2016年2月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:6225ページ
ナイス数:2099ナイス


亡霊館の殺人亡霊館の殺人感想
カーへの愛がいっぱいに詰まった一冊。二編はHM卿が活躍する短編。カーについてのエッセイが2編。そして「吸血の家」を短編化したもの(カーをリスペクトして書かれています)。私はこういうものだと知って手に取っているのでいいのですが、もし二階堂さんの新作本格モノが読みたいと思って手に取ったらがっかりするかもしれません。内容がこんなわけですし、字は大きくて行間も広い。一字あたりとか考えたらずいぶん割高な感じです。これから読む方はミステリを読むというより作者のカーへの愛を読むつもりで手に取られる方がいいと思います。
読了日:2月28日 著者:二階堂黎人
煽動者 (実業之日本社文庫)煽動者 (実業之日本社文庫)感想
テロリストシリーズ、「撹乱者」の続編ということのようですが特に読んでいなくても問題はないです。共通して出てくるのは串本氏のみ。指令をひとつひとつ別視点で語っていた前作と違って、今回は長編でしかもクローズドサークルで殺人が起こってしまいます。参加者それぞれの本名すら知らない状況で理詰めで犯人を導き出すという驚きの本格。出た答に納得させられてしまった事、組織の実態がなんとなく見えたこともあって前作と違って読後はすっきりです。ラストの一行も悪くないです。
読了日:2月27日 著者:石持浅海
ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫)ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫)感想
プロローグでちょっといぶかしく思い、翌日のシーンでもしや?と思い、その後答え合わせのようにひとつひとつを読み進めていくしかなくなったので、変に勘がよかったことを残念に思いながらの読み初めでした。でもそれが最後に説明されて、ああ!となるのではなく、ちゃんと彼が事情を理解してからの日々の積み重ねがとても良かったので、二人の行動の一つ一つが本当に愛おしかったです。それなりに年齢を重ねたせいか泣ける話とはなりませんでしたが、たまにはこういう話も悪くないです。
読了日:2月24日 著者:七月隆文
ペンギンを愛した容疑者 警視庁総務部動植物管理係ペンギンを愛した容疑者 警視庁総務部動植物管理係感想
シリーズ3作目。動物たちの薀蓄も楽しく、安心して読めます。相変わらずの薄巡査の不自由な日本語に苦笑しながらしっかりと楽しめました。今回はペンギン、ヤギ、サル、そしてヨウム。最後のヨウムの話だけはペットのアンソロジーで既読でしたがこれが一番好きかな。このシリーズでの動物たちはみんな飼い主やお世話係、薄巡査ときちんと心を通わせるのがわかるのがなんとも微笑ましくときに切なく心打たれます。薄さんは今後どうするか決めたようですが、今後の須藤さんがとても気になります。続きが待ち遠しいです。
読了日:2月24日 著者:大倉崇裕
ピンクとグレー (角川文庫)ピンクとグレー (角川文庫)感想
映画のプロモーションを見ていたので、何か隠されているのかと構えて読んでしまいましたが、映画の方は原作を読んだ人でも楽しめるように少し手を加えてあるんですね。余計な知識を入れていて勿体ないことをしました。素直に読んでたらもっと楽しめたと思います。彼の作品は初めて読みましたが、確かにデビューはアイドルの看板を下げていたからかもしれませんがちゃんと力があって次々作品を出せているのだろうと感じました。軽さもありますが持ち味ともいえると思うしじっくりと話の中に浸かって楽しめたので是非他の作品も読んでみたいです。
読了日:2月20日 著者:加藤シゲアキ
モナドの領域モナドの領域感想
遺棄された右腕に群がる捜査員の情景から始まり、ベーカリーで焼かれた腕を模したパン…普通のミステリ?と思いきや…。そうだった、これは筒井さんじゃないか。「普通」じゃないよね。難しい哲学的理論も言葉遊びのようなところもきちんとついていった気がしていたのですが、読み終わってみると実はよくわかっていないかも。でも煙に巻くような最後の紙の束のところなんてすごく好きです。作品の総まとめ的な気持ちで書かれたであろうこともちゃんと伝わってきました。人によりダメな人もいるかもしれませんが、私はまたゆっくり読み返したいです。
読了日:2月20日 著者:筒井康隆
お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂 (4) (メディアワークス文庫)お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂 (4) (メディアワークス文庫)感想
