時代を感じますが古臭い感じは全くありません。犯人の動機などむしろ現代っぽい気がします。しっかり本格ミステリを堪能しました。ただし「そして誰もいなくなった」のネタバレを思いっきり本文中でしていますので未読の方はご注意を。
読了日:8月13日 著者:西村京太郎
あぶない叔父さんあぶない叔父さん感想
麻耶作品でした。などと書くと普通は変ですが、まあそれが一番の感想なので。表紙絵のシルエットに衣装と仕草、某有名探偵を意識しているのは明らかですが、おじさんは何でも屋。一話目、二話目とおじさんが危ないことをしっかりと認識するのですが、その後の三話目には驚かされました。この微妙な恐怖と読後感は決してファン以外にはお勧めできないし、好みというわけでもないけれどなんだか安心する麻耶ワールド。最終話まで読んで、むしろ語り手である優斗が危なくないか?と妙な不安がやってきました。そしてこれを嫌いじゃない私も危ないかも。
読了日:8月11日 著者:麻耶雄嵩
回想のぬいぐるみ警部回想のぬいぐるみ警部感想
警部の頭の中は相変わらずぬいぐるみのことでいっぱいですが、普通に端正なキャリア警部ですね。題名通り過去の事件を回想して真相にたどり着きますが、強烈なインパクトがあるわけではないのにどれも後味が苦かったりここで?って感じだったりむしろ西澤作品らしいと言えそうな読後感に浸かりました。前作でインパクトのある女子高生だった美月がたった2話しかでてこないのに今回も強烈な印象を残します。警部が大人しく感じ、むしろ彼女と則竹佐智枝刑事との掛け合いが印象的なのでそれはそれでシリーズの冠を変えるのもありなのかもしれません。
読了日:8月10日 著者:西澤保彦
殺意の集う夜 (講談社文庫)殺意の集う夜 (講談社文庫)感想
嵐の山荘で友人の園子以外全員をうっかり殺してしまった万理が見たのは園子の死体!話はこの嵐の山荘側と、ある殺人事件を追う刑事側との二つのパートで進むのですが、凄いリーダビリティです。もちろんこの二つのパートは最後に繋がるのですが、信じていたことが違ったという衝撃と、更にラストにヤラレタ!と。確かに伏線はあるのですがこの勢いで読んでいて分かった人は凄いと思います。最初の一行から最後の一行までミステリ、とのあとがきに納得します。若さゆえの作品とのことですがパズラーの西澤さんらしいストーリーで気持ちよかったです。
読了日:8月8日 著者:西澤保彦
夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社文庫)夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社文庫)感想
孤島での連続殺人。三次元キュビスムの館がどんなものかすごく気になりました。突然でてきた「う」に釘づけになり、微妙にいろいろなことが隠されていることに気づき、あれと犯人は分かった!と読み進めましたが映画のあたりから別の恐怖が…。メインはそこから先でした。エピローグの手前の一行は強烈です。最後に登場したメルが全てを解決してくれたかというと結局更にわからないことが増え納得できないままという。この厚さ、二回も読んでネタバレサイトも見て…。ああ麻耶さんってこういう人だったと、なんかそこに納得。でも嫌いじゃない。
読了日:8月8日 著者:麻耶雄嵩
翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)感想
つい先日読んだような気がしてましたが、8か月前でした。「夏と冬の奏鳴曲」を読もうとしたのですが、この本に心残りがあったのを思い出し、先に再読してみました。うーん。初読のときは全然わからなかったけど伏線はちゃんとしてるんですね。めちゃくちゃに引っ掻き回して山籠もりをする彼が愛しい。そしてその結果があれでいいのか!それにしてもやっぱり探偵の登場と退場は衝撃です。で、全てが終わってこの後どうなったんでしょうか。メルカトル、木更津それぞれのシリーズの時系列が気になるところです。
読了日:8月7日 著者:麻耶雄嵩
福家警部補の追及 (創元クライム・クラブ)福家警部補の追及 (創元クライム・クラブ)感想
