2016年4月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:5951ページ
ナイス数:1811ナイス


赤い博物館赤い博物館感想
「警視庁付属犯罪資料館」へ左遷された捜査一課の巡査部長。館長はキャリア美女で、そこで保管されている未解決事件を彼を足にして安楽椅子で解決してしまう連作短編の形になっています。視点である巡査部長がしでかしたことがあまりに稚拙で最初読む気が失せましたが、一つ一つの短編はしっかり本格で読みやすく結局すぐに夢中になって読みふけってしまいました。だからこそ余計に左遷の理由はミスより嵌められたとかの方が良かった気がします。彼女自身については何もわからないままなので続きがあるのでしょうか。気になります。
読了日:4月27日 著者:大山誠一郎
記憶屋 (角川ホラー文庫)記憶屋 (角川ホラー文庫)感想
つらくて忘れたい記憶を消してくれるという都市伝説のような「記憶屋」。遼一は記憶屋によって思いを寄せていた先輩から彼女のトラウマの原因と一緒に自分の記憶を消されてしまいます。そんな彼が記憶屋に近づこうとして出会う記憶屋を必要としている人たち。それぞれが抱えているものは大きくて切なく悲しくなります。そして記憶を消してもらうことが正解なのかどうかも考えさせられます。ホラー小説大賞読者賞、書店員が絶賛、等に期待しすぎてしまい一応綺麗にオチがついてるけれど想像よりかなりあっさりに感じてしまったのが残念です。
読了日:4月24日 著者:織守きょうや
人魚の眠る家人魚の眠る家感想
とても難しいテーマです。私自身が母親ですから、薫子のしていることは決して特別な事ではないと思います。私もできる限りのことを納得するまでするでしょう。人によって、立場によって、同じ答えが出るわけがない。そしてそれぞれの立場を理解し尊重することがどれだけ難しいか。物語としては、ずっと気になっていたプロローグがラストに綺麗に繋がってこれだけ重いテーマでも読後感は悪くありません。意思をはっきりとさせておくことは移植を待つ人のためだけではなく残された人が悩まないようにすることでもあることを思い知らされました。
読了日:4月21日 著者:東野圭吾
天久鷹央の推理カルテIV: 悲恋のシンドローム (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテIV: 悲恋のシンドローム (新潮文庫nex)感想
シリーズ4冊目(番外含むと5冊目)。安心して読めるシリーズですね。基本今回は病院外で事件の捜査や推理をしているのですが、それでもしっかりメディカルミステリです。後半には小鳥遊がデキル医師であることを思い出させられる場面もありました。メディカルミステリは自分で答えにたどり着くことは出来ませんが、明かされる謎解きに、明かされる背景に、本当に切なく思いながら読みました。読み終わってみると副題がぴったりなのに驚きます。シリーズのこの先、二人がどのような方向へ展開するのかを含めてとても楽しみです。
読了日:4月20日 著者:知念実希人
みんなの少年探偵団2みんなの少年探偵団2感想
すごい贅沢なアンソロ。好き作家さんばかりで読むのが勿体なかったです。どこか乱歩が書いているようでいて、でもやっぱり作家さんの色はきっちり出てるんです。さすがとしか言いようがないです。作家さん自身が本当に楽しんで書いているんだろうなと思います。坂木さんの「うつろう宝石」が結構王道っぽくて好きかな。平山さんの「溶解人間」は題名から想像した通りに乱歩世界の中に平山ワールドが展開しました。ただ、好き作家さんゆえの期待値が大きいのかどれもご本人の世界での短編を読むことを思って多少の物足りなさは感じてしまいました。
読了日:4月20日 著者:有栖川有栖,歌野晶午,大崎梢,坂木司,平山夢明
傑作しぞーか弁傑作しぞーか弁感想
実家で発掘。上京後、方言を使っているつもりはなかったのですが、イントネーションが違うのだそうで(つまり認めたくはないが訛っていたらしい)「市役所」「まくら」など何度も指摘されました。さらに娘が初めて祖父母にあてた手紙には驚愕!「しぞーかのおじいちゃんおばあちゃんへ。このかみはかきにくいのでよくめーません」子どもは正直です(笑)。それはさておき、この本は静岡へ転勤になったなどいきなり静岡弁の渦の中に放り込まれた人には辞書としてお薦めです。県民は新聞社へ届いた読者葉書のエピソードを楽しめることでしょう。
読了日:4月19日 著者:
