2016年5月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:5861ページ
ナイス数:2039ナイス


ノッキンオン・ロックドドア (文芸書)ノッキンオン・ロックドドア (文芸書)感想
一人は不可能(HOW)担当、もう一人は不可解(WHY)担当という二人の探偵が事件に挑む連作短編です。これは好きです。二人の思考や会話が見分けにくく時々混乱したのがちょっと残念でしたが、大人な私には高校生の別シリーズよりこちらの方が好みかもしれません。短編であっさりでも青崎さんらしくどれもきちんと本格で嬉しいです。一番の好みは有名作をオマージュした「十円玉が少なすぎる」かな。シリーズになっているようなので、いずれ明らかになるであろう彼ら+二人の過去が気になります。…読後思わず表紙をじっくり見てしまいました。
読了日:5月29日 著者:青崎有吾
ヴィヴィアンの読書会 (PHP文芸文庫)ヴィヴィアンの読書会 (PHP文芸文庫)感想
一応王道のミステリですね。犯人も隠されているものも意外と簡単に予想できてしまい、さらさらっと最後まで。悪くはないです。ただ、これ七尾さんなんですよね。死亡フラグ、ドS刑事、山手線探偵、圏内ちゃん…すっと思い浮かぶだけでキャラ立ちしてる作品がたくさんあるわけです。別にこの作品に問題があるわけじゃないのですが正直七尾さんを読むならこれじゃなくっても、というか七尾さんである必要ある?って思ってしまいました。普通の軽いミステリを読みたいならいいかもしれませんが、いつものノリを求めるならこれは違うと思います。
読了日:5月28日 著者:七尾与史
チョコレート・コンフュージョン (メディアワークス文庫)チョコレート・コンフュージョン (メディアワークス文庫)感想
凶悪面の純情リーマン×がんばり過ぎなOLの、涙と笑いの激甘ラブコメ! と紹介にありますが、まさしくそのままです。といっても凶悪面の純情と表現されていますが、実際は貌よりも真面目で優しくて一生懸命ゆえに逆に行動が痛々しいんですよね。(剛田くんに例えてる人が多いですが、私は第三章あたりから某アニメの次男にしか見えなくなってしまい、苦笑しました。)でもそこも含め本当に微笑ましいお話です。まるでコミックを読んでいるように情景が思い浮かび、思わずきゅんとしたりニヤニヤしたりしながらストーリーを楽しみました。
読了日:5月25日 著者:星奏なつめ
ハーメルンの誘拐魔ハーメルンの誘拐魔感想
犬養刑事シリーズ。今回のテーマはワクチン禍。同じ時期に接種を受けさせた娘を持つ親として身を切られる思いで読みました。時間が経てばたつほど事態が悪くなることがなんでわからないのか。怒りはどこへぶつければいいのか。読み進めているうちに実行犯も黒幕も想像できてしまうのでミステリ好きには向かないかもしれませんが、この件に関してあまりご存じない方に社会派小説として届くのではないかと思います。誘拐事件は最終的に要求が通るように本当によく考えられていて、犯人の頭の良さが印象に残りました。(コメ欄個人的事情による感想)→
読了日:5月23日 著者:中山七里
本格ミステリーは探偵で読め!―Standard Mystery Detective GuideBook本格ミステリーは探偵で読め!―Standard Mystery Detective GuideBook感想
探偵ものを読みたいけど、何を読もうかな。と考えていたところでちょうどこの本を本棚から発掘しました。発行年は2000年。ほとんど読んだかしら、と思ったけれどそうでもなかったです。半分くらいかな。既に読んでいる本もここで取り上げられているものは再読したいと思うものばかりでした。印象的だったのが火村英夫氏に対して、「そろそろサザエさんのごとく年をとらなくなっても不思議じゃない」と記述があったこと。そうそう、最初は作者と一緒に年をとってました。さて、古い本がいろいろ読みたくなりました。何から手を付けましょうか。
読了日:5月20日 著者:
バリ3探偵 圏内ちゃん 忌女板小町殺人事件 (新潮文庫nex)バリ3探偵 圏内ちゃん 忌女板小町殺人事件 (新潮文庫nex)感想
