11月の読書メーター
読んだ本の数:21
読んだページ数:6263
ナイス数:2040


刺青殺人事件 新装版 (光文社文庫)刺青殺人事件 新装版 (光文社文庫)感想
恥ずかしながら、高木作品初読みです。読友さんたちがこぞって推薦する名探偵神津恭介。颯爽と現れ美しい推理を披露し…ああ、間違いないです。ついていきます!刺青、バラバラ、密室、双子。美しい耽美な世界が見事に作られているのを感じます。どこかにふわっとクイーンやダインの香りが漂う気がして嬉しいのは欲目かな。今となってはトリックは目新しくはないのかもしれませんが、〇〇の意味がとても良かった。綺麗な本格探偵小説でした。もっと早く読めば良かったです。更に、スカイエマさんの表紙絵が好みで、読後何度も隅々まで眺めました。
読了日:11月29日 著者:高木 彬光
思い出のとき修理します 4 永久時計を胸に (集英社文庫)思い出のとき修理します 4 永久時計を胸に (集英社文庫)感想
シリーズ完結編。シリーズの予定でなかった作品を、だれることもなく4冊で綺麗にまとめてきました。とにかくベテラン作家さんの力量を感じる作品です。シャッター商店街と言っても過言ではない彼らの街は、思い出を修理してきたことで少しずつ変わり、二人もそれぞれお互いを大事にして信じるところに進むとてもいいラストでした。シャッター商店街と表紙絵のイメージから私の頭の中で物語はセピア色で進みましたが、きっとすぐにきれいなカラーがつくことでしょう。それにしても太一には最後まで驚かされました。
読了日:11月29日 著者:谷 瑞恵
孤独の果てで犬が教えてくれた大切なこと孤独の果てで犬が教えてくれた大切なこと感想
前作同様、とても優しいお話です。3つのお話それぞれの主人公は家族の問題を抱えていて、対面する現実は本当に悲しく読んでいて辛いのですが、題名通り彼らは犬に救われ、前を向いて歩き出します。綺麗すぎて、全く現実味はなくてドラマの脚本を読んでいるような感じはありましたが、割り切って読めば、彼らが変わっていくのはとても素敵でした。ただ、私は犬を飼ったことも、身近に犬がいたこともないのでこのような感想になりましたが、普段から犬と一緒にいる方は全く違う印象を持つのかもしれません。
読了日:11月28日 著者:瀧森 古都
降りかかる追憶: 南青山骨董通り探偵社III (光文社文庫)降りかかる追憶: 南青山骨董通り探偵社III (光文社文庫)感想
シリーズ3作目。主人公はしっかり探偵社の一員になっていますが、まだまだ駆け出しです。今回はストーカーに悩まされる女子大生の身辺警護とそのストーカーの捜索に関わるのですが、ほぼ一人で任されていることもあり、どこかもやもやした状態で話が進みます。結末まで一気に読まされるのですが、隠されていた社長と玲子さんの過去の話も明らかになり、悲しい思いもしました。でも、3作の中ではこれが一番がっつりミステリしてたような気がします。事件は一応結末を見せていますが、この後の探偵社がとても気になります。
読了日:11月28日 著者:五十嵐 貴久
ジム・スマイリーの跳び蛙: マーク・トウェイン傑作選 (新潮文庫)ジム・スマイリーの跳び蛙: マーク・トウェイン傑作選 (新潮文庫)感想
短編集。実は途中までです。本当にただのバカバカしい話が多く、ただ笑える話なのかな、と思いつつ読んでいましたが、途中から何が面白いのかさっぱりわからなくなっちゃいました。トムソーヤーは楽しく読みましたし、高評価の方もたくさんいらっしゃるので読んでいるときのこちらの体調や気分のせいかもしれません。読むのが苦痛では本末転倒だと思うので、今回は途中でリタイア。来年また挑戦してみます。
読了日:11月28日 著者:マーク トウェイン
800年後に会いにいく800年後に会いにいく感想
