2016年9月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:5195ページ
ナイス数:1840ナイス


すずらん通り ベルサイユ書房 (光文社文庫)すずらん通り ベルサイユ書房 (光文社文庫)感想
作家を目指す研介が書店でアルバイトを始めて遭遇する事件の数々。分類はコージーミステリになるのでしょうが意外と重い事件も出てきます。オスカルのごとき店長も食えませんがカリスマポップ書店員等キャラが立っていてとても読みやすいです。店で起こる事件を追う裏で古書店に置かれる檸檬という謎もあり、複雑な絡みを解いたり繋いだりするように追いかけて楽しく読むことができました。ところで神保町という土地柄もあって主人公はよくカレーを食べに行くんです。途中で香りまで感じる気がしてきて本当に食べに行きたくなって困りました。
読了日:9月30日 著者:七尾与史
毒殺協奏曲毒殺協奏曲感想
アミの会(仮)は女性作家さんの集まりで今回有栖川さん小林さんはゲストだそうです。さすがベテランさんばかりで綺麗にまとめられていますが、どの話もどうも重くてじわじわと締め付けられる感じです。そもそも毒殺っていうのは他の殺人と違って相応の準備が必要で、恨みに根が深いからなのかななんて思ったりしました。短編なのにどの話も作家さんの特徴がしっかり出ていると感じます。篠田さんの「完璧な蒐集」の不穏な感じが意外と好き。光原さんの「三人の女の物語」も着眼点が面白かったです。一作目の「捨てる」も読んでみようかな。
読了日:9月29日 著者:
デッドボール (講談社文庫)デッドボール (講談社文庫)感想
仕事なし彼女なし借金ありの律儀なことだけが取り柄のツイてないノボルに持ち掛けられたのは、絶対に失敗しない誘拐計画。絶対に失敗しないはずが、彼はいつの間にか誘拐犯から殺人犯に?!ノボル以外の登場人物もみんなすごく立っていて思い浮かべやすく、藁の盾の疾走感をそのままに、ぐいぐいと引っ張られて読み進められました。正直めちゃくちゃなんですがエピローグまで含めて一気読み、ちょうど軽いものが読みたかったのでぴったりで、すごく楽しかったです。「デッドボール」の題名の意味するところも良かったです。
読了日:9月26日 著者:木内一裕
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)感想
少年法の抱える問題、移植を待つ家族…。私はアレルギーっ子を育てたので、それとは別で少女の親が許せなくて涙がぼろぼろ零れました。親の立場では面白いと感じられる要素が全くなくて途中でやめたら二度と手に取らないと思い無理やり一気に読みましたがとにかく辛かったです。今回倉持は行動を共にしません。証拠をでっち上げてまで犯人を捕まえてきた環たちと倉持の選んだ道にどんな違いがあるのか、私には考えてもわかりません。社会派三部作として評価されるのはわかった気がしますがようやくたどりついたラストに残ったのは疲労感だけでした。
読了日:9月24日 著者:貫井徳郎
誘拐症候群 <新装版> (双葉文庫)誘拐症候群 <新装版> (双葉文庫)感想
今回は主に托鉢僧武藤視点で話が進みます。托鉢中に出会ったティッシュ配りの男の息子の誘拐事件で身代金の運搬役に指名され、否応なしに事件に組み込まれる彼。一方環のグループは別のいくつかの誘拐事件を追い、他に子供を預かっていた女視点もあって話は交錯するも意外とわかりやすかったのではないかと思います。でも武藤の関わった方の事件に関しては自分の嫌な想像が当たっていてその後の展開も然るべきで、読んでいて楽しいという感じではなかったです。三部作ラストは倉持視点になるのでしょうか。環の謎も気になるところです。
読了日:9月23日 著者:貫井徳郎
失踪症候群 新装版 (双葉文庫)失踪症候群 新装版 (双葉文庫)感想
警視庁人事二課で窓際にいるように思える環は、実は特命捜査班のリーダーで…。元刑事の探偵を始めそれぞれに事情のある3人を上手く使って事件の核心に迫ります。今作は探偵原田視点で話が進みますが、彼の家族の話なども絡めて、失踪の事情や戸籍の問題など考えさせられることもありました。シリーズとして組みあがっているためなのか他のメンバーや環自身の事情などもまだわからず気になる点が多いです。シリーズの続きを楽しみに読み進めます。
読了日:9月21日 著者:貫井徳郎
私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)感想
今回沢崎は誘拐事件に巻き込まれます。登場人物は多いのですがごっちゃにはなりません。ただハードボイルドなのに意外と淡々と読めてしまいました。文章が硬く悲惨な描写があってもあまり血生臭く感じないからかもしれません。その文章に好き嫌いが分かれて評価も様々なようですが、多少気になる点はあっても作りはよくできてると思いますし、まだ完全に内心を見せてくれない沢崎が本当に渋くて私は好きです。事件解決のもの悲しさよりむしろ、すべてが終わったあと事務所で彼の見せたほんの小さな変化が一番印象に残りました。
