2015年11月の読書メーター
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:7134ページ
ナイス数:2470ナイス


神酒クリニックで乾杯を (角川文庫)神酒クリニックで乾杯を (角川文庫)感想
クリニックのメンバーが全員エリートでクセがあるという、どのキャラもしっかりたっていてとても読みやすいです。キャラ読みできてしまってもストーリーはちゃんとミステリです。ただミステリ読みの性で、怪しい人に早々に気づいてしまい、ラストの展開も騙されるべきところは予想がついてしまったのですが、それでも面白さがそがれることはなくラストのスピード感などは十分楽しめました。知念氏の作品は「仮面病棟」しか読んでいないのですがどうやらこちらは鷹央シリーズとリンクしているようですね。そちらも是非読んでみたいです。
読了日:11月29日 著者:知念実希人
ラミア虐殺 (カッパ・ノベルス)ラミア虐殺 (カッパ・ノベルス)感想
初読み作家さん。読友さん絶賛の「黒と愛」を読むためにまずこれを。「背徳の本格」ってなんだよ、と思いながらの読み始めでしたが普通じゃないことが隠されているのはすぐわかりますし、それに加えて吹雪の山荘!連続殺人!面白くないわけがないじゃないですか。これを本格と認めるかどうかは賛否あるのでしょうが私は中身は意外にもちゃんと本格だと思います。最後の畳みかけるような展開はワクワクドキドキ。ラミア虐殺かー。万人受けはしない作品です。というかダメな人はダメだと思います。でも私は楽しかったので「黒と愛」も楽しみです。
読了日:11月26日 著者:飛鳥部勝則
獏鸚 (名探偵帆村荘六の事件簿) (創元推理文庫)獏鸚 (名探偵帆村荘六の事件簿) (創元推理文庫)感想
海野十三氏の作品が沢山青空文庫になっていることは知っていてもどの作品から読めばいいかもわからないし意外といつでも読めると思うと読まないもので…そんなところへの書籍化は嬉しかったです。文章は想像したほど古臭くはなく読みやすいです。時代を感じさせるものも悪くないですし、「俘囚」や「赤外線男」のような行き過ぎと感じるものも十分楽しめました。「振動魔」「人間灰」のような化学的で怪奇的なものは特に好みです。人により好みは分かれそうですが私はとても好きだったのでもっと早く出会いたかったです。
読了日:11月25日 著者:海野十三
トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)感想
子供のころ児童書で読んでいますが、翻訳としてしっかり読んだのは初めてかもしれません。柴田さんの訳は想像通りとても読みやすかったです。幼かった私にはよくわからなかったのトムの塀のエピソードは、今になって読むと思わず笑みがこぼれます。大変な問題児に思えていたトムの悪戯が親という立場になってみるといくらかやりすぎを感じても微笑ましく映ったりもします。洞窟のシーンは乱歩の某作品が重なってドキドキしました。唯一悪党の彼だけが痛々しかった。子供達がちゃんと怖がり、ちゃんと謝り、ちゃんと成長していくのが嬉しかったです。
読了日:11月24日 著者:マークトウェイン
死のドレスを花婿に (文春文庫)死のドレスを花婿に (文春文庫)感想
アレックスほどのグロさはありません。1章で何が起きているのか真実は何なのかソフィーと一緒に悩み、それが2章に入ったところですぐに理解できてくるのですが…それ以降が生理上嫌過ぎます。でもその2章に入ってからの方がぐいぐい引っ張られ読み進めてしまったのだからリーダビリティはかなりのものです。このまま終わるわけがない、さてどこでどうなるか。この狂気がすごく怖いです。そしてなんて悲惨な…。でも矛盾しているようですが、私にはかなり好みです。最後の仕掛けは気づいてしまいましたがそれも含めてラストまで十分楽しみました。
読了日:11月20日 著者:ピエールルメートル
あなたが消えた夜にあなたが消えた夜に感想
