2016年1月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:5952ページ
ナイス数:2216ナイス


堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)感想
密室で不可解な死に方をした祖父、一瞬のうちに起きた三人の首切りによる死。村の秘密は比較的早めに想像がつきますがホラーを読んでいるようなおどろおどろしさは常につきまといます。中学生とは思えないほど大人びた子供たちの恋愛要素も絡む青春小説であり、殺人事件の解はめちゃくちゃなものではなくちゃんと説明がつくミステリ。さらにラストに仕掛けられたもう一枚は想像していたもののひとつ上を行き、最早楽しむのを超えてその作りに感心しました。好き嫌いのふり幅がとても大きい本だと思いますが、読むことができて本当に良かったです。
読了日:1月30日 著者:飛鳥部勝則
老人と犬 (扶桑社ミステリー)老人と犬 (扶桑社ミステリー)感想
とにかく訳が綺麗でとても読みやすいです。いきなり惨殺される家族である飼い犬、静かな老人の怒り。家族との絆、現れていく老人自身…。クズとしかいいような少年たちと親への復讐が成功するのか、じりじりする不安を抱えながら完璧なハードボイルドをぐいぐいと夢中で読み進みました。最初の斬殺部分よりもすべてが落ち着いた後の「あなたがわかる」シーンに号泣してしまいました。残虐非道な話を書く鬼畜系ホラー作家との評判だそうですが、これは異色なのかメインはそこではないです。逆に残虐非道な方もちょっと読んでみたくなりました。
読了日:1月26日 著者:ジャックケッチャム
犬神家の一族 (角川文庫―金田一耕助ファイル)犬神家の一族 (角川文庫―金田一耕助ファイル)感想
印象的な死体のシーン。白いゴムマスク。何が起こって真相は、くらいはなんとなく覚えていましたが、読友さんと話していて映像だけで原作をちゃんと読んでないことに気づき、慌てて読みました。しっかりと原作を追うとこんな話だったのか!という驚きも感じます。問題の遺言状を遺した犬上佐兵衛の人となりもそうですが、系譜に現れる人々の性格や行動の描写が一つ一つ納得のいくものなのです。例え映像で見ていなかったとしても視覚で読めるであろうこの世界、悲しい愛憎劇、でもそれだけで終わらせない金田一氏の優しい存在感。さすが名作です。
読了日:1月24日 著者:横溝正史
闇に香る嘘闇に香る嘘感想
長く積んでいましたが積んでいた事を猛烈に後悔しました。主人公は中国引揚者である盲目の老人。中途盲目の彼の世界と苛立ちは手に取るように伝わり、確執を生んでしまった腎移植が必要な彼の孫と娘の気持ちも痛いほどわかります。更に彼の兄は中国残留孤児でありそれが抱える問題や違法入国の話も出てきます。これだけ多くの重いテーマをいい加減ではなく扱いながら、物語は帰国した兄は本物なのかというきちっとしたミステリで仕上がっていて、彼と一緒に手探りで進んだ物語のラスト、すべてが繋がった時はため息がでました。とても良かったです。
読了日:1月23日 著者:下村敦史
居酒屋ぼったくり〈2〉居酒屋ぼったくり〈2〉感想
本当に日本酒を飲みに行きたいです。お料理は難しいものではないけれどやっぱりコツがありますね。これもやはり作るよりぼったくりに行って食べたいです。今回は昔ながらの商店街の後継者の問題やチェーン店との共存なども入ってきてなかなか難しいのですが、常連さんたちとの連携や知恵で少しずつ活路が見いだされていくのが素敵です。昔と比べて今は何でも簡単に食べられてありがたみがなくなり、食べたいものがなくなったというのは実感しています。「今夜なに食べたい?」「美味しいもの。」作る身にもなってくれ゛(`ヘ´#)
読了日:1月22日 著者:秋川滝美
スクラップ・アンド・ビルドスクラップ・アンド・ビルド感想
