4月の読書メーター読んだ本の数:19読んだページ数:6014ナイス数:2139

恐怖小説 キリカ恐怖小説 キリカ感想前二作を読んでからのほうがこの怖さを楽しめるかと思います。その二作も芯のあるしっかりしたホラーだと思いましたが、この「キリカ」の怖さは一味違います。なんの気なしに発信するSNSのつぶやきから人物を特定することが容易いなど、わかっていたつもりですがあらためて恐怖として背筋を寒いものが走りました。得体のしれない、理解できないものに三作続けて追われてきましたが、やはり一番怖いのは人間の心の闇だということでしょうか。これだけ怖い怖いと思いながらも先をどんどん読ませてしまうリーダビリティはさすがです。読了日:04月30日 著者:澤村 伊智
東京バルがゆく 会社をやめて相棒と店やってます (メディアワークス文庫)東京バルがゆく 会社をやめて相棒と店やってます (メディアワークス文庫)感想脱サラをし、移動屋台でスペイン風バルを始めた主人公。やってくる客にほんの少しのおせっかいで幸せにする連作短編…として純粋に楽しめれば良かったのでしょうが、突然現れて営業に携わる幼馴染はもちろん、主人公本人も隠されている部分が多すぎてほとんど感情移入ができないままストーリーが進んでしまいました。最終章でいくつかのことが明かされてようやく彼らに血が通った気がしました。出会って人生を変えていく人々との話はとても良かったし、お料理はとても美味しそうなので私に合わなかっただけだと思いますが残念でした。読了日:04月28日 著者:似鳥 航一
自薦 THE どんでん返し2 (双葉文庫)自薦 THE どんでん返し2 (双葉文庫)感想有名作家さんばかりのアンソロ。作家さんの色が出るんですね、1とはちょっと雰囲気が変わりました。ブラックで背筋が寒くなるどんでん返しばかりじゃない選出がとてもいいと思います。好き作家さんが多いので半分は既読でした。大崎さんの井辻君シリーズからの一編が既読でしたが一番好き。加納さんのはもう一度読み直してつくづく上手いなあ、と。衝撃という点では近藤さんのが一番でした。加納さんのその短編が収録された「掌の中の小鳥」(創元推理文庫)は未読なので読んでみようと思います。読了日:04月26日 著者:乾 くるみ,大崎 梢,加納 朋子,近藤 史恵,坂木 司,若竹 七海
犯罪者 クリミナル 下犯罪者 クリミナル 下感想3人の、ほんの数時間で培ったお互いへの信頼感が強くて熱くて泣きたくなりました。こんなに考えてこんなに完璧に思える作戦を、そのまま行わせてはくれない敵の強さは苦しくなるほどでした。それぞれの思惑に沿って綿密に組み上げられたストーリーは本当によくできていると思います。沢山の事が詰まっていて、全てがご都合主義にまとまらないところが逆にいろいろなことを考えさせられました。似たようなことは現実にも起こっているのでしょう。闘いはニュースになったその瞬間だけではないという当たり前のことを忘れてはいけないと感じました。読了日:04月25日 著者:太田 愛
犯罪者 クリミナル 上犯罪者 クリミナル 上感想駅前でワクワクと待ち人を待っていたら、突然通り魔が現れた。あっという間に5人を殺傷し、逃亡した犯人はすぐ近くの公衆トイレで死亡しているのが発見される。平行して描かれる、乳児を襲ったメルトフェイス症候群、大企業への脅迫、政治家の保身と駆け引き。このページ数をこんなに夢中になって読んだのは久しぶりです。さすが脚本家という書き方で、場面が変わるたびに情景が映像となり読むスピードを超えるように目まぐるしく動きます。読み終わって、間髪入れずに下巻に手が伸び、勿論読み終わるまで止められませんでした。読了日:04月24日 著者:太田 愛
居酒屋ぼったくり〈7〉居酒屋ぼったくり〈7〉感想今回は美音と要の関係に反対が入るという大きな出来事がありますが、彼女は本当に強いです。店が潰れた後を考えてからのポジティブな発言は、痛々しいですがそこが彼女の本質なんだろうと思います。確かにやってはいけないことでしたが、読んでいても全く気づきませんでした。常連さんたちの想いは自分のことのように嬉しかったです。今回印象的だったのはお料理やお酒よりも、煙草の匂いのついた図書館本!紙や布って本当に匂いを吸うんだよね。吸いたい気持ちはわかりますが、図書館の本は借り物だということを忘れてはいけないと思います。読了日:04月24日 著者:秋川 滝美