人物の相関関係がわかりにくいと聞いていたのでメモを取りながら読み進めました。だからわりとわかりやすくストーリーについていったと思います。3章以降は押し流されるように事件の一面を引きずられました。もともと警察小説やミステリを書かれる方ではありませんから体裁はそうであっても中身はやはり著者らしく人間というものの歪んだ部分や本心に迫っていたと思います。精神的なことに関わってくると本当に重く読んでいてかなりつらかったので、警察側のコンビがいい味を出していて救われました。過去のある彼らのその後も気になるところです。
読了日:11月19日 著者:中村文則
火花火花感想
文學界で既読。お借りできたので再読してみました。今まで芥川賞作品はみんな読みにくいものでしたが、これは本当に読みやすいです。ところどころに現れる心にまっすぐに切り込んでくる言葉は読書家の彼が自分の中に蓄えていたものを素直に私たちにぶつけてくる結果だと思います。純文学を普段読まない私のような人間に純文学を読ませ、芥川賞を身近にさせてしまったというだけでも凄い功績なのでしょう。今後もお笑いメインでの活動を予定されているようですが、少なくとも5冊は書かれるとのことなのでまずは次作を楽しみに待っています。
読了日:11月17日 著者:又吉直樹
分解日記 光二郎備忘ファイル分解日記 光二郎備忘ファイル感想
75歳の二宮光次朗は元理科教師で分解が趣味、というか壊れた機械はなんでも直してしまう技術者ですね。ただ彼は75歳という年齢ゆえにいろいろ忘れてしまうのです。そんな彼が傷害の濡れ衣を着せられ、逃亡、そして紆余曲折を経て犯人に迫ります。嫁の雪絵を初め、男女の双子の孫、被害者の所属するシルバー人材センターの人たち、更には事件を扱う刑事のコンビすらがとてもいい味を出していて猫弁同様の優しい雰囲気で気持ちよく読み進められました。ラストもとても良かったです。彼にはもっと頑張ってもらいたいのですが続編は出ないのかしら?
読了日:11月17日 著者:大山淳子
怪ほどき屋 からむ因果の糸車 (角川ホラー文庫)怪ほどき屋 からむ因果の糸車 (角川ホラー文庫)感想
ホラー文庫で、同じ題材を扱ったら相当怖いものもできそうなのですがこのシリーズは本当に軽くてサクサクっと読めてしまいます。事件を解くカギは知らない世界なのでミステリとしては読めませんが事件解決は楽しんで読んでいます。奈にうまい具合に使われる善という形もしっかり板につき、連作短編の形でパターン化してきたかな、と思ったりしたのですが奈の正体や雪緒との繋がりなどまだわからないことはたくさんあるのでした。最後に突然、奈の叔父という人が出てきて…穏やかではない関係のようで彼の過去がますます気になります。
読了日:11月16日 著者:南澤径
僕はもう憑かれたよ (『このミス』大賞シリーズ)僕はもう憑かれたよ (『このミス』大賞シリーズ)感想
半年前に亡くなった恋人のことで悔やんでいる真知の元へ、突然見知らぬ男がやってきて気になることを言って去っていきます。後日彼と再会した真知が話しかけると彼の方は全くその記憶がないようで…一方彼(美門)の方は自分の寝ている間に別の人格が行動していると思って対策を始めます。そんな状況を上手くミステリに仕立ててあります。題名から感じるような軽さで読み進められる一方で現代に巣食ういろいろな問題についても触れていて、どうにもならないことに悲しくなりました。綺麗なラストですが何年か先の落ち着いたその後も見たかったです。
読了日:11月15日 著者:七尾与史
100万分の1回のねこ100万分の1回のねこ感想
「100万回生きたねこ」はとても好きでたまに無性に読みたくなります。これは13人の作家さんがこの絵本に捧げた短編集。執筆されているのは有名作家さんばかりでとらねことしろねこに上手く例えたもの、独自の愛の詰まったもの、みんなそれぞれ良かったです。好みは角田光代さんと町田康さん。谷川俊太郎さんの読後の余韻も好きです。そして「100万回生きたねこ」という絵本の凄さも再認識しました。私自身があと何度か生き返ってもう一度人生をやり直そうとは思わないのは、今それなりに後悔しない毎日を送っているのかもしれません。
読了日:11月14日 著者:谷川俊太郎,山田詠美,江國香織,岩瀬成子,くどうなおこ,井上荒野,角田光代,町田康,今江祥智,唯野未歩子,綿矢りさ,川上弘美,広瀬弦
