12月の読書メーター読んだ本の数:18読んだページ数:4599ナイス数:1705
ヤギより上、猿より下ヤギより上、猿より下感想メルカトルとダイナーしか読んでいないけれど、読書芸人でこの本をカズレーザーが紹介したとき、えっ?大丈夫?と思ったものです。やっぱり大丈夫じゃないですね。前記作品と比べたらスリムだとは思いますが、それでも作風はそのままで、私は逆に安心してどっぷり世界につかりました。子供の作文のようにですます調で語られる一作目も、そうきたかと思える二作目も、思わず涙が零れそうになった三作目も、読後ため息をつきましたが、何よりラストの表題作のインパクトときたら!…言葉が思いつきません。改めて、人には薦めません。でもすごい好き。読了日:12月28日 著者:平山 夢明
トイプー警察犬 メグレ 神隠しと消えた殺意の謎 (講談社タイガ)トイプー警察犬 メグレ 神隠しと消えた殺意の謎 (講談社タイガ)感想辛口です。実在の男児置き去り事件をそっくり下敷きとしているのですが、まだ記憶に新しい今、読むのはとても嫌なものでした。メグレは前作同様で早乙女とのコンビもとてもいい感じです。別作品のリンクも楽しい。だからこそまるで現実の事件にちょっとくっつけただけ、みたいなストーリーは引いてしまいました。しかも過去の事件との絡み、解決へ至る証拠なども、かなり偶然で雑な気がします。手抜きだとは思いたくないですが。メグレの元飼い主の事件とかどうなっちゃったのかな。次作も読みますから今度は期待を裏切らないでほしいです。読了日:12月28日 著者:七尾 与史
まっくら、奇妙にしずかまっくら、奇妙にしずか感想シャープペン一本で描いた絵本ということで紹介していただいたので、そう思ってページをめくり始めましたが、知らなかったらとてもシャープペンとは思えない、緻密で繊細なイラストです。すべてが無機質な機械でできているように思える世界は題名通り音を感じさせません。ストーリーは実は大人向け。突然やってきた不思議な男に、世間の人々が向ける目、仕打ちは本当にありがちで苦いものがこみ上げます。オチも抜群。読後、これが大学の卒業審査に提出された作品だと聞いて更に驚きました。絵本を読まれる方はぜひこの世界観を味わって欲しいです。読了日:12月26日 著者:アイナール トゥルコウスキィ
この世界の片隅に コミック 全3巻完結セット (アクションコミックス)この世界の片隅に コミック 全3巻完結セット (アクションコミックス)感想一歳にも満たない母を置いて戦死した祖父との小さな思い出を一つ一つ幸せそうに語った祖母。私が食べ物を残すと、疎開先で年下の女の子よりも食べてはいけないと思っていた、と涙をためて怒った父。私にはそんな思い出がありますが、今や戦争の知識は、知らない世代から伝え聞く時代に。当たり前だけれど、あの時代だって、みんな精一杯「日常」を生きていました。平凡な日常を続けようとする人たちへの身近すぎる死が、理不尽な死が、悲しみ以上の痛みで伝わってきます。こんな戦争や原爆の伝え方もあるのだと読書中ずっと圧倒されっぱなしでした。読了日:12月25日 著者:こうの 史代
ピクトさんの本ピクトさんの本感想ずいぶん前から気になっていたものですが、図書館で偶然見つけたのでお借りしてみました。ピクトグラムをピクトさんと呼んで、彼の健気な姿を紹介しています。何気なくいつも見ている看板が突然愛らしい、可哀そうなものになるから不思議です。海外のものもほとんど変わらないところが、注意喚起としてよくできていると感心しました。手の長さや向き、体型等まで今後は気を付けて見てしまいそうです。読了日:12月23日 著者:内海 慶一
聞かれても答えられないモノの名前 (PHP文庫)聞かれても答えられないモノの名前 (PHP文庫)感想面白そうだと思って、図書館からお借りしましたが、さらさらっと呼んでしまってあまり残らなかったです。これにも名前があるんだ、と思ってもその名前の由来とかがいちいち書いてあるわけではないのでそれを覚えるところまではとても行きません。むしろ、知っている言葉があると、これ知ってる!と優越感に浸れるのでそれを楽しむ本なのか?なんて思ったり。手元に置いて、ふとした時に、これ名前あったけどなんだっけ?と辞書のように使うのがいいかもしれません。読了日:12月23日 著者:日本博学倶楽部
