5月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:4628
ナイス数:1975


君にさよならを言わない 2 (宝島社文庫)君にさよならを言わない 2 (宝島社文庫)感想
霊と交流できる主人公のお話の続編。一話目は動けない母親の地縛霊が自分の子供の成長した姿を見てきてくれという、心臓が痛くなるようなストーリーでした。ハッピーエンドが約束されている(と他の作品の傾向から勝手に信じている)から読めますが、やはり霊が関わるのですから切ない話ばかりでした。とはいえ、純粋に楽しむには自分は年を取ってしまった気がします。たまにはこんな本もいいですが。カバーは彼女とのラストシーンですね。カスヤナガト氏のカバーはいつも優しくてとても素敵です。
読了日:05月29日 著者:七月 隆文
貴族探偵 (集英社文庫)貴族探偵 (集英社文庫)感想
長く積んでしまい、先に何話かドラマを見てしまいました。読んでみるとこちらを先に読んでいたらビジュアルは絶対相葉くんにはならなかったですね。使用人に情報収集も推理も関係者一同への説明すらさせ、自分は貴族探偵と名乗る。設定に好き嫌いはありそうですが短編でもトリックはしっかりしていて私は十分楽しみました。使用人の方のファンになりそう。でも実は貴族探偵、全部わかっていて使用人にやらせているんだったりして。「こうもり」は一読の価値ありです。さらさらっと「?」をたくさん抱えたままラストまで行って唖然としました。
読了日:05月28日 著者:麻耶 雄嵩
テロテロ感想
ドイツ上空でハイジャックされた164人を乗せた旅客機。ハイジャック犯は7万人の観客のいるサッカースタジアムに旅客機を墜落させようとする。旅客機を撃墜し164人を殺して、スタジアムの7万人を救った空軍少佐は有罪か無罪か。話は法廷の中だけで進みます。有罪を求める理由も、無罪を主張する理由も、わかるような気がしてやっぱりわからない。いや、割り切れない。日本なら他の方法をとったのではないかなど、国民性の違い、個人の権限、意思。判決がどう下されるかということよりも、他のことを本当にいろいろと考えました。
読了日:05月24日 著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
綾志別町役場妖怪課 暗闇コサックダンス (角川文庫)綾志別町役場妖怪課 暗闇コサックダンス (角川文庫)感想
朧月市役所妖怪課で自治体アシスタントとして働いていた宵原秀也。前作で彼は朧月市での仕事を終えたので、まさかまた彼に会えるとは思っていませんでした。悲しい別れもあったので続きが出たのはとても嬉しいです。あの後いくつかの自治体で普通のアシスタントの仕事をこなし、今度はロシアの妖怪が封じ込められている町、北海道綾志別町の妖怪課へ。妖怪たちがロシア由来ということで前作とは違う雰囲気も楽しめましたが、妖怪よりも人間の醜さのほうが怖いのは同様です。思いがけないラストの展開もあり、続編を楽しみに待ちたいと思います。
読了日:05月21日 著者:青柳 碧人
幻夏 (単行本)幻夏 (単行本)感想
冤罪は昔のことのような気がしていました。科学が進んでも決して過去のものではないのですね。読み進めるにつれ伝わってくる、冤罪に翻弄された一家の運命は本当にやりきれない思いです。前作の3人の、無茶をしながらも連携しながら真相に迫っていく様は秀逸で、セピア色の回想を挟んで、本当に胸が潰れる思いで読み進みました。現実は何があっても弱者は弱者のままでいなければならないのでしょうか。やるせなさがあふれます。カーテンを開け過去に想いを馳せるラストを読み終え、本を閉じたとき、目に入った情景に思わず息を止めました。
読了日:05月21日 著者:太田 愛
屋上の名探偵 (創元推理文庫)屋上の名探偵 (創元推理文庫)感想
蜜柑花子が高校生の時のお話。連作短編の形ですが、納得のいく伏線と結果のある綺麗なロジックだと思います。ただ、個人的好みかもしれませんが、本シリーズの時同様、今回もどのキャラにも全く思い入れできませんでした。学生時代の彼女はもう少し違うかなと思いましたが、やはり主人公も彼女も全く好きになれず残念です。同じことを何度も書いている気がしますが、もっとキャラが魅力的なら楽しめると思うのでぜひ別シリーズをお願いしたいです。
読了日:05月17日 著者:市川 哲也
待っていた女・渇き (ハルキ文庫)待っていた女・渇き (ハルキ文庫)感想
読友さんオススメの一冊。凄い勢いで一気にラストまで読まされてしまいました。主人公は職業探偵にもかかわらず特別要領がよかったり力が強かったりするわけでもなく、信念を貫きながら一人娘のことを第一に考えるというハードボイルドらしからぬ普通の人間らしさが、逆にとても魅力的です。沢山の登場人物も綺麗に描き分けられ、戸惑うこともありませんでした。色々なことが一つに繋がり、迎えるラストは息を止めました。こんな「渇き」は認めません。大切なものを守るためなら人間は本当に強いです。ほっとできるラストで本当に良かったです。
読了日:05月14日 著者:東 直己
君にさよならを言わない (宝島社文庫)君にさよならを言わない (宝島社文庫)感想
あるきっかけで突然霊が視えるようになった主人公が、彼らの残した想いを叶えたり届けたりしていく連作でした。とても優しいお話です。最初に見えた霊が幼馴染だったということが、彼が他の霊たちと関わっていくことに不自然でない形を与えていて、読みやすかったです。個人的な想いではありますが、やっぱり死ネタは読んでいて辛いです。続編があるようですので、今度は彼は身近にいる生きている女の子と、素直にチョコレートの話ができるくらいには関係を変えていってほしいなと思います。
読了日:05月11日 著者:七月 隆文
スイーツレシピで謎解きを 推理が言えない少女と保健室の眠り姫 (集英社文庫)スイーツレシピで謎解きを 推理が言えない少女と保健室の眠り姫 (集英社文庫)感想
スイーツのレシピを通じて身の回りの謎を解いていく連作短編の形ですが、吃音症のため人と関わることに恐れを感じる主人公が、スイーツ男子や保健室登校の少女と触れ合うことで少しずつ変わっていく、ミステリとしてだけでなく青春ものとしてもなかなか読み応えのあるものになっていました。美味しそうなスイーツがたくさん登場しますが、スイーツ作りというのは化学だと滾々と諭されたような気もしています。私が彼らと同じくらいの頃、同じマドレーヌを焼いたのにどうしてこんなに見かけが違うんだろう、と思った答えが今頃わかって苦笑しました。
読了日:05月11日 著者:友井 羊
新装版 推定無罪 (下) (文春文庫)新装版 推定無罪 (下) (文春文庫)感想
有罪であると証明されない限り被告人は無罪であるという「推定無罪」は、今回判事が何度も何度も念を押して陪審員たちに語りかけることですが、裁判自体も日本とは少し違う印象を受けます。迫真の裁判シーンの描写は素晴らしく、細部はほとんど覚えていなかったこともあり、再読でも息を止めるようにして一気にラストまで読み切りました。法廷ものとして抜群なのはもちろんですが、ミステリとしても裁判が終わった後のストーリーに圧倒されます。映像のように覚えていたシーンも物語の中ではとても深みのあるものでした。堪能しました。
読了日:05月10日 著者:スコット トゥロー
新装版 推定無罪 (上) (文春文庫)新装版 推定無罪 (上) (文春文庫)感想
もう何年前かわからないほど前に読んでからの再読ですが、ラストの衝撃とそれを手に取った後の彼の所作は目に浮かぶように覚えています。今回、きっちりとその件が伏線として目の前に並んでいるのに驚かされました。苦手なカタカナ名前で大勢の登場人物を区別するのが大変かと思いましたが見事に生き生きと描き分けられていて、意外にも読みやすかったです。正直、首席検事補という立場にありながら、しかも愛する妻子があって、同僚の女性に本気で恋をした主人公って…自業自得でしょ、って思ったりしています。さて、いよいよ開廷です。
読了日:05月08日 著者:スコット トゥロー
死神の精度 (文春文庫)死神の精度 (文春文庫)感想
八日後に不自然な死を迎える人の元で、その死を執行されていいのかどうかを判断する死神。連作短編で同じ死神「千葉」視点で物語が進みます。人間に擬態していますが、生理的に全く違うし考え方も違うのに、どこか人間臭い彼がなぜか愛しい。想像の余地を残すラストや全く違う話なのに少しずつ繋がった作りなど伊坂さんらしさも光り、後味がいいばかりではないのにとても楽しんで読むことができました。人のやることは大概無駄なものだと思っている、などなかなか胸を突くセリフをいくつも残した千葉さん。でもそれが生きるってことなのですよね。