星読島に星は流れた (ミステリ・フロンティア)星読島に星は流れた (ミステリ・フロンティア)感想
隕石が頻繁に落ちる孤島での天体観測の集い。なんて魅力的な設定なのでしょう。最初の主人公の医師を取り巻く素敵な人々との日常に始まり、孤島では招待客とのやり取りが丁寧に書かれ、その後は見事に王道の本格ミステリを展開してくれます。隕石や流星の薀蓄も凄く楽しいです。登場人物たちの表現については賛否あるようですが私はこの柔らかな人物設定は読みやすく後味も気持ちよくとても好みでした。皆さんの高評価に納得の一冊でした。
読了日:11月14日 著者:久住四季
強欲な羊 (ミステリ・フロンティア)強欲な羊 (ミステリ・フロンティア)感想
イヤミスという分類のようですがホラー要素も強いです。米澤さんの「儚い羊たち~」が最初重なりましたが、どの短編もどっしり安定した読み応えでした。どれも女の嫌な部分を上手く抉っているのですが自分に重ねて見るような状況ではなく、高みの見物をしているようになってしまって「イヤ」部分よりラストに待っているものを楽しみました。「背徳の羊」がイヤミスとしては抜群だと思います。「ストックホルムの羊」が予想の斜め上を行ったのも印象的でした。ラスト一話の無理やり感も嫌いじゃないです。脚本家と聞いてなんか納得してしまいました。
読了日:11月12日 著者:美輪和音
黒いトランク (創元推理文庫)黒いトランク (創元推理文庫)感想
再読。初読のときはよくわからず、後に光文社文庫版の解説の図とにらめっこしたのを思い出します。この創元版は会話などにも手が入っているのかとても読みやすくあれほど難しかった人とトランクのルートが今回はちゃんと伏線があることも気づけて素直に読み進めることができました。ひとつひとつ足で稼いで真相を明らかにしていく過程は本当に細やかでもつれた糸が綺麗に解ける様は感動します。でも事件の関係者がもともと警部の関係者ということもあり、心に響いたのは犯人との対決シーンと独白。ただのアリバイ崩しだけじゃない読後感も好みです。
読了日:11月11日 著者:鮎川哲也
怪談えほん (8) くうきにんげん怪談えほん (8) くうきにんげん感想
綾辻さんの怪談えほんということでとても楽しみにしていました。牧野千穂さんのふわっと柔らかなイラストで描かれている頭部だけ動物の人間たち。うさぎの頭を持つ子供に語りかけるようにストーリーは進みます。うさぎの子供に自分を重ねて語りかけられていたら突然背中から冷気が忍び寄ってきた、そんな怖さ。絵も読み返してみているといろいろな不自然さに気づきます。これは大人より子供の方が相当怖いと思います。巻頭に某作家さんへの献辞があり、ある作品へのオマージュになっているとツイッターで知りました。そちらも是非読んでみます。
読了日:11月11日 著者:綾辻行人
鍵の掛かった男鍵の掛かった男感想
途中短編集など出ているとはいえ、火村シリーズ13年ぶりの書下ろしだそうです。警察が自殺と断定したある男のホテルでの死について調査を依頼されたアリス。生憎火村は入学試験の真っ只中で手が空きません。まずはアリス一人が探偵として乗り込みます。そんなわけで、珍しく前半はほぼ一人でアリスが頑張ります。火村合流後のやり取りと活躍も少なめですが期待は裏切りません。すでに亡くなった男について深く掘り下げていくこの話、地味ではありますが夢中になって読み進みました。相変わらず有栖川作品は文章の美しさに感嘆させられます。→
読了日:11月11日 著者:有栖川有栖
秋の牢獄 (角川ホラー文庫)秋の牢獄 (角川ホラー文庫)感想
[再読]この本に出会って初めての週末の11/7。学祭の娘を送り出し、夫と軽い昼食を済ませ、一人でショッピングモールで数時間。手頃な合皮のバッグとリップブラシ、ネイルを一本。明日の朝食用にちょっと贅沢な食パンを買って帰宅。毎年この日は一日の出来事をじっくり振り返ることになります。さて、一晩寝てリプレイヤーになっていたら、読み友さんに会いに出かけましょう。帰宅の心配はしなくていいからかなり遠くの読み友さんにも会えますね。同じ日に同じ本を読み友さんと共有できるという幸せを今年もありがとう(*^^*)
