2015年10月の読書メーター
読んだ本:22冊
ページ数:7661ページ
ナイス数:2390ナイス

二度のお別れ (創元推理文庫)二度のお別れ (創元推理文庫)感想
著者のデビュー作であり黒マメコンビのシリーズ一作目(てとろどときしんは既読)。疫病神シリーズのリズムの良い掛け合いやスピード感を知っていると少しテンポがゆっくりには感じますが、それでもとても読みやすいです。内容は銀行強盗が人質ごと逃げて、その人質に身代金一億円が要求されるというもの。正直途中で犯人は予想できてしまったのですが、それでも夢中になって読みました。そしてたどり着いたのはなんともやるせない重いラスト。確かに華はないかもしれませんが私は古くても古臭くはなくむしろ渋いこのコンビの話はとても好きです。
読了日:10月31日 著者:黒川博行
鉄道旅ミステリ (1) 夢より短い旅の果て (角川文庫)鉄道旅ミステリ (1) 夢より短い旅の果て (角川文庫)感想
鉄道「旅」ミステリ。四十九院香澄はある目的があって西神奈川大学の鉄道旅研究会の門をたたきます。「旅」ですからもちろん彼らは乗り鉄さん。最初は目的だけであまり鉄道に興味のなかった香澄が鉄道に乗ることやそこでの出会いを楽しみながら成長していくことが伝わってきて私自身も旅をするようにワクワクしながら読み進みました。ミステリといっても風味程度ですし気になる部分が今後明らかになるのかもわかりませんが2を楽しみに待ちたいと思います。追記の常磐線の記述がとても心が痛かったです。あるものがそのままあるとは限らないのです。
読了日:10月31日 著者:柴田よしき
大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)感想
トレーニングジムで出会った人々の連作集。中心であるゴンママというマッチョなオカマのスナック「ひばり」に集う彼らには実はそれぞれ抱えているものがあり…。一人一人が抱えている問題は決して簡単なものではなく本当に心が痛いものが多いです。優しい彼らが集ってするやりとりと、ゴンママからもらうきらっとひかる言葉は読んでいる私にもすごく響いてきました。彼らが自身で納得して踏み出す一歩はどれもとても良かったです。最終話でゴンママにそっと寄り添うチロが素敵な読後感を運んでくれました。またひとつ読メで素敵な本に出会いました。
読了日:10月29日 著者:森沢明夫
女王はかえらない (「このミス」大賞シリーズ)女王はかえらない (「このミス」大賞シリーズ)感想
女の子の母親やってるので、小学中学年というこの時期のスクールカーストが一番嫌なのは身をもって知っています。描写が生々しく現実に重なりそうで顔をしかめたくなりました。違和感を感じる部分があるので敏感な人はトリックに途中で気づいてしまうと思いますが、実はそれだけでは終わらず、更に複雑なことになっていました。そこまでのトリックが必要だったかはともかく、真相として明かされるその後には驚かされます。最後の最後あたりの部分は否定的な方も多いようですが私はこの歪んだ部分がある後味の悪さが逆に好みです。
読了日:10月27日 著者:降田天
ユダの窓 (創元推理文庫)ユダの窓 (創元推理文庫)感想
プロローグの事件時の被疑者視点以外は殆どが法廷でのお話。トリック(有名ですが私は結び付かなかった)を楽しむより法廷ミステリとしてとても楽しめました。プロローグで引っ掛かる点があったこともありグイッと掴まれて、あとはH・M卿の弁護に圧倒されながらぐいぐいと読み進めていきました。見えているものが見えている通りでなかったり、少し遠回りすることで優しさを感じたり、人間関係の浮き彫りになっていくところも素晴らしかったです。また巻末の瀬戸川猛資、鏡明、北村薫、斎藤嘉久4氏のミステリ談義が本当に楽しそうで素敵でした。
読了日:10月27日 著者:カーター・ディクスン
掟上今日子の挑戦状掟上今日子の挑戦状感想
