2016年10月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:6823ページ
ナイス数:2054ナイス

「ABC」殺人事件 (講談社文庫)「ABC」殺人事件 (講談社文庫)感想
クリスティの「ABC殺人事件」がテーマですが、ガチガチにオマージュされているわけではないので本家を読んでいなくても楽しめると思います。とにかく豪華メンバーで読み応えがあります。再読のものもありましたが忘れていて初読のように楽しめました。一番の好みは法月さんの「ABCD包囲網」。のりりんが出てこなくてもあまり変わらなそうなのがちょっと難点ですが。また、恩田さんの作品は数えるほどしか読んでいないのですがこちらは面白かったです。こんな作品も書かれるんですね。アンソロジーならではの出逢いで、発見でした。
読了日:10月31日 著者:有栖川有栖
眼球綺譚 ―COMICS― (角川文庫)眼球綺譚 ―COMICS― (角川文庫)感想
とても評判がいいので、原作を再読したついでにこちらも手に取ってみました。ご本人が完璧に作品の世界を理解されて丁寧に丁寧にコミック化されているのがわかります。原作の雰囲気はそのままで、原作を読んでいて結末がわかっているのにドキドキします。巻末で綾辻氏も絶賛されていますが、特に「鉄橋」はコミックの方が流れが美しく惹きこまれてとても良かったです。「緋色の囁き」も読んでみたくなりました。収録「再生」「特別料理」「眼球綺譚」「鉄橋」「最後の記憶(ポエム風小品)」「人間じゃない(漫画のために原作描き下ろし)」
読了日:10月30日 著者:綾辻行人,児嶋都
眼球綺譚 (角川文庫)眼球綺譚 (角川文庫)感想
再読。初読時は奇妙な話的ですがグロくて怖かったというイメージしかなかったのですが、今回再読してみると、怖い話ではなくて、もの悲しさとか妙な美しさを感じるものが多かったです。「再生」のインパクトは凄いですがその結末に手を伸ばす主人公がとても愛おしい。「眼球綺譚」最初から最後までお見事、という感じです。総じてグロさもあまり感じませんでしたが、「特別料理」だけはしんどかった!後半の展開よりなによりCランクを読むのに泣きそうになりました。しかも最後の会話ってランク上がるの?これだけは好きになれません。
読了日:10月30日 著者:綾辻行人
掟上今日子の婚姻届掟上今日子の婚姻届感想
題名と表紙絵を見て、今日子さんが結婚すると思った人はほとんどいないでしょうね。連作短編の形ですが今日子さんにはそれぞれ違う日でもお話は繋がっています。すべて厄介くん視点なので読みやすかったです。さて、渦中の女性はかわいそうなのかどうなのか。彼女の塗り固めてきたことをさらっと暴いてしまう今日子さんはさすがです。実は物語を読み進めるにつれ、今日子さんや厄介くんより作者西尾維新について考えてしまいました。ちゃんと読める作品を多シリーズ抱えて次々と生み出し続ける…彼の頭の中はどうなっているのでしょう。
読了日:10月26日 著者:西尾維新,VOFAN
「Y」の悲劇 (講談社文庫)「Y」の悲劇 (講談社文庫)感想
みなさん見事にご自身の色を出して作られていらっしゃいます。「Yの悲劇」をネタバレしていることもありませんし、読んでいないといけないこともありませんが、私は直前に再読していたのでオマージュされている細かい点まで楽しむことができました。むしろ二階堂さんの「奇跡島の不思議」を読んでおくべきだったようですが強烈なメタなのであまり気にはなりませんでした。有栖川さんと貫井さんの作品は既読ですがこの中でもやはり好みです。火村とアリスのやりとりも、綸太郎が仮説を立てては壊す繰り返しも相変わらずでとても楽しめました。
読了日:10月23日 著者:有栖川有栖,二階堂黎人,篠田真由美,法月綸太郎
問題物件 (光文社文庫)問題物件 (光文社文庫)感想
基本は不動産販売会社で目を付けられた女子社員恵美子がクレーム係に配属になるが、超人的な探偵が現れて彼女を助け解決に導く連作短編集、なのですが、実際は女子社員は難病の社長の遺児の世話がお仕事で、派閥争いから異動、という背景があります。遺児の雅弘のために恵美子は頑張るわけですが今の段階ではこの背景が勿体ないです。私は嫌いではないですが、探偵の犬頭が本当に超人なので問題は瞬く間に真相を明らかにされ、このスピード感を楽しめるかどうかで好みが分かれる気がします。三人の今後が気になるので続編も読んでみます。
読了日:10月19日 著者:大倉崇裕
Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)感想