読了日:11月7日 著者:恒川光太郎
ペトロフ事件 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション (光文社文庫)ペトロフ事件 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション (光文社文庫)感想
舞台は戦前の満州。ロシア人富豪イワン・ペトロフを殺したのは三人の甥のうちの誰なのか。鬼貫警部によるアリバイ崩しものです。甥達の思惑はもちろん楽しめるのですが、戦前の満州での日本人中国人ロシア人という多民族のやりとりや情緒あふれる当時の情景が美しく描写されていて、まずはそこから楽しみました。アリバイ崩しは凝ってはいませんがひとつひとつ綺麗に潰していく安定したもので、時刻表や地図を眺めるのも(眺めるだけですが)楽しかったです。処女作で古い作品ですし本人は習作とおっしゃいますが文章は読みやすかったです。
読了日:11月5日 著者:鮎川哲也
無痛 (幻冬舎文庫)無痛 (幻冬舎文庫)感想
刑法39条の是非を問う、かと思えば話はそんなに簡単ではなく、次々とテーマを替え切り込んできます。無痛症の青年、心神喪失を装うストーカー。一家四人の惨殺事件の犯人は誰なのか。途中で痛みというのは自分を守るためにあるのだと分かった時の衝撃は大きかったです。流石現役医師、描写は目をそむけたくなるほど。でもいろいろなことが気になって600ページ余りを一気に読まされてしまいました。正直すっきりした読後ではないのですが読み応えは凄かったです。そして、私はもう当分プリンは食べられません(>_<)
読了日:11月3日 著者:久坂部羊
何者 (新潮文庫)何者 (新潮文庫)感想
大学入学試験が初めて世間に立ち向かう出来事のような気がしていましたが、現在の就職活動はそれの比ではありませんね。この本はそんな就活生を等身大で表現していますが、描かれていることは世代など関係なく決して他人事ではありません。SNSでの発信、例えばここでの書き込みすら取捨選択した文字たちです。選択した文字だけで表される取り繕った人格。成功していると思うのは自分だけ。最後の展開にドキッとする人は少なくないのではないでしょうか。痛々しくて切ないけれど、自分自身も振り返らずにはいられません。凄い作家さんですね。
読了日:11月2日 著者:朝井リョウ
この作家この10冊この作家この10冊感想
「本の雑誌」で連載されていた「作家の10冊」の中から50回分を選び単行本化したもの。著作をほとんど読んでいるような作家さんの回は案内がとてもよくわかって楽しみながらもえっ?!10冊にこれを選ぶの?(不満)となったり、著作を全く読んでいない作家さんのはよくわからなかったり…10冊を選んだ方の好みももちろんあるでしょうね。例えば島田さんの10冊を選んだのは伊坂さん。なんか読んでいて嬉しくなりました。これから読みたいと思っていたり一冊読んで気に入ったので次は何を、というときの参考にはとてもいいかもしれません。
読了日:11月1日 著者:
鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集 (角川文庫ソフィア)鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集 (角川文庫ソフィア)感想
図書館でお借りしたのですが、買って手元に置きたいと思ってふと調べてみたらちょうどカドカワのフェアをやっていて電子書籍で292円!思わず即購入してしまいました。タブレットで読むと大きく見えるので文庫よりお得感があります。石燕の絵とその絵に描かれた文の活字化のみでほとんど解説はないので詳しく解説がある方がいい方もいるでしょうが、むしろこのくらいの方が、絵本でも見るように他の物語を読んだとき姿形を想像してふとめくってみる、なんて使い方ができそうで手元にあるのが嬉しいです。これから何度も楽しみます。
読了日:11月1日 著者:鳥山石燕

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