ネット掲示板「忌女板小町」で炎上した事件から始まって、本人特定、実際の殺人事件の調査…と今作でも圏内ちゃんこと緑子と朔太郎は警察に協力し頑張ります。今回は事件を追う側の描写と、全く別の場所の描写との二つが交互に描かれるので読み手としては想像しやすい部分はありますが、想像以上に簡単に人物特定のできるIT社会に少々恐怖も覚えながら読み進めました。小毬という肉食系女刑事も味がありますが、ドS刑事シリーズのマヤたちと絡んだのも楽しかったです。圏内ちゃんが変わろうとしているのでシリーズの今後も楽しみです。
読了日:5月20日 著者:七尾与史
恩讐の鎮魂曲恩讐の鎮魂曲感想
どこかで聞いたような船舶事故。足りない救命胴衣を暴力によって女性から奪って自分だけ助かった男が裁判で「緊急避難」により無罪となる…。プロローグだけでも衝撃です。前作で窮地に立たされた御子柴は多少の変化はあれど弁護士を続けていて、恩師の窮地を知って立ち向かおうとします。罰せられることを望み協力的でない恩師の弁護をどのように展開するか、御子柴の変わっていく心情が手に取るように伝わってきて、胸の痛い思いをしながら振り回され、読みふけりました。相変わらずテーマは重いです。変わっていく彼の今後も是非お願いします。
読了日:5月16日 著者:中山七里
喪失の儀礼 (新潮文庫)喪失の儀礼 (新潮文庫)感想
何度かドラマ化されている本作。先日の放送を見ましたが、原作の方は初めて読みました。ドラマでは医療サスペンスという紹介をしていましたが、ちゃんと犯人捜しでトリックもある本格ミステリで、刑事が足で稼いで犯人に迫っていくものでした。一気に真相に迫るラストは夢中になって読み、想像しなかった結末に息を飲みました(2016年版ドラマとはちょっと結末が違います)。久しぶりの清張作品でしたが、思った以上に読みやすかったのでまたいろいろ読みたくなりました。
読了日:5月13日 著者:松本清張
火の粉 (幻冬舎文庫)火の粉 (幻冬舎文庫)感想
ほぼ有罪が出ると思われていた殺人事件の容疑者に裁判官だった自分が過去に与えた無罪判決。その男が三世代で住む自宅の隣家に引っ越してきます。彼は様々な善意を向けてきますが過剰でなんだかおかしい…。とにかく怖いです、こんな何を言っても通じないような自分だけの価値観を持っている男。介護、育児等で疲れた心にするりと入り込んで、更には邪魔者を排除して。過去の事件の被害者遺族も絡んで犯罪小説というよりホラーを読んでいるようでした。まさしく「火の粉」です。夫と義父が本当に情けなく、色々なところでイライラしてしまいました。
読了日:5月11日 著者:雫井脩介
みんなの怪盗ルパンみんなの怪盗ルパン感想
どの作品もそつがない、というのが読み終わった印象(褒めてます)。ルパンの子供時代を楽しめるものもありますし、本当にルパンがルパンらしい活躍をするものもあり純粋に楽しみました。児童書のアンソロジー内の一編ですからそれなりに短いですがどれもこの長さに綺麗に収められていて満足できるものです。対象年齢の子供達ももちろん十分楽しめるでしょう。一番好きなのは紳士ルパンを堪能しながらも綺麗なミステリ作品になっている湊さんの「仏蘭西紳士」。近藤さん、真山さんのものも好みでした。
読了日:5月11日 著者:小林泰三,近藤史恵,藤野恵美,真山仁,湊かなえ
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)感想
読み終わって、よくもこれだけの衝撃的内容を淡々と綴ったものだと思いました。自分の運命を理解できないうちから叩きこまれた彼らの心情はこんな淡々としたものではないはずですが彼らが心情を爆発させるシーンが少ないのが印象的です。衝撃的な世界なのに小さな積み重ねを意外と最後まで読み進めてしまい、ラスト近くなってこの物語の伝えてくるものに気づき呆然としました。人道的観点から言ったら私には不妊治療との違いすらわからないです。こんなことが当然の未来は想像したくない。生きるって、生まれるって、なんでしょう。
読了日:5月9日 著者:カズオ・イシグロ
白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)感想
「一を聞いて十を知る」というのは賢くて理解のあることの例えですが、現代社会ではそれは通用しないということをまざまざと感じます。SNSで、ブログで、紙面で、人の意思によって選択された一。必要以上に盛られたかもしれない一。簡単に発信できる現代だからこその怖さも感じます。そんな中、私が一番嫌な気分になったのは情報化社会の方ではなく小学校の女教師。こんな奴に教職与えるなよ…。映像も悪くないですが文章で読む怖さはまた別ですね。犯人には全く気付けませんでしたがイヤミスという方向でもきっちり本格で、さすが湊さんです。