読了日:05月06日 著者:伊坂 幸太郎
10の奇妙な話10の奇妙な話感想
内容紹介にある「日常と異常の境界線」という言葉。まさしくその境界線を感じずにはいられない10の短編です。最初の「ピアース姉妹」はその境界を越えてしまうきっかけがとても分かりやすくホラーともとれるラストがとても悲しいものでした。違う意味の境界線を一気に超えた「地下を行く舟」も印象深いです。「宇宙人にさらわれた」や「川を渡る」「ボタン泥棒」のようなふわっと優しさを感じるラストもいいですが、最初から最後まで美しく印象深かったのは「蝶の修理屋」。テイストの違う物語をじっくりと堪能しました。
読了日:05月05日 著者:ミック・ジャクソン
殺し屋、やってます。殺し屋、やってます。感想
経営コンサルタントでありながら、実は殺し屋でもある主人公。依頼は顔を見たこともない歯科医が受け、連絡係を通じて依頼が届くという、依頼人と殺し屋がお互いの情報を持たないよくできた仕組みです。殺し屋はターゲットを観察するうちに相手が異常な行動をするのに気づきます。その行動理由を想像するだけの話なのですが、これが非常によくできていて感心します。殺人が発生しますがとにかく軽くて、日常の謎の延長のようなものかもしれません。殺し屋視点でないものが混じっていたり自分がターゲットにされたり、連作でとても楽しめました。
読了日:05月03日 著者:石持 浅海
校閲ガール トルネード校閲ガール トルネード感想
例えやりたい仕事が自分を受け入れてくれなくても、移動願を出し続け、現在の仕事もそして恋も精一杯。そんな彼女ですが、今回はファッション誌を実際に経験し、是永との仲も進展し…考える時期に来たようです。そして最終的に彼女が出した結論は、自分をしっかり理解し、すごく前向きなものでとても良かったです。賛否あるようですが、私は彼との結論もあれが一番良かったと思うのです。シリーズはここでおしまいのようですが、スピンオフででも校閲部の数年後などを教えて貰えたらいいなと思います。
読了日:05月02日 著者:宮木 あや子

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