今回は水羊羹、きんつば、水饅頭。今回ももちろん人情話ではあるのですが、日常の謎というより「あのきんつば」がどのきんつばなのか、などという和菓子そのものの謎や、新しい味の作成など、主人公栗田の技術に舌を巻きながら写真のように目に浮かぶ美味しい美しい和菓子を思い浮かべて楽しく読み進めました。葵の方の事情もようやく徐々にではありますが明らかになっていきます。次の5巻で一区切りとのこと、葵の過去の件が一段落するのでしょう。和菓子の薀蓄などは楽しいのでその後も続いたら嬉しいです。
読了日:2月20日 著者:似鳥航一
つまをめとらばつまをめとらば感想
いつの時代も女は強くしたたかです。関わった女性を男性目線で描くものが多いので女性の怖さのようなものもにじみ出てきますが、6つの話に出てくる女たちは決して特別な女性ではないと思います。「ひともうらやむ」「乳付」が好みです。直木賞選考委員の宮城谷さんが、短編集だが全作品が水準以上、受賞にふさわしい文章力と構成力、とおっしゃっていましたがまさしくその通りだと思います。ただ、しっかりできすぎていて男たちが淡々と状況を受け入れ話も淡々と進んでしまうので読む方も淡々と…そのあたりが勿体ない気がしました。
読了日:2月17日 著者:青山文平
弦のないハープ またはイアプラス氏小説を書く。弦のないハープ またはイアプラス氏小説を書く。感想
ゴーリーの処女作だそうです。後の韻を踏んだリズム感のあるセンテンスに慣れてしまっていたのでしっかりとした文章(といってもいろいろな名前などウイットに富んでいますが)が隙間なく続くのにちょっと驚きました。でも作家が話を作り出す苦悩の時間がじわじわと伝わってきて読み応えのあるものでした。壁紙まで細かい線でじっくりと書きこむイラストは処女作から健在です。読後イラストを何度も見返し新しい発見も楽しみました。得体のしれない生き物「ファントッド」も!イアブラス氏、あれ、苛立たしく思っただけじゃなくて買ったのね。
読了日:2月17日 著者:エドワードゴーリー
浜村渚の計算ノート 6さつめ パピルスよ、永遠に (講談社文庫)浜村渚の計算ノート 6さつめ パピルスよ、永遠に (講談社文庫)感想
今回はメルセンヌ素数、ナポレオンの定理、ド・モルガンの定理、そして古代エジプト数学。集合論は好きだったので懐かしく、どもるがん、ってひらがなにすると妙に可愛いなどと思いながら読んでいました。最後の古代エジプト数学は、生活にとても密着していてとても興味深かったですし、ちょっとした仕掛けも楽しめましたが、他の章は数学が好きじゃない人は楽しいのかなぁ、ってだんだん思えてきました。初期のころの方がもっと数学ってこんなに楽しいのよ!って感じがあふれていた気がします。とはいえまた続きも楽しみに待ちます。
読了日:2月16日 著者:青柳碧人
時をかける眼鏡 医学生と、王の死の謎 (集英社オレンジ文庫)時をかける眼鏡 医学生と、王の死の謎 (集英社オレンジ文庫)感想
別シリーズに喋る眼鏡が出てきたりしますがこちらは題名に眼鏡があっても単にタイムスリップした医学生がかけていただけのようです(少なくとも現時点では)。医学生の彼が過去に現代医学の知識を持ち込んで謎を解くのですが謎はとてもあっさりで物足りないです。「謎」に惹かれたのでその点は残念です。普段ミステリを書く作家さんじゃないのでミステリとして読んではダメなんでしょうね。でも法医学者さんなのでもっとガッツリ専門的なミステリもできれば是非書いて欲しいです。シリーズとして続いているようなので今後に期待します。
読了日:2月13日 著者:椹野道流
絶叫絶叫感想
凄惨な孤独死体となって発見された鈴木陽子。彼女の人生を離婚した女刑事が追う視点と、その鈴木陽子にたいして「あなた」と呼び彼女の人生をなぞる視点との交互で物語が進みます。社会から棄てられたという線はどこで引くのでしょう。壮絶な彼女の人生、ひとつひとつの出来事にそれこそ絶叫しそうになりながら読みました。女刑事の立場や事情も正視できませんでした。私が家族から同じような人生を与えられたとしていったい何ができたか、想像すらできません。何一つとして共感できない考えるのも辛い、でも全く目の離せない、そんな物語でした。
読了日:2月12日 著者:葉真中顕
生還者生還者感想
雪崩事故から生還した二人が話す異なる遭難者たちの人物像。遭難者の弟と女性ジャーナリストが真相を追います。4年前に遭難事故で婚約者を亡くしサヴァイバーズ・ギルドを感じている兄がなぜまた山に登ったのか。山岳ミステリですがひとつにはこのサヴァイバーズ・ギルドをテーマとして読者をぐいぐい引っ張ります。実際は技量や日程などかなり突っ込みどころはあるのですが一気に読み進めてしまいました。エピローグも良かったです。過去の遭難事件の一部だけは後味が悪くて好きになれませんが三作目にしてこのパワー、これからも楽しみです。
読了日:2月10日 著者:下村敦史
スフィアの死天使: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)スフィアの死天使: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)感想