退出ゲーム (角川文庫)退出ゲーム (角川文庫)感想
冠は青春学園ミステリ。実はアニメは一話で見るのをやめてしまい、今回も読み始めて学園の日常の謎だからかイマイチ入り込めないな…などと思っていましたが、2話目から話はどんどん重くなり高校生とは思えない知識を披露するハルと一緒に真剣に向き合うチカや周りの人たちに惹かれぐいぐいと引っ張られて読み進みました。学園の些細な謎だけではなく家族の絆や愛情を嫌というほど感じさせてくれます。謎解きもしっかりとしていてシリーズが人気なのも頷けます。もちろんシリーズ追いかけます。アニメも見ておけばよかった…。
読了日:4月18日 著者:初野晴
ナオミとカナコナオミとカナコ感想
ミステリ読みとしては、最初から’なんて杜撰な!!’としか思えません。あれもこれもとりあえず偶然が作用しただけ。でも実際の犯罪なんてそんなもんなのかもしれないとも思ったり。DV夫は絶対に許せないけれど、逃げるための選択が排除というのにはそもそも共感できないし女のこういう友情もちょっと理解し難い。なのにふと我に返るといつの間にか二人が逃げ切れるようにドキドキしながら祈り読み続けている自分がいました。これは作家さんの力なんでしょうね。ドラマも見ましたがこちらの方が断然好みです。
読了日:4月15日 著者:奥田英朗
その可能性はすでに考えた (講談社ノベルス)その可能性はすでに考えた (講談社ノベルス)感想
ある事件が「奇跡」であることを示すために、奇跡でない可能性が「全て」否定されることを示す。可能性のあるトリックを探偵に示し、探偵はそれを否定する、の繰り返しなので、人によって賛否というより好き嫌いの分かれそうな物語の作りですね。最後まで上手く考えてよく作り込んであるとは思うのですが、一見個性のありそうな探偵のキャラにも何人かの中国人のキャラにもどうも寄り添いにくくて話のつくりとしては好物であるにもかかわらず入り込みにくかったのが残念です。でもこの作者さんの方向性は好きなので今後も期待しています。
読了日:4月14日 著者:井上真偽
リカ (幻冬舎文庫)リカ (幻冬舎文庫)感想
妻子に文句もない夫が普通にこういうことするのがちょっと嫌。この本で出てくるようなネットの怖さは今は大分浸透しているけれどスマホで簡単に繋がってしまうことへの危機感は今の人はかなり薄いでしょうね。まあそれは置いておいて。なんか彼女の風貌や臭いが想像できて怖いというより気持ち悪いです。加筆されたエピローグがまた…うぅ。ホラーとして人間離れした言動が書かれているけれどここまでじゃなくたって自分本位で粘着質な似た感じの人って現実にいそうです。続編は読むべき?ホラー嫌いじゃないし一気読みしたけど続けては無理かも。
読了日:4月13日 著者:五十嵐貴久
櫻子さんの足下には死体が埋まっている (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている (角川文庫)感想
題名からホラーを想像しますが全くそうではなく本当にライトなミステリでグロさもないです。浜辺で掘り当てた人骨を、見つけたのは自分だからと持って帰ろうとするような、美人でちょっと変わった骨好きの櫻子さんとワトソン役の高校生正太郎。骨に遭遇する彼らが事件の真相も…という連作短編なわけですが櫻子さんは特に真相を明らかにしたいわけではなく、論理的に事件の真相をするっと説明するものの(しかも特に骨からではなく)後味もそんなに良くはなく…でもキャラもたっていて手軽に楽しめて悪くなかったです。続きも読んでみます。
読了日:4月10日 著者:太田紫織
猫間地獄のわらべ歌 (講談社文庫)猫間地獄のわらべ歌 (講談社文庫)感想
そもそも密室で死んだ男を殺人として証明しろ、という初っ端の展開が笑えます。でもちゃんと時代小説でちゃんと本格ミステリで…だけど途中であら!これ好き♪のメタ展開。そこでのやり取りがまた楽しいのです。他にも見立てとか館とかアリバイとかぎゅうぎゅうと詰まってます。そして最後にダメ押しが来て力が抜けました。言われてみればあれもこれも伏線じゃないか。落ち着く先がそれとは、絶対誰も思わないでしょう。壁投げ本?いやいや本格好きな私ですが十分楽しみました。
読了日:4月8日 著者:幡大介
悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと感想