シリーズ3作目。今日子さん!そんなにお金ばかり愛さないで!今回はずいぶん執着場面が出てきます。一話ごとに依頼人がそれぞれ違いますしきっちり短編で前作とはまた違った雰囲気です。「アリバイ」「密室」「暗号」とガッツリミステリの定番をさらっと解く今日子さんはさすがで、軽く楽しみました。今後今日子さんの謎が明かされる日はくるのかしら?ただ、お借りしたからいいけど、購入するにはちょっとこの薄さでこの値段だと躊躇してしまうかも。内容も短編なのでさらさらっと読めてしまうので…。それが作者の売りなのかもしれませんが。
読了日:10月26日 著者:西尾維新,VOFAN
掟上今日子の推薦文 (講談社BOX)掟上今日子の推薦文 (講談社BOX)感想
シリーズ2作目。今回は美術館警備員の親切守視点でストーリーが進みます。厄介くんが全く出てこないということは、つまり可哀想ですが彼は忘却の彼方でしょうか。相変わらず鋭い推理でしっかりと探偵の仕事をこなす今日子さん。前作より短編の連作としての繋がりが強く、もうほとんど一つの長編ですね。(もちろん今日子さんは毎回リセットされています)今日子さんが鑑定し、推定し、推薦するという一連の章題の流れがとても美しいです。事件の後味も悪くないし、なによりラストにわかる推薦が効いていて読後も気持ちが良かったです。
読了日:10月25日 著者:西尾維新
この部屋で君と (新潮文庫nex)この部屋で君と (新潮文庫nex)感想
アンソロとしてはとても良かったです。君と、と言っても男女の話ばかりではなくバラエティに富んでいてそれぞれの作家さんの色がとてもよく出ていたと思います。飛鳥井千砂「隣の空も青い」坂木司「女子的生活」が好みです。似鳥鶏「十八階のよく飛ぶ神様」はトンデモ設定なんだけど楽しかった!三上延「月の沙漠を」もしみじみと良かったです。ただ、一番最初の朝井リョウ「それでは二人組~」は朝井さんらしいのですが痛々しすぎて辛かったです。なんで無理やり相手に合わせるかなぁ。私には無理だわ。そもそも私はルームシェアなんてできないか。
読了日:10月24日 著者:朝井リョウ,越谷オサム,吉川トリコ,坂木司,似鳥鶏,徳永圭,飛鳥井千砂,三上延
江戸川乱歩傑作集 (1) 孤島の鬼江戸川乱歩傑作集 (1) 孤島の鬼感想
別出版社のものを読んでいますが表紙絵に惹かれてしまいました。出版社はリブレ。BL専門の出版社が乱歩をねぇ。もちろん中身が変わっているわけもなく、間に挿絵も入っていません。でも字の大きさなのかとても読みやすくてちょっとページをめくっていたつもりが一冊丸々最後まで読んでしまいました。底本は桃源社の「江戸川乱歩全集」(一時期小説の検閲により削除された部分も元の形に戻っています)だそうで難読漢字など少し編集が入っているようです。BLとして読むのはどうかとは思いますが乱歩にこんな形で入るのもありかもしれません。
読了日:10月23日 著者:江戸川乱歩
怪ほどき屋 (角川ホラー文庫)怪ほどき屋 (角川ホラー文庫)感想
霊能力がありながらやっつけ仕事を行ったため沢山の怨霊に付きまとわれている多賀宮が、奈と彼の秘書雪緒と出会い怪が原因で起こる事件を上手くほどいて解決していきます。オカルトミステリとしてはよくできてると思いますが、主人公のダメさ加減が半端じゃないし奈は得体のしれない唯我独尊男。私はこの二人+実は普通じゃない雪緒のやりとりがなんだか妙に楽しかったですが、好みによって評価がわかれそうです。エピローグのエピローグにもニヤリとしてしまいました。奈の正体や過去など気になる部分がたくさん残っているので続きを読まなくては。
読了日:10月22日 著者:南澤径
オニマル  異界犯罪捜査班  鬼と呼ばれた男 (角川ホラー文庫)オニマル 異界犯罪捜査班 鬼と呼ばれた男 (角川ホラー文庫)感想
ホラー文庫ですから確かにホラーではあるのですが、表紙絵から想像した通りキャラのしっかり立ったミステリでした。主人公は警視庁忌戸部署の鬼丸刑事。研修にやってきたベニー芳垣警部と組んで怪しい事件に挑みます。そんな中で二人の間には微妙な駆け引きが…。殺人描写はなかなかグロイですし彼らの隠している部分がわかるまではずいぶん?マークが頭の中に並びました。でもそれらが明らかになったらなんだか別の楽しさが♪人を選びそうですが私はこういうの好きです。読み終わってみると話は始まったばかりですね。続きが楽しみです。