読了日:9月15日 著者:原りょう
そして夜は甦る (ハヤカワ文庫 JA (501))そして夜は甦る (ハヤカワ文庫 JA (501))感想
ルポライターの失踪に関わることになった探偵沢崎。殺人事件や過去の都知事狙撃事件も絡み事態は展開していきます。自分の信念に従って行動する沢崎が本当に渋い。忙しい時期の細切れ時間に読んだので、かなり複雑に絡んだ事件…と思っていたのですが読み終わってみたら綺麗なハードボイルドで時間があるときに一気にガーッと読みたかったとちょっと残念です。国鉄や留守番電話サービス、両切り煙草など今の人は知らないであろう時代を感じる部分も、あとがきに代わる一編もとても楽しかったです。デビュー作とのこと、シリーズの先も楽しみです。
読了日:9月11日 著者:原りょう
賢者の贈りもの: O・ヘンリー傑作選I (新潮文庫)賢者の贈りもの: O・ヘンリー傑作選I (新潮文庫)感想
もともと、O・ヘンリーのお話は短編で綺麗に落ちるものがほとんどなので、訳の古いものでもそれほど違和感がなく読んできました。ですから新訳だからとても読みやすいというわけではないのですが、訳者さんの違いもあって印象の変わる話もあり同じ話でも十分に堪能できました。今回印象深かったのはストーリー中に作者自身が語る部分です。訳者あとがきで、その件について「落語家タイプ」と表現していて妙に納得しました。また「賢者の贈り物」に関して、暗い話にもなると書かれていた事も常々そう思っていた私をちょっとほっとさせてくれました。
読了日:9月11日 著者:Oヘンリー
殉教カテリナ車輪 (創元推理文庫)殉教カテリナ車輪 (創元推理文庫)感想
表紙をめくったところにあるカラー絵に目が釘づけになり、いろいろなことを隅々まで見ながら想像しました。文字を一文字も読まないうちに取り込まれてまった感じです。「黒と愛」「堕天使拷問刑」を読んできたので一筋縄ではいかないストーリーだろうとは想像していましたが、図像解釈学とは!とはいえ説明がとても分かりやすく絵の解釈の過程はとても面白かったです。絵画の世界にどっぷり浸かっていたら後半はガッツリ本格ミステリ。この融合もとても好きでした。鮮やかに過去の二重密室殺人を解いた後、切ない余韻まで十分堪能しました。
読了日:9月8日 著者:飛鳥部勝則
鈴木ごっこ (幻冬舎文庫)鈴木ごっこ (幻冬舎文庫)感想
2500万円の借金を背負った人たち。それを帳消しにするために一軒家に集められ一年間鈴木家の家族の一員として過ごすことを課せられます。鈴木家として過ごす意味は?一億円の価値はどこに?少々違和感は感じていたものの、彼らそれぞれの背景などを絡めながら笑いも忘れずに月日はどんどん過ぎ…(というかどんどんページをめくって)。最終的に、おお、そういうことか。うん…。えっ?そういうこと!みたいな。そんなにインパクトが強いものではないはずですが、さくさくっとあっさり読めてしまった分逆に印象に残りそうです。
読了日:9月6日 著者:木下半太
羊と鋼の森羊と鋼の森感想
驚きました。宮下さんの作り出したこの世界の雰囲気が素晴らしいです。静かで優しいのに澄んでいて力強い。調律に魅せられた田舎の純粋な少年が、やがて調律師となり、成長していきます。彼を取り巻く仕事仲間や、調律を頼むピアノの持ち主や演奏者との関わりも嫌味がなく読みやすかったです。ピアノの調律を間近で見たことは何度かありますが、機械的に調律していたイメージしかなかったので調律師の細やかな思いや音の表現が新鮮でした。ちょっと出来過ぎの気もしますが、この本は反則なほど純粋で綺麗でいいのだと思います。
読了日:9月5日 著者:宮下奈都
警察庁から来た男 (ハルキ文庫)警察庁から来た男 (ハルキ文庫)感想
前作の登場人物たちの印象が強いうちに読んだので話に入りやすくとても読みやすかったです。「警察庁」から来た男が敵なのか味方なのか、恐る恐るの読み始めでしたが、彼らそれぞれが自分の信じるところに従って行動し、いろいろなことが少しずつ明らかになっていき繋がっていく様子は後半に行くにしたがってスピードも上がり本当に読み応えがありました。佐伯、津久井、新宮(今回は+藤川)もそれぞれ描写が素晴らしく素敵ですが、私にとって印象深いのは小島百合です。あんな風に仕事ができる女性になりたかったなぁ。
読了日:9月4日 著者:佐々木譲
七回死んだ男 (講談社文庫)七回死んだ男 (講談社文庫)感想
一度読んでいることは確かなのですが、結末は全く思い出せず、丸々もう一度楽しむことになりました。あんなにいろいろ伏線があっていくつかは引っ掛かっていたのだから思い出しそうなものですが考える余裕もなく先が気になってどんどん最後まで読まされてしまった感じです。SFを本格ミステリにもちこむ西澤さんの本領発揮で、一日を9回ループするなど設定だけでも相当大変なはずなのに読み手が全く置いていかれないのは流石です。多くの西澤作品の中でも推す人が多いのが納得です。ラストまでしっかりと楽しみました。
読了日:9月1日 著者:西澤保彦

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