喧嘩喧嘩感想今回のメインは選挙戦の暗部。お金のためにヤクザ絡みの仕事を請け負った二宮。結局頼るのはもちろん桑原で、いつも通りの掛け合いが始まります。前作で破門された桑原は後ろ盾がない分、少し元気がありませんが、もちろん本質は変わりません。いつも通りの展開をいつも通りにがっつりと楽しみました。ラストで状況が変わりましたし、次作も楽しみです。さて、毎回思いますが、二宮はもう40だそうで…もう少ししっかりしてください。お母様は優しすぎます。あと、シンクはダメです(>_<)水を流せば同じ、ではないと思います…読了日:04月23日 著者:黒川 博行
狩人の悪夢狩人の悪夢感想有栖川氏の綺麗な文章に乗ってするするっと大好きな作家アリスの物語の世界に入っていける、本当に幸せです。物語はアリスがホラー作家の家に招待され、近くで手首のない死体が発見されることに始まるオーソドックスで、でも人間味溢れる本格ですが、「悪夢を見る部屋」があることもあって、今回はアリスがかなり火村の悪夢について突っ込んでいます。そういえば彼らが普通にスマホを使っていたり、ラストにちょっとびっくりする報告もあったり、年を取らなくなってもきちんと時は進んでいるんですね。…どうか彼に梟の鳴き声が聞こえますように。読了日:04月22日 著者:有栖川 有栖
黒百合 (創元推理文庫)黒百合 (創元推理文庫)感想ストーリーは昭和1952年の少年少女サイドと、昭和10年に始まる父親周辺の二つで進みます。文章がとても美しく、涼しげな夏の六甲山の情景が目の前で見事に繰り広げられ、空気感まで感じるほどです。過去の登場人物が時を経て少年少女サイドに出てきているのは想像できるのですが、目を凝らし神経を研ぎ澄まして読んでいても、なかなか到達できません。そんな中起こる殺人事件は読者だけが過去との関連を知ることができ、その後畳みかけるように明らかになる事実はあれもこれも伏線だった、と思い当たる節がありすぎて唖然とするほどでした。→読了日:04月21日 著者:多島 斗志之
神のロジック 人間(ひと)のマジック (文春文庫)神のロジック 人間(ひと)のマジック (文春文庫)感想二つの強烈なヒントからおそらく…だろうなというのは想像できてしまいましたが、この本の凄さはそこではありませんでした。彼らが集められた理由を彼らと一緒に考えるのは楽しかったですが、あるきっかけから全てが崩壊していくその様は、状況が理解できるほどに切なく、痛々しく、哀しいものとなっていきました。過去すべてを総括してしまうラストシーンは圧巻です。とある本と比べている方が多いですが、それぞれ全く違うもので比べてしまっては勿体ないです。ミステリとSFを上手く融合させる西澤さんだからこそのストーリーだと思いました。読了日:04月20日 著者:西澤 保彦
掟上今日子の家計簿掟上今日子の家計簿感想今回は厄介君ではなく、色々な男性刑事さんたちとの短編集です。それぞれの刑事の性格がはっきり出ているのは面白いです。用語や「叙述トリック」の定義など勉強になることも多かったです。「叙述トリックにより殺された」には思わず笑ってしまいましたが、その次にはやられた!という気持ちになりました。次作は順番を違えて読了していますが、さすがにそろそろ、もう続きはいいかなという気になってきました。今日子さん自身の謎はいつか明らかになるのでしょうか。読了日:04月19日 著者:西尾 維新,VOFAN
ぼぎわんが、来るぼぎわんが、来る感想表紙絵も怖いですが、ぼぎわんとは何か、情報が少しずつしか明かされないところが更に恐怖を煽ります。ぼぎわんに憑かれてしまった一家の息子が過去を思い出しながらぼぎわんと対峙し、妻と娘を守ろうとする一章は純粋に得体のしれない怖さを感じますが、二章になって視点が変わると、今度は別の、人間の怖さ、気持ち悪さがやってきました。三章でまた視点を変えての対決は、怖さは薄れましたが、これら視点の変更が上手く、最後まで一気に読まされてしまいました。しっかりホラーで、不安を残すラストも印象的でした。ホラー小説大賞も納得です。読了日:04月17日 著者:澤村伊智
殺人鬼 (角川文庫)殺人鬼 (角川文庫)感想「殺人鬼」「黒蘭姫」「香水心中」「百日紅の下にて」の金田一耕助シリーズ短編集。戦後まもなくという時代背景など、古い作品であることはわかるのですが、とても読みやすく小説としての古臭さを感じることはありません。どの作品の女性も色々な意味でとても強く、美しく、そして悲しいです。「黒蘭姫」は謎より探偵事務所に依頼主を迎えたときの金田一氏の様子が微笑ましく印象的でした。好みは対話だけでストーリーが進む「百日紅の下にて」。謎解きもとても鮮やかですが、ラストシーンも情景がまざまざと目に浮かぶようでとても好きでした。読了日:04月14日 著者:横溝 正史