アルバイト中の大学生の元に、PCを通じて800年後からSOSのメッセージが届きます。よくあるタイムスリップものかと思いきや、単純なSFやファンタジーではなく、ちゃんとミステリで恋愛もので社会派でもありました。彼女に会いに行く方法は突拍子もないかもしれない、でも彼女は決して絵空事ではありません。伏線も回収もストーリーも結末まで綺麗に計算されていて、私はとても好きです。世界中の多くの重要なシステムがおそらく汎用のOSで制御されUSBソケットのついたマシンに接続されている、という当然のことが心に刺さりました。
読了日:11月25日 著者:河合 莞爾
悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫)悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫)感想
あらすじ程度は覚えていたので映像では見ていると思います。タイトルのインパクトはすごいですね。おどろおどろしさだけを記憶に残していましたが、細かい部分が想像以上に痛々しく、犯人にうっかり同情しそうになりました。血が呼ぶってこういうことなのでしょうか。途中で箍が外れてしまったのか、意図の違う殺人にまで走ったのが悲しかったです。曲の秘密が最後に明らかになったときは衝撃を受けました。だからそんな特別な音色だったのですね。とても悲しい話ですが私はこの雰囲気も緻密に計算されたストーリーや描写もとても好きです。
読了日:11月23日 著者:横溝 正史
日経ホームマガジン 美しい日本語と正しい敬語が身に付く本 新装版日経ホームマガジン 美しい日本語と正しい敬語が身に付く本 新装版感想
ちょっと面白そうだと思って手に取りましたが、面白かったのは最初の4分の1ほどの「日本語の語彙と漢字」部分。活字中毒の身ではもちろん初見のようなものはほとんどなかったのですが、あらためて説明をされるとなるほどという部分もあり楽しかったです。大和言葉はあらためてもっときちんと確認しておきたくなりました。後半はビジネスで使う言葉や文書という感じでしょうか。広く浅く、ですね。もともと雑誌の日経おとなのOFFがある程度年を重ねたビジネスマン向けだから私には合わなかったのかもしれません。
読了日:11月22日 著者:
何様何様感想
「何者」のアナザーストーリーだそうで、彼らの、というよりはリンクしている人達のお話でした。「水曜日の~」がとても好きです。「逆算」も気持ちいい。「何様」も、確かに何様だよな、と思いつつも着地点がすごく良かったです。既読の「それでは二人組を~」は辛すぎて再読できませんでした。そのほかの作品でも、ありがちな嫌な女性心理を描き出すところは、男性作者と思えないほどで、自分のどこかをえぐられるようで読んでいて楽しくはないです。若者といわれる時代からは離れてしまった私でも若者たちの葛藤が嫌というほど伝わってきました。
読了日:11月22日 著者:朝井 リョウ
不死症 (実業之日本社文庫)不死症 (実業之日本社文庫)感想
辛口ご容赦。究極のバイオハザードと怒涛のどんでん返し、一気読みホラーミステリ、という内容紹介はちょっと煽りすぎかと。期待して読み始めたので、かなり残念な思いをしました。ホラーゲームを攻略本見ながら最短ルートで通り過ぎたみたい。ミステリの冠はないほうがいいかも。ちょっと前に白井さんの本を読んでいたからハードルはさらに高く設定されていたかもしれませんが、それを差し引いても残念。著者の作品なら、これより「災厄」のほうがおすすめです。
読了日:11月17日 著者:周木 律
犯人にされたくない (ハヤカワ・ミステリ文庫)犯人にされたくない (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