私の父は難病で、少しずつ症状が進んで要介護になりました。でも車椅子になっても可能な限りは、と自分で車椅子に移動するし、箸が持てなくなってもフォークを握って自分で食事をとります。今後良くなる見込みがなく進行を遅らせるためだけに頑張る父の姿は私には神々しいほどです。私が同じ病気になったなら早くお迎えに来てほしいという考えてしまうかもしれません。足し算介護、過剰介護。でも介護側がつぶれてしまうわけにもいきません。この本に描かれたことは極端な一面かもしれませんが、介護とはなんだろう、とあらためて考えさせられます。
読了日:1月20日 著者:羽田圭介
居酒屋ぼったくり居酒屋ぼったくり感想
亡き両親のあとを継いで居酒屋を守る姉妹。姉美音さんの腕もサービスも両親にしっかりと仕込まれていて確かです。どこの家庭でも出てくるような料理で金をとるのはぼったくりだというところからついた屋号ですが、当然ぼったくるわけはなく常連さんたちにとても愛されているお店です。皆さんのレビューに惹かれて手に取ったのですが、優しいお話でとても良かったです。出てくるメニューはすぐ食べたくなり、日本酒が飲みたくなり、夜に読んだら大変です。自分で作っても同じ味にはならないのでしょうが。優しい要さんとの今後も楽しみです。
読了日:1月19日 著者:秋川滝美
恋と禁忌の述語論理 (講談社ノベルス)恋と禁忌の述語論理 (講談社ノベルス)感想
事件が起き、個性的な探偵が謎を解き、それが正しいかどうかを主人公が叔母のところに検証してもらいに持ち込む、という連作短編の形になっています。章ごとに現れる探偵はそれぞれ別で個性的で印象深いです。叔母の硯は謎解きの検証に数理論理学を使います。これはいわゆる数学特有のとっても簡単なことをとっても遠回りしながら証明するようなやつで、私はこの手のことが大好きなので文章が文字の記号で並ぶだけで楽しくて楽しくてワクワク式を追いかけましたが対偶とか数学的帰納法とか嫌いだった人は辛いかもしれません。でもそこがメイン→(続
読了日:1月19日 著者:井上真偽
桜の下で待っている桜の下で待っている感想
東北新幹線を利用する客一人一人の短編と、最後にその新幹線で働く売り子さんの一編です。どのお話も家族との関わりをテーマにしていますが、過度に重くはなくかといってわざとらしいハッピーエンドでもなく、ふわっとあたたかかったり切なさを残したり、ちょっと息苦しかったりするものもありましたが、でもちょうどよい余韻を残してくれました。家族だからこそ、ちょうどよい距離感はとても難しいものです。好んで手に取る種類の本ではないのですが、たまにはこういうのを読む時間もあっていいと思いました。
読了日:1月16日 著者:彩瀬まる
異人たちの館 (講談社文庫)異人たちの館 (講談社文庫)感想
行方不明になった息子の伝記をゴーストライターとして書いてくれと言われた主人公。彼の半生を追っていくうちに何やら見えない糸にからめとられるように巻き込まれていきます。折原作品ですから、あることが仕掛けられているのはわかっています。でも身構えて読んでいたのに全くわからなかったです。そこか!だからか!と納得するのがそりゃあもう気持ちよいほど。そしてそのまま気を抜いてもいけないのです。内容を覚えているうちに絶対もう一度読み返して楽しみたいです。
読了日:1月14日 著者:折原一
億男億男感想
辛口ご容赦。猫の本もそうでしたがもしかしたら私はこの作家さんと合わないのかもしれません。もしくは読んでいてあまり面白いとも思わなかったのはお金はそれほど好きじゃないのかもしれません。最後までストーリーは想像の域を出なかったので淡々と読んでしまいました。彼が買ったもの、最後のベタな展開も嫌いじゃないのですけど。でもところどころにちょっと印象的な言葉がありました。ネタバレ→「ほとんどの正解は、取り返しのつかない時になって初めて気づくものだ。」「人は、明日を生きるために’何かを欲する’生き物だから。」
読了日:1月13日 著者:川村元気
天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex)感想
