2015年9月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:5550ページ
ナイス数:1676ナイス


お任せ! 数学屋さん (ポプラ文庫 日本文学)お任せ! 数学屋さん (ポプラ文庫 日本文学)感想
中学2年5月に転入してきた宙は「数学で世界を救う」と、数学の力で何でも解決する「数学屋」を」始めます。隣の席の遥はある問題を数学で解決してもらい、その後数学屋を手伝うことに。最初は台形を二等分するようないかにも中学生という感じの問題と回答だったので、大人が読むにはちょっと…という感想だったのですが、その後恋愛不等式が出てくるころにはもうすっかり虜になって一気読みしていました。幸福度とか確率とか、なかなか楽しいです。中学生らしからぬ行動力も含め楽しみました。続編もあるようですので読んでみたいです。
読了日:9月30日 著者:向井湘吾
星の王子さま (新潮文庫)星の王子さま (新潮文庫)感想
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」この印象的な一言は忘れずに大事にしてきましたが、子供のころ読んだ記憶は小さな星からやってきた王子さまが禅問答みたいなことをやって自分の星に帰っていくという何ともゆがめられたものになっていまして、今回再読してみて驚きました。王子さまとの別れはこんな切ないものだったのか!!初読時と同様に薔薇やキツネとの会話はずっしりと心に響きますが、小さな星々で出会ったひとりひとりとの会話にもきらりと光る考えさせられる言葉が詰まっています。大人になってから是非再読すべき本ですね。
読了日:9月28日 著者:サン=テグジュペリ
1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編 (光文社古典新訳文庫)1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編 (光文社古典新訳文庫)感想
「最後の一葉」「賢者の贈り物」等、感涙ものと言われるこれらの作品でも皮肉な結末だと感じるひねくれ者の私ですが、すべての話がこの短いページ数の中ですとんと落とされることには感激します。岩波文庫の傑作選を読んでいるたのでいくつか重なっていたものがあり、同じ話を読むと訳者さんの力というものを見せつけられる思いがしました。岩波も読みやすいですがこちらの方がさらに理解しやすく砕いてある気がします。「献立表の春」などはこちらの訳がとても好きです。でも岩波は言葉選びの美しさを感じましたので甲乙つけがたいですね。→
読了日:9月27日 著者:O・ヘンリー
路地裏のあやかしたち―綾櫛横丁加納表具店 (メディアワークス文庫)路地裏のあやかしたち―綾櫛横丁加納表具店 (メディアワークス文庫)感想
父の遺品の作品が動くという怪奇現象を妖怪に解決してもらおうと路地裏に乗り込んだ洸之介が、そこで出会ったあやかしたちとのお話。児童書の分類でもいけそうな優しさです。表具屋という設定もいいですね。以前に絵を軸にした時はお任せだった一文字や風帯の選択が絵をどれだけ生かすか殺すかを担っていることなどを知ることもできとても楽しく読みました。主人公と父親との関係、たくさんのあやかしたちの事情など内容もわりとしっかりしていますが重すぎず読みやすかったです。続きが出ていますので是非この後の彼らも読んでみます。
読了日:9月25日 著者:行田尚希
RPGスクール (講談社ノベルス)RPGスクール (講談社ノベルス)感想
らいちのシリーズも衝撃でしたがこれもまた面白い設定ですね。RPGを夢中になって遊んだ世代としては、そこはアプリ使えよ、みたいな突っ込みをしながら他人のしているRPGを見ているような感じで読み進めました。RPGとしてはレベルアップしていく感じが少ないのがちょっと残念かな。超能力のある世界という設定も含めミステリとしてもちゃんと計算されていると思います。読後感も悪くないですがかなりあっさりめで物足りない感じはあります。そして私も恋人探偵は好きにはなれませんでした。
読了日:9月21日 著者:早坂吝
暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)感想
表紙からホラーかと思いましたが、基本はミステリですね。でもこの話はそんなくくりでくくったのでは勿体ないです。目の見えないミチルの家に殺人事件の犯人として追われて逃げ込んだアキヒロ。二人の奇妙な同居生活が始まるわけですが、この心理描写がものすごく巧みでその繊細さには驚かされます。登場人物に引っぱられすごく切なくなったり悲しくなったりもしましたがそれぞれの行く末が気になって希望を繋げながら読み進めました。とても優しい読後感です。あらためて乙一さんの凄さを感じた一冊でした。
読了日:9月21日 著者:乙一
解体諸因 (講談社文庫)解体諸因 (講談社文庫)感想
再読。バラバラ殺人ばかりを扱った短編集。ちゃんと匠千暁シリーズなのですが、一編目で視点「ヤスヒコ」って誰?と。友人を語るシーンにも彼らしき表現が出てくるしこの本を書いている時点ではまだウサコの代わりにヤスヒコが出てくる設定だったんでしょうか。そんなこともありシリーズの他の本に比べると感情移入や入り込みはしにくいと思います。でも少々無理やり感はありますが他のシリーズ短編集と違ってちゃんと連作短編になっていることには驚きました。デビュー作でもちゃんと綺麗に伏線を仕込んで過不足なく回収する様は見事です。
読了日:9月17日 著者:西澤保彦
謎亭論処―匠千暁の事件簿 (祥伝社文庫 に 5-3)謎亭論処―匠千暁の事件簿 (祥伝社文庫 に 5-3)感想