名探偵に薔薇を (創元推理文庫)名探偵に薔薇を (創元推理文庫)感想何度も最初数ページで挫折しているこの本、皆さんが絶賛するラストまでなんとかたどり着きたいと、今回は意地で読み進めました。二部にして視点を変えて人となりや人間模様を描き出す、よく考えられた構成だと思います。ラストに向かって二転三転、確かに一気に読み進められました。すべてがここへ収束するためにあったのだとわかっても、私にはラストは重すぎました。感情を物語にがっつり持っていかれてしまったという意味では傑作なのかもしれませんが、これは元気な時に読むべきでした。読む時期を誤ったようで十分楽しめなくて残念です。読了日:04月12日 著者:城平 京
翼がなくても翼がなくても感想犬養、御子柴両氏が登場しますが、この本では彼らは完全なゲストです。将来を嘱望されていたスプリンターが幼馴染による事故で左足を切断することに。彼女の絶望や周りの反応、そして変化。障碍者がアスリートとして世界を狙うということの現状。殺人事件とお金の出どころというミステリを絡めて(といってもこちらもおまけ程度ですが)ぐいぐいと最後まで読まされてしまいました。最後に明かされる登場人物たちの気持ちは胸が抉られます。私たちはもっともっと障碍者スポーツについて、知らなくてはいけませんね。読了日:04月09日 著者:中山 七里
どんどん橋、落ちた〈新装改訂版〉 (講談社文庫)どんどん橋、落ちた〈新装改訂版〉 (講談社文庫)感想犯人当ての短編5編。そんなのわかるかよ、って思ってしまう解答なのですが、読み直してみると実に綺麗に伏線が張ってあって、ちゃんとフェアで驚きます。伊園家のブラックさには、ちょっと引きましたがこれも良かったです。井坂先生とどうやって知り合ったかはとても気になるところです。でもやっぱりすべてを持って行ってしまったのは「悩める自由業者・リンタロー」と毎回登場する「タケマル」。彼らとの関係を想像して、なんだか暖かい気持ちになりました。「人間じゃない」にシリーズ番外編のような一編があるそうなのでとても楽しみです。読了日:04月08日 著者:綾辻 行人
人影花 (中公文庫)人影花 (中公文庫)感想9つの見事な短編です。普通の日常の情景が、ふとした瞬間から酷く不穏な怖いものに変わります。「疵」「人影花」がとても好み。今邑さんのショートショートは初めて読みましたが、これだけ短くてもやっぱり今邑作品らしいですね。ラストの3つはもはや完全なホラーです。「返してください」はある意味一番怖い…。怖くてもどの話もとても読みやすく、いつまでも印象に残りそうです。とても良かったです。読了日:04月07日 著者:今邑 彩
薔薇忌 (実業之日本社文庫)薔薇忌 (実業之日本社文庫)感想舞台にまつわる幻想短編集。全編通じて感じるのは、ぞわぞわと這い上がる恐怖といじらしいほどの美しさ。ラストに幻想小説ならではの強烈な結末が待っていたりするのも魂を揺さぶられます。一話ごとにどっぷりつかって、一編読み終わるごとに読み返したりして、読了まで何日もかけてしまいました。好みは「紅地獄」。紅の剥げがあんなにエロチックとは!「化粧坂」「化鳥」も後を引きます。自分が自分でないものになる舞台の世界は別の世界と重なっていてもおかしくないのかもしれません。皆川さんの耽美な世界を堪能しました。読了日:04月04日 著者:皆川 博子
犬にきいてみろ (「花咲舞が黙ってない」シリーズ) (Kindle Single)犬にきいてみろ (「花咲舞が黙ってない」シリーズ) (Kindle Single)感想Kindle Singles。「花咲舞が黙ってない」シリーズからページ数に換算すれば34ページ程度の短編です。お見合い相手である町工場の二代目社長から相談を持ち掛けられ、臨店班という職務を生かして問題解決の糸口を探します。さらさらっと読めてしまう短さでもシリーズらしさはそのまま、勧善懲悪で読みやすく良かったです。読了日:04月02日 著者:池井戸 潤
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