シリーズ2作目。こちらに収録の3編はどれも人間味あふれる思いやりの詰まった優しく切ないお話です。前作同様に十分に楽しみました。実はこの本は病院で読んでいたのですが、若い看護師さんが私の手にしているコレを見て、「このシリーズ面白いよね!」と声をかけてくれたのが印象的でした。何にも考えずにさらっと時間を流したくて選んだ本でしたが、医療関係者にも面白いと言わせてしまうこのシリーズの凄さを実感しました。
読了日:1月11日 著者:知念実希人
天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)感想
nexだしこの表紙絵だしと軽く読み始めたら、なかなかどうしてしっかりした医療ミステリです。凄く読みやすくてさらさら読めますがさすが知念氏、医療関係のことはしっかりと読み手に分かりやすく噛み砕いて説明しています。それでいてキャラがそれぞれの特徴を持って生き生きと動いているのが楽しいです。子供のような鷹央先生。彼女が今回出てきたことばかりではなく、いろいろなものを抱えていることは想像できるので今後がとても気になります。是非続きも読んでみます。
読了日:1月11日 著者:知念実希人
東京結合人間東京結合人間感想
凄い。こんなむちゃくちゃな特殊設定でその設定を綺麗に生かしてきっちり本格。前半はエログロに辟易しながら読み、船に乗ったらあっという間に…!!あの設定とあれは…などと想像はしたけれどクローズドサークル内のあれこれ、更にはエピローグまで想像の一枚上をいかれた感じです、無駄なく綺麗にできていると思います。難があるとすれば凄いエログロだからどうも話にどっぷりつかるというより一歩引いた目線で読んでしまい楽しかった!という感じではないところかな。でもこれからが楽しみなので今後もこの作家さんは追いかけて行きたいです。
読了日:1月9日 著者:白井智之
永い言い訳永い言い訳感想
子供のまま大人になってしまったような衣笠が突然妻を事故で亡くしたことで直面する自分自身。自分に都合のいいだけの彼の言動にはイライラします。同じ事故で妻を失った大宮にも。でもこの人間の自分勝手な嫌な部分は誰もが多かれ少なかれ持っていることでイライラするのは自分にそれを突き付けられている気がするからかもしれません。彼らの心の機微の表現が秀逸です。どんな時間も永遠ではありません。常に何らかの言い訳をしながら人は生きていくものなのかもしれません。私自身は素直に感動するには既にいろいろ経験しすぎてしまいましたが。
読了日:1月5日 著者:西川美和
メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官感想
シリーズ4作目。水気の多い村で見つかったバラバラ死体の一部。科学捜査で出る死亡推定時刻と、虫が知らせる死亡推定時刻に差異があり…。今回のペア山岳救助隊員牛久もなかなかいいキャラです。そして今回強烈なのは雨の音。そうとう免疫がついた気でいましたがさすがにあれはぞわぞわっと体中がかゆくなりました。過去の被害者家族が加害者へする嫌がらせも常軌を逸して恐ろしいです。腐臭によってくる虫より人を刺す虫の方が怖いかも。途中でなんとなく予想がつく部分はあるのですが、最終的に待っていたものはその想像を超えて強烈でした。
読了日:1月4日 著者:川瀬七緒
人狼城の恐怖〈第4部〉完結編 (講談社文庫)人狼城の恐怖〈第4部〉完結編 (講談社文庫)感想
年末年始の繁忙期で細切れ読書になってしまったのが悔やまれます。読み手としては実際の現場を見ないうちから蘭子が次々と披露していくことにただただついていくしかありません。城の秘密に関してはふと思いついたものかもしれませんが、これだけの大掛かりな事件を疎漏なく作り上げた作者には感嘆を覚えます。世界一の長さにふさわしく内容もしっかりと読み応えのあるものでした。あとがきや解説まで含めてしっかりと楽しみました。確かに長いのですが他の蘭子シリーズよりは読みやすいので本格好きの方は是非。
読了日:1月4日 著者:二階堂黎人

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