「未完の頂上」は電書で読了済(http://bookmeter.com/cmt/36668760)もう一編は「幸せの代償」。いつも通り倒叙で丁寧に犯人の気持ちの変化を追っています。そして、事情聴取先の人に最後に一声かけることで相手に気持ちの変化を与えるところも同じ。(途中で須藤さんを発見♪)今回は中編であることで犯人側の精神的な厳しさがいつもよりさらに伝わってくる気がしました。ただ、今回2編とも犯人の追い詰め方が好きではないです。それだけ犯人の方が周到で仕方がないということなんでしょうが…。
読了日:8月4日 著者:大倉崇裕
七人の証人 (講談社文庫)七人の証人 (講談社文庫)感想
十津川警部と言えばトラベルミステリという印象なのでいきなり拉致されて孤島に、というスタートには驚かされます。題名通り、ある事件の七人の証人が集められ、十津川を立会人として、いわば私設法廷での再検証が行われます。読みながら証言というものについて考えずにはいられません。孤島には事件当時と同様のセット。そして孤島の中で更に起こる殺人事件。法廷ミステリの形でありながらクローズドサークルの本格ミステリでもあります。雰囲気は少し違っても通常通りの西村さんの読みやすさでぐいぐいとラストまで一気に読まされてしまいました。
読了日:8月4日 著者:西村京太郎
わたしの舞台は舞台裏 大衆演劇裏方日記 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)わたしの舞台は舞台裏 大衆演劇裏方日記 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)感想
大衆演劇の裏方さんである著者。現在は某大衆演劇場で女一人で全ての裏方の仕事を引き受け、トーリョーと呼ばれて頑張っていらっしゃいます。これを一人で回せるということは彼女自身にもものすごくセンスがあるのでしょうね。テレビで紹介されていて興味を持ったのですが、大衆演劇とはどんなものかすら自分自身があまりにも知らなかったことに気付かされました。舞台裏の世界はもちろんですが、大衆演劇そのものにいろいろな角度から触れていてとても楽しく読んで知ることができました。少し足を延ばして是非一度実際の舞台に触れてみたいです。
読了日:8月3日 著者:木丸みさき
地獄の奇術師 (講談社文庫)地獄の奇術師 (講談社文庫)感想
再読。この事件の時蘭子は高校生です。昭和の雰囲気(というか乱歩の雰囲気ですね)を持った本だということは覚えていたのですが、事件が昭和42年だということに驚きました。詳しい脚注を読み、もっと国内海外の有名古典にも触れてから読みなおそうと思ったはずなのですが何年も経った今、初読時と比べて自分の読書経験値がそれほど増えている気がしないのが残念です。また蘭子が賢いのはわかるのですがちょっと鼻について好きになれないのも初読の時と同じです。でもこの古き良き探偵小説の雰囲気は私は好きなのでゆっくり再読していきたいです。
読了日:8月2日 著者:二階堂黎人
まばたき (えほんのぼうけん67)まばたき (えほんのぼうけん67)感想
まばたきって、一瞬なんですよね。でもその一瞬の間に何かが起こってます。一つの場面を三枚の絵で表す構造がよくできていて、じっくりと前の絵と比較しながらページをめくることを繰り返しました。酒井駒子さんの絵を堪能できる一冊です。で、それに慣れたころ、ラストページで思わずのけぞりました。このページは大人の方が衝撃が強いでしょうね。ああびっくりした。
読了日:8月2日 著者:穂村弘
人格転移の殺人 (講談社文庫)人格転移の殺人 (講談社文庫)感想
再読。西澤さんのこの手のSF設定というのはとにかくルールがきちんとしていて例外がないのが素晴らしいと思います。頻繁に起こるマスカレードに混乱しながらも、初読のときは意味が分からなかったスプリットスクリーンに今回は納得して読み進められました。冷静に読み進めてしまうと人によっては意外と犯人と動機は理詰めでわかってしまうかもしれません。でも装置の意義やラストのオチなどなんだか優しくて嬉しくなります。再読でもじっくりと楽しめました。森博嗣さんの解説もとても良かったです。
読了日:8月2日 著者:西澤保彦

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