読了日:5月8日 著者:湊かなえ
紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)感想
表題作が凄かったです。感情を根こそぎ持っていかれた感じがしました。SFでくくって読者を選んでしまうのが勿体ないと思うほどとても良かったです。他の短編では、もともと私自身がSFをあまり読まないので好みや感動する観点が他の方と違うのか、訳者があとがきで「バカSF」と称した「潮汐」が絵的で結構好きでした。元プログラマーらしい「1ビットのエラー」「愛のアルゴリズム」も好みです。ただ、心の奥底に訴えかけてくるものが大きいので一つ一つが重くて、続けて読むのがきつくて一冊読むのに何日もかかってしまいました。
読了日:5月6日 著者:ケン・リュウ
美しい百人一首の風景 〜うつりゆく四季、華やかな恋物語〜美しい百人一首の風景 〜うつりゆく四季、華やかな恋物語〜感想
百人一首は好きです。当時の恋や情景を思い浮かべてドキドキします。今回初めて気づいたのですが私の中の想像図は今までモノクロでした。この本をめくって美しい写真を目にしたとき、それにさっと色が入った気がして感動しました。一首ずつに訳と解説、詠み人の人生とまつわる写真、という構成がすばらしく貪るように読み、魅入りました。実際に知っている風景はほんの数枚。京都近辺の人がちょっと羨ましい。瞬間を切り取った写真の風景は当時とそれほど変わらないようにも思えます。
読了日:5月6日 著者:
キス・キス (ハヤカワ・ミステリ文庫)キス・キス (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
異色作家短編集の新訳決定版だそうで収録作は同じようです。どれもみんなダールらしい不穏な空気と後味を運んできます。好みはこの旦那はダメでしょ!と思いながら読み進めたほとんどミステリのような「天国への道」思った通りの結末がやってきた「牧師の愉しみ」逆に結末が全く予想できなかった「豚」。母親としては「ローヤルゼリー」だけは笑えない…。結局どれもブラックなんですがね。そして印象的だったのが「始まりと大惨事―実話―」これは分かると別の種類の怖さがやってきました。
読了日:5月6日 著者:ロアルドダール
初恋ソムリエ (角川文庫)初恋ソムリエ (角川文庫)感想
シリーズ2作目。吹奏楽のメンバー勧誘のために、勧誘したい人の持つ問題をクリアにしては仲間に加えていく、というパターンが多いですが、それぞれのもつ問題は相変わらずなかなかヘビーです。高校生らしからぬハルタの謎解きをドキドキしながら読み進めました。今回の話の中では、応援に駆り出された顧問を取り返しに他校へ潜入し謎を解く話が切なさとほろ苦さが絡まってとても印象的です。表題作の何とも言えない後味もいつまでも残りました。
読了日:5月5日 著者:初野晴
ラプラスの魔女ラプラスの魔女感想
個人的にはラプラスの悪魔はそんなに突飛なものではない気がしています。SF自体はあまり好きではない私ですがそんなこともあって意外とすんなり話に入っていけてひきこまれてぐいぐい読み進めました。むしろ甘粕氏がどういう人間かという事を先に想像できてしまった事の方が残念だったかもしれません。私にはSFよりはミステリを読んでいる感覚でしたが脳の神秘性など受け入れられなければ合わない人もいるかもしれませんね。映像化ありきで書かれたように思えたラストの対決シーンがちょっと好みではなかったけれど総合的には十分楽しみました。
読了日:5月5日 著者:東野圭吾
幹事のアッコちゃん幹事のアッコちゃん感想
アッコちゃんはとんでもなく強くてみんなの味方、みたいだけれど、実は人並みに弱さもあってそれを見せないように仁王立ちし踏ん張って立っています。わかっていてもそれが垣間見えるところはほろっとします。さとり世代、何をやっても同じ、適当に悪い評価がつかなければ、そつなく物事をこなせばいい。世代というより時代だなと思ったりしますがこの本に勇気を貰い背中を押される気がするというレビューを見るとちょっと安心します。三智子はほんとうに成長しました。強くなりましたね。そして至るラストのオチが凄く好きです。
読了日:5月2日 著者:柚木麻子

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