とても優しいお話。色々な事情で「普通の」家庭に恵まれなかった人たちが猫を通じて、あるいは猫を介した人々を通じて変わっていきます。本質的に悪い人間が出てこないこともありますし、猫好きさんの心には染み入りやすいのかもしれません。個人的な感想ですがこれは元気な人、元気になった人が読む本。実際に現在進行形で闘っている人には非現実で逆に辛い気がします。ちょっと出来過ぎの偶然が重なっていると感じて私は冷めた目線で読んでしまいました。結局は読む人を選ぶってことでしょうか。
読了日:4月7日 著者:瀧森古都
ヨイ豊ヨイ豊感想
浮世絵は刷るもので、売れなくなったら版木を掘りなおす、という当然のことにすらこの本を読むまで思い至りませんでした。時代を写した現在残る浮世絵がどれほど貴重かあらためて思いを馳せました。幕末、明治と移ろいゆく時代。浮世絵を守ること、襲名を受けること。主人公清太郎の前にそびえたつ努力では越えられない壁がとても切ないです。どんなに蔑まれても信じるところを貫き通し、最後にわかる表題の意味はグサリと胸に突き刺さります。私にとって決して読みやすい本ではありませんでしたがいまだ余韻が冷めません。読んで良かったです。
読了日:4月6日 著者:梶よう子
狐火ノ杜 ─ 居眠り磐音江戸双紙 7 (双葉文庫)狐火ノ杜 ─ 居眠り磐音江戸双紙 7 (双葉文庫)感想
シリーズ7作目。物語の流れに大きな変化はありませんが、相変わらず頼まれては巻き込まれお金にならない人助けをする磐音です。なにか一つ感想を、と書こうとして、おこんさんの一言が響くあのシーン以上のものを思い出せないことに気づきました。皆さんの感想もやはりずらっとそればかり。切ないですね。
読了日:4月6日 著者:佐伯泰英
さよなら妖精 (創元推理文庫)さよなら妖精 (創元推理文庫)感想
学生の軽い日常の謎系?と思いながらのめり込んで読み進めていったので、テーマの重さに途中でかなり凹みました。海外からやってきたマーサをどう受け止めるかで読み手の感情は相当変わると思います。基本、私たちは自分に直接関わってこないことに無頓着です。守屋が考えること、しようとすることは年を重ねた身では冷静に受け止めてしまいますが、気持ちはわからないではありません。作者がこうした二人の出逢いと別れを綴ったちょっと変則なミステリに乗せることで重いテーマをそっと投げかけるところは嫌いではないです。続編も読んでみます。
読了日:4月4日 著者:米澤穂信
南青山骨董通り探偵社 (光文社文庫)南青山骨董通り探偵社 (光文社文庫)感想
気になる作家さんでしたが、機会がなく今回初読みです。主人公は大手企業にいるものの思い通りの仕事ができず「うだつの上がらない」日々を送っています。そんな彼が探偵社にスカウトされ…。キャラミスと言ってもいいくらいキャラが立っていて、どうやらシリーズになるようで今作は登場人物の紹介も兼ねている感じです。主人公が思ったより行動力があり男前でした。事件の真相や裏側などちょっと…と思う部分があったりしますが読みやすくさらさらっと一気に読ませてもらいました。続編も、著者の他のシリーズも是非手に取ってみたくなりました。
読了日:4月4日 著者:五十嵐貴久
スーツケースの半分はスーツケースの半分は感想
ひとつの青いスーツケースが繋ぐ連作短編集。30を目前とした女性たちという主人公の選択が絶妙だと思いました。私はその頃、彼女たちの誰とも違う状況にいたけれどやっぱりいろいろ考えていたことを思い出しました。彼女たちはスーツケースとの旅に背中を押され、心を軽くし決意を新たにしていきます。彼女たちとの旅を終えたスーツケースのその後の流れもとても素敵です。読後までとても爽やかでした。で、こんな素敵な話なのにずっと気になってたのが、こんな青い革のスーツケース、いったいいくらするの!という下世話な事…ごめんなさいっ!
読了日:4月1日 著者:近藤史恵
D町怪奇物語 (幻冬舎文庫)D町怪奇物語 (幻冬舎文庫)感想
木下さんらしいホラー短編集。この厚さに13編も入っているので短いものは10ページ程度で夜眠れなくなるような怖さではないです。でも結構ツボはついてると思います。「夫婦幽霊」はそれでいったい何を伝えたいの?!ですが物件の事故がその結果なのかものすごく気になります。「カウンターの復讐屋」が違う意味で怖いかも。でも私は真剣に状況を考えてあとから怖さが伝わってくる「真夜中の怪談大会」がベタですごく好きだったりします。作者のバー経験から、とのあとがきが実話?と読後想像してしまい…。D町には絶対住みたくないですね。
読了日:4月1日 著者:木下半太

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