鷹央と小鳥遊が出会ってすぐのお話で番外編扱いなのか番号もなく長編です。連作短編のシリーズ中では息の合った二人ですが、出会ってから距離感を測りながら少しずつお互いを知っていく部分はとても良かったです。今まではどの話も未知の知識の医療ミステリでしたが、今回脳の話のところは某病気の関係で知識がありすぐわかってしまったので楽しさが半減してしまうかと心配しました。でもそれはたった一部分で全く心配の必要などなく十分楽しみました。病気や彼らの経験も含め、色々なものが詰まった考えさせられることがいっぱいのお話でした。
読了日:2月9日 著者:知念実希人
水底の棘 法医昆虫学捜査官水底の棘 法医昆虫学捜査官感想
シリーズ三作目(四作目は既読)。このシリーズはハズレはないですね。なかなか被害者の身元も判明せず、法医昆虫学者赤堀さんの見解は警察とは真逆で、相変わらず警察本部を納得させるための証拠を探して走り回ります。虫が苦手なはずの私でさえ先が気になり、真相が気になり、ぐいぐいと読み進めてしまいました。今回岩楯警部補の相棒はメモ魔鰐川に戻っていてなんだかそれが嬉しいです。初登場の鑑識堀之内氏もいい味出してます。ラストの展開は結末はわかっていても本当にドキドキしました。○○マテラピーも楽しかったです。十分楽しみました。
読了日:2月8日 著者:川瀬七緒
救済のゲーム救済のゲーム感想
1851年のインディアン虐殺にまつわる神の木の祟りの伝説。その木のある全米オープンの18番ホールで見つかった、伝説をなぞったような凄惨な死体。事件に巻き込まれたプロゴルファーが真相に挑みます。しっかりと伏線も貼られたきちんとした本格だと思います。ゲームシーンも現実はそんなにうまくはいかないとわかっていても読んでいてとても楽しかったです。イメージはしにくいかもしれませんがゴルフを全く知らない人にも分かりやすい説明がされていると思います。ゴルフが紳士のスポーツであることを読んでいるうちに何度も思い出しました。
読了日:2月7日 著者:河合莞爾
天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア (新潮文庫nex)感想
呪いの動画を見て自殺を図る女子高生。男性アレルギーで触れられただけで肌に炎症が起こる女性。そして最後は水のない密室で溺死した病院理事長の息子!!前作は人間味あふれるやさしさの詰まったお話でしたが、今回はしっかり医療ミステリで読み応えは抜群です。医療に詳しくない私のような人間でもきちんとついていけるようになっているのはさすがです。鷹央と小鳥遊の信頼関係は相変わらずで、二人がお互いからきちんと学んで成長しているのがわかるのが読んでいて嬉しいです。次作も楽しみです。
読了日:2月3日 著者:知念実希人
居酒屋ぼったくり〈4〉居酒屋ぼったくり〈4〉感想
近くの社宅はとうとう工事が始まりました。それによっていろいろと周辺も騒がしくなり今後の商店街がどうなるのかかなり気になるところです。一話まったく居酒屋の外でお酒が出てこない話があったのが印象的ですが、美音の細やかさには驚かされます。いつも通り商店街の人々の悩みを美味しく解決していくのも素敵で、今回は優等生っぽい要の実は、という面がいろいろ垣間見えるのも楽しかったです。おばさんから見ると無自覚な美音のいろいろがなんともむずがゆいですね。毎回思いますが、本当に日本酒が飲みたくなる本です。それも銘柄指定で!
読了日:2月2日 著者:秋川滝美
掲載禁止掲載禁止感想
短編集です。題名が示しているような話ばかりですから当然楽しいものではありません。最後にガツンとひっくり返されるというよりじわじわとあーそういうことだったのか…って感じでぐずぐずとイヤーな後味を運んできます。ですが出版禁止のような、いろいろ隠されていたり後あとまでモヤモヤを引きずるという感じでもありません。ホラーや残虐なものも意外と平気な私ですが、これはちょっと違う感じです。敢えて言えばやっぱり気持ち悪い、かな。イヤミスの分類になるのでしょうか。正直、好きなタイプではないです。
読了日:2月1日 著者:長江俊和
居酒屋ぼったくり〈3〉居酒屋ぼったくり〈3〉感想
相変わらず美味しそうな料理の数々とすぐに飲みたくなる様々な日本酒。今回印象的だったのは美音の茶碗蒸しの出汁。その後いろいろと考えてしまう美音に何様だと言えてしまう要も凄い。筍の皮に包んだ梅干しは亡き祖母が自分が食べたいと作って小さな子供だった私にも作ってくれたことがあります。もちろんその思い出が私の思い出の付箋となりましたが、祖母自身の付箋はどんなものがついていたのでしょう。当時聞いたかもしれないのに覚えていないのが残念です。
読了日:2月1日 著者:秋川滝美

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