シリーズ二作目。今回は息子が私立幼稚園に入ったことでお金が必要になった主人公が再び元の職場で使われながら、妻のママ友の問題を解決するために動きます。殺人現場に行き当たり、通報し、容疑者にされるのはお約束。確かにハードボイルドではあるのですが、彼は万能どころか何度も読者をひやひやさせ、逆にそれが人間臭くて共感を覚えるのです。前回関わった刑事との再会があり、シリーズものならではの楽しさも加わってきました。自分の信念には忠実で、妻に頭が上がらず、多分本当は頭がよくて、運がいい彼をもう少し追いかけていきます。
読了日:11月14日 著者:パーネル ホール,Parnell Hall
倫敦千夜一夜物語 ふたりの城の夢のまた夢 (集英社オレンジ文庫)倫敦千夜一夜物語 ふたりの城の夢のまた夢 (集英社オレンジ文庫)感想
シリーズ二作目。19世紀のロンドンで貸本屋を営む兄妹に訪れる日常の謎ものという感じで、周りの人々との真摯で柔らかな関わりにうっかりほのぼの読み進めていましたが、そうだった、この二人ワケアリなのでした。最終話で彼らは連続殺人に関わり、物語はあれよあれよという間に血生臭い展開に。彼らの過去を示唆する部分も少し現れて、目の離せないことになってきました。特にラストの数ページにはちょっと驚かされました。ちょっとミステリのライト文芸レーベルですがしっかり読まされましたし、続きがとても気になります。
読了日:11月11日 著者:久賀 理世
鷹野鍼灸院の事件簿 謎に刺す鍼、心に点す灸 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)鷹野鍼灸院の事件簿 謎に刺す鍼、心に点す灸 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
シリーズ二作目。鷹野と五月女自身の話は少なくなって、題材は日常のものとはいえとても重いものが多いです。一作目からどうも主人公の五月女に思い入れができなかったのですが、今回は特に一応守秘義務とかあるでしょうに、謎を解くためとは言え、ほかの患者さんにペラペラしゃべってしまったり感情に任せて動いたり、行動が浅はかに感じ読んでいてイライラしてしまいました。さらにもともと重い話なのに読後感がいい話ばかりでないのも辛かったです。高評価の方が多いですが、鍼灸のことは興味深く読めてもそのほかが私には合わなかったようです。
読了日:11月10日 著者:乾 緑郎
探偵になりたい (ハヤカワ・ミステリ文庫)探偵になりたい (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
私立探偵の肩書は名ばかり、事故専門調査員スタンリーのもとに、人殺しをしたいという依頼人がやってきます。断ると翌日彼は死体に!結局彼はその事件に勝手に首を突っ込んでいくのです。ハードボイルドってなんだっけ?と思うほど、彼はとても弱気です。銃が怖いし、乱闘で顔に青あざ作ったり致しません。頭がいいのか運がいいのか、あるいはただ単に偶然が重なるのか、でもとにかく信念に従い行動力だけは抜群で、いつの間にか彼を全力で応援しながら読み進めていました。脇キャラも立っていて楽しめたのでシリーズの続きも是非読もうと思います。
読了日:11月07日 著者:パーネル ホール,Parnell Hall
秋の牢獄 (角川ホラー文庫)秋の牢獄 (角川ホラー文庫)感想
2012年にこの本に出会って、今年で5回目になります。過去の自分のレビューを見て、子供が大きくなったのを実感したりしています。今日は仕事を午前中で終え、午後をのんびり読書で過ごせました。昨日しっかりと買い物をして冷蔵庫には食料がたくさん。リプレイヤーになってまず食料調達なんてしなくていいように^^私は今年もリプレイヤーになることにあまり怖さを感じません。それなりに後悔しない日々を送ってきたからかな?もし読み友さんと一緒にリプレイヤーになれたなら、昨年お約束の通り絶対に会いに行きますから、連絡くださいね!