長編の間となる話、教師となったボアン先輩視点で学校関係の短編、また結婚したウサコと旦那様との一編など視点も時系列もバラバラですがスタンスは同じで安心して読めます。でもこのシリーズ、よく考えたらどれもこれも結構イヤミスだわ、などと思った今作。「新麦酒の家の問題」を読んで、そういえばシリーズ最初はタック視点で探偵もタックだった事を思い出しシリーズの変化を感じたりしました。ある話には「身代わりの仕事」だの「ウサコとの仲をとりもった」などという意味深な会話の断片も出てきて次の話への期待にドキドキしています。
読了日:9月14日 著者:西澤保彦
珈琲屋の人々 宝物を探しに珈琲屋の人々 宝物を探しに感想
前作の最後がえっこんなところで?という感じだったこともあって、シリーズ最終巻という紹介にどんな結末が来るのかと期待しながら読みました。早速当て馬が出てきますし、今回は「人を殺した手」を持つ行介の気持ちがかなりはっきりと描かれていることもあってドキドキしましたが、最終巻と知らなかった方のレビューが次作を待ち望むものであることでもわかるようにとてもすっきりとしたラストとは言い難いです。物足りなさは否めませんが、今の彼らにはこれが精いっぱいでいいのかもしれません。
読了日:9月12日 著者:池永陽
黒の貴婦人 (幻冬舎文庫)黒の貴婦人 (幻冬舎文庫)感想
「スコッチゲーム」と「依存」との間の2編と彼らが社会人になってからの3編の短編集。これはシリーズファンのためのプレゼントのようなものですね。「依存」を読んでいるので表題作と卒業後の一話である「夜空の向こう側」にはドキドキしましたが、読んでいない方にはミステリとしては物足りない気がしますし、シリーズの一冊として読むのをお勧めします。ウサコ視点のシリーズの雰囲気はそのままで安心します。メンバー以外の視点で卒業後のタックを描くのも新鮮でまたいい感じです。また表紙絵の素敵なこと。じっくり眺めて嬉しくなりました。
読了日:9月10日 著者:西澤保彦
依存 (幻冬舎文庫)依存 (幻冬舎文庫)感想
タックとタカチの話を盗み聞きするような形になってしまったウサコ。話はそのウサコ視点で数日前からそこに至るまでを振り返る部分とその場との交互に進みます。途中小さなたくさんの事件に対し推論を闘わせていくのはいつものことなのですが、読み終わってみるとそれらが決して独立したものではないこと、視点がウサコでなければならなかったことなど名作と言われる所以に納得しました。現在のタックを作った過去の出来事は重すぎるのですがラストの展開が見事でほっとします。読後タイトルがずっしりと響いてきました。
読了日:9月7日 著者:西澤保彦
暴走暴走感想
事故なのか陰謀か。最新型工業用ロボットに管理される化学工場で発生した薬物漏洩による災害。薬物汚染をこれ以上広げないために事件当時ちょうどその化学工場のシェルターにいた元刑事の警備員と離れた科学防護車の中にいる元同期の警部との切迫した電話やり取りと対処で話が進みます。ものすごい勢いで最後まで読んでしまいましたが実は突っ込みどころ満載で薬物に詳しくない私でもそれが可能ならなぜああしない!などと何度も思いました。同じような系統ですが「災厄」の方が出来はかなりいいと思います。いろいろ残念で勿体ないです。
読了日:9月4日 著者:周木律
果てしなき渇き (宝島社文庫)果てしなき渇き (宝島社文庫)感想
こんなに誰にも共感できない物語は初めてかもしれません。ノワール独特の臭いやグロさよりも誰もが自分しか可愛くないところが気持ち悪いです。それほど強烈で最低で怒りさえ覚えるのになぜか止める気にならないのです。救いを求めてただただページをめくって読み切ってしまいました。読み終えてみるとなにが真相だったかはどうでもよく、ラストの一ページが作者の書きたかった場面なのかと思えてきました。少なくとも「果てしなき渇き」という題名は秀逸だと思います。読ませる話だと思いますがお勧めはしません。
読了日:9月3日 著者:深町秋生
よちよち文藝部よちよち文藝部感想
著者がこのコミックエッセイを描くにあたって初めて読んだりしていますから本当によちよちです。でもそれだからこそ読みやすいのかもしれません。文豪たちの人となりをちょっと極端に面白く描き綴っています。読んでいるようでいて意外と読んでいないと反省させられた文豪たちの著書。そしてこれを読んでまた読んだ気に…はならないかな。元を読んでからもう一度読んだらさらに楽しめるし、逆にこれを読んでからだと読んだ本も違った読み方ができそうです。ただ純文学の特有の臭いってあると思うんですが、それが後半一気に来たのはきつかったです。
読了日:9月1日 著者:久世番子
私情対談私情対談感想
「神様の裏の顔」がなかなか良かったので本作には期待しながらも不安でした。いくつかの対談場面を切り取りそれぞれに発言者の心の声が長々とついてくるというなかなか斬新な手法です。穏やかな談笑のその陰で彼らの考えていることときたら…。最初はそれほど面白いとは思わなかったのですが、インタビューのその後が別の章で明らかになり、読者にだけわかる形で少しずつ繋がっていくと、うわぁ、という思いを持ちながらも楽しんで読み進めていました。現実として可能かどうかはともかく、手法の勝利だと思います。次作も楽しみです。
読了日:9月1日 著者:藤崎翔
朝が来る朝が来る感想
私も経験してきました。実の親や義母が何気なくかけてくるひとことが怖かった。夫側の辛さも同様に知らしめられました。作中人物の気持ちに重なって涙が出ました。彼らは本当に強い夫婦です。一方であったことをなかったことにしようと蓋をしたと、子供に思わせるような親の言動は理解できませんでした。元に戻るわけがないのです。私自身が全てを親に話してきたわけではなかったから、自分の子供を無条件で信じようとは思いません。でも、全てを丸ごと受け止めてずっと一緒に抱えていくことはできると思います。重い重い読書タイムでした。
読了日:9月1日 著者:辻村深月

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