読了日:10月20日 著者:田中啓文
三人目の幽霊 (創元推理文庫)三人目の幽霊 (創元推理文庫)感想
今や福家警部補で有名ですがこれは著者のデビュー作だそうです。落語を全く知らないのに「季刊落語」に配属された緑と編集長牧が落語を通じて出会う謎を解いていく短編集。落語に関する話は読んでいてとても楽しく、知っている落語も初めて知る落語もきちんと聞いてみたくなってきました。落語界の人間関係なども含めかなりひきこまれて読みました。謎解きは少々強引と思われる部分はありますが、さくさくと読みやすかったです。デビュー作でもさすが大倉さん、この一冊の中でもどんどん上手くなっていくのがわかるのでシリーズの続きが楽しみです。
読了日:10月20日 著者:大倉崇裕
倫敦千夜一夜物語 あなたの一冊、お貸しします。 (集英社オレンジ文庫)倫敦千夜一夜物語 あなたの一冊、お貸しします。 (集英社オレンジ文庫)感想
舞台は19世紀のイギリスで身分を隠した兄妹が営む貸本屋。日常の謎(殺人もありますが)に関わるミステリです。有名な本に絡めて謎が解決に向かいますが本の中身にかなり深く触れているのでネタバレではないのかとちょっと心配になりながらの読み進めでした。キャラは割としっかりしていますが謎解き部分含めかなり軽くてあっさりさらさら読めてしまいます。現時点では貸本屋じゃなく図書館とかで普通に学園ミステリでもいい感じでした。まだ二人が身分を隠すきっかけになった事件の方がそのままで気になるので続きもでたら読んでみたいです。
読了日:10月16日 著者:久賀理世
長屋狂言 濱次お役者双六 (講談社文庫)長屋狂言 濱次お役者双六 (講談社文庫)感想
シリーズ5作目。前作で思いがけず頑張ってひと山越えた濱次ですが、中途半端にできるところを見せたために中二階にも居場所がなくなってしまいました。素質がありながら自分を過小評価してちっともやる気を見せない彼を息子を見守るように時にイラつき応援しながらの読み進みでしたが、今回ようやく目に見えて双六の目が進んだようでほっとしました。みんな一生懸命で優しくて素敵なシリーズです。少し残念なのが初代香風が乗り移って舞う場面がなくなってしまったこと。濱次が自分で乗り越えていかなくてはいけないので仕方ないのですが。
読了日:10月16日 著者:田牧大和
ダイナーダイナー感想
文庫版を読んだばかりです。6章をほとんど書き換えたとあったので、図書館でお借りして比べてみました。確かにこれをまるまる削ったのか!という部分に行き当たりとても驚きました。これがあるとないとではまったくその人物に対しての印象や感情も変わってきます。私はなくして正解だと思います。また文庫版ではカナコがクライマックスであることをしますがそれもあった方が断然いいと思いました。もし読み比べたいと思われる方がいらっしゃったら文庫版を先に読まれることをお勧めします。逆だと変な先入観ができそうで勿体ないです。
読了日:10月11日 著者:平山夢明
蛇神 (角川ホラー文庫)蛇神 (角川ホラー文庫)感想
因習を扱ったホラーではあるのですがあまりおどろおどろしい怖さは感じません。怖さにひいてしまうというより先がどうなるかが気になってぐいぐい読まされてしまいました。前半の日登美の部で置き去りにされた謎が、後半の日美香の部で伏線を回収するように少しずつ明らかになるのですが、日美香があるものを持っていることで凄い武器が手に入ったようで読んでいてドキドキしました。シリーズ一作目ということなので気持ちよくすっきりという終わり方ではないです。是非続きも読んでみようと思います。
読了日:10月11日 著者:今邑彩
ダイナー (ポプラ文庫)ダイナー (ポプラ文庫)感想
最初の描写は健康な自分の指がズキズキ痛むほどとても辛いスタートでした。なのに、なによこれはっ!涎が出そうな美味しそうな料理、いろんな形でどこかが外れてしまっている殺し屋たち。それぞれの事情が切ないし悲しいし、いつの間にかしっかり惚れ込んでじんわりと心に沁みてくる。先がどうなるか気になって、ページをめくる手が止まりません。全く感情が追いつかないほど忙しかったです。そしてもうこれ以上ないくらいに完璧な落としどころ。スキン、菊千代、ボンベロ…なんて感想を書けばいいかわからないけど、要するに大好きです。