人形はこたつで推理する (講談社文庫)人形はこたつで推理する (講談社文庫)感想再読。初読は20年近く前でしょうか。トリックなどを全く忘れていたこともあり、一気にのめりこんで読み切りました。腹話術師の人形が名探偵というなかなかない設定で、キャラ設定もしっかりしていて軽く読みやすいです。事件は軽いものばかりではありませんが、最近の作品と比べると驚くほど後味も優しいです。おそらく速水三兄妹シリーズと同様に売れたはずなのに、こちらは再読したいと思ってから手に入れるまでに大変苦労してしまいました。私は好きだったので埋もれさせてしまうのが勿体ないと思います。新装版を是非お願いしたいです。 読了日:12月21日 著者:我孫子 武丸
潮騒のアニマ 法医昆虫学捜査官潮騒のアニマ 法医昆虫学捜査官感想犬が引きずってきたのは自殺と思われるミイラ化した遺体。不可解な状況に現地離島に飛んだ赤堀、岩楯刑事が今回対面するのはアリ!蟻塚の描写にはグロさより恐怖を感じます。犯人が誰かいうことより、二人が別々のルートから結末に至るまでの過程が今回も本当に読み応えがありました。今回の相棒である潔癖症の兵頭刑事が変わっていくのも嬉しいですし、メモ魔の元相棒や大吉などシリーズならではの登場にもワクワクしました。そして毎回のことですが、巻末の参考文献にも圧倒されます。読み応えがあるわけです。シリーズのこの先も期待しています。読了日:12月20日 著者:川瀬 七緒
おしい刑事 (ポプラ文庫)おしい刑事 (ポプラ文庫)感想全体としては連作短編の形で、軽いタッチで読みやすいです。主人公の押井刑事は多分頭はいいのだと思います。よく気が付くし。ただ、惜しいのです。いつもほぼ解決か、というところまで推理しているように見えながら、結局手柄は持っていかれてしまいます。最初は情けなくも微笑ましく読んでいましたが、同じことが重なってくるとなんだか切なくなってきました。「安楽椅子おしい刑事」が意表を突かれた感じで楽しかったです。最終話は妙な納得をしてしまったのですが、後味がいいわけではないところも藤崎さんらしいですね。読了日:12月19日 著者:藤崎 翔
極限トランク (PHP文芸文庫)極限トランク (PHP文芸文庫)感想エレベーター、ステーキハウスといった狭い空間で繰り広げられる作品を劇作家らしいテイストで仕上げる木下さん。今回はなんとこれ以上狭くはならないんじゃないかと思える車の後部トランクです。視点(?)は縛られ目隠しをされトランクに押し込められた男性。しかもどうやら直前まで一緒にいた女性の死体と一緒のようで…。正直今まで読んだ作品と比べるとジェットコースターに揺られるような乱高下はありませんが、ラストはいつもと違うテイストが逆にいい感じです。この後が非常に気になりますが、ここで終わるのがいいんでしょうね…。読了日:12月18日 著者:木下 半太
Dの殺人事件、まことに恐ろしきはDの殺人事件、まことに恐ろしきは感想乱歩作品を歌野さんらしい切り口でオマージュした作品集。舞台を現代に持ってきたことでスマホやSNS、VRを駆使し、乱歩とはまた違った薄気味悪さが漂います。元作品を知らなくても全く問題ないと思いますが、幸いにも私はほぼ知っている作品だったので、比べながら読めてより楽しめたと思います。特に人間椅子の作品のラストは元作品と全く違うインパクトで精神をズタズタにされた気がしました。うろ覚えだった元作品を再読したくなったものもありました。全く違う話になっていても、思った以上に乱歩の色はそのままでとても良かったです。読了日:12月18日 著者:歌野 晶午
八月の暑さのなかで――ホラー短編集 (岩波少年文庫)八月の暑さのなかで――ホラー短編集 (岩波少年文庫)感想サキの作品を探していた時、偶然ヒットした短編集。ポー、ブラウン、ダールといった短編の名手の作品を金原さんが全編新訳で編集したもので、挿絵もあってとても読みやすかったです。お目当てのサキを始め、ホラーというくくりではないだろう、と思うものもありましたがどれもとても楽しめました。「もどってきたソフィ・メイソン」「ポドロ島」が印象的ですが、意外に奇妙な話系の表題作と最後の一行で落とす「だれかが呼んだ」が好みでした。読了日:12月17日 著者:
みつけてんみつけてん感想帽子をめぐるシリーズ(と言っていいのかな)三冊目。ふたりづれのかめがぼうしをみつけました。でもぼうしはひとつだけ。さて、かめさんたちはぼうしをどうするでしょう?あいかわらずの関西弁の訳がすばらしく、ほとんど目だけで感情を表現する(ほぼ左右に動いているだけなのに!)かめさんの表情ににやにやしながら大事に大事にページをめくりました。さあ、最後はどうなるか。「どこいったん」や「ちがうねん」を読まれている方のほうが、このラストには揺さぶられるかもしれません。このシリーズは本当に好きです。読了日:12月17日 著者:ジョン・クラッセン
アライバルアライバル感想読書芸人カズレーザーおすすめの字のない絵本。忙しくて本を読めないので短時間の息抜きに、なんて思ったらとんでもなかったです。ページによっては1ページに何コマもある一つ一つの絵にくぎ付けになり、結果2時間ほどどっぷり世界に浸ってしまいました。この絵だけの世界にいろいろと考えさせられ、本当にたくさんの感情が詰まっていて揺さぶられました。こんな本に出会えて、カズレーザーに感謝、そしてこういう本を人にすすめられる彼がとても好きになりました。読了日:12月15日 著者:ショーン・タン
通い猫アルフィーの奇跡 (ハーパーBOOKS)通い猫アルフィーの奇跡 (ハーパーBOOKS)感想愛する飼い主を喪ってしまったアルフィーは、大変な冒険の末、一軒の家でぬくぬくと飼い猫として暮らすより何軒かの家に通って拠り所をなくさない方法を選びます。拠り所として選んだ4軒で、それぞれが辛い思いを抱え、幸せを求め模索する中、アルフィーはのほほんと現れるようできちんと考え、計算し、飼い主たちの人生を好転させていきます。現実でも猫はあの小さな頭でいろいろなことを考え頭の中をフル回転させているのかもしれない。そんなことすら思わせてくれる、本当に優しくてほっこり、ほろりとさせられる素敵なお話でした。読了日:12月09日 著者:レイチェル ウェルズ
古書カフェすみれ屋と本のソムリエ (だいわ文庫)古書カフェすみれ屋と本のソムリエ (だいわ文庫)感想古書スペースのあるカフェ。憧れます。お話はカフェすみれ屋に通うお客さんに、古書スペースを担当する紙野君が適当な本を提供する連作短編の形で進みます。何かしら問題を抱えているお客様が本によって自分の道を見つけていくので、その時提供される本は実在の有名なものが多いですが再読したり手に取ってみたくなったりしました。そしてカフェのお料理もとてもとても美味しそうです。ただ、残念なことに店主すみれにも紙野君にもあまり魅力を感じません。他の方も書かれてましたが薦め方が押しつけがましいからかも。そこだけ勿体ないです。読了日:12月06日 著者:里見 蘭
裁く眼裁く眼感想漫画家志望ながらも目が出ず、町の似顔絵描きをしていた主人公に、法廷画を描く仕事が回ってきます。彼の画は素直に情景や表情を写し取り、思いがけず好評です。そんな彼が襲われて…。思いがけず話は軽くて次々にページをめくってしまい、あっという間にラストまで。被告人の真実に関しての結末は私は悪くないと思いますし、主人公が狙われた理由などもありだと思います。ただ、せっかく法廷画家というちょっと変わった視点なので、なんだか勿体ない気はします。もっとがっつり重いミステリでも行けたんじゃないでしょうか。読了日:12月05日 著者:我孫子 武丸
シャーロック・ホームズの不均衡 (講談社タイガ)シャーロック・ホームズの不均衡 (講談社タイガ)感想主人公は両親を殺人事件で亡くした兄妹。呼ばれたペンションで不可能犯罪に巻き込まれます。表紙絵からは想像できない、血生臭い事件や闘いがあり、更に話のスケールが読み進めるにつれどんどん大きくなっていくのに驚きました。名探偵の遺伝子の保有者が覚醒して名探偵になる、という設定が面白く、荒唐無稽に思えるトリックもこの設定なら許せます。一気に読めるだけの読みやすさと魅力はありましたが、正直この後は、シリーズの続きを読みたいというよりラストがどうなるかが気になるところです。読了日:12月05日 著者:似鳥 鶏
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