読了日:11月07日 著者:恒川 光太郎
挑戦者たち挑戦者たち感想
レーモン・クノーの「文体練習」(内容の同じ文章を九十九通りに書いてみる)の、「読者への挑戦」版だそうで、予備知識なしに手に取ったのでびっくりしました。でもまた変なことやってる、と思ったのは最初の一瞬、よく考えられて99通り違うものができていて、のんびりと楽しみました。引用、参考文献も各挑戦状の番号付きで載っていて、引用元が先にわかったりするととても嬉しかったりします。法月さんの頭の良さ、知識力、好奇心が半端でないことがよく伝わってきました。でもこれは相当読者を選ぶでしょうね。
読了日:11月06日 著者:法月 綸太郎
おやすみ人面瘡おやすみ人面瘡感想
全身に“脳瘤”と呼ばれる“顔”が発症する奇病“人瘤病”が蔓延。うへぇとグロさに顔をしかめていると、人瘤病にも二種類あるなど大事な設定を読み飛ばしかねません。二つの視点の別ストーリーがこの異常な世界で展開されるのを追われるように読み進めました。殺人が起き、二つの物語が一つに重なった時、これが本格ミステリであることを思い出させられ、論理の積み重ねから明らかにされる後半の怒涛の展開に圧倒されました。嫌悪する人も多いでしょうが、白井さんの作る世界は本当に計算されていて見事だと思います。今後の作品も期待しています。
読了日:11月06日 著者:白井 智之
日経おとなのOFF2016年9月号日経おとなのOFF2016年9月号感想
これを読んで50冊一気に読んだ気になろうと思いましたがそれは甘かったです。当然一度も読んだことがないものは復習にはならないので。といっても、漱石の読解法は面白かったし、中学生でもわかる(わかるのか?)相対性理論の切り口も楽しかったです。政治経済、哲学、宗教といった普段手にしないけれど有名すぎる名著に対する「ざっくり超訳」は納得のわかりやすさでした。結局雑誌をこんなに隅々まで読むのは初めてだ、というくらい熟読してしまいました。基本大人のビジネスマン向けのようですが、特集に惹かれて手に取ってみて良かったです。
読了日:11月04日 著者:
失踪者失踪者感想
10年前、やむを得ずクレバスに置き去りにした友人を迎えに行ったら、死体は明らかに年を取っていた…。一気に物語に引きずり込まれます。彼が生きていて一度下山し、後に再びここで命を落としたとしか考えられないのですが、さらに疑問が浮かんできます。ロマンだけでは夢は追えない。現実は時にとても残酷です。正直山に関しては素人なので全くわかりません。それでもいろいろなことに思いを馳せ、純粋に伏線をなぞり、起きたこと、伝えようとしたこと、男たちの信頼と絆に夢中になって読み進めました。ラストもとても良かったです。
読了日:11月03日 著者:下村 敦史
さくら聖・咲く: 佐倉聖の事件簿 (新潮文庫)さくら聖・咲く: 佐倉聖の事件簿 (新潮文庫)感想
政治家の事務所でアルバイトをしている聖も、就活をする時期に!弟を養うために政治関係ではなく、お堅い職業をつかもうと四苦八苦しています。相変わらず彼は仕事ができる頭のいい男で、数々のトラブルに巻き込まれながらもなんとか切り抜けていきます。ユーモアミステリというより、愛すべき周りの人達との繋がりを楽しむ感じでしょうか。ひとつだけ聖が凄いなあと純粋に思うことがあります。どんなに頭に血が上ってもそのまま言葉にしない所。息を吸ったり、10まで数えたり。私もそうしたいけれど、意外と難しいのです。
読了日:11月02日 著者:畠中 恵
アイネクライネナハトムジークアイネクライネナハトムジーク感想
最初のきっかけは斉藤和義さんからの依頼だったそうです。それがこんな膨らみを見せる、さすがの伊坂ワールドです。「アイネクライネ」から始まる5つの短編はそれぞれ一つのお話として読めるのに登場人物が少しずつ重なって、時系列もずれるというお得意の仕掛け。こういう関連やその後を楽しめる連作の形は大好きなのでのんびりと世界に浸りました。ラストの「ナハトムジーク」はある程度分かったつもりでいた私の想像の上を行き、綺麗な回収に気持ちの良い読後感で本当に満足しました。優しい世界は私の心まで綺麗にしてくれた気がします。
読了日:11月01日 著者:伊坂 幸太郎

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