学生時代以来の再読です。創元の字の小ささがこのシリーズを一気に再読できない大きな一つの理由ですが、読み始めると、犯人となぜそうだったのかという大まかなところは覚えていたのでするすると一気に読み進められました。再読になるとたくさんの引っ掛かる点が用意されているのがわかります。レーンの行動も痛々しいです。犯人の末路に関しては全く憶えていなかったので結末に愕然としました。読後感はともかくとして、いろいろな意味でこの作品が年を経ても評価されるのは納得です。
読了日:10月19日 著者:エラリー・クイーン
誘拐 (角川文庫)誘拐 (角川文庫)感想
とても豪華な執筆陣です。もちろん既読もいくつか。短編では難しいテーマだと思うのですが、皆さんこの短い中にご自身の特徴を出されていて、流石です。有栖川さんの「二十世紀的誘拐」は伏線からトリックからいつも通り無駄なく美しいです。好みは香納さんの「知らすべからず」と法月さんの「トランスミッション」、さらっと読めてしまうのにすごくよくできてると感じました。吉村さんの「誰の眉?」は読んでいてすぐにオマージュ元を思い浮かべられ、公園名など出てくるたびにワクワクしました。こういう楽しい遊びもアンソロジーならではですね。
読了日:10月17日 著者:有栖川有栖,折原一,山口雅也,香納諒一,吉村達也,霞流一,五十嵐均,法月綸太郎
スーツアクター探偵の事件簿スーツアクター探偵の事件簿感想
あるアクシデントで着ぐるみを着られなくってしまったスーツアクター椛島は、そのアクシデントで知り合った太田を自分の代わりにアシストすることになりました。私は男兄弟も息子もおらず怪獣にほとんど縁がなかったので、あれを着てアクションを起こすということがどれほど大変なことなのか今回初めて知りました。彼らはいくつかの事件に巻き込まれ、解決のために頑張ります。残念ながらそれらの事件があまり気分のいいものでなく、読後感もすっきりしません。いい味出してる脇キャラもいたので勿体なかったです。是非彼がまた怪獣に入る続編を!
読了日:10月16日 著者:大倉崇裕
こんにちは刑事ちゃん (中公文庫)こんにちは刑事ちゃん (中公文庫)感想
殉職してしまったベテラン刑事。気付いたらなんと部下の赤ん坊として生まれていて…。見事なユーモアミステリですごく面白かったです。視点がベテラン刑事なので赤ん坊らしく振舞う苦労などすごく笑えます。作者は子育てにきちんと参加したのか赤ちゃんについては子育てした私が読んでもとてもリアリティがあり楽しいです。といっても赤ちゃん言葉で推理しスマホをいじるんですけど!伏線もラストの展開もとても良かったです。三作目ですがどんどんうまくなっているのを感じます。ラストの予告まで本編なのでくれぐれも後ろからめくらないでね!
読了日:10月15日 著者:藤崎翔
反社会品反社会品感想
医師ならではの知識と視点から痛烈に社会を皮肉る短編7編。ブラックと切り捨てるのは簡単ですが、全くの絵空事と片付けられる人が何人いるでしょうか。もうほとんどホラーのようで途中から読み進めるのが怖くなって、逆にすごい勢いでページをめくってしまいました。近い将来、いったいどんな世界が待っているのか。私たちはどんな選択ができるのでしょう。
読了日:10月13日 著者:久坂部羊
屍(し)の命題 (ミステリー・リーグ)屍(し)の命題 (ミステリー・リーグ)感想
冒頭の読者への挑戦状。高インパクトなプロローグ。雪の山荘で次々と殺される登場人物。視点は主に二つ。残された手記。多すぎるほどのヒントで犯人は想像でき、某凶器はわかった♪もう、読んでいて楽しくて仕方がなかったです。また事件パートのあと探偵パートがあるという作りは蜘蛛手探偵と相棒?の宮村とのやり取りが結構ドタバタなので悪くないと思いますし、バカミスと言われるゆえんの二つのトリックは、私はアリです。ただ、最後の宮村の発見はなくても良かったかな。読後プロローグをもう一度堪能したのは言うまでもありません。
読了日:10月13日 著者:門前典之
The unseen見えない精霊 (カッパ・ノベルス―カッパ・ワン)The unseen見えない精霊 (カッパ・ノベルス―カッパ・ワン)感想
出てくるのはシャーマン、精霊、飛行船、奇妙な儀式に仮面の男。インドの森の奥で、密室状態の飛行船内で殺された男がお婆さんの口を借りて語ります。この舞台の持つ幻想的な雰囲気は結構好きです。きちんと読者への挑戦が挟まる本格で、描写がこれでもか、というほど細かいので思わずメモを取ったりしましたが全く歯が立たず。解答が示されて初めて、がっつり伏線が張ってあった!と今度は歯ぎしりをしたくなりました。人により評価は変わると思います。トリックありきの作品だと思いますが、読後感も悪くなく、私はさくっと楽しめました。