読了日:10月8日 著者:平山夢明
神様の御用人 (メディアワークス文庫)神様の御用人 (メディアワークス文庫)感想
怪我により野球の道を諦め仕事もやめてしまった良彦が、突然神様たちの御用を聞いて回る「御用人」を命ぜられます。いろいろな神様がいて、もちろん御用はそれぞれです。神様が引き籠りの中学生になっていたり最初は冒涜しているのじゃないかと不安になったりもしましたが、徐々に作者がきちんと調べて向かい合っていることもわかり、また最初はどうしようもない人間に見えてしまっていた良彦が、選ばれるべくして選ばれていることも感じとれて、優しい気持ちでじんわりほっこり読み進めることができました。シリーズの続きも是非読んでみます。
読了日:10月6日 著者:浅葉なつ
シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)感想
昆虫法医学ですから前作同様死体の描写はなかなかで、赤堀先生も相変わらずです。岩楯警部補と今回ペアを組むことになった月縞の変わっていく様子も楽しめました。また赤堀と警察側とは別に、ある村へやってきた藪木俊介の日常が並行して語られます。この二本がどのようにして絡むのかも読みながらとても楽しみでした。昆虫法医学でなけれは到達しなかったであろう真相。少し都合良すぎと感じる部分はありますが、事件そのものより真相に到達するまでのこの過程を楽しむシリーズですね。岩楯の相棒が変わってしまうのが勿体ない気がしました。
読了日:10月6日 著者:川瀬七緒
掟上今日子の備忘録掟上今日子の備忘録感想
気になってはいたものの、西尾作品初読みです。「眠ると」ではないのですが、何時間とかで記憶がリセットされるという人物の話は読んだことがあったので特殊設定というより切ない話と思って読み始めました。すべてを一日で忘れてしまうので一日で解決という一話完結の探偵小説で、とても読みやすくするすると読んでしまいました。いつどうやってその技を生み出しその方法を残しているかわかりませんが、すべてを失わないように少し抜け道があります。そんなことも含めて彼女の過去、これからがとても気になります。続きも是非読もうと思います。
読了日:10月2日 著者:西尾維新
煙霞 (文春文庫)煙霞 (文春文庫)感想
主人公は美術講師と音楽教諭の男女ですが雰囲気は疫病神のシリーズそのままです。最初は何が起きてるかわからないし、正直言うとそんな大した話じゃないんですけど、このリーダビリティはさすがだと思います。この一冊でたった一日ちょっとの話なんですから読み終わって驚きます。人により評価は低いかもしれませんが、私はすごい勢いで一気に読まされてどんでん返し(というか騙し合いですね)も楽しんだので十分満足です。これ、ドラマ化されたんですね。このテンポ、ドラマにはぴったりかもしれません。いつか見てみたいです。
読了日:10月2日 著者:黒川博行
人気の21店が教える 酒の肴240 (別冊家庭画報)人気の21店が教える 酒の肴240 (別冊家庭画報)感想
人気店の酒の肴のレシピが惜しげもなく紹介されています。夫が晩酌をしない我が家では酒の肴としては作ることはありません。でも酒の肴ってお酒じゃなくてご飯のお供にも美味しい物が多いですよね。書店でパラパラとみて本当に美味しそうで、じっくり読んでみたいと図書館で借りてきました。で、もちろんご飯のお供としても絶品だと思うのですが、私はむしろこの紹介されているお店に行ってその肴で飲みたいと思ってしまいました。つまりお酒が飲みたくなっただけだったという(笑)。でも自分でおつまみを作る家呑みさんにはオススメしておきます。
読了日:10月2日 著者:世界文化社
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