読了日:10月11日 著者:林泰広
『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)感想
「そして誰もいなくなった」によって植え付けられた固定観念の強さを思い知らされた感じです。「鏡の国のアリス」に見立てられた孤島の館。チェスのコマになぞらえ殺されていく探偵たち。自己紹介の部分から違和感をずっと引きずっていろいろおかしいと感じていたのに、ミステリ愛好家のためのような現実味のない物理トリックが嬉しく振り回されているうちについに残りは二人に。最後に彼女が口をきいたことで違和感のピースがカチカチとはまり、巧妙な計算に感動するよりちょっと呆れたほどです。好みではないですが楽しかったです。悔しいことに。
読了日:10月11日 著者:北山猛邦
獄門島 (角川文庫)獄門島 (角川文庫)感想
NHKスーパープレミアムで長谷川博己版を製作中と聞いて、なんとなく取り出してパラパラ見ていたつもりが、いつの間にか一冊読み切ってしまいました。横溝作品特有のおどろおどろしさはそのままですが、古典ミステリの分類になるはずなのにとても読みやすいです。再読なのですが、後半に畳みかけるように明らかになっていくこと等、ストーリーのいろいろな運びが美しく、圧倒されるように読み進めました。そして迎えたラストのやるせなさときたら…。現代でも評価が高いのが納得の一冊です。長谷川版の金田一耕助はどんなでしょう?楽しみです。
読了日:10月9日 著者:横溝正史
今はもうない (講談社文庫)今はもうない (講談社文庫)感想
シリーズ8作目。滔々と流れる物語は幕間まで含めてとても美しい構成で、清冽という言葉がぴったりだと感じています。また毎回思いますが本当に題名が秀逸ですね。読後しばらく固まりますもの。とはいってもガチガチの理系ミステリを期待して読み始めたため戸惑いはありましたし、違和感もいっぱい、更にトリックや隠されているものもあっさり受け入れてしまいましたから「シリーズナンバーワン」に手放しで賛同はしません。私は犀川と萌絵がピザの物質転送装置の話をするような幕間の一コマがこのシリーズらしい風景でとても好きです。
読了日:10月8日 著者:森博嗣
そして名探偵は生まれた (祥伝社文庫 う 2-3)そして名探偵は生まれた (祥伝社文庫 う 2-3)感想
雪の山荘、孤島、館の三つの密室もの+αという一冊。孤島ものの「生存者、一名」は以前に読んだことがあったのですが肝心なところは読み終わるまで全く思い出せず、ラストでああ!…となりました。さすが歌野さん、いや歌野さんらしい、と言えばいいでしょうか。これを含め3編ともよく計算されていると思います。三つのテイストが違うのも感心します。文庫化に際して追加された「夏の雪、冬のサンバ」は+α扱いではありますがこれもまた綺麗な謎解きになっていてとても好みでした。この探偵、別作品にも出てくるそうなので是非読んでみたいです。
読了日:10月6日 著者:歌野晶午
どこかでベートーヴェン (『このミス』大賞シリーズ)どこかでベートーヴェン (『このミス』大賞シリーズ)感想
岬洋介の高校時代のお話です。豪雨による土砂崩れ、殺人事件、父親との確執、高校生の彼も今までのシリーズでの彼と同様にいろいろなことに直面するのですが、岬洋介は高校生でも岬洋介だった、という感じでしょうか。天才というものは天から与えられたものだけではなく、努力も必要だというのは分かりますが、そうやって出来上がった天才というものの描写がとても痛々しいです。棚橋先生の言葉は正論なのでしょうがこれからの高校生に与えるべき言葉なのかと悲しい思いもしました。相変わらず音楽描写は素晴らしいです。うっとりと聞き惚れました。
読了日:10月5日 著者:中山七里
アンと青春アンと青春感想
前作同様に和菓子の描写に夢中になり猛烈に食べたくなりました。アンちゃんも相変わらず一生懸命で、自分が関わった本当に小さなことに本気で向き合い、考えます。ただ今回は日常の謎系とはいえ、話題が重すぎました。殊に女子の節句と甘いお荷物はどちらも痛々しすぎて読むのが辛く後味もよくなくて悲しくなりました。アンちゃんは勤め始めて1年そこそことは思えないほどしっかりと成長しています。もう少しほのぼのした話題の方がこのメンバーには似合うと思うのですが。とても楽しみにしていたのでちょっと期待が大きすぎたかもしれません。
読了日:10月2日 著者:坂木司

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